2022年7月8日金曜日

ウクライナ戦の最新状況(現地時間7月7日現在) ロシア軍は次の攻勢に備え作戦を一時休止中

シアのウクライナ侵攻が始まって134日目の木曜日、ロシア軍は最近の成功の後、ドンバスで進攻を停止した。セベロドネツクとリシヤンスクを奪取する数週間いわたる戦闘の後、作戦は一時停止となった。 

  

ドンバスでの戦術的一時停止  

  

ロシア軍はドンバス地方の大規模な攻撃活動を停止しており、おそらく戦争の次の段階に向けて軍を再編成するためだろう。しかし、すべての活動が停止したわけではなく、ロシア軍は次のターゲットとなるバフムトやスロビャンスク方面への限定的な攻撃作戦を実施した。 

 


一方、北部(ハリコフ)、南部(ケルソン)の戦線はほぼ安定している。 

  

ハリコフでは、両陣営が互いに嫌がらせをしようと一進一退の攻防を繰り広げている。ウクライナ側は主にハリコフ東部を通るロシアの兵站線を狙っており、ロシア側はそれを防ごうとしている。   

南部では、ウクライナ側がケルソンに向けて着実に前進し、占領されたウクライナの都市から見える範囲にある集落に到達している。 

  

ロシア軍の損失  

  

ウクライナ軍は毎日、ロシア軍の死傷者数を発表している。これらの数字は公式の数字であり、個別に検証されていない。 

  

しかし、西側の情報機関の評価と独立した報道は、ウクライナの主張する犠牲者の数をある程度裏付けている。例えば、オープンソースの情報調査ページ「オリックス」は、800両以上のロシア戦車(これはフランス、ドイツ、イタリア、イギリスの合計装甲能力を上回る戦車数)と、あらゆるタイプの4,500両以上の軍用車両の破壊または捕獲を視覚的に確認し、この評価は英国国防省によって確認されている。 

  

この評価は英国国防省によって確認されている。他のほとんどのウクライナの主張についても、同じように独立した検証が存在する。つい最近、米国防総省は、ロシア軍が1,000両以上の戦車、数十機の戦闘機やヘリコプターを含むあらゆるタイプの戦闘車両数千台を失ったことを認めた。 

  

さらに、西側情報機関の関係者を引用した最近の報道では、ロシア軍はこれまでの戦争で最大2万人の死者を出したという。 

  

実際の数字を確認するのは、現地にいないと非常に難しい。しかし、戦争の霧やその他の要因を調整した後、西側の公式数字はウクライナの主張とかなり近いという。 

  

木曜日の時点で、ウクライナ国防省は以下のロシア軍損失を主張している。 

  

  • 戦死36,650(負傷者、捕虜は約3倍)  
  • 装甲兵員輸送車3,797 
  • 車両および燃料タンク2,665 
  • 戦車1,602  
  • 大砲815  
  • 戦術的無人航空機システム 667  
  • 戦闘機、攻撃機、輸送機 217  
  • 多連装ロケットシステム(MLRS) 247 
  • 攻撃・輸送用ヘリコプター 187  
  • 撃墜した巡航ミサイル155 
  • 対空砲台 153 
  • 架橋装置など特殊装備66 
  • ボート・カッター 15  
  • 移動式弾道ミサイル「イスカンダル」4 

 

この数週間、ドンバスで継続的な圧力と攻撃作戦にもかかわらず、ロシアの死傷者の割合は鈍化している。このことは2つのことを示唆している。1つ目は、ロシア軍の指揮官が攻撃作戦に慎重になっており、目的を達成するために複合兵器をフル活用していること、2つ目は、ウクライナ軍の戦闘力や弾薬が不足していること、これは3カ月以上にわたってロシア軍と戦っていれば当然予想されることである。最近の現地からの報告によると、この2つの要因はいずれも事実であり、戦いの疲労が双方に追いついてきているようだ。 

  

5月のほとんどの期間、ロシア軍の死傷者が最も多かったのは、スロビヤンスク、クリビイリヒ、ザポリジヤの3地域であり、そこで繰り広げられた激しい戦闘が反映されている。数日後、数週間後、激しい戦闘はスロビャンスクの南東、セベロドネツク、ライマン、リシチャンスク周辺のバフムト方面に移った。 

  

その後、ヨーロッパ最大の原子力発電所があるケルソンとザポリジヤ周辺でのウクライナ軍の反攻により、最も多くの犠牲者が出た場所は再び西へ移動した。 

  

木曜日、ウクライナ軍はアヴディフカとバフムトの近辺で最も多くの犠牲者を出した。 

  

ロシア軍の東部での再攻撃の目的は、ドネツクとルハンスクの親ロシア派の離脱地域を完全に支配し、これらの地域と占領したクリミアの間に陸上回廊を作り、維持することであると表明している。■ 

 

RUSSIAN MILITARY OPTS FOR OPERATIONAL PAUSE BEFORE NEXT OFFENSIVE IN THE DONBAS 

Stavros Atlamazoglou | July 7, 2022 

 

 
 

2022年7月7日木曜日

尖閣諸島周辺での中国、ロシアの気になる動き。外交(だけ)で平和は守れると奇妙な主張をする野党に不利なニュース。参院選挙での与党圧勝を後押しする効果になるか。憲法改正を妨害する野党には消えてもらいたい。

  

ロシア、中国両国の海軍部隊の活動が尖閣諸島周辺に展開した。防衛省

 

 

西太平洋で中国とロシア両国の活動が活発化しており、尖閣諸島付近で中国の作戦がより頻繁になってきたと、日本政府が27日に発表した。

 

岸信夫防衛大臣は、尖閣諸島の現状を変えようとする中国のいかなる試みにも日本は断固として、かつ冷静に対処する、と述べた。

 

中国が釣魚島、台湾が釣魚台と呼ぶ尖閣諸島は、台湾の北東約186キロ、沖縄の西約410キロに位置する無人島群であり、日本が実効支配しているが、中国と台湾双方が領有権を主張している。

 

岸大臣によると、月曜日午前7時44分頃、人民解放軍海軍のフリゲート艦「Jiangwei II」が尖閣諸島の魚釣島南西を通過した。中国艦船が尖閣諸島の接続水域に入ったのは、2016年、2018年、先月とあわせ4回目となった。国際法では、軍艦含むどの国の船舶も、国家の安全を脅かさない限り、沿岸国の領海の航行が認められている。米国も、中国が支配するパラセル諸島を自国艦が通過する際に、同じ権利を主張している。

 

岸大臣は、ロシア海軍のSteregushchiy級コルベット艦一隻も月曜日に魚釣島周辺の接続水域を航行したと付け加えた。

 

松野博一内閣官房長官は、火曜日の記者会見で、ロシア艦は台風8号を避けて同地域にいた可能性があると述べた。長官はまた、中国沿岸警備隊2隻が火曜日未明に尖閣諸島内の領海に接近し、日本漁船に接近したと述べ、日本はこれらの行為について中国へ外交的な抗議を行ったと述べた。

 

記者会見でロシア艦の名前は特定されなかったが、土曜日と火曜日の防衛省統合幕僚監部(JSO)発表では、ロシアのコルベットRFS Gremyashchiy(337)が尖閣諸島付近を航行したとある。

 

土曜日に発表された統合幕僚監部の声明では、ロシア海軍の艦船3隻が金曜日に八重山諸島の与那国島の南方を航行しているのが目撃された。各艦はその後、与那国島と西表島の間を北東に航行したと、同声明にある。JSO公表の写真に見える艦番号から、ロシア艦は駆逐艦RFSマーシャル・シャポシニコフ(543)、コルベット艦RFSグレミャーシチー(337)、補給艦ペチャンガであると確認されている。JSOは、マーシャル・シャポシニコフと グレミャーシチーが、6月15日から日本付近で航行中のロシア水上艦隊7隻の一部と明らかにした。また、海上自衛隊の補給艦「ましゅう」(AOE-425)と、那覇基地の第5航空集団のP-3Cオライオン海上哨戒機が、ロシア艦を監視したと発表された。

 

防衛省は月曜日、PLANフリゲート艦をCNS懐化Huaihua (566) と特定する画像を発表し、護衛艦 JS あぶくま (DE-229) が 監視していたと発表した。

 

JSOは火曜日に、ロシア艦3隻が月曜日に尖閣諸島の久場島と大正島の間の海域を北上して出た後、北東に向かい東シナ海を航行するのを目撃した、と発表した。発表では、「あぶくま」、「ましゅう」、駆逐艦「しらぬい」(DD-120)、第5航空集団のP-3Cオライオンがロシア艦を監視したとある。

 

また、JSOは同日午前4時、宮古島の北東120kmの海域で北西に航行するPLANの東調級情報収集艦(艦番号794)を目視し、その後、宮古海峡を北西に通過して東シナ海に出たと発表した。発表では、「東調794」が6月12日に対馬海峡で目撃されていると指摘し、同艦が日本の本州と九州をほぼ一周したことを示す地図を提供した。同じく発表では、駆逐艦「せとぎり」(DD-156)と掃海艦「くろしま」(MSC-692)、海上自衛隊鹿屋基地所属の第1航空集団P-1海上哨戒機、第5航空集団P-3Cオライオンが同艦を監視していたことが記されている。

 

その他の動きとして、駆逐艦CNS呼和浩特Hohhot(161)、フリゲート艦CNS岳陽Yueyang(575)、補給艦 CNS駱馬湖 Luomahu(907)から成る PLAN 第40中国海軍護衛機動部隊は、火曜日朝に中国国防省のニュースポストによると、広東省の湛江Zhanjiang母港に戻った。洋上展開は172日、約 90,000 海里の航海、と発表にある。PLAN は 2008年以来アデン湾に海賊対策の護衛任務を定期的に派遣している。6 月8日よりの今回の派遣には駆逐艦CNS蘇州Suzhou(132)、フリゲート艦CNS南通Nantong(533)補給艦CNS巣湖Chaohu(890)が含まれる。■

   

Chinese Navy, Air Force Active Near Senkaku Islands, Says Japanese MoD - USNI News

By: Dzirhan Mahadzir

July 5, 2022 2:26 PM

 

Related

Chinese, Russian Warships Continue to Circle Japan, Defense Minister Says

Chinese, Russian Warships Continue to Circle Japan, Defense Minister Says

June 24, 2022

In "Aviation"

Chinese, Russian Bombers Hold Joint Exercises Near Japan, Korea

Chinese, Russian Bombers Hold Joint Exercises Near Japan, Korea

May 25, 2022

In "Aviation"

People's Liberation Army Navy Ships Complete Circle Around Japan

People's Liberation Army Navy Ships Complete Circle Around Japan

July 1, 2022

 

About Dzirhan Mahadzir

Dzirhan Mahadzir is a freelance defense journalist and analyst based in Kuala Lumpur Malaysia. Among the publications he has written for and currently writes for since 1998 includes Defence Review Asia, Jane’s Defence Weekly, Navy International, International Defence Review, Asian Defence Journal, Defence Helicopter, Asian Military Review and the Asia-Pacific Defence Reporter.


米宇宙軍が打ち上げた小型衛星には敵妨害を受けない極秘新機能が含まれている模様。

 


Virgin OrbitのLauncherOneは7月2日、国防総省の宇宙試験プログラムで小型衛星7基を低地球軌道に打ち上げた。(Virgin Orbit / Dae Dae)



AFRLの実験用CubeSatはRecurveと呼ばれ、人工知能/機械学習を用いて、低地球周回軌道(LEO)上で相互リンクする衛星の大群を通じデータのルーティングを自律的に決定する。


Virgin Orbitが打ち上げた国防総省向け宇宙試験プログラム実験衛星7基の中に、空軍研究本部(AFRL)が作った「認知」無線周波数システムがあり、電子戦の霧の中で妨害を受けない高速衛星通信を可能にする設計となっているのが注目される。



AFRLによる報道発表は以下伝えている。Recurveと呼ぶ実験用小型衛星CubeSatは、人工知能と機械学習を用い、「メッシュネットワーク」と呼ばれる低地球軌道(LEO)上で相互リンクした衛星の大群を通してデータをどう転送するかを自律的に決め、正しい情報を正しいユーザーへ正しい時間に正しい場所で中継する。


この「Recurve」はユビキタス通信ネットワークのビジョンに向け前進し、必要とする情報を迅速に戦闘員が入手するのを確実にする。


Recurveは、AFRLの宇宙装備局Space Vehicles Directorateが内部で設計・製造したと発表にある。


コグニティブRFシステムは、基本的に、天候や敵の妨害電波によるノイズの影響を受けず、最も利用しやすい周波数帯を感知し自己再構成し、別の周波数帯に素早くホップし中断なく伝送する。メッシュネットワークは、宇宙、空中、地上のノード多数に直接接続し、単一衛星に依存せずユーザーにデータを転送する利点がある。


この機能は、宇宙開発事業団が開発中の「増殖型LEO」衛星コンステレーション、たとえば米国防総省の統合全領域コマンド&コントロール(JADC2)機能のバックボーンとなるデータ中継衛星のトランスポート層に不可欠となる。


7月2日のVirgin OrbitのStraight Up打ち上げに搭載されたAFRL衛星とその他6つのペイロードは、実質的に国防総省とNASAの実験打ち上げを仲介役するペンタゴンのスペーステストプログラムが提供したものだ。Virgin Orbitは、宇宙船をLEOに打ち上げるLauncherOneロケットシステムに、改造747ジェット旅客機Cosmic Girlを使用している。


今回の打ち上げは、宇宙軍が調達した。先週の打ち上げでは、これ以外に国家安全保障関連で関心を集めるペイロード3基が含まれていた。


まず、Gunsmoke-Lは、宇宙・ミサイル防衛司令部(SMDC)が管理する陸軍の戦術的宇宙層プロトタイピング・プロジェクトによる機密実験だ。同軍は2018年以降、各種Gunsmoke衛星を開発し、打ち上げてきた。先週打ち上げられたGunsmoke-L実験には、Dynetics製の2つの小型6U(すなわち6つの10×10×10モジュールで構成)CubeSatsが含まれ、陸軍は「戦術的宇宙支援機」と説明するが、GPSが妨害される敵地深くで部隊を機動させるRFジオロケーション能力のテスト用だ。


7月2日付報道発表によると、Slingshot-1はAerospace Corporationの12U CubeSatで、「オープンスタンダードと非専有インターフェースの可能性を活用しペイロード開発と統合を単純化し迅速化することにより、モジュラー化と自律技術開発を迅速に進める」設計となっている。このCubeSatは、19個の小型ペイロードを搭載し、うち16個は、連邦政府出資の研究開発センター(FFRDC)であるAerospaceが製作したことが注目される。同社製ペイロードには、「衛星で地球上のターゲットを見つけることを可能にする再構成可能な姿勢制御システムVertigo、宇宙交通管理用GPSトランスポンダBlinker、小型衛星に高い性能をもたらす過酸化水素スラスタHyper、次世代宇宙-地上レーザー通信ダウンリンクLaserComm」などがあると発表にある。


最後に、MISR-B(Modular Intelligence, Surveillance and Reconnaissance B)は、各機関向けの機密扱いの取り組みだ。情報・監視・偵察(ISR)衛星の開発・調達は、伝統的に国家偵察局の管轄だったが、ここ1年ほど、宇宙軍は、ISR画像を迅速に戦場指揮官へ提供することを目的とした「戦術ISR」と呼ばれるISR衛星の取得を引き継ぐと提唱してきた。■


Newest sats launched by DoD include jammer-evading, classified payloads - Breaking Defense

By   THERESA HITCHENS

on July 06, 2022 at 1:30 PM