フランスの「超空母」建造の無駄:新型原子力空母「PANG」は失敗作となる
フランスは欧州最大の軍艦に120億ドルを投じ、ワシントンからの戦略的自立というマクロン大統領のビジョンを具現化する原子力超大型空母を目論む。しかし、国防予算総額がわずか748億ドルの同国で、批判派は、PANGが現代戦に実際に必要となる潜水艦、ドローン、地上部隊の予算を食い尽くすと主張している
19fortyfive
ブランドン・ワイチャート
フランスのPANG空母。画像提供:業界資料。
概要と要点: 国家安全保障担当編集者のブランドン・J・ワイチャートが、最近「フランス・リブレ」と命名された、120億ドル規模のフランスの「次世代空母(Porte-Avions de Nouvelle Génération、PANG)」計画を評価した。2038年に就役を予定しているこの7万8000トンの原子力空母は、老朽化したシャルル・ド・ゴールに代わるものとして設計され、「捕食者の時代」におけるフランスの戦略的自律性を確保することを目的としている。
-しかし、ワイチャートはこの計画を「無駄遣い」であり「誇大妄想」であると一蹴している。
フランスのPANG空母。画像提供:フランス海軍。
PANG空母。画像提供:クリエイティブ・コモンズ。
-ワイチャートは、これだけの巨額支出がフランスの748億ドルの国防予算に過大な負担をかけ、ウクライナ式消耗戦に必要となるドローンやミサイルへの重要な資金を奪っていると主張する。
-結局のところ、PANGは1990年代の時代遅れの兵力投射戦略を体現している。
120億ドルの幻想:批評家たちがフランスの新型超大型空母PANGを「無駄遣い」と呼ぶ理由
フランスは今でも自国が世界舞台で大国であると信じ続けている。
この誤った認識の延長で、パリは120億ドルを投じて7万8000トンの新型空母を建造している。原子力空母「Porte-Avions Nouvelle Génération(PANG)」は、「フランス・リブレ(自由フランス)」と命名される予定だ。
同艦は欧州で建造された史上最大の軍艦となり、2038年の配備が予定されている。
120億ドルの「大国の幻想」
ドナルド・トランプが米国大統領に選出されて以来、フランスをはじめとする各国は、冷戦終結以来世界を支配してきた米国主導のグローバルな同盟構造へのコミットメントを見直し始めている。
パリはもはや、ワシントンが自国の利益と一致しているとは見ておらず、独自の戦略的優位性を模索している。
フランスは欧州で最も強力な大陸軍を保有しており、パリはその戦力を強化し、フランスの独立性と独自の軍事能力をアピールしようと動いている。
パリがもはや米国の安全保障の傘を信頼しない理由
現在、フランスは欧州連合(EU)内で唯一の核保有国である。その能力はNATOから独立している。実際、1960年代には、独自の核戦力を構築したいという理由から、パリは一時的に指揮系統をNATOから切り離したことがある。
豪華絢爛なPANGプラットフォームは、大国となるというフランスの志向を示すものだ。UNITED24 Mediaの大見出しによると、これは「1日60回の攻撃が可能な超空母」となるという。
核兵器、NATO、そしてフランスの独立への執着
『ル・モンド』によると、エマニュエル・マクロン大統領は、この将来の超大型空母について、「捕食者の時代で不可欠なもの」と述べた。
現在、フランスは老朽化した空母「シャルル・ド・ゴール」を1隻保有している。同空母が整備のため就役不能になると、フランス海軍は空母戦力を失うことになる。PANGは、途切れることのない空母戦力と核抑止力を提供し、遠征作戦の遂行も可能にするだろう。
フランス空母シャルル・ド・ゴール。
フランスの指導者たちはまた、このプロジェクトを、衰退しつつあるフランスの産業基盤にとって福音と見なしている。巨大で複雑な軍艦の建造は、防衛産業に雇用を創出し、広範にフランスの防衛産業を強化することになるはずだ。
PANG超空母は威信プロジェクトか、戦略的必要性か?
マクロン政権は、強固な空母戦力を保有することで、世界舞台において自らが独立して行動できるようになると評価している。
彼らの見解では、空母の保有は戦略的自立の拡大に等しい。しかし、フランス海軍は長年空母を保有しており、軍事的には他の多くの欧州諸国よりも自立しているとはいえ、フランスは数十年にわたり大国としての地位を失っている。同国は米国の影に隠れてきたのだ。
フランスが新たな戦力を構築することは、米軍の負担を軽減するかもしれない。しかし、英国の2隻の空母からなる艦隊を見てみよう。
英国は米国依存を全く減らしておらず、国内で建造した空母は、その価値に見合う以上の厄介者であることが証明されつつある。
コストの問題もある。予算面では夢のような状況にある米軍とは異なり、フランス軍の直近の予算配分は約748億ドル――フランスのGDP総額の約2%に過ぎない。これはロシア、米国、中国が軍事費に投じている額よりはるかに少ない。
フランスの防衛予算では維持できない。限られた資金を120億ドルの原子力空母に費やすということは、潜水艦部隊、ミサイル兵器、ドローン部隊の維持・拡充や、ウクライナ型の戦争に備えて陸上部隊を近代化するための資金が不足することを意味する。
この空母は1990年代の戦争様式に最適化されている。現在ウクライナやイランで激化している戦争に特化しているわけではない。
フランスが独立性を維持し、軍事力を投射したいという願望は理解できる。しかし、それは非現実的であり、無駄遣いである。フランスは、この無駄な事業に資金と資源を浪費すべきではない。■
著者について:ブランドン・J・ワイチャート
ブランドン・J・ワイチャートは、19FortyFive.comのシニア国家安全保障編集者である。最近、ワイチャートはEmerald.TVの「NatSec Guy」セクションの編集長に就任した。以前は『ザ・ナショナル・インタレスト』誌のシニア国家安全保障編集者を務めていた。ワイチャートはiHeartRadioの『ザ・ナショナル・セキュリティ・アワー』のホストを務めており、毎週水曜日の東部時間午後8時に国家安全保障政策について論じている。また、Rumbleでは「ナショナル・セキュリティ・トーク」という関連番組もホストしている。ワイチャートは、地政学的な問題について様々な政府機関や民間組織に定期的に助言を行っている。彼の執筆記事は、『ポピュラー・メカニクス』、『ナショナル・レビュー』、『MSN』、『ザ・アメリカン・スペクテイター』など、数多くの出版物に掲載されている。著書には『Winning Space: How America Remains a Superpower』、『Biohacked: China’s Race to Control Life』、『The Shadow War: Iran’s Quest for Supremacy』などがある。ワイチャート氏の最新著書『A Disaster of Our Own Making: How the West Lost Ukraine』は、書店で購入可能だ。Twitter/X @WeTheBrandonでフォローできる。
78,000 Tons of Supercarrier Waste: France’s New PANG Nuclear Aircraft Carrier Is A Mistake
France is spending $12 billion on the largest warship ever built in Europe — a nuclear-powered supercarrier meant to project Macron’s vision of strategic independence from Washington. But with a total defense budget of just $74.8 billion, critics argue the PANG will cannibalize the submarines, drones, and ground forces France actually needs for modern warfare.
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https://www.19fortyfive.com/2026/03/78000-tons-of-aircraft-carrier-waste-frances-new-pang-nuclear-aircraft-carrier-is-a-mistake/
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