2016年3月10日木曜日

ペンタゴンのブラック予算は680億ドル規模か


予算が厳しいと言いながら、かなり潤沢な金額がブラックの世界にはあるようですが、今後の画期的な装備の実現につながれば安いものではないでしょうか。情報機関の影がついてまわりますが、知られているCIA,NSA,NRO以外にも別機関があるようですね。
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Classified Pentagon Programs Will Cost $68 Billion In 2017

Pentagon’s secret budget remains robust
Mar 9, 2016 Bill Sweetman | Aviation Week & Space Technology - Defense Technology Edition
ボーイングX-37Bが記録樹立となったミッションから旗艦した。同機は米空軍が手掛けた「ブラックからグレイ」の典型例だが、予算は情報関連費目で負担したと思われる。Credit: U.S. Air Force

ペンタゴンの「ブラック予算」とは公式には存在をしないことになっており、公表書類には出てこない事業への支出を意味する。2017年度には総額680億ドルと国防予算の12パーセント相当になることがAviation Weekの分析で判明した。この金額はフランス、ロシア、英国の国防予算に相当する規模である。
  1. 極秘予算は研究開発、調達、作戦、保守管理予算項目に潜り込ませてあり、研究開発では総額225億ドルのうち三分の一近く、調達業務207億ドルで約19パーセントが秘匿扱いになっている。合算するとブラック関連の調達予算は24パーセント相当になるが、冷戦末期は17パーセントだった。
  2. 極秘事業にはB-21長距離打撃爆撃機LRS-Bや長距離スタンドオフミサイル(空中発射巡航ミサイル更新装備)は含まない。こうした装備は全体像や技術面は秘密扱いだが、関連予算は公開されている。
  3. すでに存在が明らかになっているブラック事業にノースロップ・グラマンRQ-180情報収集監視偵察(ISR)UAVがある。この予算は空軍の正式なR&D、調達の各費目に入っている。長く続いている空軍調達予算費目に「ミサイル調達」となっているものがあり、画像収集衛星や信号情報収集宇宙機として国家偵察局(NRO)向けの装備と推定され10.6億ドルが計上されている。その他小規模事業で公開予算では存在が確認できないものがある。例としてジェネラルアトミックス・エアロノーティカルシステムズのプレデターC(アヴェンジャー)として空軍で呼ばれるUAVがある。
  4. 最大規模になっているのが空軍が「その他調達」とだけ記しているもので、ここに小型弾薬からISR地上走行装備などすべてを含め2017年は186億ドルになっている。
  5. それに次ぐのは国防全般に及ぶ秘密作戦・保守管理事業157億ドルだ。上と合わせ二項目だけで秘密予算の半分近くの規模になる。
  6. ブラック予算では空軍向けが最大だ。空軍の極秘R&Dは海軍陸軍合わせた開発費の二倍規模で陸軍、海軍向け極秘開発費用は20百万ドル未満だ。
  7. ただしブラック予算の分析はかなり面倒だ。情報部門(IC)を主に構成するCIA、国家安全保障局、NROの予算の大部分は空軍予算に潜り込ませてある。空軍内部では「ブルー」予算と「非ブルー」予算を区別しており、後者がIC向け予算を指す。両者の差額の大部分が調達(216億ドル)とR&D(85億ドル)だと予算書でわかる。
  8. ただし非ブルーのR&Dは空軍が示す極秘R&D総額より46億ドル少なくなっており、IC向けとは別の大型R&D案件が空軍にあることがわかる。ややこしいのはNRO向け宇宙機の設計開発支援は空軍事業の一部になっていることだ。その他にも有人、無人双方のISR機材がCIA所属になっているが、実際の開発、調達、運用は空軍がおこなっている。このやりかたが60年以上も続いており、CIAはMQ-9リーパーUAVに加えおそらくプレデターCも保有している。RQ-170センティネルやRQ-180の各UAVも少なくとも一部は「非ブルー」予算だろう。
  9. 極秘予算で今後の方向性のヒントはペンタゴン内部に少なくとも二か所の「ブラックからグレイへ変換させる」部局があることだ。空軍の迅速戦力整備室(RCO)は2003年4月発足し、RQ-170とX-37Bを手がけたほか、RQ-180にも関係している公算が高い。B-21爆撃機事業も担当している。
  10. RCO方式でアシュ・カーター国防長官が戦略戦力整備室(SCO)を2012年に作った。その目的は「既存装備を改良して迅速にイノベーション効果を生む」ことと長官は説明している。SCOは「現在最古の機材をもとにした重武装機arsenal plane」の開発元であり、ロッキード・マーティンF-22やF-35に同行させ「巨大弾倉」を実現する構想だ。SCOは海軍、陸軍の大口径火砲で運用可能な超高速発射弾の実証も手掛ける。■

2016年3月9日水曜日

★中国の見解:南シナ海で品格ある行動をとるべきは米国である



公平を期すため、中国の見解をお伝えしますが、皆さんは一読してどうお考えになりますか。全く反対の世界ではこう見えるのかということでしょうか。この論説の筆者は世界の情報に通じ論理的に訓練された方だと思いますがその背後には情報を与えらない諸々の人民があり、容易に情報操作が可能なら、また自説の展開を自信たっぷりと世界に発信する国家に説得が可能でしょうか。力による解決しかないのでしょうか。それにしても日本も英語で堂々と主張を伝える必要がありますね。本ブログの作者など喜んで無給でもそんな作業に従事したいのですが。
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Comment: U.S. should conduct itself with dignity in South China Sea

Source: China Military OnlineEditor: Zhang Tao
2016-03-08 16:370

BEIJING, March 8 (ChinaMil) -- 米軍は空母打撃群を南シナ海へ派遣するという強硬策に出たが、3月5日に同部隊が「これまでにない形で」中国艦船により「包囲された」と主張している。
  1. この発表を聞けば米軍が軍事力を誇示し南シナ海で緊張を作り出す真の意図で怪訝に感じる向きがあろう。またこのような行動による悪影響へも懸念が生まれる。
  2. 第一に、「航行の自由」とは南シナ海で騒ぎを起こす米軍の言い訳に過ぎない。
  3. 米報道によれば米太平洋艦隊報道官が3月3日に「米軍艦艇、航空機はかねてから西太平洋全域で作戦を実施している。南シナ海も含み数十年にわたり活動してきた」と発言している。
  4. このこと自体が南シナ海では航行の自由はこれまで問題ではなかったことの証明であり、米軍艦は他国の軍艦・商船と同様に何ら障害を受けずに長年にわたり同海域を航行している。
  5. 昨年10月、今年1月と米軍のUSSラッセン、USSカーティス・ウィルバーがそれぞれ中国の南沙諸島および西沙諸島の水域に中国政府の許可なく進入しておきながら「航行の自由」原則の保護措置だと主張した。
  6. このような行動は中国の主権と安全保障へ深刻な脅威であり、域内の平和安定を損なった。また国際法がうたう「航行の自由」の濫用であり、偽善と弱い者いじめという米国の本質をさらけ出したものだ。
  7. 二番目に、米軍は南シナ海で波を立て中国を封じ込めることで自国による支配を維持しようとしている。
  8. 南シナ海問題で米国は中国の自国主権防衛努力を「西太平洋の支配」を求めるものと主張し、中国が支配権を確立すれば、米国の全世界的覇権への挑戦になるとしている。
  9. したがって一部米国人が海上紛争を利用して中国封じ込めを主張している。米国のNavy Times報道では米軍「小艦隊」で「中国に対抗させ」るとしており、ここでも力の示威および南シナ海で波を立てることが真の目的だと露呈している。
  10. 三番目に、南シナ海での米軍の軍事冒険行動が地域内緊張の根本原因である。
  11. 太平洋軍司令官ハリー・ハリスは中国による南シナ海の「軍事拠点化」を議会公聴会で非難し、米海軍は今後も該当水域での巡視活動を継続すると述べている。
  12. ハリスは3月2日にニューデリーで一部国に「弱小国をいじめ強圧的に服従を求めようとしている」と国名を挙げずに発言したが、米軍のいわゆる「航行の自由」作戦と南シナ海での大規模な軍事力誇示が緊張を生み出しているのが実態である。
  13. 中国が駐留する諸島、環礁の沖合へ軍艦を派遣することで、両国の海軍・空軍部隊は近接距離で接触しており、ひとたび何かあれば事件につながる。一方で米軍の冒険主義によりフィリピンのような国が中国への挑発行為に自信をつけており、域内の安全安定で阻害要因になっている。
  14. さらに一部報道によればホワイトハウスは米軍が南シナ海で行っている軍事冒険行動を逐一把握していないという。
  15. 米空母が南シナ海に侵入したとの報道もまず軍が発表したが、ホワイトハウス報道官はその後の報道記者会見でUSSジョン・C・ステニスが南シナ海を航行するのは通常の空母活動の一環であり、「航行の自由」作戦ではないと述べている。このことから米軍と政権側に見解の不一致があるのがわかる。
  16. 最後に米軍が南シナ海の中国へのすべての挑発行動と示威活動を停止するよう希望し、両国間の相互信頼がこれ以上傷つかないよう望むばかりだ。
  17. 米国は中国と協調することで相違点を乗り越え、戦略的な判断ミスを回避すべきである。南シナ海問題を巡り再び米国が歴史的な戦略誤判断を繰り返すことがないよう希望する。
(本稿の執筆者上級大佐張軍社Zhang Junsheは人民解放軍海軍軍事学術研究所の研究員である。


★米海軍>SM-6が対艦ミサイルに転用できることを実証



少ない予算で状況の変化に対応すべく既存兵装に手を加え多用途対応させていこうという米海軍の現実的な工夫です。攻撃力を再度重視せざるを得ないのは新しい情勢評価に基づいているのでしょう。それにしてもスタンダードミサイルというのは使い勝手の良い装備のようです。
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Anti-Aircraft Missile Sinks Ship: Navy SM-6

By SYDNEY J. FREEDBERG JR.on March 07, 2016 at 4:41 PM

Wikimedia Commons
実験では除籍ずみフリゲート艦USSルーベン・ジェイムズの撃沈に成功した。
超音速SM-6スタンダードミサイルが海上試験で標的艦に命中し、同艦は沈没した。退役ずみフリゲート艦ルーベン・ジェイムズがハワイ沖で1月に沈没していたことが本日明らかになった。試験は米海軍は分散撃滅威力構想Distributed Lethalityで進める攻撃力再建策の一環として実施された。対空防御用のミサイルを攻撃用に用途変更するというのはペンタゴンがめざす最小追加費用で既存装備を別用途に充てる動きに呼応する。
  1. ソ連崩壊(1991年)以降の米海軍は敵艦隊との戦闘から陸上攻撃に中心を移した。空母打撃群の防空や弾道ミサイル防衛も優先順位が高い任務になった。そのため、駆逐艦、巡洋艦はトマホーク陸上攻撃ミサイルや防御用のスタンダードミサイルを多数搭載し、対艦兵器搭載の余地がどんどん減った。さらに現在利用できる艦ミサイルはハープーンのみで、新型ロシア製兵器やそのコピー中国装備に性能が見劣りしている。ロシア海軍の再登場や中国海軍の台頭で対艦兵力の不足が痛感されてきた。
  2. SM-6はレイセオンのスタンダードミサイルファミリーの最新型だ。原型のSM-2対空ミサイルには水上艦対応モードもついていたが、より強力なSM-6が対水上艦で威力を発揮したのはこれが初めてだ。派生型SM-3は大気圏外弾道ミサイル迎撃用に開発されている。SM-6も弾道ミサイル迎撃に成功しており、多様な可能性を証明している。
  3. SM-6は対艦ミサイル、弾道ミサイル迎撃手段としては理想的な手段ではないが各種用途に投入できれば柔軟な戦闘運用が可能になる。海軍はトマホーク改良型のテストで海上では移動艦船、陸上では固定目標にそれぞれ対応できるか試している。トマホークはSM-6より遅いため撃墜される可能性もあるが、対艦トマホークは有効射程が長く補完効果を示せる。両方の兵装で対艦攻撃能力が手に入れば、海軍艦船は陸上攻撃、対艦攻撃、対空・ミサイル戦すべてに対応できる。しかも二種類のミサイルだけで。これだけで相当の火力増となりミサイルの有効活用につながる。
  4. 柔軟運用への動きはもう一つあり、協調型交戦能力 Cooperative Engagement Capabilityと呼ばれ見通し線外の目標に対し他艦あるいは航空機のレーダーデータをもとに攻撃を加える構想だ。同じ1月にUSSジョン・ポール・ジョーンズがUSSグリドレイからのデータで記録破りの長距離から標的5個の撃墜に成功していたことも今回明らかになった。
  5. 海軍が最終的に目指す分散型撃滅威力構想では、敵がこちらの空母攻撃をする前に艦隊の各艦がもつ威力を無視できなくさせるのが狙いだ。また敵位置を探知した艦が一隻でも艦隊の全火力を集中投入させる。この威力で敵への抑止力が期待できる。■


2016年3月8日火曜日

★米空軍>B-21主要装備生産にあたる7社を公表



Pratt & Whitney, BAE Among Major B-21 Contractors

Lara Seligman, Defense News 5:44 p.m. EST March 7, 2016
WASHINGTON —米空軍はノースロップ・グラマンが進める次世代爆撃機B-21の大手契約企業7社を公表した。このうちエンジン製作はプラットアンドホイットニーと判明した。
  1. 空軍長官デボラ・リー・ジェイムズが報道陣に大手契約企業リストを3月7日にペンタゴンで見せた。予想通り、エンジンはプラットアンドホイットニーで同社コネティカット州イーストハートフォード工場が生産する。B-2エンジンのF118はGEエイヴィエーションが担当していたので新しい展開となった。
  2. 残る6社はBAEシステムズGKNエアロスペース(ミズーリ州セントルイス)、ジャニッキインダストリーズ(ワシントン州)、オービタルATK(ユタ州、オハイオ州)、ロックウェルコリンズ(アイオワ州)、スピリットエアロシステムズ(カンザス州)で「機体構造またはミッションシステムズ」にあたる。
  3. ただしジェイムズ長官は各社がどこを担当するか明らかにしていない。
  4. 空軍が企業名を公表することにした背景に透明性を上げて多額の予算を必要な同機開発へ支持をとりつけるのが目的があるとジェイムズ長官も認める。B-21にはその他事業やペンタゴン案件との中で予算確保する難題が待っており、とくに議会との関係が重要だ。今月初めには有力議員のジョン・マケイン上院軍事委員会委員長が同機事業を阻止する意向を発表していた。
  5. 「B-2はあまりにも長い間秘密扱いのままで詳細情報の多くが秘匿扱いになったままだった」とジェイムズ長官は述べた。「B-21ではそれを改め、より透明性を今後も示していく」■


2016年3月7日月曜日

★ これはもったいない、財政事情でせっかくのステルス形状を犠牲にするDDG-1000ズムワルト級の改装



背に腹は代えられないとはいえ、せっかく狙った効果が中途半端になれば安物買いの銭失いになりかねません。水上艦でどこまでステルスが実現するかという問いに同艦は画期的な歴史の一ページとなるはずだったのですが。米海軍はまだステルス性ありと突っぱねているようですが、忸怩たる思いがあるのでしょうね。



New External DDG-1000 Mast Reduces Ship’s Stealth From Original Design

By: Sam LaGrone
March 3, 2016 12:10 PMUpdated: March 3, 2016 1:42 PM

ddg_1000_mast

The starboard view Zumwalt DDG-1000 from a Dec. 7, 2016 underway. US Navy Image

センサー装備の追加装備で次世代駆逐艦ズムワルト (DDG-1000) のステルス性能が当初想定より劣化すると判明した。

  1. 海軍発表の予想図ではズムワルト級三隻は当初デッキハウスに組み込む予定だったセンサー各種をデックハウス前方のマストに装着するほか、デックハウス側面左右にその他センサーを付ける。
  2. この変更でデックハウスが狙った効果が一部犠牲になる。当初は複合材デックハウスは敵レーダーによる探知を防止するねらいがあった。当初センサー用アンテナ類はステルス機と同様に表面から突出しないよう整形されていた。
An artists rendering of Zumwalt's original design prior to the Nunn-McCurdy restructure showing the original sensor configuration on the deckhouse.
当初の完成予想図ではセンサー類はデッキハウスに統合されている。
  1. 今回外部にアンテナが突出する形になったのは重量軽減と費用節約のためと海軍海上システムズ司令部NAVSEAがUSNI Newsに述べている。
  2. NAVSEAによる説明ではズムワルト級は変更後も海軍の求めるステルス性を発揮できるという。
  3. 「変更後のDDG-1000上部構造物は性能および重量面で改善され費用増かを抑える効果がある。変更によりマスト一本がデッキハウス前方に加わり、UHF、VHF、データリンクの通信系と風速センサーをマストに集約する」という。
  4. 「変更により各艦は三隻とも性能面の向上をしつつ、費用高騰を抑え、重量軽減も実現するが、中核性能要求(KPP)たるレーダー断面積(RCS)の水準は満足できる範囲になる」

DDG-1000ズムワルトの右舷、2015年12月7日撮影。US Navy Image
  1. RCSはステルス性能の指標で、低いほどレーダーに映りにくい。ロッキード・マーティンF-22ラプターのRCSは角度によるが「ビー玉」程度といわれる。
  2. 当初の設計案ではRCSはもっと小さかったが、費用面を考慮して海軍はRCSを犠牲にして費用を抑える判断をした、とブライアン・クラーク(戦略予算評価センター(CSBA)の海軍アナリスト)は見ている。
  3. ただし変更後の形状でも海軍がDDG-1000に求めた水準は最低限で実現するとクラークは解説している。
  4. 複数筋からマスト採用への変更は性能水準を切り下げた結果であり、この背景に2010年のナン-マカーディ立法による見直し、つまり当初想定より単価が25パーセント以上増加した場合に国防総省が事業を見直す必要が課せられたことであるとの指摘がある。DoDが当初の7隻建造を3隻に削減したのも単価上昇を生んだ。
  5. ナン-マカーディ立法により海軍は性能水準を下げており、Sバンド大型探査レーダーは装備を断念している。また57mm砲は30mmに変更されている。
  6. 一番艦ズムワルトはジェネラルダイナミクスのバスアイアンワークス造船所による公試のあと今年後半に海軍へ引き渡し、サンディエゴで戦闘装備の搭載を完成させる。■


2016年3月6日日曜日

Darpaの垂直飛行X-プレーン契約をオーロラが獲得


これもDarpaが進める先進技術の案件です。分散推進方式であり、機体形状は相当これまでの常識を覆すようです。初飛行に成功することを祈りましょう。
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DARPA’s Vertical Takeoff ‘X-Plane’ Contract Goes to Aurora

Lara Seligman, Defense News 8:44 a.m. EST March 4, 2016
635926758015916809-b0b7478e-e539-4c70-b657-172fa07b97b4.HR.jpg(Photo: Aurora Flight Science)
WASHINGTON – 国防高等研究プロジェクト庁DarpaがオーロラフライトサイエンシズをX-プレーン無人垂直離着陸機の製造元に選定した。
Darpaが交付する契約はVTOL X-プレーン事業の第二段階と同社が発表。
オーロラ案はライトニングストライクLightningStrikeの名称で、ロールロイスAE1107ターボシャフトエンジンによりハネウェル製発電機三基を運転する。
オーロラは技術実証用に一機製作し、既存VTOL機の1.5倍の速度が実現すると同社は発表。フライトテスト開始は2018年ごろになる。
これだけではわかりにくいのでBreaking Defense記事から同機の特徴をまとめると、

You-Ain’t-Gonna-Believe-This Design Wins DARPA X-Plane Deal

By RICHARD WHITTLEon March 04, 2016 at 10:27 AM

  • 契約規模は89.4百万ドル
  • 分散電気推進方式
  • 小型ダクテッドファン24基を搭載し、各ファンにモーターがある
  • 主翼がティルトする
  • 3基の発電機の容量は合計3メガワットで4,023馬力に相当
  • 機体重量は10,000から12,000ポンドを狙う
  • 巡航速度300ktはV-22より50ノット速い
  • なお選考に敗れた三社は以下の通り
    • カレムエアクラフト
    • ボーイング
    • シコースキー
  • オーロラ案が最も先進的だった
  • 成功すれば一気に電気飛行機が普及するかも
とのことです。


習近平の進める人民解放軍改革の特徴は何か





Inside China’s Plan for a Military That Can Counter U.S. Muscle

Chinese President Xi Jinping seeks a ‘tectonic’ shakeup of the world's largest fighting force

March 4, 2016 — 8:00 AM JSTUpdated on March 4, 2016 — 2:07 PM JST



習近平主席が朝鮮戦争以来最大の軍改革に取り掛かっている。

2.3百万名強の人民解放軍を変身させ、21世紀の装備を持ちながらソ連時代の指揮命令系統を残した体制から近代戦を勝ち残れる組織にする。中国は「単なる大国から強力な大国」へ移行すると習は昨年11月に誇らしく宣言していた。軍組織のリストラクチャリングは国防予算でも大きな柱で3月5日にその大要が全人代で発表されるはずだ。

「軍の改革を断行した国は多いが、中国ほどの地殻変動的変化を経験した国は少ない」とヘリテージ財団のディーン・チェンは述べている。

習の目指す方向は以下の通りに要約されよう。

芸能兵は減らし、水兵をふやせ

改革の第一歩として習が天安門軍事パレードで公表したのがPLAで30万名の削減を2017年までに達成することだ。習はこの公約を中国が平和に尽力する証と述べたが、削減の対象は非戦闘隊員であり、削減で各軍の実戦力は一層目標に合致することになる。


削減対象に炊事、病院、報道に加え1万名ほどのPLA名物芸能兵がある。それでも中国の兵力は世界一で、米国より600千名も上回ると国際戦略研究所が推計している。
Flowers from a fan? Peng Liyuan, aka Mrs Xi Jinping, belts out a paean to China in Henan Province in 2004.
彭麗媛は習近平夫人だが同時に軍隊歌手として少将の階級にある. 2004年河南省
Photographer: ChinaFotoPress/ChinaFotoPress via Getty Images

またこれまで主流の立場に君臨してきた陸軍がその座を譲ることになる。近代戦で通常型兵員の需要が減るためだ。中国が必要とするのはパイロット、水兵、特殊作戦隊員、無人機操作員で戦略投射の範囲を広げることだ。



誰がボスになるのか

高度な軍事作戦では各軍の密接な連携が必要となる。これは陸軍中心の軍事体制で不足していた要素だ。習は軍組織を5軍の統合指揮構造に変えつつあり、そのモデルは米国だ。

陸軍に加え、PLA空軍、PLA海軍と新設のロケット軍が核・非核のミサイルを運用し、戦略支援軍がサイバー戦を統括し、中国の金融制度を攻撃から守る。


地図を書き直す

統合指揮命令体制への途上で中国は軍区7つを「戦域司令部」または「戦闘地区」5つに再編し、各区内を単一の司令官隷下におくことにした。これはブルームバーグが昨年9月に先駆けて報道している。ただし各区がどう機能するのか不明。

「指揮命令構造を解明するには多大な尽力が必要だ。誰が誰を支援するのか、最も大事なのは誰がどの予算を抑えるかだ」とフェリックス・チャン(フィラデルフィアの外交政策研究所)は見ている。問題は各区の管轄範囲がどこまで中国の国境の外に伸びるかで、新しい区割りが南シナ海のような問題地区でのPLA活動を定義するかだ。

権限の集中化

Xi Jinping confers military flags on the five newly-established theater commands of the PLA.
新設5軍区の軍旗を自ら手交する習近平
Photographer: Li Gang/Xinhua via Getty Images


習は軍の肥大した官僚制度を分割しつ自身の権限を中央化しようとしている。四つの総局を小規模15部門に分割し訓練、補給、汚職幹部取り締まり、部隊の規律維持、マルクス主義学習まで機能させる。各部門は中央軍事委員会直轄とし、委員会は習が自ら委員長の党組織だ。

「習はPLA内部で自身の基盤強化がねらいだろう。各部の長は習の子飼いが任命されるのではないか」とチェンは見る。

改革案の成否を握るのは習がPLA内部の既得権益にどこまで手を入れられるかにかかる。共産党統治を後押しする代償としてPLAは特権を享受している。その一つの例として新設5軍区のトップは全員陸軍出身だ。

習が一つ明確にしたことがある。PLA統制はあくまでも党の権限で、政府に移譲するつもりは毛頭ないことだ。これに対し海外専門家は軍の専門性強化には移譲は当然だとみている。■

2016年3月5日土曜日

南シナ海にステニス打撃群が展開中



The U.S. just sent a carrier strike group to confront China

By David Larter, Navy Times 11:41 p.m. EST March 3, 2016
USS John C. Stennis operations(Photo: MCSA Justin Rayburn/Navy)
空母ジョン・C・ステニスを駆逐艦巡洋艦各2隻と第七艦隊旗艦とともに同海域に派遣中と軍関係者が明らかにした。同空母打撃群は緊張高まる同海域で示威目的で航行する。中国が過剰な領有権を主張しており軍事化はその防御のためだ米国はみている。
  1. ステニスに随伴するのは巡洋艦アンティテータム、モビールベイ、駆逐艦チュン・フーン、ストックデールの各艦だ。第七艦隊旗艦ブルーリッジも同海域にあり、フィリピン寄港に向かう途中。ステニスはワシントン州を1月15日に出港していた。
  2. アンティテータムは日本を母港としており、駆逐艦マッキャンベルとドック型揚陸艦アシュランドを引き継ぐ形で「通常のパトロール」任務を別個行っていた。
  3. 即座に中国はステニス打撃群のパトロール航行こそ米国が軍事緊張を高めている証拠だと非難した。「中国が軍事化をすすめているとの主張は状況を見誤ることにつながりかねない」と全人代報道官傅瑩Fu Yingが述べている。「よく見れば最新鋭航空機や艦船を南シナ海に送っているのは米国の側だとわかるはず」
  4. 太平洋艦隊報道官は域内の米プレゼンスで反論した。「わが方の艦船や航空機は西太平洋で南シナ海含め定例的に投入されており、しかも数十年間継続している」とクレイ・ドス中佐が声明文を発表。「2015年だけでも太平洋艦隊所属艦船が延べ700日を南シナ海で航行している」
  5. 一方でステニス打撃群の派遣で中国や域内各国へ明確なメッセージを示したと専門家は見る。
  6. 「海軍とDoDがこの地域での自由航行原則とプレゼンスの維持を重要視していると明示したものだ」とジェリー・ヘンドリクス退役海軍大佐、現新しいアメリカの安全保障を考えるセンターのアナリストは述べる。「空母打撃群、指揮統制艦により海軍は同地域への関心の高さとともにプレゼンスを投射し兵力を世界各地に示す能力を誇示している」
  7. 駆逐艦ラッセンが昨年10月に中国が作った南シナ海人工島の12カイリ以内を航行したのが中国がスプラトリー諸島の領有を主張することへの挑戦の開始だった。
  8. 1月30日には駆逐艦カーティス・ウィルバーがパラセル諸島のトライトン島付近を航行した。ここも中国が自国領と主張している。
  9. 域内六か国が問題地帯の部分ないし全体領有権を主張している。スプラトリー諸島はサンゴ礁、岩礁他自然物で構成されており、中国が大規模な埋め立て工事を行ってきた。この二年間で中国はサンゴ礁の上部で土木工事を行い、周囲の海域のみならず南シナ海の大部分を自国の専管漁業権対象水域だと主張している。
  10. 主張の対立が1974年には軍事衝突に発展し、当時の南ヴィエトナムと中国がパラセル諸島で銃撃戦を展開しており意見の相違は今日も解決していない。■

2016年3月4日金曜日

★トランプの国防観は突っ込みどころ満載だ こんな人が大統領になっていいのか



日本にとっては共和党政権のほうが望ましい場合が多いのですが、今回はその共和党が分裂してしまうかもしれません。その原因がトランプ氏なのは明白で、保守派良識派が流れを変えようと躍起になってきましたが、時すでに遅しかもしれません。クリントン当選だけは阻止していただきたいものですが。
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Lunacy, Bluster & Unanswered Questions: Trump On Defense

By MARK CANCIAN on March 03, 2016 at 3:06 PM

Donald Trump's campaign photo. Donald Trump’s campaign photo.
国防力整備で断固たる姿勢の共和党ジョン・マケイン上院議員は同党大統領候補としてのドナルド・トランプに反対姿勢を表明し、前回の大統領候補ミット・ロムニーはじめ国防で指導的立場にある共和党所属議員65名とともに、「トランプ氏の国家安全保障観は無知かつ危険極まりない」と非難している。
「現在の世界情勢がこれまでにない複雑かつ危険を示す中、新帝国主義ロシア、強圧的な中国、拡張主義のイラン、狂気の北朝鮮指導者、さらにテロ活動の中東アフリカでの広がりを見るにつけ、くれぐれも共和党有権者には尊敬を集め知識も豊富な党指導層ならびに安全保障専門家がトランプ氏をどう評しているか注意をはらっていただき、じっくり考えてもらいたい。次期の最高司令官ならびに自由世界の指導者としてだれが適任かという点だ」とマケイン議員は声明を発表。
トランプは再び討論会でアメリカの将来と自身の役割を表明する予定であるため前OMBで国防関連の専門家だったマーク・カンシアン(戦略国際研究センター)による分析と主張の掲載に絶好のタイミングになったといえる。国の将来を祈ってもらいたい。編集部
トランプ候補の選挙運動から分析できるデータはほぼ皆無とはいえ、その国防構想を検分すべき時が来た。同氏が共和党大統領候補になる可能性が増えているためだ。トランプは既成の政策方針をすべて否定しており、国防政策でも同様の発言を繰り返している。共和党内の国防安全保障関係者に同候補へ不快感が高まっている。
トランプ陣営のウェブサイトに情報は少ない。わずか23秒で国防観を語っており、その要約は「わが軍を大規模で強力にし、どんな相手にも見下されない威力を実現する。退役軍人は大切にする。ISISは撲滅すべく迅速に排除する」というもの。トランプはインタビューや討論会で持論を展開しているので、合わせて分析してみよう。
そこでわかるのは本流たる共和党としての政策目標(本人は一応共和党の指名を狙っている)、大げさな大言壮語、全くの狂気、さらに対応できていない質問の山である。トランプ自身が取り上げている四分野(国防予算、退役軍人、、ISIS、同盟国との負担分担)で見ていく。
1. 国防予算の増額
主流派共和党政治家の言い分:アメリカの国防力増強は全員が共通で認識。共和党候補全員がこれを支持。
トランプの大言壮語:「誰にもバカにされない」とは言いえて妙だが、これが達成できないのは皆が知っている。歴史には強大国家が攻撃を受けた例がたくさんある。あらゆる面で優越性を永続的に維持できた国家はない。
トランプの狂気: トランプは2015年度の予算交渉は「予算管理の基本がまったくない」と否定し、「子々孫々に負担できない借金を負わせる」ので反対という。だがこの予算交渉があったから国防予算の大幅削減を回避できた。反対だったら国防強化の目標自体が危機に瀕していただろう。
トランプが回答しきれていない質問。どこまでの規模の軍を想定するのか。テッド・クルーズ上院議員の場合は年1,400億ドルの国防予算増額の前提で提言している。冷戦たけなわのころに軍に「低リスク部隊」で国防目標達成が可能かと問いかけがあったが、前提は第二次大戦規模の想定だった。トランプ候補もこれを念頭にしているのか。
2. 退役軍人の処遇改善
共和党主流派の主張: 退役軍人向け支援は党を超えた目標として政界は認識している。退役軍人問題はトランプが唯一政策案を展開している領域だ。トランプの考えは「無能な」幹部を解雇して運営効率をあげることだが、議会も退役軍人行政の強化を図っており考え方が一致する。
トランプの大言壮語。「退役軍人行政は悲惨な状態...汚職と無能な局幹部のせいで退役軍人が迷惑している。解雇せよ」
トランプの狂気: トランプ陣営資料によれば「退役軍人が必要な支援をいつでもどこでも得られる保障をする。もう遠隔地に出かけ長く待たされることはない」ようにするという。こんな誇張が基本線となると、退役軍人支援事業は政策目標に到達できず、退役軍人はさらに高い負担を強いられ失望感にさいなまれるだろう。
トランプが回答しきれていない質問。オバマ政権が任命したのは民間で実績を示したプロクターアンドギャンブル元CEOのロバート・マクドナルドだった。トランプはこれ以上のトップ人事があると考えているのか。退役軍人行政を民間ビジネスと同様に考えて退役軍人に選択肢を広く与えれば、退役軍人は当然今より好待遇を望むはずで行政経費が増大するが、これをどう処理するのか。まだ機能していない退役軍人局の一部業務を閉鎖できるのか。
3. ダーシュ(ISIL)に勝利をおさめる
共和党主流派の主張: ダーシュを敗北させる目標は広く共有されている。共和党候補者全員が同じ考えだ。オバマ大統領でさえダーシュの「撃滅」を表明している。
トランプの大言壮語:ダーシュを「早期に」排除するのは不可能。ゲリラ活動を短期に破った事例はない。
トランプの狂気: トランプはダーシュの収入源を断ち切るため、イラクの石油関連施設への空爆を主張しているが、これではイラク政府が離反してしまい、せっかく後押ししている現在の努力が水の泡となり、戦後の国土再建が困難になる。
トランプが回答しきれていない質問:どうやって早期に勝利を収めるつもりなのか。オバマ政権の方策は空爆と小規模地上部隊で現地同盟各国を支援するものだが、一定の成果を示しつつある。ラマディは奪回できたし、モスル攻略も始まっている。だが全体に非常に時間がかかっている。トランプは米軍を投入して短期のうちに勝利できると考えているのか。たしかに実施すれば迅速な効果を上げそうな唯一の選択肢ではあるが、繰り返し海外介入に慎重な姿勢を示してきたトランプの考え方と矛盾しそうだ。さらにシリア国内のダーシュはどうするのか。米軍を派遣し内戦に介入させるのか。
4. 同盟国にもっと負担させる
共和党主流派の主張:同盟各国に共通防衛の負担増を求めていくのは超党派で共通した政策目標でNATO創設時から不変。GDP比率で見ると米国は一貫して大幅負担をしているが、安全保障の効率は維持できるよう同盟各国に負担させる道を求めている。
トランプの大言壮語: 同盟各国に国防負担の「請求書」を送付する。
トランプの狂気:トランプ候補はイラクの原油1.5兆ドル相当を接収し米軍経費にあてると発言。現時点の原油価格だとイラクの石油収入全額を30年間にわたり召し上げることになる。イラクが同意するはずもなく、イラク原油を物理的に占拠するしかなくなり、実施は受容できないはずだ。
トランプが回答しきれていない質問: 有名なトランプの交渉力がここで発揮されるのではないか。冷戦後25年にわたり米国が交渉してもヨーロッパ各国はたいして変わっていない。NATOでの米国負担は2001年の50%が75%まで膨れ上がっている。日本(および韓国)では大きく負担比率が下がっている。もし相手側が今後は自国で防衛体制を整備して核兵力も視野に入れると申し入れてきたらどうするのか。日本が独自に大規模な軍事力を整備し多結果大きな被害が生じた前例はいまだに記憶に新しい。トランプは同盟各国を疎遠にさせずにいられるのか。

大統領選挙の公約ではあいまいな発言に終始するのは普通のことだ。クリントン陣営もルビオ陣営も詳細な国防安全保障の内容を発表していないので、トランプだけというわけではない。ただし、同候補の大げさな主張や無遠慮で過激な主張が感情から出ていることや回答できていない課題が多く残っているのは事実だ。■
マーク・カンシアンはオバマ政権の予算管理局で国防分野のトップ予算アナリストを務めた後、現在は戦略国際問題研究センターで国防アナリスト。