2025年11月13日木曜日

「アメリカ第一」は「アメリカ単独」にあらず:ヘグセス長官がインド太平洋への米国のコミットメントを再確認(USNI News)

 


2025年11月3日、ピート・ヘグセス国防長官と韓国のキム・ソンホ国防部長官が、韓国・板門店の非武装地帯にある共同警備区域を訪問した。国防総省写真

ート・ヘグセス米国防長官は先週、インド太平洋地域を訪問し、トランプ政権の「アメリカ第一主義」政策は、ワシントンがこの地域での存在感を弱めることを意味しないことを地域同盟国に保証した。

「我々は『アメリカ第一』を実行しているが、『アメリカ第一』は『アメリカ単独』を意味するものではない。それは同盟国やパートナー国とともに、安定、安全、航行の自由、そして究極的には平和を維持できることを意味する」と、ヘグセス国防長官は11月1日、マレーシアのクアラルンプールで開催された米国・東南アジア諸国連合(ASEAN)会議の傍らで述べた。

非公式会合の中で、ヘグセス長官は同盟国の国防相に対し、中国の主権に対する脅威を警告し、インド太平洋地域の安全と安定を維持するという米国のコミットメントを再確認した。ヘグセスはまた、フィリピン軍と中国海軍および沿岸警備隊が頻繁に衝突している南シナ海を含め、米国と ASEAN が協力して海洋領域で共通認識の構築を提唱した。

ヘグセス長官は近隣諸国の国防相に対し、「中国の挑発的な行動は、各国に対する敬意の欠如を示したもので、領土主権を脅かしている」と述べた。

またヘグセスは、米国は中国と対話を行い、中国の行動を注視していると述べた。「我々は平和を求める。紛争を求めるわけではないが、中国が各国やその他の国々を支配しようとしていないことを確認しなければならない」と ヘグセスは、ASEANに集まった国防相の面々に述べた。

11月4日に終了したヘグセスの歴訪では、日本、マレーシア、ベトナム、韓国を訪問し、国防相フォーラムは、その他インド太平洋諸国の指導者たちと会う機会を提供した。

このフォーラムはヘグセスと中国の董俊国防相との初めての対面会談を促進した。

ヘグセスは最初の訪問国である日本で、ドナルド・トランプ大統領に続き、日米同盟と、台湾には自衛の権利があるという米国の立場を再確認した。また、日本の小泉進次郎防衛大臣との共同記者会見で、中国がこの地域にもたらす脅威について警告した。

10月31日のヘグセスと董の会議の後、ヘグセスは両者が意見の相違を認めることで合意したと述べたが、この会議を「建設的」と評した。会議の概要を発表した中国国防部は、董が台湾に関する米国の言動に慎重さを求めるよう呼びかけたと述べた。

その後、11月2日、ヘグセスは、マレーシアで董と再び会談し、発生した問題について、両国が軍間の対話チャネルを設立し、紛争の回避と事態の沈静化を図ることで合意したと発表した。同氏は、こうしたチャネルの設立に関する会談は今後も続くと述べた。

2023年11月、バイデン政権は、2022年に中国によって中断されていた防衛・軍事接触を再開することで中国と合意に達した。2024年には、い接触が数回あった。中国は、トランプ政権下において、軍事的なコミュニケーションを公に中断したことを宣言していない。

インド太平洋軍(INDOPACOM)は、中国軍機による危険な行動の減少について協議するため、4月3日に開催された今年1回の会合を公表している。日本は2023年に中国と防衛省間のホットラインを設置したが、日本の朝日新聞8月に、中国の使用規定によりこのホットラインは使用されていないと報じた。

2025年11月2日、ベトナムのハノイで、ピート・ヘグセス国防長官がベトナムのト・ラム書記長と会談。国防総省写真

ヘグセス長官はマレーシアからベトナムを訪問し、両国の国交樹立30周年を記念した。米国大使館の発表によれば、国防長官はベトナムのト・ラム書記長、ルオン・クオン大統領、ファン・ヴァン・ジャン国防相とそれぞれ会談した。

ジャン国防相との会談で、ヘグセス長官は防衛貿易や情報共有など防衛協力の深化について協議し、戦争の遺産問題に関する新たな覚書に署名した。米国は、ベトナムの軍事装備でのロシア依存をやめさせるよう働きかけている。

ヘグセス国防長官のインド太平洋訪問の最終目的地は韓国で、11月3日に韓国の安圭伯国防長官と非武装地帯(DMZ)を訪問した。両国防長官は11月4日に年次安全保障協議会議を開催した。安全保障協議会議後の共同記者会見で、ヘグセスは、10月1日に韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領が発表した、国防費を8.2%増の471億ドルに増額する意向を歓迎した。

ヘグセスは、在韓米軍は主に北朝鮮の脅威を阻止することを目的としているが、地域の脅威にも目を向けていることを強調した。

「地域的な不測の事態への柔軟な対応は、我々が検討すべき事項であることに疑いの余地はないが、我々は、この地における同盟国を支援し、北朝鮮の脅威が大韓民国に対する脅威とならないことを確保することに注力しており、これまでと同様に核抑止力を拡大し続ける」。

また、韓国が米軍艦艇の保守に協力していることも強調した。韓国・慶尚南道にあるハンファ・オーシャンの巨済造船所は、3月に米海軍のルイス・アンド・クラーク級乾貨物船「Wally Schirra (T-AKE-8)」の初の大型保守・修理・オーバーホール(MRO)サービスを完了した。米海軍の戦闘兵站部隊に配属されたウォリー・シラーは、韓国での整備により、戦域での補給任務を継続した。

「戦域で軍艦の整備を行うことは、あらゆる危機に対応できる、我々の最も強力な戦力を維持することにもつながる」とヘグセスは述べた。■

ジルハン・マハジル

ジルハン・マハジルは、マレーシアのクアラルンプールを拠点とするフリーランスの防衛ジャーナリスト兼アナリストである。1998 年以降、彼が執筆した、また現在執筆している出版物には、Defence Review Asia、Jane’s Defence Weekly、Navy International、International Defence Review、Asian Defence Journal、Defence Helicopter、Asian Military Review、Asia-Pacific Defence Reporter などがある。


‘America First’ Does Not Mean ‘America Alone’: Hegseth Reaffirms U.S. Commitment to Indo-Pacific

Dzirhan Mahadzir

November 10, 2025 2:44 PM

https://news.usni.org/2025/11/10/america-first-does-not-mean-america-alone-hegseth-reaffirms-u-s-commitment-to-indo-pacific


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