2017年12月22日金曜日

横田基地のC-130Jが活躍するクリスマスドロップ作戦とは

クリスマスというと海兵隊にもToys for Totsがあり、こちらも恵まれない人に何か与えたいと言うクリスマスの価値観がありますね。誰かに何かをしてあげたい、と思う日本人が減る中で理解するのはちょっと工夫が必要でしょう。C-130Jの呼称はスーパーハーキュリーズですか,、昔のアニメのタイトルみたいですが、日本もH型を頑張って使っていますがどこかで更改を検討すべきでしょうね。


Yokota’s new Super Hercules cargo planes take over Christmas Drop mission

横田基地に新たに配属されたスーパー・ハーキュリーズがクリスマスドロップ任務に活躍している。

ミクロネシア諸島でクリスマスドロップ作戦の貨物二点が投下されている。2017年12月13日。DAVID OWSIANKA/U.S. AIR FORCE

 By LEON COOK | STARS AND STRIPES Published: December 21, 2017

YOKOTA AIR BASE, Japan — スーパーハーキュリーズ輸送機の新技術でクリスマスプレゼントを太平洋諸島の住民向けの空中投下が正確になった。
C-130HからC-130Jに機種変更した横田の第374空輸飛行隊がグアムのアンダーセン空軍基地からクリスマスドロップ作戦に展開している。
同作戦は1952年から行われており、各地の孤立した島民に必需品を空中投下している。今年は特に注目されている。
「機内エイビオニクスにより投下地点を正確に把握し、島民が楽にかつ安全に回収できる地点を割り出せます」とクリスマスドロップに加わる横田基地パイロットのブライアン・デンディ大尉が米空軍発表資料で述べている。

在日米軍司令ジェリー・マーティネス中将はC-130Jを「世界最高の正確、頑丈で戦術面で有益なマシン」と評している。以前より乗員を二名減らし、エイビオニクスを改良し、貨物搭載量が増え、燃料消費効率が向上して航続距離が伸びた。

今年のクリスマスドロップは米、日本、オーストラリア航空部隊が参加し補給品140箱以上を投下している。平均400ポンドの重量でミクロネシア連邦、北マリアナ諸島やパラウ共和国で計56か所の島しょ部分が対象だ。
66回目を迎えた今年のクリスマスドロップ作戦でボランティアが投下品を入れている。アンダーセン空軍基地、グアム、2017年12月9日。
DAVID OWSIANKA/U.S. AIR FORCE

箱の中身は漁網、建設材料、粉末ミルク、缶詰食品、米、衣類、靴、学習用品にくわえもちろんクリスマス玩具だ。

北マリアナ諸島のアグリガン島は現在無人島だがそこで育ったアンディ・ネパイアル(58歳)は小児期のクリスマスドロップの思い出を今も大切にしている。

「飛行機が島上空に来ると興奮のあまり島が二つに割れるようだった」とスターズアンドストライプスに12月21日語ってくれた。

ネパイアルは輸送機が投下地点に煙幕弾を投下して風の状態を見ていたのを鮮明に覚えている。C-130Jではこの計算は電子装備が行う。

「飛行機の後ろから荷物が出てくるのが見えると叫んでいましたよ。『おもちゃが来るぞ』って」

ラリー・ライジェタルも14歳までミクロネシアのラモトレク島に住んでおり、空軍がウェブで公開した映像を見て当時を思い出した。子どもたちの間で荷物を誰が最初に手に入れるかで競走していたという。

「最初だとパラシュートが手に入ります」と防虫ネットにできたのだという。「一番だとパラシュートのひもを切って自分のものにできますから」

ライジェタルによれば荷物の中の玩具を巡って喧嘩が絶えなかったという。「年長者が分配してくれたので運が良ければ自分の欲しいおもちゃが手に入った」「クリスマスドロップには毎回興奮していましたね」


グアムの非営利団体クリスマスドロップオーガニゼーションが現地企業等の協力で投下品を一年を通じ集めている。■

速報 韓国がF-35追加調達を決定か

South Korea reportedly plans to buy 20 additional F-35 aircraft

韓国がF-35を20機追加調達か
Reuters
f35a
F-35As on the flight line at Volk Field, August 22, 2016.Senior Airman Stormy Archer/US Air Force
SEOUL, Dec 21 (Reuters) - 韓国がF-35Aを20機追加調達するとの報道が地元紙に12月21日出た。ドナルド・トランプ大統領が韓国が数十億ドルの新規軍事装備品を購入すると発言して二か月未満だ。
韓国国防調達計画庁が20機調達で手続きに入ったと中央日報Joongang Ilboが複数政府筋の話として報道した。

韓国は2014年にF-35Aを40機導入すると決定している。■

★米国が捨てたF-15Dを再生し戦力化するイスラエルはすごい

うーん、これもすごいです。イスラエルの技術力というか根気。これでは周囲の各国がかないっこありません。人様が捨てた中に宝を見つけるようなものですね。日本のF-15C/Dでも同じアプローチで有益な活用ができないでしょうか。納税者にも優しい選択になりますね。イスラエルから学ぶものはまだまだ多いように思えます。


Israel Is Treating America's Throwaway F-15D

Eagles As New Found Treasure 

イスラエルが米国廃棄のF-15Dを再整備し活用する

The surplus two-seat F-15s will become key pieces

in Israel's long-range air combat capability. 

複座型F-15がイスラエルの長距離航空戦力のカギ

を握る


USAF
 BY TYLER ROGOWAYDECEMBER 19, 2017


スラエル空軍が米州軍航空隊が用途廃止したF-15D9機の再生に取り組んでいる。機体は第173戦闘飛行隊がオレゴン州クラマスフォールズで使っていた。機体はイスラエル向け援助の一環としてオバマ政権下で寄贈された。まずIAFが複座型イーグルしかも1970年代末製造の機材を希望したことが奇妙である。だが各機がイスラエル空軍で果たす役割はUSAF時代と全く違う。F-15DはIAFで最も柔軟かつ強力な戦闘機戦力になっている。
イスラエルはF-15EがUSAFに就役する前からF-15を長距離攻撃機材として注目していた。現地では「バズ」と呼ぶ同機は国産エイビオニクス、兵装、サブシステムや構造強化で「イスラエル化」されている。
MINOZIG/WIKICOMMONS
F-15D バズ編隊には「ファストパック」と呼ぶ一体型燃料タンク(各750ガロン)以外
に外部610ガロンタンク二基を搭載する。


IAFのD型バズ各機は制空、攻撃、偵察、指揮統制ネットワークと各種任務に投入されており、長距離攻撃支援にもあたる。イスラエル空軍がC型D型をとくに重宝するのは機体価格がF-15Iストライクイーグルより安いことに加え同様に「ファストパック」一体型燃料タンク搭載で飛行距離を延ばしミッションの変化に対応できるからだ。
IAFも余剰F-15「ステーションワゴン」に予算を重点投入するとは想定してなかったらしい。
「USANGが用途廃止した機体で予備部品取り用だった。だがIAFの物資局技術部門が可能性に気付いたのは複座F-15戦闘機に一体型燃料タンク(CFT)搭載が可能なことでここから「バズ」への変換が始まった。
第一段階として四機をイスラエル仕様に変更していIAFで供用する。第二段階は残る5機を変換し、単座「バズ」5機を代わりに用途廃止する」
複座バズをイスラエルの最前線部隊に増備しながら消耗した単座型を退役させることが狙いだ。イスラエル空軍整備陣がF-15DD型で最初に製造されたロット「D6」ブロックに取り組むのははじめてで文字通りでたくさん学ぶ対象があり、一機完成させるのになんと170日をかける。
IAF


交換や改良の対象部品で点数が多いため、機体の当初の状況と変更内容を逐一記録させながらIAF地上要員に機体の整備運用方法を学ばせている。
バズ整備の経験がある民間業者も同席している。テルノフAFBの整備隊のモティ・シュピンドラーMotti Shpindler兵曹長が以下述べている。
「運用面と離れても今回のプロジェクトにはプロとして大きな意味がある。プロジェクトに参加する技術員は『バズ』を広く研究し機体に誰よりも詳しくなる...ここまで大々的に深くかかわれる機会はない」
「今回のような機会はいままでなく、IAF要員に生きた経験となる...機体を分解して新たな性能の装備を搭載してイスラエル仕様バズ機にした。機能上は新型バズと同様になり、一部には現行機材にはない性能もついている」
AP
硬化掩体壕に入るF-15D バズ

課題の一つとして最古参のF-15Dは以前から何度も改修を受けているが記録が完全でなくIAFが国産同様のバズ仕様に変えるため最初から作業する必要があることがある。そのため作業の多くが証拠捜査のようで現状を把握してから作業を開始する必要がある。
以下は筆者がイスラエルのバズ各機について以前記したものである。
IAFはバズ各機の国内改修を決定したのは多分に費用の問題があり独自のサブシステムの搭載が必要なためだ。バズ2000事業と呼ばれる再生作業でIAFのバズ各機に共通コックピットを与えるがこれですべてではない...
...バイソン4短距離空対空ミサイルとエルビット製DASHヘルメットが導入されパイロットは交戦がはるかに容易になり、視線を向けるだけでミサイル発射が可能となった。F-15では初めてで、USAFのF-15でヘルメット搭載標的システムとAIM-9Xサイドワインダーが実用化するより10年は早かった...
...改良点の多くはF-15Iからの流用で一部はバズジェット特有でレーダーはAIM-120AMRAAM発射可能なものに変更される。新型スロットル・スティック設定が導入され、多機能画面が前後席に追加された。データリンク機能が強化され通信装備が性能向上されて搭載されている。新型電子戦装備が導入後相当たつ機材に新型ミッションコンピュータが搭載され航法装置にはGPSが投入されている。冷却機能も引き上げて、すべての作動のため機内配線を全部やり直したがこれだけでも相当の作業だ...
...イスラエルが再生したバズ機はかつてない威力を有している。GPS誘導兵器はJDAM含めピンポイント攻撃を全天候下で可能とし、固定目標の攻撃に面倒な光学誘導兵器を不要とした。またスタンドオフ兵器の運用もこれまで通り行い、イスラエルではスタンドオフ兵器すべてを自国内で調達できることが異なる。バズの速度、航続距離、安定度により大型偵察ポッドをぶら下げれば戦術偵察機として理想的なのは以前と変わらない。
バズにも後から加わったF-15IやF-16I同様の航続距離性能があるので前方配備ネットワーク中継、指揮統制拠点として投入し戦場状況をデータリンクで結び入手し衛星で遠距離のイスラエル軍司令部に送ることができる。あるいは逆に情報収集内容をF-15Dに送ることも可能だ。バズは情報を衛星送受信ができない味方攻撃部隊に配信できる。
広帯域衛星通信の改修でF-15DにはR2-D2のような衛星通信ドームがついている....
...敵地の「ダウンタウン」に攻撃装備を付けて乗り込むのはこれまでの指揮統制機材には無理な注文だったが、バズなら可能だ。他任務をこなしつつこれが実施できる。また制空任務こそ同機が元来想定する内容でイスラエル空軍は50対0の圧倒的戦果を誇っている。
バズには追加アップグレードで予算を投入される予定だ。改修内容にはレーダー交換、電子戦能力向上、新型兵装の導入やコックピットディスプレイの更改がある。機体構造の強化もここに含まれF-15C/Dを元にしたバス部隊はさらに20年間の飛行が可能となる...
...F-15C/Dバズにアクティブ電子スキャンアレイレーダーがつけば、さらに戦力増強効果が生まれる。長距離での状況把握に役立ち、低空巡航ミサイルやステルス目標の防空にも役立つほか、新しい電子攻撃手段にもなる。
F-15C/D型のASEAレーダーで得る情報はデータリンクでF-35にも共有され敵攻撃を回避し、電磁エネルギーを放出せずに敵を攻撃できるようになる...
USAF


IAFではF-35Iなど新型機も登場するが、旧式化したF-16Aを用途廃止する一方でF-15には手を入れてかけがえのない機材として運用する。一方で米空軍に残るF-15C/Dの今後は不明のままだ。
再生F-15Dの第一陣は先行事例として1月に飛行開始しる。フライトテストに成功すればイスラエルで、さらに世界で最強のF-15として戦力化する。■
contact the author: Tyler@thedrive.com

2017年12月21日木曜日

北朝鮮情勢で最悪のシナリオに備え米中両国が対応を強めている

The US and China are preparing for all hell to break loose in

North Korea 北朝鮮で最悪の状況に備え米中両国が準備中



US Marines South Korea drill
米軍の韓国で軍事演習を今までになく増やして実施しているFlickr/Marines

  • 朝鮮半島の緊張の高まりに米中両国が前例のない対応に走っている
  • 中国は難民収容施設を作る一方、国民向けに核攻撃の生存方法を教示し空軍攻撃力を増強中
  • 米国は軍事演習を強化し、空爆作戦訓練を実施しており、北朝鮮核兵器の制圧を準備中か


朝鮮半島の緊張がこれまでにない高さに上がる中、米中両国が今までと違う準備を始めており最悪の可能性に備えている。
北朝鮮と国境を接する吉林省では国営メディアが核爆発から生き残る方法を解説し、北朝鮮の国名こそないがいわずもがなである。
吉林省では難民キャンプが五か所に新設された。「中朝国境の状況がここにきて厳しくなっている」とニューヨークタイムズが入手した現地文書が述べている。キャンプは北朝鮮難民数千名が国境に押し寄せた際を想定している。
中国は難民だけ心配しているのではない
だが中国の準備態勢に防御的かつ静観の姿勢は見えない。中国空軍部隊は「未経験地帯の経路」を今月初めから飛ぶ演習をしており、朝鮮半島近辺で黄海から日本海までを飛行範囲にしているとサウスチャイナモーニングポストが伝えている。
「PLA上層部からの発表はワシントン、ソウル双方への警報であり、平壌をこれ以上挑発するなというものだ」と北京在住の軍事専門家Li Jieがポスト紙に語っている。
また中国が米国に軍事示威活動をするのみでなく南シナ海で一層強硬な態度に出ており、台湾を一周飛行するスパイ機も飛ばしたのは「極めて異常だ」とマカオ在住の軍事専門家Antony Wong Dongがポスト紙に述べた。

米国は北朝鮮非核化を軍事力で実施する準備へ

他方で北朝鮮へ圧力をかける固い決意が米国にあるようだ。
韓国政府が軍事演習を休止し冬季オリンピックを平和裏に開催したいと提案したが米側は演習の一時停止に同意しない。
さらに12月は通常は軍事演習が少ないのだが米軍は記録的な数のステルス機を持ち込み、北朝鮮空爆の演習をしている。
空爆演習の直後に米韓両国は北朝鮮侵入演習を行い大量破壊兵器を使用不能にする訓練をしている。
レックス・ティラーソン国務長官は米国は北朝鮮が崩壊あるいは不安定になれば米国は核兵器を制圧すると述べた。
国家安全保障担当補佐官H・R・マクマスターも米国は核武装した北朝鮮は認めるわけにいかないとし平和への道が簡単でないことを示し、必要なら武力を行使すると再確認した。
「平和的解決に全幅の信頼を置いていない。解決そのものを進める。準備を進める必要がある。必要なら北朝鮮政権の意思を関係なく非核化を進める」とBBCに述べた。

最大限の圧力

B-1 T
トランプ政権はあらゆる種類の圧力をかけて同国を制圧するとしている。戦争の恐れ、軍事力行使、演習の増加、ステルスで強力な装備の展開、制裁措置、さらに海上通行の遮断も現実のものになりつつある。

だが米国のとる新しい動きには北朝鮮のみならず中国も気づくところになった。中国は米国が国境に沿って緊張を高めている様子を注視しており、米軍の動きは全面開戦を想定している証と見ているのだ。■

★ベル新型ティルトローター機V-280が初飛行に成功

実証機としては対抗馬のシコースキー=ボーイング試作機が手間取っており
比較できませんが、ベルの方が手堅い技術進化なのでしょうか。あるいは同軸ローター+
プッシュ式前方推進のシコースキー技術に意外な欠陥があるのかもしれません。ボーイング
はオスプレイで組んだベルと決別したことを後悔しませんかね。

V-280 Valor flies for the first time

V-280ヴァラーが初飛行
A front view of the V-280 during its first flight. Note the blurred gearbox details. (All images: Bell Helicopters).

 By: Jen Judson    

  • ベルヘリコプターのV-280ヴァラー・ティルトローターが12月18日テキサス州アマリロの同社施設で初飛行した。
  • ベルは同機を9月に完成させており地上テストから本日の飛行に至った。一年をかけ重要なテストを行い、陸軍が進捗を見守る。
  • ベルヘリコプター社長兼CEOミッチ・スナイダー Mitch Snyder は「ベルV-280初飛行までこぎつけたことを誇りに思う」と声明を発表。「初飛行により国防総省のめざす装備近代化取得計画への当社の姿勢が明確に示された。ヴァラーは米陸軍のヘリコプター運用に革命的変化をもたらし、米軍の今後のミッションを変革させる機体だ」
  • 米陸軍は共用多用途(JMR)実証機として二機種の製造を求めており、重要な次期垂直輸送機(FVL)として2030年代のヘリコプターの選定を行う。
  • ヴァラーは米陸軍が求める次期垂直輸送手段の要求内容に答えるもので、従来型ヘリコプターより二倍の速力、二倍の航続距離で機動性とペイロードの柔軟性を増やす。
  • 一方、シコースキーボーイングの共同開発SB-1デファイアント同軸ヘリコプターの初飛行は遅れており、2018年第一四半期になる見込みだ。同機で初飛行が遅れているのはローターブレイド製造が複雑なためだ。
  • デファイアントの原型はシコースキーが特許を持つX2技術で、同社の自社開発機レイダーにも応用されているが、同機は今夏に不時着している。
  • 米陸軍はFVLを初期定率生産を開始し2030年までに供用開始したいとするが、ベルヘリコプターは前倒しは可能と主張している。
  • JMRには陸軍の今後の大型調達事業への取り組みが見える。試作品を製造させ高能力で信頼性高い装備を早く納入させる。■

2017年12月20日水曜日

北朝鮮のサイバー攻撃国家関与が明らかになった 

これはひどい。北朝鮮でインターネットを利用しているのは政府関連しかないはずなので逆攻撃すべきでしょう。WINDOWSでは脆弱性がたびたび指摘されており、ユーザーの皆さんも更新作業を怠らないようにしてください。まさかXPを使っている人はいないでしょうね。英国の被害はOSをケチったためと聞いていますが。


North Korea Linked to ‘Reckless’ Global Cyber Attack

北朝鮮が「無謀な」世界規模サイバー攻撃を実行したていたと判明

Pyongyang hackers behind WannaCry malware used software flaw first

uncovered by NSA

ワナクライ型マルウェアを使った平壌ハッカー集団が利用したソフトウェア欠陥を最初に見つけたのはNSAだった

Tom Bossert, White House homeland security adviser, and Jeanette Manfra, chief of cybersecurity for the Department of Homeland Security
Tom Bossert, White House homeland security adviser, and Jeanette Manfra, chief of cybersecurity for
the Department of Homeland Security / Getty Images
December 20, 2017 5:00 am


北朝鮮が「無謀な」世界規模サイバー攻撃を各国政府や企業に実施したとトランプ政権が12月19日発表した。
「慎重に捜査して米国は公式に大規模ワナクライ・サイバー攻撃は北朝鮮が起源と判断する」とホワイトハウス国土防衛安全保障テロ対策補佐官トム・ボサートTom Bossertが述べた。「この非難は軽いものではない。証拠がある。各国も協力している」
ワナクライ型のマルウェアは身代金タイプと見られ5月に世界各地で感染が報告された。マルウェアが侵入するとウィンドウズコンピューターとハードディスクの暗号ファイルに影響が出て使用するためにはビットコインによる支払を求めてくる。
背後に北朝鮮のハッカー集団がありOSの弱点を利用しているという。これを最初に発見したのは国家安全保障庁だった。
ワナクライは最初にロシアのマルウェア、ペチャの変形と思われていたが、5月にNSA他米情報機関や民間セキュリティ企業が追跡に成功し、出所が北朝鮮だと判明した。
英国の国民健康医療制度が大きく被害を受けた他、ワナクライ感染は150か国におよび一部の被害者はハッカー集団に身代金を支払っている。
「配慮に欠けかつ無謀な攻撃」とボサートは報道陣に語る。「個人、産業界、政府が混乱した。被害は経済だけではない。英国では医療制度が大規模感染し人命に危険が生じており単なる金銭上の問題ではない」
ボサートは米国の発見内容は英国、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、日本の政府・セキュリティ企業も確認したという。
マイクロソフトはハッカー集団を追跡し北朝鮮政府との関連をつきとめたという。
ワナクライ型ランサムウェア攻撃は北朝鮮による第二波の大型攻撃だ。
2014年末に北朝鮮がソニー・ピクチャーズ・エンターテインメントに侵入しデータを盗みオンライン上で公開して社内システムを破壊したことを米政府が明らかにした。
NSAは北朝鮮がソニー攻撃を突き止めたのは庁内のハッカーが北朝鮮ハッカー集団が使用中のコンピューターネットワークへの侵入に成功したためだ。NSAは北朝鮮をスパイしている事実はNSA委託業者エドワード・スノウデンが暴露している。
ボサートによればマイクロソフトやフェイスブックと言った技術系企業が最近になり北朝鮮の「サイバー上の功績」数件を閉鎖し、世界中でコンピューター感染を繰り返す北朝鮮からの利用を止めた。「各社で北朝鮮政府所属のハッカーを利用停止にした」のだという。
北朝鮮はハッカー攻撃に第三国を利用していることが知られており、中国やタイ国がよく名前に上る。
北朝鮮がワナクライ攻撃した事実が暴露されたのはトランプ大統領が初の国家安全保障戦略を発表し、サイバー攻撃やサイバースパイ活動への対抗を重視するとしたした翌日だ。
戦略構想ではサイバー空間での脅威対象やリスク事項をもっと探知するとある。
「国内の重要インフラストラクチャアの保安と回復性を改良するべく六大領域を評価する。国家安全保障、エネルギー電力、銀行金融、保険安全、通信、運輸だ」と報告書が述べている。「各分野でサイバー攻撃で破滅的な結果ないしほかに波及する結果が出るのはどこかを把握し、保護措置を優先順位付けし、防衛体制を整備する」
国土保全省(DHS)のサイバーセキュリティ・通信担当副長官ジェネット・マンフラJeanette Manfraはワナクライ攻撃は5月12日にアジアで始まりヨーロッパに広がったと述べている。
英国医療制度の次に「わが国内が狙われるという深刻な状況となった」とボサートは言う。
DHSはただちにワナクライに関する情報を主要インターネットサービス業者に提供した。この迅速な情報提供で被害は限定されたが、新型でもっと悪質なサイバー攻撃はその後も続いた。
「活動は強化され一層高度になっています。国家勢力と非国家勢力の双方が実施しています。多くの例で同じ敵対勢力が繰り返し関与しています」(マンフラ)
DHSとFBIは技術レポートを8月に公開し北朝鮮が重要な米国内インフラを狙い悪意ある攻撃を続けていると警告していた。
それによると北朝鮮政府所属のハッカー集団はメディア、航空宇宙、金融、重要インフラを米国や世界各地で標的にしてハイジャックされたコンピュータのネットワークを北朝鮮が利用してサービスを停止させたり、ネットワーク利用者が使えなくなった。
両機関は11月に入り、北朝鮮ハッカー集団が引き続きサイバー攻撃を続けていると警告している。
マンフラは攻撃による問題のひとつにインターネットがそもそも信頼を元に相互で利用できる仕様となっており開かれているが、システムには安全性を保障する仕組みははいっていないと指摘。
マンフラはインターネット上の攻撃を防ぐには政府と民間企業間の一層の協力が必要と主張。「集団的防衛体制を強化するためには政府は業界と密接に作業する必要があります。我が国の本土だけ防御できないのです。一企業では国家ぐるみの攻撃を防げません。サイバーセキュリティとは責任の共有です。すべてがインターネットの安全確保に尽力すべきなのです」
だが技術系企業の多くには政府との共同作業に不信感があり、数年前にもスノウデンがNSAのサイバースパイを暴露したばかりだ。その結果、企業の多くが政府と一緒に作業することを機密防衛の観点から嫌がっているのが現状だ。
ボサートは政府がワナクライ攻撃に対応が遅いとの指摘を否定する。「時間をかけて機密機微情報の保安を確認していた」という。
北朝鮮とのつながりの証拠として、平壌のハッカー集団が使うサイバーツール、使われているサイバー技術と運用施設が北朝鮮のものであることがある。
サイバーセキュリティ専門家の多くがマーカス・ハッチンスMarcus Hutchinsがマルウェアの被害を軽減したことを称賛している。ハッチンスはワナクライを5月初めに見つけ、その進展を送ら得セル方法を発見した。
ハッチンスはマルウェア上の欠陥を発見したのだった。デジタル上のキルスイッチで、これをONにしたのだ。「リスクを取り、うまく行きましたが、岡出で大変な恩恵が生まれました」とボサートはいい、「次回はここまで幸運とは限りません」
ボサートはこれ以上詳しく述べずに「北朝鮮政府が指示したものの状況に苦しむことはありませんでした」とだけ述べている。
ワナクライで北朝鮮政府の関与を占めす証拠が見つかり政府によるサイバー攻撃だと分かった。
ボサートによれば現政権の対北朝鮮政策ではサイバー攻撃を止めさせることも入っているという。
ランサムウェアでは北朝鮮が示す身代金額がどこまで増加しているのか不明だ。ただし、単純に資金を集めるだけのランサムウェアとは共通点が少ないという。
「どうも大金を集める意図はなかったようです。もしそうなら支払い済みのコンピュータを解放していたはずです。支払っても解放されないと分かると支払いが止まりました」
そこで現金目的よりも混乱を与えることに北朝鮮は目的を変えた。
ボサートは北朝鮮の関与がワナクライ・ランサムウェアで明らかになったのは第一歩にすぎず米国は「行動を止めさせる動きに出る」と同国に伝えているという。
ボサートは同時に米政府がカスペルスキラボのセキュリティソフトウェアの使用を禁止したと述べ、同ソフトがロシア政府に使用状況を伝えている恐れがあるためとした。
米政府は何か月もかけてワナクライで判明した事実があっても犯行国を名指しで難するのを避けていた。
「結果には行動があれこれ重なっているので実行犯を見つけるのが難しいのです。世界中にアナリストはいますが同様に情報機関でも詳しく経験豊かなアナリスト部隊があり運用中のインフラ施設のみならず使用されている技術や行動パターンを観察しており、これまでの攻撃事例でそういった技術の成果をご披露してきました。そこで捜査はコード分析だけではないんですよ」(ボサート)
謎のハッカー集団はシャドーブローカーズと呼ばれNSAが発見したマイクロソフトのOSの弱点を利用したとみられる。
ボサートは米政府が見つけた欠陥の9割は公表しており民間による修正を助けているという。公表されない欠陥内容は国家安全保障と関連している。
ボサートは米政府にはサイバー情報取集手段のよりよい防護ツールが必要だとしながら、そうしたツールでリークがあれば不幸としか言いようがないと述べた。

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Bill Gertz is the senior editor of the Washington Free Beacon.