2016年4月24日日曜日

南シナ海>フィリピン分遣隊のA-10がパトロール飛行をクラーク基地から開始


中国が始めた強硬策が遂にフィリピンへの米軍プレゼンスを20有余年ぶりに復活させてしまいました。これを中国がどう受け止めるのか。南シナ海では相変わらず中国が基地建設など進めていますが、これからどう事態を収拾するのかちゃんと考えているのでしょうか。数週間単位のローテーション配備ということですが在韓米軍や在日米軍の機材も対象となり、微妙なバランス変化につながりませんかね。
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PACAF A-10s, HH-60s fly first air contingent missions in Philippines

By Staff Sgt. Benjamin Stratton, Pacific Air Forces Public Affairs / Published April 22, 2016

An A-10C Thunderbolt II with the 51st Fighter Wing at Osan Air Base, South Korea, takes off from Clark Air Base, Philippines, April 19, 2016. The A-10Cs flew as part of a newly stood up air contingent in the Indo-Asia-Pacific region. The air contingent will promote interoperability and provide greater and more transparent air and maritime situational awareness to ensure safety for military and civilian activities in international waters and airspace. (U.S. Air Force photo/Staff Sgt. Benjamin W. Stratton)
韓国烏山基地駐留の第51戦闘航空団所属 A-10CサンダーボルトII がフィリピンのクラーク基地から離陸している。April 19, 2016. (U.S. Air Force photo/Staff Sgt. Benjamin W. Stratton)

A HH-60G Pave Hawk with the 33rd Rescue Squadron at Kadena Air Base, Japan, takes off from Clark Air Base, Philippines, April 19, 2016. The HH-60Gs flew in support of a newly stood up U.S. Pacific Command air contingent in the Indo-Asia-Pacific region. The air contingent will promote interoperability and provide greater and more transparent air and maritime situational awareness to ensure safety for military and civilian activities in international waters and airspace. This first deployment is conducting operations from Clark AB and consists of five A-10C Thunderbolt IIs, three HH-60G Pave Hawks and approximately 200 personnel deployed from multiple Pacific Air Forces units. (U.S. Air Force photo/Staff Sgt. Benjamin W. Stratton)

HH-60Gぺイヴホーク(第三十三救難飛行隊、嘉手納基地所属)がクラーク航空基地から離陸中。 April 19, 2016. (U.S. Air Force photo/Staff Sgt. Benjamin W. Stratton)

CLARK AIR BASE, Philippines (AFNS) --
PACOM米太平洋軍隷下の航空分遣隊がクラーク航空基地から4月19日運用を開始し、A-10Cサンダーボルト4機とHH-60Gべイヴホーク2機が同基地を離陸した。

各機は新設の分遣隊に所属し、空海領土の保全、人員救助、海賊対策、国際法に準拠した空路航路の自由航行の保証など各種任務にあたる。

A-10編隊とHH-60各機はフィリピン西方のスカーボロ環礁付近の国際空域を飛行し、海空でのパトロールを行った。この任務で国際水域空域での通行の安全と透明性を確保するのが目的であり、米国が同盟国協力国に引き続きインドアジア太平洋地区で安定性の確保に尽力していくことを示すものだ。

「当部隊の役割は海上、空中で国際法に準拠して開かれた環境を維持することです。国際経済上でも極めて重要で自由貿易は自由に物資を移動することに依存していますからね」とラリー・カード大佐(航空分遣隊隊長)は語っている。「今や一国だけで経済活動を全うできる国はありませんから」

A-10のミッションは同地域の上空飛行により航行の自由を保障する米軍の一部となることだ。

任務の成功には米比両軍の密接な協力関係が条件だ。両国の空軍地上軍は密接なつながりを軍事演習を通じて強めてきた。

「フィリピン軍との共同作戦体制が基礎です。航空分遣隊はこれまでの基礎の上に改めて米国のインドアジア太平洋地区での役割を再確認する意義があります」(カード大佐)

カード大佐はこのために必要となるのは機材投入だけでないという。

「空軍隊員がなんといっても最上位の存在です。今回の分遣隊隊員とは先月から一緒に活動しており優秀さは折り紙付きです。次の段階に進む際にも十分期待できる能力を示してくれています」

今回の初回派遣に参加中の人員はすべて太平洋空軍部隊の各基地から選抜された搭乗員、整備要員、補給支援要員だ。

「空軍隊員の能力、ミッションを迅速に理解する力、不慣れな環境でもすぐにやる気を出してミッションを最高に実行してくれることに誇りを感じます。各隊員は本当に優秀な中でもさらに優秀です」

PACOMは今回の第一回派遣は今後数週間継続する予定だ。次回の分遣隊では各種機材と人員を空軍あるいは他軍部隊から選抜し派遣する。■

台湾>防空体制の見直しで戦闘機中心の装備整備はどうなる


台湾が自由と主権を守るために防衛力を整備するのは当然として、大陸との軍事力の差が開いている事実を前にいろいろ知恵を出佐是ルを得なくなっています。以下はランド研究所が刊行した分析の要約のようですが、ここでも戦闘機第一のこれまでの空軍の価値観が大きく揺さぶられることになりますね。ミサイル防衛の対象が防衛軍の装備、運用基地であることが改めて理解できます。
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Taiwan Forced To Rethink Its Air Defense Strategy

Michael J. Lostumbo, Special to Defense News 4:23 p.m. EDT April 13, 2016
TAIWAN-CHINA-MILITARY-DRILL(Photo: Sam Yeh/AFP/Getty Images)
台湾の防衛当局が難題に直面している。中国への抑止効果を上げるべく軍事力近代化でこの25年間巨額の予算を投入してきたが、空の優越性だけでは十分ではなく陸上、海上での軍事作戦も準備しなければならない。
  1. このため中国の人民解放軍(PLA)が航空優勢を確立できなくするのが重要課題だ。中国は台湾の戦闘機を制圧戦術を確立しており、台湾にとって戦闘機部隊は国防予算で効果の低い支出項目になった。
  2. そこで台湾は戦闘機のみに依存する防空体制を見直すべきだ。地対空ミサイル(SAMs)こそが高い防空効果を発揮できる装備であり、支出効果も高い。
  3. 中国により台湾戦闘機には三方向で脅威が高まっている。まず地上は脆弱で機数でもかなわない。また空中でも大きく劣勢だ。中国はミサイルを整備し台湾基地を正確に狙い、滑走路の脆弱性が特に危惧される。
  4. 山岳地帯に機材を避難させても、山岳地帯からでは作戦の継続支援は困難だろう。高速道路を滑走路にする構想もあるが、問題解決策としては不十分だ。PLAは台湾機の一挙一動を追跡探知する能力があり、着陸地点が判明すれば即座に攻撃してくるだろう。
  5. 台湾戦闘機は地上で標的になるだけでなく、空中でも劣勢だ。中国が数量ともに優勢な機材を配備する一方台湾機は1990年代に第一線配備された機材だ。F-16でレーダー換装など近代化改修がすすむが完成してもPLAの機材以上の性能にならない。
  6. PLAが大規模攻撃を仕掛けた場合に台湾空軍の戦闘機が主導権を握ることは期待できない。PLAは簡単に制空権を得るだろう。1991年の湾岸戦争では米国は精密空爆を繰り返した場合に地上兵力の残存はほぼ絶望的だとイラクを相手に実証している。台湾の場合はPLAの航空優勢に対抗できないことが波及効果を生み、台湾軍は防衛作戦を有効に実施できなくなる。台湾が必要とするのは分散型防空体制で防衛効果を上げることだ。
  7. PLAの軍事力により台湾は防空体制を再構築する必要が生まれている。台湾空軍の戦闘機およそ300機は今後の防衛予算で相当の比重となるが、前述のように戦闘機に対する脅威は現実のもので、戦闘機はもはや台湾の防空体制の主役ではない。
  8. 中国の攻撃を抑止できる防空体制の整備が台湾の課題だ。SAMsは完璧な解決策ではないが、戦闘機より残存性は高くPLAへの対抗で有効だろう。SAMsを効果的に使用する場合は、固定目標を防御するよりも敵に攻撃の代償を払わせることだ。もっと効果があるのはSAMsで台湾軍をPLA航空攻撃から守ることだ。台湾部隊の損失を減らしつつ防衛効果を引き上げられる。
  9. 今後も台湾は相当の予算を防空能力整備に使い、その効果を期待する。SAMsは投資効果を最大にするので、台湾は防空には戦闘機ではなくSAMsを中心とすべきだろう。

本稿の執筆者マイケル・J・ロスタンボはRand Corp.で国際政策分野の上級研究員。


2016年4月23日土曜日

★米空軍>無人機の増加で内部価値観の変革を求められる 組織を動かすのはやはり人員の質だ



米空軍で発生している事態は自衛隊でもいつか起こるのでしょうか。米空軍ほど無人機が今のところ日本では活用されていませんし、無人機操縦パイロットが生まれてもいないわけですが、これまで戦闘機パイロットを頂点にした価値観が米空軍では崩れかけているのに、待遇条件など一気に無人機用人員を重用できず、やはり有人機パイロットを慮る苦しい対応が米空軍で続いているようですが、早晩限界が来るのではないでしょうか。組織、構成員、ヒト-マシンの関係など目が離せない話題です
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Aviation Week & Space Technology

USAF Wrestles With Remotely Piloted Aircraft Workforce Issues

Who will pilot unmanned aircraft is becoming an issue
Apr 14, 2016 Caitlin Lee | Aviation Week & Space Technology

2012年のこと、米空軍参謀総長マーク・ウェルシュ大将はアフガニスタンから帰還したMQ-1プレデターとMQ-9リーパーの処遇で悩んだ。「各機をどう運用したものか。追加調達をここでするのは賢い選択ではない」と記者団にこぼしていた。
  1. 一気に2016年になり空軍は今もウェルシュ大将がトップだが遠隔操縦航空機(RPA)が拡大中の中、プレデターが初めて導入された1990年代から続く隊員の士気問題に取り組んでいる最中だ。
  2. 導入当初はゲリラ戦対応というすきま任務用と受け止めていた無人機がイスラム国の台頭やロシアの再登場であらたな意義を見いだされオバマ政権は秘密裡に攻撃を実施しつつ乗員の生命を危険にさらさない無人機が持つ政治的優位性をフルに活用している。パキスタンのような場所で。
  3. 無人機への需要は限りなく増えており、空軍もRPA部隊の長期整備計画を策定する必要を認めるに至った。実は空軍は無人機操縦要員を大量に失っており、補充が追いついていない。年間250名が去り、150名が訓練を修了している。この不足で飛行要員には大きな負担が加わっている。RPAパイロットは6日間操縦、操縦以外の業務を一日こなし、2日間休息をとっている。
  4. 「戦闘指揮官はみんな君たちを頼りにしている」とウェルシュ大将は3月にクリーチ空軍基地(ネヴァダ州)を訪ねRPA要員に話しかけた。「同時に現在の過剰要求を理解してもらいたい」
  5. 乗員の負担軽減策として無人機による戦闘空中哨戒CPA回数を70回にする。だが対策の中心はRPAパイロットを2019年までに400名超に増やすことだ。問題は無人機教官パイロットが不足気味なことで第一線から引き抜きが難しい。ペンタゴンはこのためCPA回数を60回に2015年引き下げ、余裕を作ったが、新案ではホローマン空軍基地での訓練体制を強化して逆にCPA増加に対応させる。
  6. 新対策では無人機運用を企業委託するという物議をかもす提案もあり、民間人を戦闘に参画させれば法的な問題に加え道義的問題も発生しそうだ。2015年12月には下士官によるRQ-4グローバルホークの操縦を2016年ないし2017年早々に認めるとの空軍発表があり、プレデターやリーパーにも同様の措置が広がるとの観測が生まれている。
  7. もう一つが航空手当の増額でRPAパイロットを引き留める策だ。3月には上院公聴会でジョン・マケイン議員(共、アリゾナ)から空軍が議会が承認済みの無人機パイロット残留時の支給金一回35千ドルを支給しておらず、逆に報奨手当の上限を25千ドルにしていると苦言が出ている。空軍はこれは有人機パイロットと釣り合いを取るためと説明し、ウェルシュ大将は法務部と相談の上今年中に有人機、無人機共通の奨励金として年35千ドル支給を認める規程を作成すると答えていた。
  8. さらに空軍は価値観および手順改善事業Culture and Process Improvement Program (CPIP) を2015年に立ち上げ、RPA部門の発展を妨げている組織内要因の解決に取り組んでいる。無人機では士気の低さが大きな問題となっており、RPA関係者の多くが有人機パイロット出身で自発的に無人機操縦任務についているわけではない。RPAパイロット、センサー操作員114名への調査で空軍内で「二級市民」と見られていると判明した。
  9. CPIPはRPAパイロットの士気向上を求めている。2千名と面談し、1千件の回答を得た結果だ。調査結果を見てウェルシュ大将は12月に議会が承認次第、30億ドルを投じて、RPA乗員の過労状態に対応すると発表。
  10. 提案ではリーパーは現行の175機、プレデター150機あにリーパー75機を追加し、人員では3,500名をパイロット、センサー操作員他下士官含め新規養成する。無人機運用飛行隊も増設し、航空団も一つ追加する。
  11. ただしこの空軍構想で無人機部隊が増強されてもRPA需要が高いままで、その場しのぎの対策にならないか。ディヴィッド・デプチュラは空軍情報部門を2006年から2010年にかけて率いたRPA推進派の重鎮だが、空軍案は「妥当な内容」にしかすぎないといい、「断言するには時期尚早だが意味のある変革につながるか」と言う。■


2016年4月22日金曜日

★F-22生産再開を求める動きにフォーブス議員の選挙戦事情があった



なんだそういうことだったのか。F-22生産再開の主張の中心がフォーブス議員だと分かりましたが、選挙が二年ごとにあり全員改選されるのが下院議員ですから当選されなければ意味がなくなります。F-22再開で国防力整備をうたっておきながら、ちゃっかり再選を狙っているわけですね。ただこの議論でF-35とF-22の違いがあらためて理解されれば効能が生まれるわけですが。ハイローミックスができるのは米国だけですから、日本含む各国は既存の戦闘機を今後も稼働させてなんとかバランスをとらなければなりません。この話題は今後急速に失速しそうですね。
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Facing Election Fight, Forbes Pushes F-22 Revival

Lara Seligman, Defense News 5:24 p.m. EDT April 21, 2016

1st Fighter Wing hosts coalition aerial exercise(Photo: Senior Airman Kayla Newman/Air Force)
WASHINGTON — ロッキード・マーティンF-22ステルス戦闘機の生産再開推進の前面に立つランディ・フォーブス下院議員だが選挙区変更で厳しい選挙戦に直面している。生産再開の可能性もまずない。
  1. ヴァージニア州選出のベテラン共和党議員フォーブスは国防法案で空軍にF-22生産再開を求める動きで先鋒となっている。同議員は下院軍事委員会の戦術航空機陸上兵力小委員会に籍を置かないが、小委員会はフォーブスの文言を盛り込んだ法案を今週公表した。
  1. ロッキード・マーティンがF-22生産を終了したのは2011年で、当時の国防長官ロバート・ゲイツの決定で187機生産にとどまった。原案は749機調達だった。だが米軍が技術優位性をロシアや中国に対し失いつつある中、フォーブス議員は空軍へ将来の航空優勢をどう確保するのか「総合的に検討」するよう求めている。
  2. 「航空優勢ではF-22の話題は避けられない。同機は世界最高の戦闘航空機だからだ」とフォーブス議員は Defense News 独占インタビューで21日に述べている。「世界最高の機体だからこそ生産再開した場合の費用を検討する意味がある」
  3. フォーブスがF-22生産再開を強く推す背景には自らの選挙区ヴァージニア州第二区で再選が楽でない事情がある。同選挙区には第一戦闘航空団を擁するラングレー空軍基地があり、F-22の三分の一の機体が本拠地としている。
  4. フォーブス議員はヴァージニア州第四区で2001年以来再選されてきたが、今年の改革で同選挙区はこれまでの共和党指定席から民主党有利に変わった。今年初めにフォーブス議員は第二区へ鞍替えを発表したが、共和党で三番手となっている。現在同区からはスコット・リゲル(共)が選出されているが、リゲルは四選を断念しフォーブス支持に回ると表明している。同じ共和党では州議会議員スコット・テイラーと弁護士パット・カードウェルが第二区で出馬を表明しており、指名を狙う。
  5. フォーブス議員がF-22復活を提唱するのは今回が初めてだ。本人は下院軍事委員会のシーパワーおよび兵力投射小委員会の委員長で海軍、海兵隊、艦船建造と空軍の長距離爆撃機案件を担当している。ただしフォーブス議員はF-22生産ラインの閉鎖に当初から疑問視していたと述べる。
  6. 「記録を見てもらえれば、生産中止と決めた段階から当方が疑問を呈していたとわかるはずだ。その時点でも今と同じ質問をしており、昨日、今日ではなく、一貫している」(フォーブス)
  7. 厳しい予算環境の中でF-22生産再開の可能性が少ないのも事実だ。空軍関係者は実施したら支出規模は膨大になるとみる。2010年時点のRAND研究所による空軍委託調査では75機追加した場合は170億ドル、ただし2008年ドル価値で、としていた。
  8. だが戦場にいる男女を防護するのに価格が高すぎるということはないとフォーブス議員は力を入れる。
  9. 「数字の問題ではない。必要な装備を与えないで無事帰国させられなくなっていいのか。下院軍事委員会の面々は軍の男女が博物館もの装備でフライトしている現状にも、訓練も本来の半分しか与えられていないことにもあきあきしている」
  10. 「祖父の時代の機体で若者を戦闘に送り出したくない。だからこの国を守るために十分な装備が今必要なのだ」
  11. 現在の空軍にF-22ラインを再開する予定はないが、ペンタゴンはF-35を2,443機調達し、各軍で旧式ジェット機と交代させる。しかし、フォーブス議員は二機種は全く違う役割でF-22は空対空戦では「無敵」の存在だが、F-35はもともと空対地戦用だとする。
  12. 「F-22とF-35の組み合わせはどうあるべきか考えており、今回求める検討で答えが出ることを期待したい」
  13. フォーブス議員はF-22生産終了の決定が出た時点で全体生産機数を187機とする根拠はなかったと述べている。「幹部など多くの部署で、あれはペンタゴンでこの20年間最悪の決定というだろう」■


★米海軍が目指す次期主力機材は「ファミリー構成」複数機種になる F/A-XX名称取り下げ



海軍が攻撃能力を重視し、かつ空母運用を前提で、要求性能を追求すれば空軍の戦闘機とは違う機体になるのは当然かもしれません。またファミリー構成となれば、単一機種で空母航空戦力を構成してきたこれまでの方法論を変更することになりますね。ここでいうNGAD機が攻撃部隊の主力、F-35Cがセンサー機、E-2DがAWACS兼NIFCAの中継機、RQ-XXスティングレーが給油機となっていくのでしょうか。2030年代の空母機材は賑やかになりそうです。
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Navy Seeking ‘Family of Systems’ to Replace Super Hornets, Growlers; Sheds F/A-XX Title

April 21, 2016 12:46 PM • Updated: April 21, 2016 3:44 PM

Two U.S. Navy F/A-18 Super Hornets from Strike Fighter Squadron 31 fly a combat patrol over Afghanistan on Dec. 15, 2008. US Air Force Photo
Two U.S. Navy F/A-18 Super Hornets from Strike Fighter Squadron 31 fly a combat patrol over Afghanistan on Dec. 15, 2008. US Air Force Photo


米海軍が目指すボーイングF/A-18E/Fスーパーホーネットの後継機は単一機種ではなく、各種任務をこなす空母運用機は複数機種になる可能性が出てきた。
  1. 今年一月に海軍はこれまではF/A-XXの名称だった次世代航空優勢事業NGADの要求性能検討を開始、スーパーホーネットとEA-18Gグラウラーの両機種の後継機として2030年代に各種システム投入を期待していると海軍関係者がUSNI Newsに語った。
  2. また海軍はスーパーホーネット後継機は空軍のF-Xとは別の機材として構想する。
  3. 海軍航空戦部長マイク・マナジール少将は空軍との共同でF-XおよびF/A-XXの代替策検討をすると昨年 USNI Newsに述べていた。
  4. これに対して4月21日、海軍は空軍と情報共有するものの、F-XとNGADの共同研究は行わないと述べている。
  5. その前日には海軍は上院軍事委員会宛に海軍省航空部門トップから書面で1月に開始したNGADでは有人機と合わせ無人機さらに任意で有人操縦可能な機体も検討すると述べている。
  6. 既存機種を「段階的に進化する」改良に加え全く新型の機体複数をスーパーホーネットおよびグラウラーの後継機とすることも考えているという。
  7. NGADのシステム開発で空軍と袂を断つのは両軍間で戦術航空作戦の考え方に差があるためだ。
  8. 空軍が目指すのは高速ステルス有人機でF-22がその例。一方、海軍はペイロードを敵地に投下し実戦に投入可能な戦術機を目指す。
  9. 2015年に当時の海軍作戦部長ジョナサン・グリナート大将はスーパーホーネット後継機はステルスやスピードは重視せず、兵装装備の発展に対応できる拡張性が望ましいと発言していた。「ステルスが不要というわけではないが、高速飛行すれば空中の分子構造に変化が生じ、熱も発生する。エンジン冷却効果があっても探知を逃れることはできないだろう」
  10. そこでスーパーホーネット後継機では「各種ペイロード搭載能力が第一だ。敵防空網を突破する能力も必要。今はレーダーだが将来は別の手段が登場するかもしれない」と述べていた
  11. また海軍は空軍より無人機システムの推進で積極的だ。
  12. 昨年開催された海軍連盟主催シンポジウムで海軍長官レイ・メイバスはロッキード・マーティンF-35CライトニングII共用打撃戦闘機が純粋な有人攻撃戦闘機として最後の機体になる可能性に触れた。「無人機特に自律運航型が今後の標準になるはずだ」
  13. 「F-35が最後の有人攻撃戦闘機として海軍省が導入運航する機種になるのはほぼ確実だし、そうあるべきだと思う」■


★東レ炭素繊維素材密輸で逮捕された中国人、国土安全保障省おとり捜査




おとり捜査で摘発されたのは氷山の一角かも。中国側も今後はより巧妙に動くかもしれません。自力開発より金の力で他人の成果を奪えばよい、という中国式の価値観がここにも見られますが、対象となる製品は日本製でもあり、お金に苦しむ日本人がいつ中国に良心を売るか(売ってしまっているか)わかりませんね。

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Chinese National Arrested for Carbon Fiber Theft Attempt

Wendell Minnick, Defense News 5:27 p.m. EDT April 21, 2016
司法省発表資料によれば、中国国籍フイ・「フランク」・スンは東レのM60JB-3000-50Bカーボンファイバーをおとり捜査官から入手しようとした。国土安全保障省の捜査部門国土保全捜査隊(HSI)がスンを逮捕した。同容疑者は航空宇宙、軍事分野で使われる高品位カーボンファイバー素材を密輸しようとしていた。
  1. スンはHSIのおとり捜査官にカーボンファイバーを「バナナ」の暗号で連絡するよう指示していた。4月11日に中国からニューヨークに到着し、カーボンファイバー買い付けを図った際にHSI捜査官に用途は中国の軍事装備用だと語った。スンは同時に中国のミサイル開発に関係し、上海にある中国国家航天局の職員であると身元を明かし、軍との関係も深いと述べたと公訴文書にある。
  2. 「スンは潜入捜査員に現金23千ドルがカーボンファイバー代金として手渡した。さらにカーボンファイバーを中国に非合法輸出するリスク補償として2千ドルが潜入捜査員に支払われた」と政府文書は述べている。
  3. HSIおとり捜査では偽企業を立ち上げ、オンラインで各種製品販売用の「ショールーム」をオンライン上に開く。今回のおとり企業の正体は不明だが、ニューヨーク市内にあるようだ。
  4. スンは今回の取引は第三国を介して行うとし、オーストラリア、ベルギー、韓国の名前を挙げている。スンは以前の取引で韓国業者からカーボンファイバーを入手しており、その際は韓国の輸出管理体制を出し抜くため、その韓国業者と共謀してカーボンファイバーを「アクリル繊維」と偽ったという。カーボンファイバーとアクリル繊維は視覚上は区別しにくい。スンは今回の潜入捜査官に「バーコードはすべて消す」よう求め「該当商品の所在を追跡できなくし、生産地をわからなくしろ」と指示したと文書は述べている。
  5. これ以前のおとり捜査官との連絡でスンは東レの M55JB-6K カーボンファイバーを「米国内の知人」から入手したいとも伝えていた。
  6. 司法省はスン逮捕を4月13日に公表した。スン事件はHSIの対テロ工作・麻薬・高度不正行為・サイバー犯罪部門が担当している。
  7. 中国はこれまでも米国内で兵器転用可能なカーボンファイバーの入手を図っている。
  8. 2013年に連邦裁判所は中国国籍Ming Suan Zhangもカーボンファイバーの国外持ち出しを図り懲役57か月の禁固刑を受けている。この際のおとり捜査はニューヨーク市内で展開した。司法省資料によればZhang被告が米側当局に浮上したのはカーボンファイバー数トンを台湾バイヤーに調達させようとしたためで、東レM60もその一部だった。Zhan被告は「新型戦闘機」に使用するためと述べ、中国北方工業が開発中の機種とした。同社はハイエンド軍事装備製造で知られる。
  9. 別の中国国籍Lisong Maは2014年に「兵器級」の東レT800-HB12000-50Bカーボンファイバーを中国に持ち込もうとして摘発され46か月の禁固刑判決を受けている。MaはT800を米おとり捜査官からニューヨークで買い付け上海へ送るつもりだった。Ma被告は5トンのファイバーを入手しようとしたと陳述している。
  10. ワシントンDCに本拠を置く科学国際安全保障研究所の上級政策研究員アンドレア・スティッカーによれば今回のおとり捜査は「ミサイルやミサイル用カーボンファイバーの拡散予防および輸出統制の実効性向上に有益な効果を上げる」意味があるという。スティッカー研究員はさらにT300基準以上のカーボンファイバーのM60(Mファイバー)はガス遠心分離機の回転部分にも使えると指摘する。「今回の事案から中国密輸業者が引き続き政府取り締まりを逃れて活動中であり、中国政府が直接関与しているのも明らかになった」という。■

2016年4月21日木曜日

新型駆逐艦ズムワルトの引き渡し近づく


Zumwalt Departs Bath Iron Works for U.S. Navy Acceptance Trials

April 20, 2016 12:18 PM

The guided- missile destroyer Zumwalt (DDG-1000) departs the Bath Iron Works shipyard on March 24, 2016. US Navy Photo
バスアイアンワークス造船所を出港する誘導ミサイル駆逐艦ズムワルト(DDG-1000)。2016年3月24日撮影。US Navy Photo

誘導ミサイル駆逐艦ズムワルト(DDG-1000)は4月20日ジェネラルダイナミクスのバスアイアンワークス造船所を出港し、引渡し前公試に向かった。

  1. 排水量16,000トンの同艦はケネベック川を下り大西洋に向かい、海軍の検査調査評価を受け順調にいけば五月に海軍へ引き渡される。
  2. 「今回は艦の基幹システムと技術要素として航法、機関反応、副システム各種、居住性、防火損傷対応をテストし、海軍の要求内容に合っているかを見る」と海軍海洋システムズ本部(NAVSEA)は声明文を発表している。
  3. 3月にはバスは同艦を四日間にわたり造船所公試に連れ出し、船体設計、電気機械系統 (HM&E) のテストを行っていた。
  4. 引渡し前公試ではズムワルトのHM&Eシステムの根幹をなす初めて導入荒れ田統合発電システム(IPS)に焦点を当てる。IPSはロールスロイスMT-30ガスタービンエンジン二基の出力とディーゼル発電機も併用し、艦内に配電網を巡らせる。従来型の直接機械結合方式の推進と異なり、IPSは大型電動誘導モーターに電力を供給し、艦を推進させる。
  5. IPSの製造、テストが複雑なため艦の公試が数か月遅れる結果になった。
  6. 引き渡しの後でズムワルトはサンディエゴへ回航され、戦闘装備の艤装を受ける。これでバス造船所にはスペースが生まれ、残る二隻 マイケル・ムーンソー(DDG-1001)とリンドン・B・ジョンソン (DDG-1002) の建造とアーレイ・バーク級誘導ミサイル駆逐艦の追加建造が始まる。■
Navy: Destroyer Zumwalt Back at Bath Iron Works After Builder’s Trials
Delays in Zumwalt Destroyer Program Hamper Production of DDG-51s at Bath Iron Works

2016年4月20日水曜日

★F-22生産再開>空軍へ検討を求める下院予算法案




日のないところに煙は立たず。先日お伝えしたF-22生産ライン再開の構想は突拍子もない思い付きではなかったのですね。ただし文中にもあるように生産再開が経済性を無視した事業になるのは必至です。(その場合は日本やイスラエルに請求書を回せばよいとの主張がでるのでは) さらにA型をそのまま再開するより技術改良を反映したB型(仮称)を生産してこそ意味があるのであり、この開発にさらに資源が必要ですからどう考えてもそのまま実現するとは思えませんね。
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House Legislation Orders F-22 Restart Study

Lara Seligman and Joe Gould, Defense News 6:21 p.m. EDT April 19, 2016

SKOREA-MILITARY-DEFENCE
(Photo: JUNG YEON-JE/AFP/Getty Images)
WASHINGTON — ロッキード・マーティンがF-22ステルス戦闘機の生産ラインを閉鎖してほぼ5年、米下院は空軍へ組立再開の検討を命じたと4月19日火曜日に公表した。
  1. 当時の国防長官ロバート・ゲイツによりロッキードのマリエッタ(ジョージア)、フォートワース(テキサス)両施設でのF-22生産は187機で終了した。当初は749機が調達予定だった。ここにきて米軍の技術優位性がロシア・中国に対し減少中との恐れがましており、下院では今年度の予算審理中に生産ライン再開に特に強い関心が示されている。また運用中のF-22がヨーロッパ、中東に急きょ展開しているのも注目を集めている。
  2. 下院軍事委員会の戦術航空・陸上兵力小委員会は2017年度国防政策法案の一部に空軍長官に対しF-22を最低194機追加調達した場合の費用検討を求める項目を追加した。また検討結果を議会内該当委員会に2017年1月1日までに提出するよう求めている。
  3. 「米国の航空優越性への脅威が敵方が技術格差を縮めることで増大する一方、同盟国協力国から高性能装備・多用途機材で世界の安全保障脅威に対応したいとの要望が増えていることにかんがみ、当委員会はかような要望はさらに検討の価値があるものと信ずる」と法案は述べている。
  4. ただし、空軍関係者は一貫してラプター生産再開は巨額の予算だけ使う無駄だと主張している。RAND研究所が行った2010年の空軍委託研究ではF-22を75機生産した場合の総費用を2008年価格で170億ドルと見積もっている。
  5. 同法案では共用目標監視攻撃レーダーシステム(JSTARS)の次期機体整備の加速化に関する情報提示を求めている。2017年度予算要求では技術生産開発契約交付が最大六か月遅れると見込み、実施が2018年になれば初期作戦能力獲得も一年遅れ2024年になる。
  6. JSTARSは現在16機稼働中だが、2025年度には10機不足するとペンタゴンは見ており、同法案では空軍長官にJSTARS再整備計画を二案準備するよう求め、委員会には12月1日期限でないよう報告を求めている。
  7. 同法案では空軍が実施中の技術成熟化およびリスク低減(TMRR)作業への不満が表明されており、空軍は代替レーダー技術を模索すべきとしている。
  8. 他方、同法案はF-35共用打撃戦闘機事業の維持支援戦略の分析を連邦会計検査院院長に求め、4月1日までに議会国防関連諸委員会へ結果報告を求めている。
  9. 同機の調達戦略は海外諸国の参画が前提で、F-35事業推進室を率いるクリス・ボグデン中将は「世界規模の維持管理制度」の構築をめざしている。同中将は現状のサプライチェーンでは増産や日常点検に対応した作業ができなくなると警告している。■

★形状変更素材で水中空中で運用可能小型無人機の製造を期待する米空軍



これは冶金学の専門家の方にご意見を聞かないといけませんが、事実なら画期的な素材になりそうです。当面の応用が小型無人機というのは大規模な部材には応用できる見込みが今のところないという意味でしょうね。本当に実現すれば画期的な装備が生まれるでしょう。
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Air Force Wants Shape-Shifting Aerial, Underwater Drones


POSTED BY: BRYANT JORDAN APRIL 18, 2016

(Image courtesy Cornell University)(Image courtesy Cornell University)

米空軍がコーネル大学に資金を提供し、形状変化する超小型無人機の実現につながる新素材の開発が進んでいる。
  1. 無人機はシリコンと金属の複合素材製の主翼がつき、液体金属として変形可能となるとまるで「ターミネーター2」の世界だ。
  2. 研究の中心は空中と海中で活躍するロボフィッシュだ。
  3. 「研究にはツノメドリを思い描きました」とコーネル大大学院生Ilse Van MeerbeekがLiveScience.comで語っている。「空中を飛行して翼をたたんで水中にもぐりますが、変形能力がないと翼がこわれてしまいます」
(Image courtesy Cornell University)
(Image courtesy Cornell University)

  1. 「空軍が興味を示しているのは、変形主翼が小型機に応用できると考えているからです。可動部品を使わなくてすむのは利点です。部品点数が少なければ故障が減るからです」
  2. 変形素材の研究でコーネル大が2月の高度素材研究学術誌に論文を発表している。研究チームによれば複合材の製造方法はシリコン泡沫を溶融金属に浸してから真空中に置いて金属成分が空気を抜いた泡沫の孔に吸収されることで可能だという。
  3. 研究スタッフは LiveScienceでこの素材の部品二つを組み合わせてから加熱すれば、金属部分が溶融し、部品は一体化するが機械強度はごくわずかの低下しか発生しないという。■


2016年4月19日火曜日

巡航ミサイルから指向性エネルギーで敵電子装備を破壊するCHAMP登場




Air Force Wants Cruise Missiles Capable of Beaming Directed Energy

POSTED BY: RICHARD SISK APRIL 13, 2016
(Photo courtesy Air Force Research Laboratory Directed Energy Directorate)
(Photo courtesy Air Force Research Laboratory Directed Energy Directorate)

米空軍は低空飛行中の巡航ミサイルから指向性エネルギービームを発射し敵防空網を突破する構想を検討中だ。対電子装備高性能ミサイルプロジェクトCounter-Electronics Advanced Missile Project, CHAMPの名称がついている。
  1. これまでも対電子装備兵器には海軍のEA-18Gグラウラーのように敵レーダーを妨害するものがあったが、CHAMPは敵レーダーを破壊する。空軍は12日にペンタゴン中庭で指向性エネルギー兵器構想の展示会を開き、その席上でこの構想を紹介している。
  2. カークランド空軍基地内(ニューメキシコ州)にある空軍研究所がボーイングAGM-86空中発射式巡航ミサイルを改造し高出力の高周波パルスの指向性エネルギービームをアンテナから発射し「敵の軍事電子装置や通信装置を使えなくする」ようにした。
  3. 「今のところはB-52でしか運用できません」とAGM-86を搭載するのが同爆撃機だけであるとニコラス・クォーターモント少佐(空軍研究所)が指摘するが、空軍はCHAMPを F/A-18やF-35共用打撃戦闘機でも運用できるように作業中だ。
  4. ボーイングはCHAMPの初期成功結果を2012年に公表ずみで、空軍は複数発射で複数目標に対抗できる制御可能な改良型を今年後半にテストする。
  5. ボーイングは2012年のテスト成功後に「CHAMPミサイルは事前プログラム通りの飛翔をし、高出力エネルギーのバーストを複数回放出し、効果的に目標のデータを破壊し、電子装置を使えなくしている」「CHAMPは一回のミッションで複数目標へ高周波数の攻撃を加えることができる」としている。
  6. また空軍はCHAMPの利点として「正確に目標を狙い、不必要な被害や生命への危険を回避できること」をあげている。■

★F-35A を2040年代まで戦力として残すために米空軍がしていること



Air Force F-35 Trains Against Russian, Chinese Air Defenses

KRIS OSBORN
03/31/2016


米空軍はF-35に2030年から2040年代になっても敵防空体制に有効にさせたいとしている。
新しい脅威に対応させる
  1. 空軍が航空演習およびコンピュータシミュレーションで戦闘ミッションを繰り返し、中国あるいはロシアの防空技術に対する有効性を試すのは、2020年代以降を想定した準備の一環である。テストではロシア製防空装備など現時点で最先端の防空体制を前提に、次世代の開発中装備も想定している。
  2. 2001年時点で空軍はJSFの脅威対象はロシア製SA-10やSA-20が中心だとしていたが、現在はロシアに加え、中国製ならびにアジア発の脅威対象も視野に入れている。
  3. 「デジタル式SAMが出現し、途中で周波数を変更し、機動性すぐれた地対空ミサイルがあたりまえになる」とジェフリー・ハリガン中将(F-35統合室長)は取材で答えている。
  4. 新型装備で数百マイル先で探知できるものがあらわれ厄介な存在になってきた。さらに高速コンピュータを使用し、ネットワーク機能も充実してくると多様な周波数を使用した統合防空体制が出現してくるだろう。遠距離での機体探知能力と組み合わせ防空体制が大幅に向上し、ステルス機といえども安閑としていられなくなる。
  5. 空軍が想定する有事は中国やロシアといったほぼ同水準の戦力を有する国が相手だが、ハリガン中将は中国やロシアから防空装備を購入した国との対決の方をより憂慮していると語った。中将のいわんとするのはいかなる事態にも準備すべきということだ。
  6. ハリガン中将はさらにF-35には「オープンアーキテクチャア」が装備されており、新兵器を迅速に取り入れ、ソフトウェアやエイビオニクス技術も敵の脅威に対応できると説明。
  7. 「この機体を導入する理由の一つに脅威対象の進化があり、どんな環境でも残存性を確保しなければなりませんし、こちらの接近を阻止しようと敵も能力を引き上げていきます。この機体は敵地に侵入し、兵器を投下し、情報を味方に共有する能力があるんです」
  8. 最高水準の敵防空網を想定した演習をハリガン中将は「オープンエア」演習と呼ぶが、ハイエンドかつハイテクで急速に開発が進む将来の脅威対象を想定している。ここでモデリングとシミュレーションが大きな意味を持ってくると中将は述べた。
  9. 「モデリングとシミュレーションで機動性を最大限に試しています。実際の演習空域では予想される脅威への対応を試しています。敵の開発ペースを考えると、対応の難易度は高くなっていくでしょう」
  10. 空軍は次世代の敵防空体制装備の実例をウェポンスクールに2018年から導入する。
  11. シミュレーションではラングレー空軍基地(ヴァージニア州)に配備した機体はネリス基地(ネヴァダ州)の機材と戦闘シナリオで訓練する。
  12. JSFが搭載するアクティブ電子スキャンアレイ(AESA)レーダーで合成開口像を空中、地上のいずれでも利用可能となる。AESAは同時に電子攻撃能力も実現するとハリガンは説明した。
搭載ソフトウェアの現状と展望
  1. 今後のF-35近代化改修ではソフトウェアを脅威内容に合わせて更改していく。AESAレーダー、電子攻撃能力、電子防御やコンピュータ処理能力の性能を引き上げていくとハリガン中将は述べた。
  2. JSFは最高速度マッハ1.6で、F-15やF-16と同等の操縦性をもちながら各種の装備と戦力を実現する。
  3. 米空軍はF-35Aを1,763機調達すると戦闘機機材の大部分は同機になる。現時点で空軍が供用中のF-35Aは83機だ。
  4. JSFの戦闘能力を握るのがソフトウェアの増加改訂「ドロップス」で機体能力を都度引き上げていく存在だ。JSFのコンピュータコードは10百万行を超える規模になっている。
  5. 空軍はF-35に最新のソフトウェアドロップの3Fを搭載して作戦能力の獲得を宣言する予定だが、すでに四番目のドロップで作業が始まっており、2020年ないし2021年にこれが利用可能となる予定だ。彼杵、機体には二年おきに最新のソフトウェアドロップが搭載され、敵の脅威に対する有効性を維持する。
  6. ブロックIVソフトウェアの最初の部分の予算は12百万ドルで2014年度予算で確保済みと空軍は説明している。
搭載兵装では
  1. ブロックIVでは英国製、トルコ製の兵装対応が可能となり、その他ヨーロッパ製武装の搭載が希望通り実現できるようになる。
  2. ブロックIVでは運用できる兵装の性能が上がり2020年代から2040年代にかけて敵の防空システムに対抗できる見込みだ。具体的には小口径爆弾II型およびGBU-54ともに空中投下型爆弾の運用が可能となる。このうち小後継爆弾II型は「三モード」方式のシーカーを搭載し、赤外線、ミリ波、レーザー誘導のいずれも利用する。各種センサーを併用することで移動目標を追尾し破壊することが全天候で可能となる。第四世代のソフトウェアはこれまでのソフト資産を元に発展させていく。
  3. ブロック2Bでは高性能模擬攻撃弾、データリンク性能、早期センサー統合機能でブロック2Aの延長線上の進化を遂げる。またブロック2Bでは近接航空支援任務の基本が可能となり、AMRAAM高性能中距離空対空ミサイル、JDAM共用直接攻撃弾、GBU-12レーザー誘導爆弾の運用が可能となる。.
  4. ブロック2Bに続くブロック3iで戦闘能力はさらに引き上げられr、ブロック3Fは敵防空網の制圧能力が大幅に上がる。
  5. ブロック3Fでは兵装運用能力が上がり、小口径爆弾、500ポンドJDAM、AIM 9X短距離空対空ミサイルの利用ができるという説明だ。
  6. 実際にF-35でAIM-9Xサイドワインダー赤外線誘導空対空ミサイルの試射を最近開始したおペンタゴン関係者が明らかにした。このF-35はエドワーズ空軍基地(カリフォーニア州)を離陸後、ミサイルを高度6,000フィートで発射したと空軍は公表している。
  7. 今後の開発の方向性を示すものとしてF-35では機体前方や視界内にいない敵機も捕捉撃破する「照準外」 “off-boresight”攻撃能力の開発が期待される。
  8. AIM-9Xでは高機動性の推力方向偏向可能な設計で、照準外攻撃能力をパイロットがヘルメットから広い範囲で実現可能となる。
25mmガトリング機関銃
  1. また昨年秋にはF-35左翼搭載の25mmガトリング銃で初の空中発射を行っている。
  2. 「F-35A搭載の25mm銃で飛行中発射機能のテストとして初の快挙となった」とペンタゴンは発表している。
  3. ガトリング銃により空対空にあわせ近接航空支援任務にも投入できるようになりF-35の多用途戦闘機としての価値があがる。
  4. 同装備は航空機搭載機関銃GAU-22/Aと呼ばれ、同機のステルス性能を損なわない工夫がされている。銃身四本の25mm銃は高速発射で敵を簡単に撃破できる。発射速度は毎分換算3,300発だとメーカーのジェネラルダイナミックスは説明している。
  5. 「一回30発を三回あるいは60発発射を二回実施しており、通常は銃を内部にしまいレーダー弾面積を低くし、引き金を引く段階で外部に出す」とペンタゴンの説明文書は述べている。
  6. 第一段階の試射では延べ13回の地上発射を三か月で行い、機体との整合性を確かめている。最終的には各種の飛行条件や機体装備の組み合わせでも銃の運用に問題がないことを確認する。
  7. 新型機関銃はF-35のソフトウェアでもサポートし、パイロットはヘルメット搭載のディスプレイで射撃できるようになる。この銃の運用は2017年までに始まる。■A