世界的な脅威の中で米国と欧州の同盟国が国防費増額を約束しているが、欧州連合最高司令官は産業界に対し、実際の能力を記録的な速さで現場に提供するよう呼びかけている。
「われわれは産業界に必要なものを正確に伝えることができる。 迅速に提供する責任を産業界に負わせ、取得プロセスを通じて迅速に提供する能力を産業界に与える責任を私たち自身に負わせることが、私たちの仕事だ」と、アレクサス・グリンケウィッチ米空軍大将U.S. Air Force Gen. Alexus Grynkewichは7月17日、ドイツのヴィースバーデンで開催された米陸軍協会(Association of the U.S. Army)主催の第1回ランドユーロ(LandEuro)会議で、就任後初の公式スピーチを行った。
「我々はこれを迅速に実行しなければならない。 私たちには真の能力が必要であり、一刻も早く提供する必要がある。 待っている余裕はありませんし、将来の誓約では十分ではありません。 「そのためには、大西洋両岸の防衛産業基盤が完全に活性化する必要がある」。
グリンケウィッチ大将は、仕事はたくさんあり、どちらか一方に投資すればいいという問題ではないと強調した。「同盟のために能力と能力を提供できるシームレスな産業基盤が必要だ」。
より迅速に行動することは、言うは易く行うは難しである。 どの国も自国の予算承認プロセスと闘い、国境を越えたお役所仕事をこなさなければならない。ピート・ヘグセス米国防長官は今年初め、NATO本部を訪問した際、米国は大規模な対外軍事売却改革を実施すると公約した。
それでも、米軍とNATOは、バルト三国に焦点を当てた明確な計画を始めとする堅実な地域計画を策定している。
米陸軍のヨーロッパ・アフリカ軍司令官は、その前日の会議で、「東側抑止ライン」計画は、地上ベースの能力を強化し、同盟全体の軍産の相互運用性を推進することを目的としていると述べた。
ロシアの脅威に対抗し、スケーラブルでグローバルな抑止力を可能にする計画の一環として、米陸軍とNATO同盟国は、標準化されたデータ駆動型システム、共通の発射装置、クラウドベースの調整を早急に開発している。
計画には、データ共有のシステムも含まれている。NATOはすでにそのシステム、PalantirのMaven Smart Systemを調達している。この人工知能プラットフォームは、膨大な量のデータを取り込んで情報を迅速に分析し、軍司令官の意思決定を支援する。
米陸軍のヨーロッパ・アフリカ担当官も本部でMavenを採用し、作戦指揮と全地域の可視化に使用している。このシステムでパワーポイントによるブリーフィングと交代し、指揮官にリアルタイムで情報を提供している。
グリンケウィッチ大将によれば、NATOの希望リストには、ウクライナの旅団を反映した機能がある。 「ウクライナ旅団と同レベルの能力を持つにはどうすればいいのだろうか?」
さらにグリンケウィッチは、防空にも力を入れたいと言う。 「防空は十分ではない。無人機や弾道ミサイルに対抗するためにもっと防空能力が必要だ」。
また、長距離射撃にも引き続き焦点が当てられるとグリンケウィッチ大将は指摘する。「われわれには、危険な戦力を保持する能力が必要だ」。
前回のサミットでNATO諸国は、2035年までに国内総生産の5%を防衛費に充てることを新たに約束した。「この持続的なコミットメントは、生産ラインの拡張や(研究開発)支出の増加など、やるべきことをやるための強力なシグナルとなるはずだ」。
NATO上層部は現在、戦力が証明済みのレガシー・テクノロジーとともに、新しく登場するテクノロジーを戦場に提供し、相互運用性を高めるために動いている。
「国防長官、陸軍司令官、そしてここにいるすべての指導者が、その責任を果たすよう求めている。無駄にできる時間はない」とグリンケウィッチ大将は語った。■
No time to waste: NATO chief urges rapid industrial mobilization
By Jen Judson
Jul 18, 2025, 09:28 PM
ジェン・ジャドソンについて
ジェン・ジャドソンは、Defense Newsで陸戦を担当する受賞歴のあるジャーナリストである。 Politico』や『Inside Defense』でも活躍。 ボストン大学でジャーナリズムの理学修士号、ケニオン大学で文学士号を取得。
常識的に考えると、ウクライナ戦争で疲弊したロシアにさらなる動員力や装備に余裕はごく少ないはずであり、欧州NATOを攻撃すると考えることは、馬鹿げていると推測する。
返信削除少なくてもウクライナ戦争を行っている間は、ロシアが新たな戦争を起こすことはない。
欧州NATO各国が軍備を強化するためには、時間も必要であるから、欧州NATO各国は、口には出さぬがウクライナを犠牲にしても、戦争を継続してほしいと願っている。これが彼らの本音であり、全くもって、身勝手な国々であると思う。
もし、ロシアが東欧を襲うにしても、兵員と装備の準備の充足期間が必要となる。最近の記事では、ロシアの次の侵略は、最も早い時期で2027年とのことで、それならば、今年停戦しても、2年間しかない。これでは無理だろう。だが、NATO各国がロシアの欧州侵攻の可能性を語るのは、何らかの信頼できる情報があるのだろう。それがプーチンのハッタリの可能性があったとしてもである。
軍事力を再生させた欧州NATOは手強いから、プーチンといえども侵略は簡単ではない。
しかし、CCP中国の台湾侵攻と同時ならば、米軍は東アジアに集中し、米軍の支援が無い欧州NATOは、ロシアにとって格好の対象であるかもしれない。このシナリオは最近多く見られるが、最悪の第3次世界大戦となるものである。
だが、台湾侵攻は長期化するとは考えにくく、ロシアが少なくても東欧を占領するには、時間が足りないように思える。つまり、欧州NATOがウクライナのように粘れば、プーチンの悪運も尽き、勝利の機会が訪れるかもしれない。しかし、残念ながらプーチンはさらなる悪行を重ねる可能性がある。それは、核兵器の使用である。