2009年7月19日日曜日

ミサイル防衛 MQ-9リーパーを活用する



Reaper Eyed As Missile Defense Sensor

aviationweek.com 7 月15日


ペンタゴンは無人航空機(UAV)で弾道ミサイルの飛翔初期段階を追跡し、ミサイル防衛庁(MDA)の防衛システムに組み入れることを二年以内に実現させるとMDA長官パトリック・オライリー陸軍中将が発表。すでにMDAはジェネラルアトミックスMQ-9リーパー無人機にレイセオンMTS-B電子光学赤外線センサーを搭載して、ミサイル防衛対象の目標少なくとも一基を「監視する」試行を4月に完了した(同長官)。その際のデータにより搭載センサーでのミサイル追跡は飛翔初期段階では有効と判断された。

2010年度予算要求が議会内で審議される中、MDAは既存の地域防衛の実証テストと信頼性向上のため資金投入を増やしている。地域防衛にはイージス海上配備システムおよび陸上配備で高機動のTHAADがあり、中間段階での迎撃構想は中止となる。MDA長官はUAVを使って軌道追跡をすることで初期段階でのミサイル迎撃が成功する可能性が高まるという。

MDAは空軍と共同でリーパー利用案を練り直しているところ。MDAが目指しているのは既存迎撃手段の性能を最高度に実現することで、その中にはイージス艦搭載のSM-3ブロックIAおよびまもなくテストが開始されるSM-3ブロックIB(動力学的交戦用)がある。一方で、リーパーには全日空域に滞空して特定の地点を監視することが可能なので初期段階の軌道追跡には魅力的な手段となる。「何百キロのかなたでミサイルの発射状況を見る能力が生まれ、追跡し、そのデータを迎撃手段に送ることが可能になります」(オライリー長官) 

プレデターおよびリーパーUAVからのデータは広域監視能力の要求水準から見るとストローのようにか細いと批判を受けているが、ミサイル監視では正しい情報で発射地点が判明している限りでは有効な手段となる。オライリー長官は弾道ミサイルの初期段階データを取得する手段の一つとしてリーパーを位置づけているという。

2009年7月18日土曜日

F-22増産を認めた下院 その他国防関連予算案速報

House Appropriators Add Money For F-22s

aviationweek.com 7月17日


下院国防歳出委員会は大統領拒否権の恐れに屈せずF-22増産分として369百万ドルを2010年度国防支出法案に16日追加した。この措置は下院軍事委員会予算案に呼応したものでまず12機の生産追加相当分。これに対し国防総省とホワイトハウスはラプターは187機で十分と主張しており、オバマ大統領はF-22増産につながる法案にはいずれも「拒否権を行使する」と警告してきた。下院歳出委員会軍事小委員会委員長ジョン・マーサ下院議員(民主 ペンシルバニア州)は記者団に対し大統領はF-22増産を認める法案あるいは支出そのものに拒否権を使う必要なし、と語った。「その可能性はないだろう。これは実現する。大統領と共同作業する】(マーサ委員長)
【F-35関連】 国防小委員会はあわせて560百万ドルをF-35共用打撃戦闘機の代替エンジン開発に支出することを認めることでもホワイトハウスの神経を逆なでした。
【VH-71ヘリ復活を求める】同小委員会はさらにホワイトハウスからの要求額に400百万ドルを上乗せして大統領専用ヘリVH-71を少なくとも5機運用できるように求めている。同ヘリ開発は取り消しとなっている。「この措置で5から7機が運用できるようになると考える。せっかく開発した同ヘリをここで中止したら何も残らない。」(マーサ委員長)
だが、マーサ議員も同時に今回の予算措置では同ヘリの機数が十分でないことを認めている。ゲイツ国防長官は予定を7年送れて、当初予算の130億ドルを70億ドルほど超過しているVH-71開発の取りやめを決めていた。
【KC-X】そのほか同小委員会は440百万ドルを空軍次期空中給油機用に計上した。マーサ議員はボーイングとノースロップ・グラマン-EADSから同時並行調達を求めているが、今回の法案では決定を国防総省にゆだねており、月産一機以上の生産の実現を同省に「努力目標とする」要求をしている。
【DARPAに厳しい】今回の法案では30億ドルを国防高等研究プロジェクト庁に計上している。これはDARPAの概算要求より2億ドル少なくなっているが、「恒常的に同庁の予算執行が予算未達になっている」ためだという。

2009年7月16日木曜日

F-22生産継続をめぐり結論を先送りにした米上院


Senators Shelve F-22 Procurement Debate aviationweek.com 7月15日

上院はF-22の購入機数を187機で打ち止めとする修正法案の採択を暫定的に延期することにした。上院軍事委員会委員長カール・レヴィン議員(民主 ミシガン州)が本日午前、本人提出の2010年度国防予算案修正案を撤回したため。同修正案ではラプター7機以上の追加導入を取りやめる内容になっていた。レヴィン上院議員は今回の一時的な撤回は上院内で採択の時期が未定なほか、この問題が無関係かつ物議をかもす動議を追加させる可能性があるためと説明。

【修正法案の内容】 レヴィン-マケイン修正案は7月13日に提案され、総額6,800億ドルの国防予算の上院での討議開始に合わせるものだった。その中にラプター7機追加購入に伴い発生する関係者訓練、運航、メンテナンス費用として12.5億ドルを削減する内容が盛り込まれているラプター追加購入の総額は17.5億ドルでこのうち5億ドルは国防総省全体の節約分で計上する予定。

【可決すれば拒否権行使】 一方、ホワイトハウスは声明を発表し、ラプター生産継続への拒否権行使の可能性をいっそう強く予告している。行政予算管理局が「最終法案が大統領に提示され、その中に上院軍事委員会修正内容が入っていれば、大統領は同法案を拒否する」と説明。これは同局が通常使う表現「大統領の上級顧問は拒否を進言するだろう」よりも圧倒的に強い表現だ。

【187機の根拠は】 大統領、国防長官、統合参謀本部議長ならびに空軍の最高位にある将官・文民のすべてが上院に書簡を送り、ラプターを予定通り187機で生産終了とするよう求めている。反面、ラプター生産維持を求めるのは空軍協会、サクスビー・チャンブリス上院議員(共和 ジョージア州)で反論を繰り広げている。本日の空軍協会機関誌ではペンタゴンの報道官トップであるジョフ・モレルへの取材で合計187機調達を正当化する調査結果は以前のブリーフィング資料を再利用したもので、二つの既存資料をまぜあわせたものだという。

統合参謀本部副議長ジェームズ・カートライト大将は下院に対して統合参謀本部と空軍とともに187機を提言したが、空軍は以前は243機が最小限必要と発言していたと発言している。同大将からのレヴィン議員に検討内容を公開するとの確約があったが、空軍協会によるとまだ議会に提出されていないという。さらに2007年に要求のあった戦術航空機整備計画で具体的にF-22の必要機数をどうやって決定したのかを説明する資料も未着のままだ。

コメント:果たして日本はF-22を手に入れることができるのか。ワシントンの動向にしばらく敏感になる必要がありますね。その前にF-22の機密を守れるのか、一度失っている日本の信用をどうやってアメリカに回復するのか、F-22を使って何をするのかという戦略作りとともにいろいろ考えるべきこともあります。当面、当ブログではこの話題を追いかけてみたいと思います。

2009年7月15日水曜日

F-22生産終了をめぐり政界で意見対立


Obama Joins Sens. On F-22 Acquisition Halt

aviationweek. com 7月14日

【大統領に同調する】 上院軍事委員会(SASC)の主要メンバーはホワイトハウスによる拒否権の恐れも考慮し、同僚議員にF-22の生産継続審議に反対票を入れるよう働きかけている。SASC委員長カール・レヴィン議員(民主 ミシガン州)と共和党重鎮のジョン・マケイン上院議員(アリゾナ州)が7月13日上院本会場において2010年度国防予算案の改正でラプター7機購入を取り消す案の通過をめざす意気込みを表明した。両議員は先月に委員会内で13対11の僅差でラプター追加生産案の通過をさせてしまっている。両議員が受け取ったオバマ大統領の書簡から大統領がF-22生産継続を求めるのであれば「いかなる法案も拒否する」としている点を引用している。

オバマ大統領の書簡では「これらの機体は不要」としている。本会議場での発言で、レヴィン・マケイン両議員はブッシュ前大統領、国防長官二名、統合参謀本部議長合計3名、現在の空軍長官と参謀総長の全員がF-22組立ラインの閉鎖を支持していると主張。法律上はF-22の海外輸出は先端性能を持つレーダーその他機材を理由として禁止しているが、日本とイスラエルが同機の取得に意欲を見せている。マケイン、レヴィン両議員は米国の装備上最も高性能の同機はイラク、アフガニスタンには一度も投入されていないことに注意を喚起した。これはゲイツ国防長官と同じ主張だ。

【生産継続推進派の勢力は強固】 しかし、ラプターの追加購入を支持する動きはサクスビー・チャンブリス上院議員(共和 ジョージア州)を中心に手ごわい勢力となっており、F-22生産でロッキードが全米40州の合計1,000社に生産を発注していることが大きい。F-22の最終生産はチャンブリス議員の出身州で行われている。

「今の段階では改正法案の通過に必要な票が足りません」とマケインは認める。ラプター増産を求める動きの強さを同議員も認めるものの、非常に高価な同機の生産続行を判断する基準は「雇用に求めるべきではない」という。レヴィン議員は改正案票決を7月14日と見ている。

【下院での動き】 下院では2010年度予算案に合計369百万ドルを追加してラプター12機の取得を始める内容を追加している。下院国防歳出小委員会は来年度予算案の票決を7月16日に予定している。小委員会の委員長ジョン・マーサ下院議員(民主 ペンシルバニア州)はF-22の生産ラインを当面は継続維持するのが望ましいと発言している。上院の国防支出法案はまだ上院歳出委員会内で検討されている。

2009年7月11日土曜日

日本にF-22が必要な理由


Japan Outclassed, ......

aviationweek.com

Posted by David A. Fulghum at 7/9/2009 3:00 PM CDT

日本のF-15J部隊はかつては最新鋭だったが、Su-30MKKのような「中国の新世代機に追い越されている」と前統合参謀本部議長リチャード・マイヤース空軍大将(退役)は本誌に発言している。さらに中国の防空網にはロシア製長距離SA-10、SA-20対空ミサイルが配備されており、これを突破できるのは高速、高高度飛行が出来るステルス機ラプターだけだ。

防衛省はこの問題を十分研究しており、同機の販売が米議会で承認された場合に備え、少なくとも省内ではF-22導入の「十分説得力のある戦術的根拠」を完成させている。マイヤースの見方ではラプターの高度技術を「信じられないほど忠実な同盟国」日本に渡すことに米空軍内に抵抗があるとしても孤立して障壁にはならない。

この議論が切実なものとなっているのは日本の永く延びる島嶼領土で緊張が高まっているため。最も近いところでは中国からわずか125から150マイルしかない。この距離となるとF-15レーダーの有効範囲56マイルでは不十分だが、ラプターの高性能レーダーなら対応可能だ。中国の新世代機にはJ-10があり、レーダーで探知しにくい巡航ミサイルを発射できる。また、仮に島嶼のいずれかが占領された場合には日本にも精密爆撃能力が必要だ。

ラプターが実現する制空権があって米軍の活動が成功することはあきらかだ。また、海外の空軍部隊なかんずく日本へのF-22販売を承認することで好機が訪れる、特に日本は同機に米空軍向け一機あたり価格(142百万ドル)の二倍(290百万ドル)を払ってもよいとしているのだから。おなじくイスラエル空軍関係者もF-22なら一飛行隊分だけでも、どんなに高価で小規模部隊だけに維持管理が大変であっても抑止効果を考えれば費用を出すのは惜しくないと言っている。

2009年7月10日金曜日

北朝鮮によるサイバー攻撃

Cyber Attacks Increasing, Effects Minor

aviationweek.com 7月9日


ワシントンの合衆国政府機関少なくとも三つの省庁のウェブサイトを利用できなくしたサイバー攻撃は北朝鮮によるものと見られる。技術的には今回の攻撃は軽微の影響にとどまるものの、今後の政策立案、経済運営また軍事訓練上に大きな影響を与えそう。

「詳細については触れませんが、今回のサイバー攻撃が個人によるものなのか国家的な策謀なのか重大な懸念をもっております。これまでサイバー防衛に多大の投資をしてきました。今回の事件で軍上層部に共通の課題となりました。」(マイク・マレン統合参謀本部議長)

「この分野の専門技術者を増やす必要があります。2010年度予算では将来に向けて総合的な対策を講じます。そこには非正規戦闘向けの投資に加え、サイバー世界向けもあります。今後はこれに多大の関心を向ける必要があると考えます。」(マレン議長)

今回のサイバー攻撃は韓国と米国政府それぞれのウェブサイトが攻撃の対象となった。サイバー攻撃は一般市民にはまだよく知られていない。今回の攻撃対象サイトが消えたことで、異常に気づいた者はごく少数。サイバー戦の戦略価値は少なく実際の損害の可能性も低いことを意味する。

ただ今回の結果からサイバーテロは脅威ではないので無視していいというわけではない。ウェブサイト、データを保全し、ネットワークを脅威から守ることが重要だが、このためには各サイト、ネットワークの所有者、運営者による整然として継続的な努力が求められる。今回の北朝鮮による攻撃の対象に国防総省は入っていなかったが、「本省はサイバー世界を常に精査しております。警戒態勢を高め、異常事態には適正に反応していきます」(マレン議長)

7月4日独立記念日の週末からシークレットサービス、連邦公正取引委員会、財務省、運輸省のサイトが断続的にダウンし、今週に入ってもサービスが停止している。今回の攻撃の直接の効果は大きいとは見られないが、三日間たっても停止状態が継続しているのはサイバー戦では異例に長いとしていいだろう。

2009年7月9日木曜日

ラクイラサミット関連? イタリアの国防新支出計画あれこれ




Italian Parliament Approving Procurements

aviationweek.com 7月8日


イタリア議会は懸案の防衛装備取得および開発の各案件を承認した。
【軍用ミサイル調達】 AGM-88E発達型対放射線誘導ミサイルとラファエル製スパイク-ER対装甲兵器の取得が認められた。両方にMBDA(ヨーロッパのミサイルメーカー)が関与する。イタリア軍は両方で合計1,000基を購入予定。財政事情のため、アメリカ製AGM-88E購入は今年度より開始し、2020年までを予定しているが、総額は195百万ドル程度と小さなもの。AGM-88Eは空軍の第50飛行隊で運用中のトーネード電子戦闘偵察機型に装備する予定。

【電子装備】 ラファエルとは別に契約の対象となるイスラエルの企業が電子メーカーのエルビットだ。2009年から12年にかけてエルビットとイタリアのエレットロニカの共同開発でELT/572 誘導赤外線妨害装置の開発予算65百万ユーロが承認された。同システムはイタリア軍のエアバスA319CJ VIP専用機ならびにKC-767A空中給油機に装備される予定。

【グローバルホーク配備】 議会はイタリアのNATOによる連合地上監視(AGS)への参加を承認する見込み。承認されれば、シシリア島のシニョレラ基地がAGSの主力となるノースロップ・グラマンRQ-4Bグローバルホーク無人機の集中配備先となる。イタリアの負担額は総額の12%、177百万ユーロとなる。

【画像衛星】 同様に予算がついたのがヨーロッパ多国籍宇宙配備画像システム(Musis)だ。イタリアの分担額は605百万ユーロで、このうち、228百万ユーロが国防省予算で残りはイタリア宇宙局(ASI)予算に計上された。イタリアのハードウェア担当は第二世代コスモ-スカイメド衛星2基の打ち上げで、2014年に打ち上げ予定。ASIが前面に出ているが、Musisの要求内容の原案は国防省によるもの。コスモ-スカイメドの最新版はタレス・アレニア・スペースが開発中で、ベルギー、フランス、ドイツ、ギリシャとスペインがその他のMusisパートナーである。

【イタリアの通信衛星シラクル】 その他として地上管制局合計三箇所をシクラル衛星通信ネットワークの支援用に建設する予算が承認された。テレスパツィオが各局を建設し、シクラルの主管制センター(ローマ郊外のヴィニャ・ディ・ヴァレ)を補完する機能も与えられる。この建設費用は15百万ユーロで2011年に完成予定。

コメント: ちょっとなじみのない語句が続きますが、普段アメリカばかりに目を向けている間にイタリアも得意分野の衛星利用システムでかなりがんばっているようです。勉強になります。(写真は上からMusis コスモ-スカイメド AGM-88E です) 

2009年7月7日火曜日

北朝鮮のミサイル発射の余波は



やはり7月4日に北朝鮮は実行に移しました。唯一の救いは大型のミサイルは発射しなかったことですが、同国は10日までを警告期間としています。

Japan Considering THAAD Missile Defense

aviationweek.com 7月6日

日本が「高高度広域防衛システム」(THAAD)を第三番目のミサイル防衛手段として導入する検討をしているとの公式のリークが7月4日の北朝鮮によるR-17ロケットとノドンロケットの発射に反応したものであるのは明らか。この記事を掲載した毎日新聞はTHAAD配備を3から4群あれば日本の弾道弾防衛には十分と報道している。

ロッキード・マーティン製のTHAADの有効距離は秘密事項であるが、毎日新聞の取材源は「100キロメーター以上」と発言している。これに対し、同じくロッキード・マーティン製のPAC-3は約20Kmでこれが第二番目の防御手段となる。第一番目に配備されるのがレイセオン製SM-3で「こんごう」型護衛艦4隻にイージス弾道ミサイル防衛システムの一部として装備されている。

【スカッドの改良型か】 7月4日の発射合計7発のうち、3基はスカッドER、2基が別型式のR-17で3基がノドンであった。北朝鮮が今回発射したのはソ連時代のR-17(スカッド)ミサイルの長距離改良型だと韓国からの報道がある。通称スカッドERの射程距離は1,000Kmで日本のほとんどに到達可能と朝鮮日報が報じているが、取材源は政府筋と思われる。これまでスカッドERは750から800Km到達可能と思われていたので相当の改良だ。

【新たな脅威に】スカッドERが1,000キロの射程を有するということはノドン以外に北朝鮮が小型で安価な兵器として日本に脅威を与えるものの出現を意味する。北朝鮮の保有する弾道ミサイルはR-17派生型が大部分であり、同ミサイルの生産と運用に同国がどれだけ手馴れているかがわかる。また韓国国防省によると発射精度も向上している。これまでの発射には失敗も見られたが、「今回は改善が相当進んでいる」と同省は見ている。

この結果、北朝鮮は韓国の特定の目標に相当の損害を与えることが出来ると判明し、通常弾頭でも指揮所・滑走路を破壊できると韓国政府関係者は評価していると東亜日報が伝えている。日本にとっても脅威度が高いのは同じだ。

2009年7月5日日曜日

F-22 ロッキードがステルス性能を隠蔽と 同社元エンジニアが告発


Aviatonweekが独立記念日のお休みで配信が遅れていますので、代わりの記事をご紹介します。

Ex-F-22 engineer to sue Lockheed for stealth design
flightglobal.com 6月30日

F-117とB-2開発に参加したステルス技術者がロッキード・マーティンに対してF-22のステルス被覆に明らかに欠陥があるにもかかわらずその事実を秘匿しているとして訴訟を起こす。
【訴状内容】 ロッキードに1999年に解雇されたダロル・オルセンは連邦地裁カリフォルニア支部に訴訟手続きを求めている。オルセンの要求は解雇前の現状復帰と利子を含む給与相当分の支払い。また、ロッキードに対しては合衆国政府に対し発注済F-22合計183機に各50百万ドルの支払いを求めている。この金額は同社がごまかしたステルス性能に相当するとの主張。オルセンは同社に1979年入社後、スカンクワークスでF-117の複合材料の開発に従事したと訴状にある。1990年にノースロップに転籍しB-2の飛行テスト業務を担当。1995年にロッキードに戻り、F-22のステルス性能実現確保のため同社の材料・加工エンジニアリンググループ(ジョージア州マリエッタ)に参加した。
【F-22ステルス被膜の構造】オルセンの訴状によるとF-22は三層の被膜でレーダー特性を減衰させる設計という。一番下の被膜が機体表面を覆うと同時に第二層との接着を助ける。第二層は銀とポリウレタンを混合した伝導性のある被膜でレーダー波を発信源に跳ね返す効果がある。最上層の特性に熱発生を抑えることがあり、レーダー発見の危険性を下げる効果がある。「これら被膜の効果が低いと同機のその他ステルス効果が無効になる」と訴状が記述している。
【ロッキードの対応】オルセンによるとロッキードは米空軍にステルス被膜効果を誤って伝えたという。オルセンの上司は米空軍との会議で発言しないよう指示した。ロッキードが問題解決の成功を祝って開催した偽りの表彰式にも参加を拒否。また同社は米空軍の検査にも偽装工作を行ったと主張している。オルセンの解雇理由は「業務指示への不服従」となっている。ロッキードからのコメントは出ていない。
【実際に発生している事故】 2008年3月にF-22の一機二十台破損が発生している。同機エンジンナセル内部のステルス被膜の一部が剥離しF119エンジン(プラットアンドホイットニー製)に吸い込まれた。同年11月にジョン・ヤング国防次官(当時 調達・技術開発・装備担当)がF-22のステルス性に懸念ありと報道陣に伝えている。

コメント:どこまでが真実なのか、解雇されたエンジニアが今になって訴訟を起こすのはなぜなのか。公訴が認められれば事実関係を明らかにしなくてはなりませんが、情報公開が公共の利益にかなうのかどうか。看過できない事態に発展する可能性もありますが、これはエイプリルフールではありません。

2009年7月3日金曜日

北朝鮮の次のミサイル発射は間もなく?



N Korean Launches, Next Test Speculation

aviationweek.com 7月2日


北朝鮮が日本海に向けミサイル4発を発射したとの通信社報道をペンタゴンも米国時間7月2日に確認した。同国の行動は「依然として予測不可能」とペンタゴン報道官ブライアン・ホイットマンは発言したが、同日のミサイル発射は「予期していないわけではなかった」とのこと。

北朝鮮は先月に同国東沿岸に7月10日までの危険水域を宣言しており、これで同国が7月4日に再度発射に踏み切るのではという観測が強まった。2006年にも同日に実施しており、その際は中距離ミサイル複数と大陸間弾道弾一基を発射したが、後者は打ち上げ直後に失敗に終わっている。

【ハワイには発射されない】 北朝鮮のミサイルはハワイに向けて発射されるのではないかとの見方があるが、可能性は限りなく低いと見る専門家がデイビッド・ライト(憂慮する科学者同盟の副代表)。4月5日に衛星打ち上げに失敗したことから見て北朝鮮は再度人工衛星打ち上げを同じ打ち上げ機ウンハ(運搬)-2で行うのではとライトは見る。5月には同国は第二回目の核実験を行っており、規模は初回より拡大している。

【ロシアに注目?】 ウンハロケットは弾道ミサイルに改造されれば1トンのペイロードで合衆国本土にも到達する能力があると見られるが、その構成部品はおそらく北朝鮮国内の製品ではないとライトは見る。重要部品は国外おそらくロシアからの供給だろう。もしそうであれば、部品供給を絶たれれば北朝鮮のミサイル能力は著しく減少するだろう。オバマ大統領はモスクワでロシア側と会見に臨み、核軍縮、核拡散防止、欧州安全保障ならびにイラン・北朝鮮を話題とする。

サイバー戦とボーイングの関係


Embracing Cyberwar


AVIATION WEEK & SPACE TEHCNOLOGY/JUNE 22,2009/CYBERWARFARE


ボーイングの「非攻撃的な」デジタル戦闘

ボーイングが最近までに買収した企業は「サイバー関連」が多い。レイブンウィングRaven Wingは極秘機器とソフトウェアのメーカー、ケストレルエンタープライゼズ Kestrel Enterprisesは情報解析ソフトのメーカー、そしてデジタルレシーバーテクノロジーDigital Receiver Technologyがある。同社の製品はRC-135リベットジョイントに搭載されており、大量の無線交信の中から特定の情報を傍受することができる。ボーイングが目指しているのはインターネットの大量の情報の流れの中から、特定の信号や文言を拾い上げる技術で、また電力・燃料・水道といった重要な供給を制御するソフトのSCADAへの侵入・妨害だ。ボーイングは敵のネットワークに侵入する技術が理解できれば我が方の防衛も可能となると考える。実際にボーイングでこれを担当しているのは同社サイバーソリューション部門であり、情報保安システム部の中にある。同部を率いるのがスティーブン・オズワルド副社長兼情報保安システム部長である。

【最近の事例】「当社のサイバーソリューションの大部分は口外できないのです」と退役海軍提督・元宇宙飛行士の同部長は語る。しかし、同部にも関心を集める事例を提示してもらった。その中には昨年に短期間で終結したロシア軍のグルジア侵攻と2007年にシリアの防空網の裏をかきなんら妨害を受けずにウラニウム処理施設を爆撃したイスラエルの事例がある。沈黙の中にもオズワルドにはこの事業が成長していることに自信を持っていると見受けられた。「サイバー戦には終わりはありません。敵は改良を進めます。目標は急速に移動しています。攻撃は巧妙になります。私の仕事はまだ実績のない事例を心配することなのです」

【考えられる応用例】 同社の他部門とのつながりについては回答を得られなかったが、同社の航空機ラインアップを見ると、F-15E、F/A-18-E/F、EA-18Gはすべて長距離AESA(アクティブ電子スキャンアレイ)が搭載されており、このレーダーはソフトウェアの手直しで高出力マイクロ波兵器にもなる。エネルギービームあるいは悪意あるアルゴリズムを入れたデータを敵の防空網あるいは指揮命令系統のネットワークに接続したアンテナに向けると、目標のネットワークは混乱、偽データの混入、重要機密事項の流出、あるいはシステムの乗っ取りの事態に遭遇する。ボーイングは無人機の兵装庫に入るサイズの電子攻撃装置も製作しており、同様の攻撃効果をめざしている。無人機は敵発信源に接近して電子システムへの最大攻撃効果が期待でき、乗員の損害がまったくないためこの想定では好んで利用される。

【ウェポンシステムになるのか】 他にボーイングが関心を示している分野に無線周波数識別タグ、赤外線センサー、SCADAネットワーク、ZigBee無線通信、生体認証およびソフトウェアで制御する無線具術がある。以上のリストを見ると逆にサイバー攻撃の対象が理解できる。そこでボーイングは逆にシステムを防衛する手段を提供するわけだ。これとは別に同社が目をつけている分野に情報共有、ネットワーク上の状況認識、ユーザー間のサイバー統合ソリューションがある。これら全部をまとめると大きなウェポンシステムを構想していることがわかる。ただボーイングはサイバー攻撃に焦点をあてていないと公言。政府機関の権限だからという。また、サイバー兵器の開発の計画もないという。

【商品か有望な製品】ボーイングのサイバーセンターでは今後販売を開始したいという二つのツールの実演があった。保安監視インフラストラクチャアシステム(SMIS)とサイバーレインジ。前者はオープンアーキテクチャアでどのシステムにも適合し攻撃を意味するデジタル異常を発見し、脅威を分析し、攻撃の回避あるいは効果限定につながる解決策を提示する。SMISはすでにボーイング社内で利用中とバーバラ・ファスト(サイバーソリューションズ担当副社長)は語る。ファスト副社長は退役陸軍将官でイラクでは情報部門を統括。サイバーレインジとは迅速に再構成が可能なネットワークで商用販売が期待されている。防衛が必要なネットワークの複製を作り、「悪意ソフト」malwareでシステムを攻撃してみて防衛体制を確認し確実にする。「攻撃される側がシステムの知識をもっていれば、どんなサイバー攻撃でも対応は可能です」(オズワルド)

2009年7月2日木曜日

オスプレーへの疑問



Stop Work

AVIATION WEEK & SPACE TECHNOLOGY/6月29日号/WASHINGTON OUTLOOK

「オスプレーで苦労するのはもう終わりにしよう」と話すのは下院行政監督・改革委員会で委員長を務めるエドルファス・タウンズ議員(民主 ニューヨーク州)。会計検査院(GAO)が同機に批判的な報告書を発表したのを受け、同議員はティルトローター機の生産中止を求めている。ベル・ボーイングV-22はこれまでも苦境に立たされてきたが、GAO報告書が列挙した欠点の多くは海兵隊関係者も認めている内容。ただし、同機がアフガニスタンに投入されようとしている中、極暑あるいは調低温環境での性能や高地での運用での懸念があらためて議論を巻き起こしている。「オスプレーでは同機が出来ないというリストのほうが出来るというリストよりも長いではないですか。本日お聞きした内容であらためて高速長距離飛行のティルトローター機はまだ実用化されていないことがわかりました」(タウンズ議員)海兵隊幹部は同機の稼働率(イラクで62%)では反論していない。しかし、極限環境で性能を発揮できないとの見方には異議を唱えている。