2021年11月10日水曜日

J-20マイティドラゴンの真の性能を推定する。(一部情報が古くなっています)中国が考える第五世代機は実はドッグファイト能力も想定しているのではないか。

 

 

 

 

2011年のこと、大型で矢じりに似た灰色塗装のジェット機の初飛行で中国は初のステルス機成都J-20「威龙Mighty Dragon」を公表した。六年後にJ-20は人民解放軍空軍(PLAAF)に配備を開始した。

 

同機はレーダー誘導式ミサイルで百マイル単位の距離から敵機を狙うステルス機で厳しい戦闘状況でもパイロットを無事帰還させるといわれる。

 

 

だがJ-20はどこまでの威力があるのか。またどんな任務を想定するのか。つまるところ米国初のステルス戦闘機F-117ナイトホークは実態は戦闘機ではなく、空対空戦闘能力は皆無だった。

 

PLAは装備品の情報を隠し、特に性能面では公表情報は少ない。そのためJ-20の最高速度、航続距離(マッハ2、2,000マイル)はともに推定にすぎない。兵装庫は4-6発の長距離ミサイルあるいは爆弾を搭載するものの大型兵装は搭載しないようだ。

 

各国筋は同機を高速かつ長距離運用可能な機体とみているが、同機には近接交戦で必要となる機敏な機体制御は欠如している。珠海航空ショーの飛行展示でも際立った操縦性を示していない。

 

これを見て観測筋はJ-20を長距離超音速攻撃機あるいは一撃離脱の迎撃機で敵防空網を突破し、脆弱な給油機やAWACS機を攻撃する存在と見ている。

 

だがThe Diplomatのリック・ジョーの主張はこうした推論は同機設計上の特徴に目をつぶり、中国がJ-20を多任務戦闘機で「強力な」ドッグファイト能力があると説明していることに目をつむった集団思考の典型だと指摘している。

 

たとえば、珠海ショー(2018年)で配布された資料ではJ-20は「航空優勢を確立し、中長距離迎撃に対応し、援護および深部進入攻撃」が可能としていた。これは多任務戦闘機だということだ。

 

「よく見られる誤りは中国航空宇宙産業界では第五世代制空戦闘機の製造はできないとし、技術的に低い芸芸機あるいは攻撃機に落ちつくというものだ」とジョーは述べている。

 

大型のJ-20だがロシアのSu-35フランカーEより短い。Su-35は最高性能の機体制御能力を有するといわれるジョーは2001年のSong Wecongによる検討内容を引用しており、Songはステルス機は「スーパークルーズ性能とともにストール後の機体制御などこれまでにない性能が必要だ」としている。SongはJ-20設計主任Yang Weiを指導した技術者だ。

 

Songの結論は理想的なステルス戦闘機はカナード翼、前縁部根本の延長(ストレーキとも呼ばれる)、S字状の機体下部空気取り入れ口を採用し、ステルス、スピード、操縦性のバランスをとるべきとした。このすべてがJ-20にみられる。

 

J-20搭載のレーダー性能は不明のままだが、一部には探知されにくいAESAレーダーといわれ、電子光学赤外線センサーで全周探知を可能とし、センサー情報を融合しデータリンクで僚機と共有できるともいわれる。これは米F-35の高性能センサーで実現している機能だ。こうした機能はステルス機探知に有効だ。

 

J-20二はヘルメット搭載画像機能もつき、PL-10E熱追尾ミサイルを標的の方向を向けば発射できる。短距離ミサイルは機体側部に搭載し機内で回転させて連続発射できる。

 

こうした新装備が採用されたJ-20は近接交戦も想定しており、あわせて機体兵装庫から長距離極著音速PL-15ミサイルも発射できる。高機動戦闘機との交戦では短距離ミサイルを使い、撃墜させる可能性は80%と推定する専門家もいる。

 

中国設計陣は推力偏向エンジンもJ-20に搭載した。排気口ノズルを操作し小回りをめざすもので、PLAAFは同じく推力偏向エンジンを搭載したSu-35もロシアから導入している。

 

推力偏向エンジンで高機動性能が実現するものの、新鋭機でことごとく採用されていないのは重量増、コスト増に加えレーダー断面積(RCS)の最小化に反するからだ。さらに推力偏向エンジンを戦闘時に多用すると機動エナジーが急減し、機体の動きが緩慢となり敵機の格好の標的となる。ネヴァダ州の空戦演習でこれが実際に見られた。米F-15とインド空軍フランカーの模擬空戦が展開されている。このため、西側で推力偏向エンジンを採用する例は少ないがF-22は例外だ。中国が推力偏向に関心を示すのは機動性をどうとらえているかを示している。

 

J-20をみるとステルス機と交戦となればどうなるのかという疑問が出てくる。両機ともステルス性能が高ければ、50マイル未満でやっと探知できるはずだ。この距離では空戦能力がカギとなる。米ステルス機が中国の想定する主要競合相手で、J-20が対抗する想定が十分考えられる。

 

J-20はF-22に対抗できる可能性が低いが、F-35相手なら危険な相手となる。F-35は視界内交戦に最適化されていないためだ。だが、F-22、F-35ともに全方位RCSはJ-20より低いと思われるものの、J-20はロシアのSu-57を上回るステルス性能を有しているようだ。

 

2011年にオーストラリアの航空部門専門家カーロ・コップが行った分析ではJ-20は前方方向でのステルス機能が高いとしたが側方や後方のRCSは高く、Su-57とも共通する制約条件とした。

 

だが、RCSは機体塗布のレーダー吸収剤により左右される。インド空軍がSu-30でJ-20をレーダー追跡したと公言しているが、ステルス戦闘機は通常の飛行でRCSを拡大するような「ルネバーグレンズ」を放出し、実際の性能を隠すことがあるので、いずれにせよ真の性能を知ることがむずかしい。

 

もうひとつ、分析を混乱させているのがJ-20に高推力WS-15エンジンがまだ搭載されていないことだ。当面はロシア製AL-31Fエンジンとしている。中国の第四世代機ではエンジン欠陥に悩まされている。WS-15はAL-31FNより推力が23%増え、J-20でスーパークルーズが実現する。そうなるとJ-20の最高速度もマッハ2.5を超えることになるが、国産エンジンが真価を発揮した場合の想定だ。

 

PLAAFにJ-20が数十機しかないことから、同機をヒットアンドラン攻撃戦術や特別深部侵攻攻撃用に温存しているのか。前述のDiplomat誌の指摘のように、J-20が今後全方位で活用できる機体に進化する可能性があり、ドッグファイト性能も加わるのではないか。■

 

How Stealthy is China's J-20 Fighter Jet?

November 9, 2021  Topic: J-20 Fighter  Region: Asia  Blog Brand: The Reboot  Tags: Stealth FightersChinaMilitaryStealth TechnologyPLAAFRadar

by Sebastien Roblin

 

Sébastien Roblin holds a master’s degree in conflict resolution from Georgetown University and served as a university instructor for the Peace Corps in China. He has also worked in education, editing, and refugee resettlement in France and the United States. He currently writes on security and military history for War Is Boring.

This article is being republished due to reader interest.

Image: Wikimedia Commons


2021年11月9日火曜日

中国が米海軍空母などの艦艇実寸大ミサイル標的を砂漠に構築。弾道対艦ミサイルの精度を上げるためか。中国は真剣だ。

 

2021年10月20日の衛星画像で米空母を模した標的がタクラマカン砂漠に見つかった。 H I Sutton Illustration for USNI News Satellite image ©2021 Maxar Technologies Used with Permission

 

国軍が米空母の形を模した標的をタクラマカン砂漠に構築しており、標的演習場を新たに構築したのが衛星画像で判明した。画像はMaxar社が提供した。

 

米空母の実寸大輪郭に加えアーレイ・バーク級駆逐艦の輪郭少なくとも二つが演習場に見つかった。場所は 新疆ウイグルのRuoqiang若羌にあり、中国がいわゆる空母キラーのDF-21D対艦弾道ミサイル試射に以前使った演習地に近い。

 

タクラマカン砂漠で見つかった米駆逐艦を模した標的。H I Sutton Illustration for USNI News Satellite image ©2021 Maxar Technologies Used with Permission

 

空母標的は平面で空母のアイランドは構築されていないようで、航空機用エレベーター、兵装など詳細は省略されている。レーダーを使えば周りの砂漠からこの標的が浮き出るはずだ。

 

さらに標的二つがあり、空母標的より詳細に構築されている。柱数本があり、おそらく計器測定用だろう。レーダー反射をシミュレートするものかもしれない。

 

また同演習場内にはレイルが敷かれており、10月9日のMaxar衛星画像を見ると全長75メートルの標的に各種計装をつけて幅6メートルのレイル二本で移動させている様子がわかった。

 

同地区はこれまでも弾道ミサイル試験に使われていると地理空間情報提供企業AllSource Analysisが解説している。

 

「米艦艇を模した実物大標的に加え、レイル移動式の標的もあることから標的捕捉、照準のテスト用だろう」と同社は見ており、模型のすぐ近くに兵器が命中した形跡がないという。「艦艇を模した標的に各種センサーもついていることから、この演習場は今後各種試験に使う意図が見られる」

 

衛星画像履歴を見ると空母標的は2019年3月から4月の間に構築されていたことがわかる。その後、工事が続いたが2019年12月に解体された。その場所が今年9月再び工事が始まり10月初めにおおむね完成した。


Ruoqiang施設内に見つかった移動式標的のクローズアップ写真。 H I Sutton Illustration for USNI News Satellite image ©2021 Maxar Technologies Used with Permission

 

 

人民解放軍ロケット軍(PLARF)は対艦弾道ミサイル数種類の開発を進めており、陸上配備型のCSS-5 Mod 5 (DF-21D) の射程は800カイリ超といわれる。同ミサイルは飛翔制御可能な再突入体(MaRV)で艦艇を狙う。大型のCSS-18 (DF-26)は射程2千カイリ。

 

「PLARFは2019年7月に初の実弾発射を南シナ海に向け実施し、DF-21D対艦弾道ミサイル6発をスプラトリー諸島北側に発射した」とペンタゴンは中国軍事力報告で述べている。また長距離対応の対艦弾道ミサイルが2016年に出現している。

 

「多任務対応のDF-26は通常弾頭を短時間で核弾頭に変更が可能で精密対地攻撃のほか、対艦攻撃に使え、中国本土から西太平洋、インド洋、南シナ海を標的に収める。2020年、PRCは南シナ海上を移動する標的に対艦弾道ミサイル数本を発射したが、公式にはこれを認めていない」(報告書)

 

2021年11月5日に Capella Space が開口合成レーダーで米空母の輪郭を模した標的を撮影した。H I Sutton Illustration for USNI News

 

陸上配備型ミサイルに加え、PLANのH-6爆撃機に大型対艦弾道ミサイルを搭載している。2018年に初めて視認されたのがCH-AS-X-13で空中発射ミサイルとして最大の大きさがあり、極超音速弾頭の装着も可能な大きさだ。

 

さらに055型レンハイ級大型駆逐艦からの発射も考えられる。同艦は誘導ミサイル巡洋艦とも区分され、対艦ミサイルの発射が可能とペンタゴン報告書は述べている。

 

中国は以前も砂漠地方に空母標的を構築している。2003年に空母の大きさに近いコンクリート板が敷設され標的にしていた。同移設はShuangchengziミサイル試射場にあり、何度もミサイルの命中を受け、都度修理を受けていた。今回の新施設はそこから600マイル離れた場所にあり、もっと進んだ施設になっている。標的は実際の艦艇に極めて近い大きさになっている。

    DoD Graphic

 

新施設にどのミサイルを使うのか不明だが、施設が巧妙に作られていることからPLAが米海軍部隊の中国本土接近を阻止する手段の開発を進めているのは明らかで、空母部隊がその狙いであることはあきらかだ。

 

ペンタゴンは恒例の報告書を先週公開しており、PLARFの主任務に西太平洋に展開する米空母部隊の活動を制約することがあると記述している。■

 

China Builds Missile Targets Shaped Like US Aircraft Carrier, Destroyers in Remote Desert - USNI News

By: H I Sutton and Sam LaGrone

November 7, 2021 11:12 AM • Updated: November 7, 2021 12:58 PM

2021年11月8日月曜日

空軍が否定するSR-91アウロラだが目撃談が続けてあらわれたのは、実機が存在してほしいと願う民間人の想いが原因なのか。

 

 

 

の機体SR-91「アウロラ」は1980年代に世界最高速の有人機として航空機性能の新次元を開くとの推測を読んだ機体だ。現在ではアウロラは歴史の脚注に出るだけの存在になっている。実現するはずだった機体という扱いだ。

 

実際の展開はこんな感じだ。40年前に米軍は次世代偵察機プロジェクトを立ち上げ、老朽化してきたうえに運航経費が高いSR-71ブラックバードの代替を目指した。政府は有人極超音速ステルススパイ機でマッハ5飛行の実現を想定した提案を検討した。1980年代末の実勢価格で20億ドルとされた同事業だが、その後再度検討されることはなかった。

 

だがこの説明には難点がある。SR-91は量産されていないが、そもそも同機の設計コンセプトが存在したのかはっきりしない。政府は一貫して同機が製造された事実はないと否定している。SR-91試作機が飛行した確たる証拠はない。1990年代初めにアウロラとされる機体が目撃されたとの報道があったが、確認が取れた事実はない。

 

証拠とされているのはロサンジェルス近郊で振動があったとの報道だ。エリア51から発進した軍用機が振動をおこした可能性があるが、問題の機体がSR-91試作機だったか断定できない。1989年には有名な北海での目撃例があるが、SR-91ではなくB-2スピリットと見間違えた可能性がある。スピリットは当時は導入されて日が浅いステルス爆撃機で目撃者が見たという三角形の機体形状に見える。

 

こうしたアウロラを巡る噂話の中には地球外生命体との遭遇や極秘軍用機開発のような奇抜な発想もあり、確たる証拠もないままSR-91の存在に関心を有する一般民間人の想いが先行している。大部分が1990年のAviation Week &Space Technologyが掲載した連邦予算で「アウロラ」の名称が見られるとの記事が出発点だ。1994年に出たロッキード・マーティンのスカンクワークスの前部長ベン・リッチの回想録に説明がある。リッチは「アウロラ」とはB-2事業向け予算のコードネームで空軍の「ブラック事業」に従事する一大佐がつけた名前だという。

 

「どういうわけか議会歳出聴聞会中から名称が独り歩きし、メディアが予算項目にアウロラがあると見つけ、スカンクワークスのトップシークレット事業との噂が急に登場し、スカンクワークスが米国初の極超音速機を製作中だというのだ」「今もこの話が残っているが、実はアウロラはB-2予算の隠語だったのだ」(リッチ著作より)

 

「メディアにはなかなか信じてもらえないが、極超音速機にコードネームはなかった。なぜなら単純にそんな機体は存在しなかったからだ」(リッチ)

 

リッチの一言でこの問題は一件落着となった。その逆を証明する証拠は結局ないままだ。アウロラ伝説から、いったんメディアに漏れると雪玉のように成長し都市伝説になることがわかる。■

 

Aurora SR-91: The U.S. Military Says this Aircraft Doesn't Exist

by Mark Episkopos

November 7, 2021  Topic: SR-91 Aurora  Region: America  Blog Brand: The Buzz  Tags: Hypersonic WeaponsU.S. Air ForceMilitarySR-71Area 51

Aurora SR-91: The U.S. Military Says this Aircraft Doesn't Exist


 

Mark Episkopos is a national security reporter for the National Interest. 

Image: Wikimedia Commons.


2021年11月7日日曜日

主張 台湾には核武装が必要。今すぐ。核武装させ米国は台湾防衛から手を引く。今日の中国軍事大国化を招いた原因はキッシンジャーだ。米国内に台湾のため犠牲をいとわないと考える戦略専門家は皆無に近いのが現実。

  

 

Image: Creative Commons.

 

フガニスタン撤退のさなか、著者は台湾に核兵器が必要との主張をワシントンエグザミナー紙に投稿した。これに対し、海軍大学校の軍事戦略専門家で1945編集にもあたるジェイムズ・ホームズが反論を展開した。

 

ホームズ博士が論旨を巧妙に展開したので当方も意見を述べたい。

 

ホームズの主張の核心部分は「抑止戦略に核兵器はそもそも必要なのか。そうではないだろう。核兵器があれば核攻撃を防げる根拠は薄い。また台湾侵攻に核兵器が投入される可能性は皆無に近い」というものだ。

 

だがその想定がホームズ意見の明確な根拠には思えない。

 

以下はどうか。

- ホームズは「CCP(中国共産党)上層部が軍事行動に出ても核兵器投入まで行かない」とする。だが、台湾が通常兵器で互角になれないなら核兵器導入の選択肢もあるはずだ。これがないままでは台湾も南シナ海や香港同様に「サラミの薄切り」で中国の手に落ちる結果になろう。

- またホームズは「核兵器では非核兵器による侵略行為へ抑止効果が皆無に近いことを歴史が示している」とするが、違和感がある。歴史の教訓はこの逆だろう。通常兵器による侵攻に対し核兵器以上の抑止効果は存在しない。冷戦時代がその証拠だし、イスラエルの核戦力のもとにもなっている。イランがが核兵器取得に走るのを米国が憂慮するのはイラン指導部は核抑止力があれば、通常兵力を投入しても大丈夫と信じているからであり、平気でテロ活動を展開支援するようになるからだ。米国で政権交代があり核政策も変更となったため、ジョージタウン大教授ケイトリン・タルマッジがツイッターで「同盟国側の主な懸念は米国の核の傘が核攻撃以外にも通常兵器による攻撃にも有効なのかだ。核先制攻撃は行わないとの誓約は聞こえはよいが、通常兵器で優勢な敵には核兵器による対応が必要だ」と述べた。

- ホームズの主張は続く。「低レベル侵攻への報復として例えば上海を広島長崎に続く攻撃目標にするのは理屈があわない」 確かにそうだが、台湾は「低レベル侵攻」の可能性に直面しているのではなく、自由国家として存亡の危機に直面しているのである。

- ヘンリー・キッシンジャー元国務高官への疑問に基づきホームズは「台湾が核兵器配備に踏み切る可能性がある...が共産中国上層部が台湾の核兵器を認知し意思の強さを示せるだろうか」とした。ここで筆者はアメリカンエンタープライズインスティテュートのニコラス・エバースタットによる労作を賞賛したい。それによれば中国は長年の一人っ子政策やゆがんだ男女構成のため深刻な問題に直面している。高齢化が進む社会を支える若年男性を中国軍は活用せざるを得ない。人口構成がゆがんでから、中国は本格的な戦闘を経験していない。若年層の戦死者が数万名あるいは数十万名になる戦闘を実行すれば中国社会への影響は避けられない。この状況台湾の核兵力はで中国共産党トップにとって侮れない存在になる。

- ホームズは冷水を浴びせる論旨を展開した。「毛沢東はかつて核兵器を『張子の虎』と揶揄し、四分の一世紀前に中国将官が台湾のため米国はロサンジェルスを犠牲にしないはずと軽口をたたいた」。だがここに問題の核心が隠れている。同盟国のためロサンジェルスを喪失していいのか。米国が同盟国防衛を放棄すれば侵攻を招き、一線が崩されればロサンジェルスが次の標的になる。幸いにも中国が喧伝しているような台湾をめぐる核戦争は発生しそうにない。むしろ台湾をめぐり中国が行動よりも理論面に後退するほうが可能性が高い。

 

指導部が賢明で両党出身の大統領それぞれの戦略が一貫していれば、こうした政策論争を避けられるとホームズと筆者の見解は一致している。ワシントンには自信過剰なところがあり、過失を償う選択肢がいつも存在すると見ているが、車を運転して断崖から落ちれば、左だ右だといまさら指示してももう遅い。

 

戦略専門家はキッシンジャーをもてはやすのではなく短期的得失を長期的成功より重視した本人を問題にすべきだ。キッシンジャーが中国共産党にあれだけ素朴な態度で近づいていなければ、ニクソン・フォード両政権はじめ以後の米アジア各国はここまで強力な敵に対峙する事態を避けられたはずだ。これを議論すればまた時間がかかる。ホームズ教授が取り上げれば、面白い展開になるのだが。

 

とはいえ、ジョージ・W・ブッシュ、オバマ両政権はともに中国の南シナ海進出を阻止できず、トランプは中国の条約不履行や香港の自由圧殺に手をこまねいた後では、戦略専門家で台湾の自由の維持を目指す向きが全滅に近い事実の認識が肝要だ。

 

 

端的に言おう。台湾には今すぐ核兵器が必要だ。■

 

 

Yes, Taiwan Needs Nuclear Weapons To Deter China

ByMichael RubinPublished1 day ago

Yes, Taiwan Needs Nuclear Weapons to Deter ChinaNow a 1945 Contributing Editor, Michael Rubin is a Senior Fellow at the American Enterprise Institute (AEI).


2021年11月6日土曜日

2040年代退役が決まったF-22だが、ロッキードが性能改修などで100億ドル超の契約を獲得し2030年代初頭に完了するというのは、やはり予算投入する理由があるからなのでしょう。

  

F-22 Raptor. (Airman 1st Class Emily Smallwood/U.S. Air Force)

 

空軍は1F-22ラプター戦闘機の近代化改修契約109億ドルでロッキード・マーティン11月5日交付した。

 

F-22事業室がARES(高度ラプター改修維持計画)に基づき同機の維持、近代化を10年かけて進める。

 

国防総省発表によれば今回の契約ではラプターの性能向上、補修を進める。ロッキードは補給支援サービスや近代化用ハードウェアも供給する。

 

契約条項をすべて行使すると、2031年10月末までに業務完了となる。作業はテキサス州フォートワースで実施する。

 

契約はF-22メーカーのロッキードへの随意契約となった。

 

ただし、ARES事業でのF-22近代化が終わる時点で同機の供用期間は終わりに近づくことになる。

 

空参謀総長チャールズ・「CQ」ブラウン大将は5月に戦闘機の整理の一環でF-22は全機退役させると語っていた。

 

クリントン・ハイノート中将(空軍参謀次長、戦略統合要求内容担当)は5月にDefense Newsインタビューでラプターは次世代制空機が登場するまでの「つなぎ」だと語っていた。

 

ハイノートは2030年代になるとラプターは製造後40年になると指摘していた。同機の開発は1991年に始まっていた。

 

「台湾や日本、フィリピンの対中防衛任務に適した機材とはいえない。中国の軍事力整備を意識している」とハイノートは5月に述べていた。■

 

Lockheed wins $10.9B contract to modernize F-22

By Stephen Losey

 Nov 6, 07:13 AM

About Stephen Losey

Stephen Losey is the air warfare reporter at Defense News. He previously reported for Military.com, covering the Pentagon, special operations and air warfare. Before that, he covered U.S. Air Force leadership, personnel and operations for Air Force Times.

 


2021年11月5日金曜日

中国国防費はどこまで伸びる?公表数字はそのまま受け入れられず実態はGDP比1.7%相当か。米国に比べ低い水準がこのまま維持できるとは思えない。日本の防衛費議論にも影響が出るはず。

 

 


Chinese Military SpendingImage: Creative Commons.

Image: Creative Commons.

 

 

国は軍事費をどこまで伸ばすつもりなのかジェイムズ・ローレンスソン、チェンシン・ピン両名がAUKUSにからめ問いかけている。AUKUSは中国の軍事脅威を理由に戦略方向性の変更をねらったものだ。

 

 

直近のDoD中国軍事力レポートは国防費を2,090億ドルとしており、GDP比で1.3%にあたる。ただし、報告書では数字には裏があり実際の予算額はこの1.1倍から2倍の間としている。

 

ストックホルム国際平和研究所は中国国防支出をGDP比1.7%とみている。米国は絶対額、GDP比ともに中国を上回る規模の国防費となっている。軍事アナリスト陣からは米国にはグローバル規模での軍事行動がある一方、中国は今のところこの任務がなく、米軍の実戦部隊の規模も供用年数も高いことで差は説明できるとする。

 

とはいえ次の疑問が残る。「現状を変えようとする勢力はどこまで国防支出するものなのか」

 

急激に変化する国際システムに深入りしようとする国が現状に満足する国より防衛支出を増やすのは当然ともいえる。両大戦間の日本が好例だ。日本の経済規模に対し米国は5倍の差があったが、日本は一貫して米国に匹敵する軍事予算を計上した。米国は太平洋大西洋でプレゼンスを維持する必要があったが、日本は太平洋に専念できた。

 

日本は現状を大幅に変える勢力に写り実際に支出を続けた。だがソ連の軍事予算支出を見ると、GDP比15%を1980年代まで続けていた。ただし、USSRは1980年代に現状変化を求めず、自国防衛に高い警戒態勢を維持していた。現在の中国は日本ともソ連とも異なる。中国の軍事力に目を見張るものがあるが、今のところ現状を変え脅威を与えるものではない。

 

もちろん、別の要因はある。中国の軍事力公表は巧みに重要戦力を隠す傾向があり、ストックホルム平和研究所でさえ欺かされている。国内の軍事産業はほぼ海外と無関係に活動しており、技術、資源、人材を米高水準より安く調達できる。また戦術面の要因もある。西太平洋の攻撃力防御力のバランスから恩恵を受けている。これはソ連が総じて軍事バランスでは不利なのに通常兵力で大きな優位を維持してきたのと似ている。中国が南シナ海を陸上基地発進の航空機、短距離運航の潜水艦、陸上配備のミサイルで支配してこれだけで軍事優位性を享受しており、圧倒的な軍事予算の投入は不要だ。

 

中国の軍事支出が比較的低水準のままだが、同国が整備中の軍事力を考えると維持できなくなる日が来る。艦艇、航空機、ミサイルをPLAが次々と調達し、整備、近代化、改修と支出が増える。中国の兵力を維持しようとすれば国防予算の増大は不可避だ。米国が中国軍事力を意識し反応し始めているをため、両国関係で悪化の兆しが表れている。1.7%でも大変なら、3.5%になったらどうなるのか。さらに大きな懸念材料は中国が両大戦間の日本同様に国防支出を増大するあるいは現在の米国並みにしたらどうなるのか。

 

米国は警鐘を鳴らしているが、中国はまだ実力行使をしていない。■

 

 

 

How Much Should China Spend On Its Military?

ByRobert Farley

https://www.19fortyfive.com/2021/11/how-much-should-china-spend-on-its-military/

 

Now a 1945 Contributing Editor, Dr. Robert Farley is a Senior Lecturer at the Patterson School at the University of Kentucky. Dr. Farley is the author of Grounded: The Case for Abolishing the United States Air Force (University Press of Kentucky, 2014), the Battleship Book (Wildside, 2016), and Patents for Power: Intellectual Property Law and the Diffusion of Military Technology (University of Chicago, 2020).

In this article:China, Chinese Military Spending, featured, Military History, U.S. Military Spending