2022年7月5日火曜日

ウクライナ戦の最新状況(現地時間7月4日現在) 守勢に回るウクライナ軍

シアの侵攻が始まり131日目の月曜日、ウクライナ軍はドンバスで部隊再配置を行い、経験豊富な部隊の温存と戦闘効果を確保するために守りを固めた。 

 

ドンバスの状況 

昨日リシチャンスク、前週セベロドネツクを占領したロシア軍は、現在ルハンスク州のほぼ全域を支配している。両市とも、ウクライナ軍は進攻してきたロシア軍に多大な損害を与えた後、ウクライナ軍はドンバス西側でより良い守備位置を確保するため、撤退を選択した。 

 

 

一方、南方戦線では、ウクライナ軍がケルソン近郊で着実に地歩を固めている。ウクライナ軍は現在、重要な同市を目視できる範囲に展開している。ロシア軍はこの戦線で防御に徹し、長距離砲撃でウクライナ反攻を挫き、遅らせている。 

 

ロシア軍の損失 

ウクライナ軍は毎日、ロシア軍の死傷者数を発表している。これらの数字は公式の数字であり、個別に検証されてはいない。 

 

しかし、西側の情報機関の評価と独立した報道は、ウクライナの主張する死傷者数をある程度裏付けている。例えば、オープンソースの情報研究ページ「オリックス」は、約800台のロシア戦車を破壊または捕獲したことを視覚的に検証しており、この評価は英国国防省によって確認されている。 

 
 

他のウクライナの主張のほとんどについても、同じような独立した検証が存在する。つい最近、米国防総省は、ロシア軍が1,000両以上の戦車、数十機の戦闘機やヘリコプターを含むあらゆる種類の戦闘車両数千台を失ったことを認めた。 

 

さらに、西側情報機関の関係者を引用した最近の報道では、ロシア軍はこれまでの戦争で最大2万人の死者を出したという。 

 

実際の数字を確認するのは、現地にいないと非常に難しい。しかし、戦争の霧やその他の要因を調整した後、西側の公式数字はウクライナの主張とかなり近いという。 

 

月曜日の時点で、ウクライナ国防省は以下のロシア人犠牲者を主張している。 

 

  • 戦死36,200人(負傷者・捕虜は約3倍) 
  • 装甲兵員輸送車3,754 
  • 車両および燃料タンク 2,629 
  • 戦車1,589 
  • 大砲804 
  • 戦術的無人航空機システム 658 
  • 戦闘機、攻撃機、輸送機 217 
  • 多連装ロケット(MLRS) 246 
  • 攻撃・輸送用ヘリコプター 187 
  • 撃墜した巡航ミサイル143 
  • 対空砲台105基 
  • 橋渡し装置などの特殊装備65 
  • ボート・カッター15 
  • 移動式弾道ミサイル「イスカンダル」4 

 

この数週間、ドンバスで継続的な圧力と攻撃作戦にもかかわらず、ロシアの死傷者の割合は大きく減速している。このことは2つのことを示唆している。1つ目は、ロシア軍の指揮官が攻撃作戦に慎重になっており、目的を達成するために複合兵器をフル活用していること、2つ目は、ウクライナ軍の戦闘力や弾薬が不足していること、これは3カ月以上にわたってロシア軍と戦っていれば当然予想されることである。最近の現地からの報告によると、この2つの要因はいずれも事実であり、戦いの疲労が双方に追いついてきているようだ。 

 

先月の大半、ロシア軍はスロビヤンスク、クリビイ・リフ、ザポリジャー地区周辺で最大の死傷者を出し、そこで行われていた激しい戦闘を反映していた。日が経つにつれ、激しい戦闘はスロビャンスクの南東にあるバフムト方面、ウクライナの重要な町セベロドネツク、ライマン周辺に多く移行していった。 

その後、ウクライナ軍の反攻により、最も多くの犠牲者が出た場所は、ヨーロッパ最大の原子力発電所があるケルソンとザポリジャの地域へと再び西へ移動した。 

 

月曜日には、ウクライナ軍はバフムート近郊で最も多くの犠牲者を出した。 

 

ロシア軍の東部での再攻撃の目的は、ドネツクとルハンスクの親ロシア派の離脱地域を完全に支配し、これらの地域と占領したクリミアの間に陸上回廊を作り、維持することであると表明している。■ 

 

Stavros Atlamazoglou | July 4, 2022 

 
 

2022年7月4日月曜日

スウェーデン、フィンランド両国のNATO新規加盟をホームズ教授はこう見ている

 JAS 39 Gripen

スウェーデン空軍のJAS-39グリペンがアークティックチャレンジ演習で米空軍KC-135Rから空中給油を受けた Sept. 24, 2013,(U.S. Air Force photo by 1st Lt. Christopher Mesnard/Released)

 

 

ーロッパの最新のニュースによると、トルコがフィンランドとスウェーデンのNATO、通称大西洋同盟への加盟にへの異議を撤回した。NATOは全会一致原則で決定するため、トルコ政府は新たに加盟を申請した2カ国がクルド人分離主義に寛大だと主張していた。明らかに、アンカラはヘルシンキとストックホルムから、トルコの感情を和らげるのに十分な譲歩を引き出せた。

 

だから、どう見ても、二カ国の新規加盟は決まったようなものだ。北欧諸国がNATOの北の砦に加わることの文化的、地政学的、作戦的側面について見てみよう。

 

まず、文化だ。人間の性質として、個人や集団が長年慣れ親しんできた考え方や感じ方、行動様式から抜け出すには、鋭い一撃が必要である。変化を喜ぶ人はほとんどいない。プーチンは、意図的であろうとなかろうと、一夜にして文化的閉塞感、この場合はフィンランドとスウェーデンの中立文化を打ち壊した。ロシアのウクライナ侵攻は、まさにそれを実現し、ロシアと西ヨーロッパの国境沿い、つまり北欧の国境沿いのどこにでもロシア軍が進軍する可能性が出てきた。

 

バルト海沿岸諸国は、侵略と征服の予感に一瞬にして心を奪われた。誰もロシアの属国にはなりたくないのだ。

 

アメリカ空軍の大佐で戦略家のジョン・ボイドは、そう言うとうなずいた。ボイドは、戦闘機のパイロット仲間やあらゆる分野の戦士たちに、周囲の状況を把握したうえで、敵対する相手の周囲で突然、激変させるよう促した。ボイドは、「高速の過渡現象」を相手に与えれば、相手が混乱し、戦術的、作戦的、あるいは戦略的な優位を奪えるとアドバイスしている。

 

問題は、プーチンがすでにウクライナに対して高速で威嚇的なトランジェントを放ち、その防衛側が大部分のオブザーバーの予想以上に耐えてきたことである。ロシアの侵略には、ロシアの近隣諸国も驚かされたが、その打撃は他地域にも及び、ストックホルムとヘルシンキにはヨーロッパのニューノーマルを理解し、適応する時間が与えられたのである。その時間を利用して、両国は自国防衛のためNATO加盟を目指したのである。

 

ボイドの言う通り、速いトランジェントは強力な戦略手段だ。しかし、扱いを誤れば、成功が保証できなくなる。

 

第二に、地政学的な問題だ。スウェーデンとフィンランドを同盟に迎え入れると、バルト海という地政学の大家ニコラス・スパイクマンのいう「限界海域のガードル」の構成水域を守るため沿岸と水域が追加されることになる。これらの海域は、米国や帝国全盛期の英国などのブルーウォーター海洋国家が、ユーラシア大陸に軍事的・外交的影響力を行使するため確保しなければならない海域である。そして、中国、ロシア、イランなどが同海域に目を向けているため、海域の争奪戦は激化の一途だ。

 

この地理的空間への米国および同盟国の海・空軍のアクセスを拒否することができれば、あるいは少なくともアクセスにかかる費用を驚くほど引き上げることができれば、ユーラシア問題に対する域外の影響力を制限することができると、地元の覇権者たちは考えているのである。スパイクマンのバランシング論理を自国利益のために解きほぐすことができる。

 

しかし、成功は約束されたものではない。北欧諸国をすべて包含するようにNATOを拡大することは、同盟を海洋上の地理的優位な位置に置くことになる。ロシアがサンクトペテルブルク港からバルト海、ましてや北海や大西洋の公海にアクセスするのを阻む。要するに、フィンランドとスウェーデンのNATO加盟は、北極圏とバルト海に冷戦時代の雰囲気を与えることになる。ただし、二重の意味で。当時、ソ連はNATO加盟国やNATOに友好的な中立国と対峙していた。ソ連崩壊後のロシアは、旧ソ連諸国と中立国を含む、大西洋同盟に忠誠を誓う統一ブロックと対峙することになる。

 

NATOの新しい地図は、プーチン大統領を落胆させたに違いない。

 

また、今回の加盟は北極圏問題にも影響を及ぼす。フィンランドとスウェーデンは北極海に面しないが、北極評議会のメンバーであり、北極圏に重要な利害関係があると考えられる。NATOに加盟すれば、ロシアとNATO加盟国との間で理事国間の格差が生じる。モスクワは北極海を隔てて、西側諸国しかない海岸を睨むことになる。ここでもまた、比較可能なライバル同士の対称的な一騎打ちは、必然的な結論に近づく。

 

海上での弱点を突くために、モスクワはおそらく地上、航空、ミサイルに頼るだろう。そして実際、モスクワはすでに新しい同盟国との国境に、核弾頭を搭載したミサイルを配備すると脅している。これは、ロシア海軍の海域へのアクセスを妨げるなという、さりげない警告だ。

 

未来はどうなるのだろうか。バルト海と北極海の地政学を過去と現在の類似した半閉鎖的な海域と比較することで、バルト海と北極海の情勢における可能性の高いダイナミクスを見いだせるだろう。例えば、北方海域で形成されている比較的単純な競争構造は、地中海と対照的だ。地中海では、沿岸国家多数が、同盟関係にあるものもあればないものもあり、それぞれ利益を守るためにしのぎを削っている。一方、アメリカやロシアといった強力なアウトサイダーは、地中海で自らの目的を達成するため存在感を示している。これは、多次元的、多変量的な戦略的競争である。

また、北方での競争は、南シナ海での紛争とは対照的である。ここでは、一国の巨人である中国が、圧倒的に劣勢な近隣諸国と対峙し、日本、オーストラリア、米国など強力なアウトサイダーが、強者に対して弱者がバランスを保つため支援を試みているのである。バルト海や北極圏といった地政学的地域を、地中海、黒海、南シナ海、あるいはカリブ海といった他地域と並べることで、北半球の将来を知る手がかりが得られるかもしれない。

 

NATOは、不完全ながら有益なこの覗き窓から、同海域を覗き込むべきだ。地図に学び、海軍の歴史に学ぶのだ。

 

そして第三に、作戦、ドクトリン、部隊設計だ。NATO軍は長い間、スウェーデンやフィンランドの船員と一緒に行動し、海戦のベストプラクティスを共有してきた。著者自身も海上勤務時代はそうだったが、もうずいぶん昔のことだ。このため、長く中立国だった2国にとって、同盟の正式な一員であることの利点を誇張しすぎないことが重要だ。しかし、メリットは実際に存在し、ユーラシア大陸の辺境海域全体に適用される。

 

考えてみてほしい。北欧の海軍は、ロシア海軍のような強敵を手こずらせるために、小さくても攻撃力のある艦艇で、混雑し入り組んだ沖合地形をうろつくことに慣れている。そのため、ロシア海軍のような強敵に手強い。狭い海域で、より少ない人数でより多くの仕事をこなす各国のやり方を熟知していれば、同盟軍はもちろん、米海軍、海兵隊、沿岸警備隊、関連する統合軍に配当が支払われる。結局のところ、インド太平洋の潜在的な戦場と酷似している窮屈な場所だ。

 

特に西太平洋は、米軍と同盟軍が遠征型前進基地作戦、分散型海上作戦など新しい戦略的概念の遂行を想定する激戦区だ。また、米軍司令官は、あまり声高に主張しないが、同盟国が中国人民解放軍に対して劣勢で戦うことを暗黙のうちに認めている。少なくとも熱い戦争の初期には。学べることが多い。

 

スウェーデンとフィンランドをNATOに加盟させることは、近隣の捕食者から防衛するための土地が増えるなど、負債を伴う。しかし、地理的、作戦的に見れば、同盟国の輪を広げる考え方に賛成せざるを得ない。

 

バランスよく考えれば、私は......お帰りなさい、と言いたい。■

 

Sweden and Finland Are Joining NATO: A Good Move for the Alliance? - 19FortyFive

ByJames HolmesPublished3 hours ago

 

 

A 1945 Contributing Editor, Dr. James Holmes holds the J. C. Wylie Chair of Maritime Strategy at the Naval War College and served on the faculty of the University of Georgia School of Public and International Affairs. A former U.S. Navy surface warfare officer, he was the last gunnery officer in history to fire a battleship’s big guns in anger, during the first Gulf War in 1991. He earned the Naval War College Foundation Award in 1994, signifying the top graduate in his class. His books include Red Star over the Pacific, an Atlantic Monthly Best Book of 2010 and a fixture on the Navy Professional Reading List. General James Mattis deems him “troublesome.” The views voiced here are his alone. Holmes also blogs at the Naval Diplomat

In this article:featured, Finland, NATO, Russia, Sweden, Ukraine


Know Your Enemy: インフレを招いたのはG7だというプーチンの考え方。西側が決めたルールに従うつもりはない。

 

Know Your Enemy: 今回はロシアです。

ポイント: 西側世界のルールに従うつもりはない。世界規模のインフレを招いたのはG7の無策が原因だ。


新ブログ Know Your Enemy との同時発表記事です。ご了承ください。

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米諸国がインフレ率の上昇への対処に躍起になる中、ジョー・バイデン米大統領は、インフレは「プーチンの値上げ」の結果と主張し、自国とヨーロッパの経済苦難の責任をロシア大統領に押し付けようとしている。

 世界中で観察されるインフレ上昇の原因は、ロシアのウクライナでの軍事作戦ではなく、G7諸国による長年の「無責任な行動」にあると、ウラジーミル・プーチン大統領が金曜日述べた。

「インフレの急激な上昇は昨日起こったことではなく、G7諸国の長年にわたる無責任なマクロ経済政策の結果である」とプーチン大統領はBRICSプラス会議の中で述べた。

 西側諸国はウクライナでの軍事行動をめぐりロシアに圧力をかけ続けているため、インフレの急上昇を経験している。米国ではインフレ率が8.6%を超え、英国の前年比インフレ率は9.1%、ユーロ圏では8.1%と報告されている。

 しかし、欧米諸国はロシアの軍事作戦を「侵略」と非難し続けており、モスクワはドンバスの人々の救援要請に応じ作戦を開始し、「ウクライナの非軍事化、脱ナチス化」を目標に掲げていると強調している。


ルールは誰が決めるのか?

ロシア大統領によれば、世界の貿易は「混迷」しており、世界の金融システムはぐらつき、サプライチェーンは混乱しているという。

 プーチン大統領は、ウクライナ産穀物の供給への懸念について、こうした懸念は人為的に煽られたものであり、ロシアはウクライナから輸送される穀物にいかなる障害も与えていないと述べた。

 「農産物、肥料、エナジー担体、その他重要製品の供給に関するすべての契約上の義務を誠実に履行し続ける用意があるのは確かだ」と述べた。

 さらにプーチンは、国連中心の世界の安全保障構造を、いわゆる「ルールに基づく秩序」に切り替えようとする国があると指摘した。

 「何のルールだ?そのルールは誰が作るのか」と疑問を呈した。

 BRICS諸国が多くの問題で意見を共有していることから、BRICS+は「有用」であり、参加者は世界に「真に民主的な多極化秩序」を確立しようとしていると、ロシア大統領は続けた。

 中国の主催で2日間のBRICSサミットは、木曜日にテレビ会議で始また。サミットには、グループ国の首脳が出席し、プーチン大統領はインドのナレンドラ・モディ首相、ブラジルのジャイル・ボルソナロ大統領、南アフリカのシリル・ラマフォサ大統領、中華人民共和国の習近平国家主席と出席した。

 金曜日には、アルゼンチンのアルベルト・フェルナンデス大統領が自国のBRICS加盟を要請し、同国が 「世界人口の42%、世界総生産の24%を占める 」グループの一員になることを熱望していると強調した。■



Putin: G7's 'Irresponsible' Actions Triggered Global Inflation, Not Russia's Special Op in Ukraine

https://sputniknews.com/20220624/putin-g7s-irresponsible-actions-triggered-global-inflation-not-russias-special-op-in-ukraine-1096632717.html


歴史に残る機体(34) AC-130ガンシップは米軍作戦あるところ、上空を飛んでいたが、中露都の対決では出番がなくなるのか。

 

AC-130 Gunship. Image Credit: Creative Commons.

 

ッキードAC-130は、ユニークな機体だ。ビデオゲーム「Call of Duty」シリーズで有名になったAC-130は、長時間滞空し、地上攻撃を行うため設計されたガンシップだ。AC-130は、各種ミッション・プロファイル標的対応に適した、幅広い地上攻撃兵器が搭載されている。

 

真の戦士

AC-130は、輸送機C-130ハーキュリーズを原型に、舷側から帆走戦列艦のように巨大な砲を突き出した外観が特徴的な機体だ。1966年のデビュー以来、各型、さまざまな兵器を持つAC-130が使用されてきた。J型は、30mm ATK GAU-23/A自動砲、105mm M102榴弾砲、AGM-176グリフィンミサイルおよびGBU-44/Bバイパーストライク弾の武器システムを装備する。AC-130は、主翼にAGM-114ヘルファイアミサイル、GBU-39小口径爆弾(SDB)、GBU-53/Bの搭載も可能だ。旧型機では40mm L60 ボフォース砲も搭載していた。

 近接航空支援、航空阻止、輸送船団護衛、市街地作戦、部隊防護などに対応し、パイロンを反時計回りに回転しながら目標を旋回するため、地上の定点に正確な射撃が可能で、従来の空爆より大幅に改善された効果を発揮する。

 他の軍用機とは異なり、AC-130は非加圧キャビンで、低高度で運用され、通常は高度7,000フィートから武器システムを発射する。AC-130は低高度で運用されるため、通常、夜間に暗闇にまぎれて近接航空支援任務を遂行する。

 ターゲットを特定し、精密射撃やエリア飽和射撃を成功させるため、AC-130は電気光学画像センサー、赤外線センサー、レーダーなどの高度なセンサー群を使用する。多様なセンサー群によって、AC-130の乗員7人名は、悪天候下でも敵味方の区別がつく。

 

戦闘投入

AC-130は、ベトナム戦争でデビューし、3機のF-4ファントムIIを護衛につけた。ベトナム戦争では、6機のAC-130が敵の攻撃で喪失した。1969年5月、最初の喪失となった。高度6,500フィートで「トラック・ハンティング」中、37mm対空砲火を浴びた。この事件は、その後5機のAC-130の損失と似ている。ほとんどがトラック・ハンティング中に失われ、すべて対空ミサイルか地対空ミサイル(SAM)で撃墜された。AC-130の墜落で、計52名の乗組員が死亡している。一方でAC-130は1万台以上の敵のトラックを破壊した。

 1975年4月30日、サイゴンからの最後の避難というアメリカ史に残る瞬間にも、ガンシップは上空待機していた。

 それ以来、左旋回のAC-130は、アメリカの戦争に欠かせない存在となっている。グレナダ戦では、AC-130は敵防空システムを制圧し、地上軍を攻撃した。パナマ侵攻では、パナマ防衛軍司令部を破壊し、地上部隊の近接航空支援も行った。

 デザートストーム、そして対テロ戦争と、AC-130はその威力を発揮し続けてきたのである。

 

戦線離脱?

しかし、50年を経た今、AC-130の未来が問われている。敵の防空システムが向上するにつれ、レーダー断面積が高く、低速のAC-130は、ロシアや中国のような高度な敵との現代の紛争に生き残ることはできない。

 戦略予算評価センター(CSBA)は、空軍にAC-130から軸足を移し、代わりにステルス機と無人機の組み合わせでガンシップの役割を埋める提言をしている。■

 

 

The AC-130 Gunship Could Kill Anything On The Ground (But Is Now Obsolete?)

 

ByHarrison Kass

https://www.19fortyfive.com/2022/07/the-ac-130-gunship-could-kill-anything-on-the-ground-but-is-now-obsolete/

 

 Harrison Kass is the Senior Defense Editor at 19FortyFive. An attorney, pilot, guitarist, and minor pro hockey player, he joined the US Air Force as a Pilot Trainee but was medically discharged. Harrison has degrees from Lake Forest College, the University of Oregon, and New York University. He lives in Oregon and listens to Dokken. Follow him on Twitter @harrison_kass.

 


ウクライナ戦をどこまでも支援すると公約した米英、戦闘長期化を避けたいその他欧州各国、NATOの思惑は微妙に分断されているのをプーチンは見逃さないはず

 Joe Biden

Image: White House Facebook.

 

ョー・バイデン大統領は6月30日、ロシアとの戦争に勝利するまで、米国はウクライナに必要な資金と軍事支援を供給し続けることを約束した。たとえ経済的苦境が続くことになってもとした。

 

大統領は、スペインのマドリードで開催されたNATO首脳会議閉幕で行われた記者会見で、ロシアのウクライナ侵攻を「ロシアのウクライナ打破」で終わらせないと誓った。大統領はこの発言で、いかなる代償を払ってもウクライナを支援するという約束のもとにNATOとヨーロッパ諸国を集結させた。

 

「プーチンは大西洋同盟を壊せると見ていた」とバイデンは記者団にコメントし、こう推論した。

 

「彼は我々を弱体化させようとした。我々の決意が揺らぐと思ったのだろう。しかし、彼はまさに望まなかったものを手に入れたのだ。彼は、NATOのフィンランド化を望んだ。逆にフィンランドのNATO化を手に入れたのだ」。

 

英国首相も約束した

 

ボリス・ジョンソン首相は、ドイツ南部で開催されたG7サミットで、世界の指導者たちに、ウクライナへの長期的な支援を堅持するよう促した。

 

ジョンソン氏、ウクライナでロシアが勝利した場合の結果は「絶対に破滅的」であり、ウクライナを支援することが必要であると考えていると述べた。

 

「これはアメリカが歴史的に行ってきたことであり、行わなければならないことだと、アメリカの皆さんに言いたい」とイギリス首相は述べた。

 

ジョンソンはいくつかのインタビューやテレビ出演で、ウクライナへの長期的支援を維持する重要性を強調した。リズ・トラス英外相は戦争は10年も続く可能性があると指摘しており、これは決して小さなことではないだろう。

 

NATOの統一は怪しい

 

しかし、NATOはこの問題で完全に統一されているわけではない。

 

トルコのエルドアン大統領は、侵攻初期からロシアとウクライナの交渉促進に努め、戦争勃発後、ロシア大統領と個人的にこの問題について数回話し合っている。

 

5月には、エルドアン大統領はプーチン大統領に、両国間で合意に達すれば、アンカラは国連、キーウ、モスクワ間で「監視メカニズム」の役割を担う用意があると述べた。

 

エルドアンは繰り返し両国の和平を訴え、戦争の外交的解決策を見出すべく努力してきた。ジャーナリストのマイケル・トレーシー Michael Traceyは2日、トルコ大統領が危機解決への自分のアプローチが優れていると考えていることを明らかにした。「証拠はプディングの中にある 」(やってみなければわからない)からだ。このやりとりは、マドリードで行われた質疑応答で見られた。

 

「信じられないかもしれないが、エルドアンは私に声をかけ、私の質問に答えた。私は、彼がウクライナで外交を求める数少ない、あるいは唯一のNATO指導者の一人であり、一方、米国と英国は軍事的エスカレーションを要求している、と指摘した。彼は、自分のやり方のほうが優れていると言った」とトレーシーはTwitterに書いている。

 

エルドアンの戦争に関する見解はNATOのコンセンサスとは異なるのかもしれないが、ロシアのプーチン大統領との交渉に関する限り、彼の発言は圧倒的に影響力がある。

 

How Far Will Joe Biden Go to Help Ukraine? - 19FortyFive

ByJack Buckb

 

 

Jack Buckby is a British author, counter-extremism researcher, and journalist based in New York. Reporting on the U.K., Europe, and the U.S., he works to analyze and understand left-wing and right-wing radicalization, and reports on Western governments’ approaches to the pressing issues of today. His books and research papers explore these themes and propose pragmatic solutions to our increasingly polarized society.