2016年7月2日土曜日

★ISIS逃走車列への空爆は古典戦法の最新事例だ



ファルージャを奪回されISISは必死の逃走を試みましたが、空爆で全滅したようです。これを屈辱と考え世界各地でのテロ活動に自暴自棄で向かう可能性がありますので、セキュリティ体制を上げる必要があります。逃走中の敵の背中を撃つのは何ら問題ない、というのが今回の記事の趣旨です。


War Is Boring We go to war so you don’t have to

The Attack on an Islamic State Convoy Is a Tactic as Old as War

Killing retreating soldiers has a long — and totally legal — history

by ROBERT BECKHUSEN


The Islamic State convoy under air attack from Iraqi helicopters. Photo via YouTube
  1. イラク陸軍部隊がイスラム国が占拠するファルージャ市で最後の部分を奪回すると500両以上の車両が市街を離れ、シリア方面に向かった。砂漠地帯の道路上で車列は空爆を受けた。
  2. その結果、戦闘員や装備を一回の攻撃では最大規模で撃滅する結果となり、イスラム国は最悪の敗北を喫した。
  3. ワシントンポストによれば車列は二つに分かれていたが150両以上が破壊されたと米軍、イラク軍関係者が話している。
  4. 死者数は不明だが米試算では戦闘員250名だったという。目撃者の談で一部戦闘員が途中で衣服を脱ぎ砂漠に逃げ出したという。
  5. 攻撃を加えたのはイラクのMi-28ハヴォックガンシップ一機、セスナ・キャラバン対地攻撃機編隊および米軍機数機であった。米主導の連合軍が発表した画像では車列に爆弾が命中して各部が打撃を受けたあと、路上は爆弾等で掃射されている。
  6. イラク国内のソーシャルメディアでは遺体数体が写っており、迷彩服を着ているもの含め路肩に並んでいる。二番目の車列も攻撃され乗り捨てられた車両中には改装「テクニカル」もあり、道路に残骸をさらしている。
Operation Inherent Resolve capture
  1. ダーイシュの行動の動機をつきとめようとしている」とペンタゴン報道官クリス・ガーヴァー大佐がポスト紙に語っている。「今の段階で言えるのはダーイシュも白昼堂々と車列を組めば結果はわかっていたはずで、連合軍はイラク航空部隊の空爆で壊滅状態になることは明白だ」
  2. 今回の空爆で民間人も巻き添え被害を受けた可能性はある。
  3. イラク軍のヤヒヤ・ラソウル准将によればイスラム国戦闘員は家族を引き連れて移動し、ポスト紙は「連合軍航空隊は民間人同行と思われた車列は空爆しなかった」と報じている。
  4. 退却する部隊を狙い撃ちするのは卑劣であるが合法である。
  5. ジュネーブ協定では降参する兵員の殺害を禁じるが、逃走の場合は除外している。撤退中の兵員は発砲など戦闘行為をしなくても敵戦闘員とみなされる。
  6. 米海軍ハンドブックでは「戦闘員あるいは敵部隊が撤退中あるいは戦場を離脱する際に抵抗をしない場合でに降伏の意図があるとみなしてはいけない。撤退部隊が武装装備を放棄しても同じ」としている。
  7. イスラム国戦闘員が民間人を帯同して移動し、民間人に同行を強制した場合は、「民間人を利用し軍事行動の対象から逃れようとした」ことになり戦争法違反になると国際刑事裁判所の法令で示されている。
  8. 軍事史には逃走部隊が攻撃を受けた事例が豊富にある。移動中の軍部隊は最大の損失を受ける事は歴史が証明しており、逆に前進中の部隊は敵撤退を最大の損害を与える機会にしようとする。
  9. 湾岸戦争では米軍とカナダ軍はクウェートから逃走中のイラク軍数百名を死のハイウェイ上で殺害し、車両1,800台から2,700台を10時間の空爆で破壊している。.
  10. ノルマンディー上陸作戦に続き連合軍地上部隊はドイツ第七軍および第五機甲軍を包囲殲滅している。ドイツ軍が包囲網を突破する動きを見せると即連合軍が車列を空爆していた。
  11. アフガニスタンの現地部族が英軍事史上最悪の敗北を与えたのは1842年のことで英軍がカブールから退却する際で英軍兵士4,500名民間人12,000名が繰り返し待ち伏せ攻撃を受けて殺害されている。これより大きな規模の効果を上げたのはロシア軍で、ナポレオン軍が1812年冬に撤退するところを襲い、40万名ものフランス軍が死んでいる。
  12. もっと前では紀元前490年に、アテネ軍はマラソンの戦いでペルシア軍数千名を虐殺している。
  13. 逃走中の敵を攻撃するのは容易であり心理効果が高い。
  14. 死刑執行前に死刑囚の目をふさぐのは心理的トラウマを少なくしてやるためだ。同じ効果が逃走中の敵部隊に射撃を加える際にもあり、敵部隊が背中を見せて逃げるところを撃つのは容易だ。
  15. 走り逃げようとする動物を見ると普段はおとなしい犬も走る動物はことごとく追いかけ倒そうとする。背中を見せた段階でもう危険になる。反対の立場だと追い詰めようという本能が働き、逃走する敵を殺したくなるのだ、との解説もある。
  16. イラク、シリアの戦場画像多数からも逃走を図る敵兵に発砲するのは敵味方問わず共通だとわかる。■


2016年7月1日金曜日

★★★F-35を対中戦に投入した想定の詳細情報を米空軍が発表




米中開戦となれば日本含む第一列島線は死守できないと米国は見ています。そのため距離を稼ぐため一時的に後方へ下がる想定なのでしょうが、F-35は特に航続距離が短く運用は大変でしょうね。そのため給油機を中国が狙い撃ちすれば終わりです。また、小牧にF-35のFACOができますが、このトーンでは早々に稼働不能になってしまうのでしょうか。近隣住民は巻き添え被害となりそうですね。

Air Force Officers Give New Details for F-35 in War With China

An Air Force F-22 Raptor (left) flies with an F-35 Joint Strike Fighter over Florida.USAF PHOTO BY MASTER SGT. JEREMY T. LOCK

  • BY MARCUS WEISGERBER
  • JUNE 30, 2016
米空軍関係者がF-35共用打撃戦闘機を中国との戦争でどう活用するかを初めて公表した。結論は同機を戦闘投入するには多くの点で変更が必要だということだ。
  1. 「第四世代機のF-15やF-16なら確実に撃墜される」とジェフ・ハリジアン少将(ペンタゴンでF-35の空軍導入計画を立案してきた)は語る。少将とマックス・マロスコ大佐(太平洋空軍司令部で航空・サイバー作戦の副司令官)が共著した報告書ではF-35がどう実戦で活躍するか詳細に述べておりミッチェル航空宇宙研究所から7月に発表される。
  2. 「一言で言えば敵を撃破してこちらは残存する能力がすべてだ」(ハリジアン少将)
  3. 空軍関係者がF-35など高性能機材に導入されている高度技術が戦場でどう有利に働くかを口にすることが増えている。が、今回の報告書では前例のない詳細情報を空軍上層部が説明しており、同機をどう投入するのかがわかる。
  4. 報告書のシナリオでは2026年に開戦となり、敵側はレーダーや通信を妨害し、十分に活躍できるのはステルス機のF-22,F-35各戦闘機、B-2およびB-21各爆撃機だけとなる。敵には移動式地対空ミサイル防衛があり、敵地を安全に飛行して目標を攻撃できるのはステルス機だけになる想定だ。
  5. ペンタゴンは戦闘機を太平洋各地に展開するが使用する航空施設は少数の軍事基地と民間空港で戦闘の最前線から1,000マイルも離れた場所を選び、敵の弾道ミサイルや巡航ミサイルによる基地の壊滅を防ぐ。特に域内の拠点基地に機材を集結させる傾向が強い。
  6. 「開戦直後の数日でF-35が帰還してくると敵ミサイル攻撃で破壊された基地があることに気付くはずだ。この時点でF-22やF-35なら航空管制は不要だ。各機のハイテクコンピュータで滑走路まで無事誘導でき、悪天候でも変わりない」
  7. 旧式機のF-15やF-16は敵レーダーに探知されやすく戦場に近づけない。長距離地対空ミサイルの有効範囲外を飛行する必要があるためだ。
  8. 報告書では中国を敵国と名指しておらず、架空戦が「中核海外地点」で発生する想定。シナリオではF-35はオーストラリアへ運用基地を変更せざるを得なくなる。第五世代機と高性能防空体制を完備しているのはロシアと中国だけで、ロシアはあきらかに距離がありすぎる。オーストラリアもF-35導入を予定しており、戦闘で被害を受けた米空軍のF-35の補修も可能だろう。
  9. この戦闘に勝利するためにはペンタゴンが考えている機材の利用方法を変更する必要があるとハリジアンとマロスコは述べている。F-22とF-35のミッション実施頻度は現行機より増やすべきだ。各機に目標情報をハイテクコンピューター通信装備を完備した指揮所が発信し、機体は戦闘地帯に飛ぶ。旧式機との通信接続でも改善が必須だ。
  10. 米空軍はF-22やF-35を米国内基地からもっと迅速に展開する必要もある。敵機材が戦闘地帯周辺へ移動させてくるとマロスコは見る。敵側は目的を少ない機材と人員で達成できる。
  11. そこで新型第五世代機は現地の情報を集め指令所や僚機へデータを高速送信する必要が出てくる。データはクラウドへ送るべきだとハリジアンは主張する。
  12. 報告書の目標は最も高性能を誇る戦闘機を戦場でどう活用すべきかの議論の活性化にあり、旧型機や同盟国軍の機材との連携でも議論が必要だ。「議論は完結していない」とハリジアン少将は認める。
  13. 第五世代戦闘機はステルス、ハイテクコンピュータ、センサーを機体に詰め込んだ存在といわれ、戦場では攻撃の主役とみなされ、データを集め情報を共有する性能がある。
  14. F-22やF-35が戦場に投入されるころには敵も進歩しているのを覚悟する必要があるとハリジアンは指摘する。
  15. 報告書の公表は空軍がF-35Aの初期作戦能力獲得を宣言するタイミングと一致する。この事は地域軍部隊司令官が同機を戦闘に呼べることを意味する。海兵隊は先にこの宣言を昨年終えているが、ISIS、アフガニスタン、アフリカのいずれでもF-35を投入していない。
  16. ハリジアン自身もF-22パイロットでまもなくイラク、シリアでのISIS空爆作戦の指揮官に赴任する予定だ。空軍のF-22は2005年に初期作戦能力を獲得したが実戦投入は2014年まで待たねばならなかった。この年に比較的優秀な防空体制を有すると思われたシリアでISIS拠点の空爆が始まっている。■


マーカス・ワイズガーバーはDefense Oneのグローバルビジネスエディターでビジネスと安全保障にまたがる題材を得意とする。Defense Newsのペンタゴン特派員、Inside Air Forceの主筆を務めている。
報告書の本文
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米海軍に危険行為を繰り返すロシア艦は何を狙っているのか(東地中海)


ロシア、中国が挑発的行動に相次いで出ているのは状況が不利と分かって自暴自棄になっているのか、危険状態を意図的に作り相手を非難する口実をさがしているのかわかりませんが、空海ともに職業規範などというものは存在しないようですね。


Russian Frigate Again Harasses U.S. Carrier Strike Group During Flight Operations

June 30, 2016 5:14 PM • Updated: June 30, 2016 5:54 PM

Russian Frigate Yaroslav Mudry (FF-777) before teh ship's hull number was changed. RIA Novosti Photo
ロシアフリゲート艦ヤロスラフ・ムドリ(FF-777)、船籍番号が変更となる前の写真 RIA Novosti Photo

THE PENTAGON — ロシア海軍フリゲート艦が東地中海でシリア国内ISIS攻撃任務につく米艦艇へ危険なほどの接近航行再発した。今回は空母ドワイト・D・アイゼンハワーから150ヤードを切る地点を航行しアイゼンハワーは航空機運用中だった。
  1. USNI Newsが把握したところでは接近してきたフリゲート艦はヤロスラフ・ムドリ (FF-777) で6月30日東部標準時午前6時に数回にわたり異常な動きを見せ、意味不明の無線交信を誘導ミサイル巡洋艦USSサンジャシント(CG-56)に向けてきたという。
  2. 「FF-777による行動は常軌を逸しており、プロらしからぬ操艦の上、攻撃姿勢を示していた」と海軍の評価報告書にある。
  3. USNI News が照会した海軍関係者はロシアフリゲート艦のとった行動が「プロ意識が欠け危険」だったと認めている。
  4. 報告書では排水量4,400トンのムドリが巡洋艦の150ヤード地点まで接近したあと急に方向転換したことを「極度なまでプロ意識が欠如」し、「リスクが高い操艦」だったとしている。
  5. 報告書ではロシア艦は米巡洋艦後方を方向を変えながら航行し「本艦の前方を横切るな」と無線交信している。
160614-N-EO381-054 MEDITERRANEAN SEA (June 14, 2016) An MH-60R Seah Hawk helicopter assigned to the Dusty Dogs of Helicopter Sea Combat Squadron (HSC) 7 flies from the aircraft carrier USS Dwight D. Eisenhower (CVN 69), left, and the guided-missile cruiser USS San Jacinto (CG 56) during a replenishment-at-sea with the fast combat support ship USNS Arctic (T-AOE 8). The Eisenhower Carrier Strike Group is conducting naval operations in the U.S. 6th Fleet area of operations in support of U.S. national security interests in Europe. (U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 3rd Class Casey J. Hopkins/Released)
USSドワイト・D・アイゼンハワー(CVN-69)(左)、誘導ミサイル巡洋艦USSサンジャシント(CG-56)(右)が高速戦闘支援艦USNSアークティック(T-AOE-8)から洋上補給を受けている。US Navy Photo


  1. 「尋常ならざる操艦のくりかえし」が発生する間、USSドワイト・D・アイゼンハワー(CVN-69)は航空機の離着艦中で報告書はロシア艦の「異常なまでの危険かつプロらしからぬ行為」と記している。
  2. 6月17日にもUSSグレイヴリー(DDG-107)に同様の行動を示したロシア艦もムドリだった。ロシア艦はハリー・S・トルーマン空母打撃群の護衛につくグレイヴリーの300ヤード地点まで接近し、操艦ぶりは危険と米側が受け止めている。
  3. グレイヴリーとトルーマン乗員はロシア艦が「意図的に危険操艦をして空母の作戦を邪魔しようとした」と断定している。
  4. 「ロシア艦の操艦ぶりには危険かつプロ意識が欠如しており憂慮せざるを得ない。このような行動が不必要な危険状態にエスカレートし重軽傷あるいは死亡につながりかねない」
  5. ロシアは今週初めにムドリ撮影のビデオ画像を公開しグレイヴリーが危険な航行をしていたと非難している。■

2016年6月30日木曜日

★今年のRIAT/ファーンボロの見どころはF-35だ



今年の英国航空ショーは国民投票後に開催となり、英国は大型防衛機材の導入を予定通り進めるのか注目されます。その中で前回は直前で参加できなくなったF-35が雪辱を晴らそうとしており、すでに機材は大西洋を横断して到着しています。


All Eyes on Farnborough, and F-35

Andrew Chuter, Defense News1:03 p.m. EDT June 27, 2016

NETHERLANDS-US-DEFENCE-F-35(Photo: EVERT-JAN DANIELS, AFP/Getty Images)
LONDON – 英国デビューを二年前に断念したF-35ライトニングIIがいよいよロイヤルインターナショナルエアタトゥー(RIAT)ならびにファーンボロ航空ショーで7月に登場する。
  1. 国防総省とロッキード・マーティンはエンジントラブルで前回2014年の出展を中止した埋め合わせをする。今回は5機を英国へ飛ばす。
  2. だがファーンボロ航空ショーの見どころはF-35だけではない。
  3. 英国からは大型調達案件の発表が見込まれる。ともにボーイングのP-8ポセイドン哨戒機とアパッチAH-64E攻撃ヘリコプターだ。.
  4. 新型機ではブラジルのエンブラエルがKC-390ジェット軍用輸送機をC-130ハーキュリーズのライバルとして発表する。英ハイブリッド航空機 Hybrid Air Vehiclesは全長92メートルのエアランダー10飛行船を初公開する。
  5. とはいえF-35が関心を集めることは想像に難くない。
  6. 米海兵隊仕様の二機、英国用一機のF-35B短距離離陸垂直着陸型STOVLに米空軍仕様F-35A二機がまずRIATに登場する。会場は南部イングランドのフェアフォード英空軍基地で7月8日から10日までだ。
  7. 英軍は今のところF-35A調達の予定はないが、138機調達の公約を実現する中で同型の導入も検討するのではないか。
  8. STOVL型3機はファーンボローでも飛行展示を7月11日まで続ける。ショー会場に着陸せずフェアフォードへ帰還する。
  9. 今回出展されるとSTOVL型で初の米国外展示となる。英国産業界も同機生産に参画しており、ハリヤー運用の歴史を有する英国にとってSTOVLは愛着を覚える存在だ。
  10. 英国のF-35がユーロファイター・タイフーンとともに打撃力の中心となる点も重要だ。そこに排水量65千トンの空母二隻が加わる。空母はスコットランドでの建造がいよいよ最終段階に入る。
  11. ハワード・ホィールドン(ホィールドン戦略コンサルタント)はF-35の英国デビューは英軍にとって大きな意義があると述べる。
  12. 「百聞は一見にしかず、ですよ。RIATとファーンボロにF-35がやってくるとRAF、英海軍に強力な能力を付与することが関係者に実感できますよ。その意味で大きな一歩で英航空戦力の新時代の幕開けです」
  13. ただ空軍力の増強となるとF-35だけではない。
  14. 国民投票もあったが、ショーは海外有償軍事援助制度を利用した大型案件ふたつの発表の場になると見られる。RAF向けボーイングP-8ポセイドン哨戒機と英陸軍向けボーイングAH-64Eアパッチ攻撃ヘリコプターの導入を公式に発表の見込みだ。
  15. ボーイングにとってファーンボロは大きな成果を実現する場になる。7月15日に同社は創立100年を迎え、ファーンボロは同社の過去現在未来の業績を大々的に示す場にもなる。
  16. 米航空宇宙産業各社と英国企業がファーンボロで最大の勢力だが、中国もプレゼンスを示そうと準備中だ。国際パビリオン計22棟のうち中国、韓国、ブラジルが大部分を使うのは前代未聞のことだ。
  17. ショーの主催者ファーンボロインターナショナルは取材時点で飛行展示機のリストを完成させていなかった。
  18. ただし飛行展示各機もF-35の前では影が薄くなる。2015年8月ショアダムで旧式ジェット機が飛行展示中が墜落し11名が死亡したため飛行制限が適用されている。
  19. ファーンボロ上空でも安全を重視し曲技飛行は大きく制限される。このためRAFはレッドアローによる曲技飛行を自粛し、飛行通過だけとする影響が出ている。また会場付近の道路は午後から閉鎖され帰りの交通移動は苦痛となるだろう。■


★中国が考える対米戦のシナリオ



考えたくないことを考えないのでは備えができません。衛星機能の防御に米軍が真剣になっているのはそれだけ中国の攻撃が発生する可能性が高いからでしょう。日本人の対中観はここにきて大きく揺らいでいますが現実を直視して今のうちから思考を鍛えておく必要がありますね。また沖縄の基地機能がグアムやオーストラリアに再展開しているのはそれだけ沖縄が危険地帯であることの証ですよね。

Visit Warrior

Exposed: China's Strategy for a Possible Attack on the US


HARRY J. KAZIANIS
1:09 AM


もし戦争が米国と回避できないと中国が判断したらどうなるか。(台湾問題あるいは東シナ海、南シナ海での危機状況を想定)どのように事態は進展するだろうか。
  1. アジアで米中戦争が勃発する可能性は低いと皆が思っている。二国間貿易は数千億ドル単位に上っており軍事衝突が発生すれば影響はアジアのみならず世界規模に拡大するし、核戦争の可能性もあるがそこまでいけば一気に終末を迎えそうだ。だが二大超大国の間には緊張要素が十分あり、いつ本当の危機に繋がってもおかしくない状態だ。危機は冷静な態度を失えば簡単に拡大するだろう。
  2. ここで単刀直入に恐ろしい事態を想定する。中国が対米開戦は不可避と判断し、台湾や東シナ海、南シナ海での危機がその背景にあるとと仮定したら戦闘はどう進展するだろうか。中国がアメリカを攻撃するとしたら多様な可能性があり、大部分が非運動エネルギー兵器によるものだろうが、あるいは第三国からのサイバー攻撃も想定され、米国の権益は信じられないほどの被害を受け、同盟国とのネットワークは遮断され、アジアのみならずインド太平洋まで被害が拡大するかもしれない。
  3. ワシントンで口にされることの多い「旋回軸」「再バランス」の背後には次の命題がある。すなわち中国の軍事近代化による巧妙な対抗策により米国の軍事優勢は今や保証できなくなっている。
  4. 戦闘の行方を論じる前に基礎的な条件を確認しておこう。中国が物理的な攻撃を巧妙に実施するとする。また中国の目指すのは米軍とその同盟軍による中国への通常攻撃能力を減じることだする。また中国が核兵器の使用をしない決定をしているとし、戦域はアジア太平洋に限定する。この条件で中国はどのように対米開戦に踏み切るだろうか。以下は中国の立場で想定した筋書きだ。

第一段階 アメリカを盲目にする

  1. 映画カラテキッドのミスターミヤギのセリフ「目が見えない相手は戦うことができない」は近代国家にもあてはまる。アメリカが攻撃を探知する前にその視力を奪えばいいのだ。このあまりにも明快な考え方をほとんどの識者が中国が採用するはずの戦法と見ている。米国は指揮命令(C2)系統を高度のC4ISR能力と結び付けて敵の打破を目指している。1991年の湾岸戦争やその後の紛争を思い出してもらいたい。C2とC4ISRの組み合わせで米軍はかつてないほどの各軍統合運用が可能になった。敵の位置情報を共有し、敵勢力もリアルタイムで各軍並びに同盟軍に流し「スマート爆弾」を標的に投下するなど米国は究極の優位性を確保している。
  2. 中国が米軍の高性能探知通信能力を破壊あるいは機能低下させて「戦闘の霧」という一番忌避される状態が発生したらどうなるか。もしこれが目的の開戦なら中国はサイバー攻撃から始めるだろう。大規模な中国サイバー攻撃は米軍の指揮命令拠点を狙い全世界規模で展開されるかもしれない。米国は視力を失い戦闘指揮ではリアルタイム情報が途切れ威力が出せなくなる。この種の攻撃は(筆者が中国で担当するなら)第三国から実施するのが良い。(あるいはプロキシサーバーを使う) 米国ではシステムが攻撃を受けていると分かっても実行犯が誰なのか、即座に判断できないだろう。この間は中国が有利になる。
  3. アメリカが自軍中枢を攻撃しているのはだれかを悟る前に次の攻撃は実施する。今度は中国の仕業だと分かる痕跡をあらゆる面で故意に残す。軌道上の米衛星群を攻撃し、米情報収集能力と通信能力を標的とする。この段階で開戦となり実行犯も断定される。

飽和攻撃:大量ミサイルの一斉発射で「衝撃と恐怖」を期待する中国

  1. 中国はまず敵の目をつぶす。そのあとハンマーをたたきつける。西側では中国は大量の巡航ミサイル、弾道ミサイルを米国及び同盟国に発射してくると予測する。大部分は精密攻撃用の中距離、長距離兵器で対艦弾道ミサイル別名「空母キラー」も発射されるだろう。
  2. 中国は米国と同盟国がC2ならびにC4ISRで大混乱しているのを確認したうえで中国版の「衝撃と恐怖」を展開するだろう。筆者が中国側なら巡航ミサイル、弾道ミサイルを大量に地上、海上、空中から発射する。標的は米空軍基地、同盟国の航空基地で多数の高性能機材が地上に残ったまま絶好の目標となる。司令部や太平洋上の米海軍艦船も含む。中国は一回の攻撃で最大限の効果を狙い、米同盟側の貧弱な反撃を誘発しようとするだろう。あるいは反撃は皆無かもしれない。

米軍・同盟国軍は耐えられるか

  1. 大雑把に言うと、このシナリオ(ここでは時間と行数の関係で大幅に簡略化している)は米および同盟側で少なくとも2000年代から検討されているものだ。作戦概念としてはエアシーバトルの名前で知られており、太平洋各地に戦力を分散配備させ攻撃効果を減らそうとしているが果たして米軍はこのような攻撃を受けて耐えられるだろうか。

ミサイル防衛はどこまで効果があるか

  1. 長年にわたり筆者はミサイル防衛を信じ、いまでも変わりはない。(想定するのは北朝鮮やイランが一発あるいは少数のミサイルを米国あるいは同盟国に発射した場合) だがここでは事情が異なる。上記シナリオでもミサイル防衛に一定の役割を期待するが、中国が飽和攻撃を仕掛けた場合には全面的な迎撃は不可能で、せいぜい攻撃を遅らせるぐらいだろう。
  2. 理由は簡単な算数だ。中国が大量ミサイル攻撃を太平洋全域で実施してくれば、迎撃ミサイルが足りないし、迎撃ミサイルが100発100中だとしても対応しきれない。ではもっと迎撃ミサイルを配備すればいいのか。この装備は極めて高価だが中国にとってはもっとミサイルを配備すればことが足りるのであり、問題は悪化するだけだ。
  3. では次の場合はいかがだろうか。中国はわが海軍艦船だけを標的として独創的な手を打てる。もし中国が旧式ミサイルのみ発射しわが方の海軍艦船を狙えば、こちらの迎撃ミサイルを消耗させる囮攻撃になる。
  4. 米海上部隊が一定数の防御対策しかもたないところに大量の巡航ミサイル、弾道ミサイルで圧倒されてしまう事態が発生するのではないか。敵が故意に旧式ミサイルから発射して防御側の在庫を消費させた上で高性能ミサイルで正確な照準をあてれば大打撃にならないか。

基地の抗堪性強化は?

  1. もうひとつ高価だが効果の上がる対策がある。
  2. 米および同盟側の基地を巨大な掩蔽壕とし中国の大量攻撃を吸収したうえで反撃できないだろうか。これは実施可能だろうか。
  3. CSBA上席研究員のジョン・スティリオンへ聞いてみたことがある。「ひとつの基地全体を堅牢化するのにいくらかかるのか」 太平洋で大型基地一か所を抗堪性強化工事すると国防総省は「数百億ドル」かかると試算しているとスティリオンは述べた
  4. 「どこまで抗堪性を持たせるか、ですべて変わります。敵の戦闘爆撃機の有効半径内に収まる基地は攻撃にさらされやすく、弾道ミサイル攻撃では子爆弾も投入されるでしょう。この場合強化壕に入っていない航空機は破壊され、数百万もの鋼鉄破片が滑走路、誘導路をむちゃくちゃにします。こうなると強化壕で生き残った航空機も滑走路をきれいにするまで運用できません。除去は時間ばかりかかる作業で大量の人員投入が必要です。また敵が第二次攻撃を加えるかもしれません。今度は巡航ミサイルや有人機で精密誘導兵器を燃料施設、滑走路、航空機を狙ってくれば基地は当面は運用が期待できなくなります」

結語にかえて

  1. 今回ご紹介したのは想定シナリオの一つに過ぎないが中国は戦争と平和をはかりにかけ開戦となれば一番効果的な手段を選択するはずだ。
  2. 今回想定した状況では気分を暗くなるが、米国にも希望を持てる要素がある。まず米国はグローバル超大国であり強力な兵力の展開先は世界各地であり、アジアだけではない。中国が大量ミサイル発射で開戦しても米軍は世界各地から兵力を集め反撃ができる。また次のことは忘れないように。もし中国が先制攻撃すれば各国世論は米国の反撃を支援する有志連合につながるはずだ。
  3. またスティリオンが以下言うように、中国戦術の効果を下げる方法は可能とはいえ、注意が必要だ。
  4. 「精密攻撃の脅威に対し効果的な作戦運用のカギは抗堪性、兵力分散、迅速修理能力、積極的防衛(ペイトリオットとかTHAAD)ならびに脅威からの距離を組み合わせ作戦を効率的に持続し出撃態勢を維持することです。特に距離がカギとなるのは脅威対象に近いとそれだけ多量の火力が飛んでくることを覚悟せねばならず、基地の防御がそれだけ厳重かつ困難になるからです。近距離に位置する基地ではどれだけ防御を強化しても作戦の実施はできなくなるでしょう」
  5. 筆者含め誰も米中の超大国間の戦争は見たくない。その結果は恐怖としかいいようがない。それでも可能性は存在する。今回提示したような思考訓練で最悪の状況を想像すればリスクが明らかにできる。米中両国が対立緩和の方策を見つけるよう祈るばかりだ。

筆者ハリー・J・カジアニスはウェブサイトRealClearDefenseで主筆をつとめ、国益研究所Center for the National Interestで国防政策の上級研究職(非常勤)、 対中政策研究所China Policy Institute でも研究員(非常勤)である。National Interest誌で編集主幹、またThe Diplomat編集長も歴任している。



米国製ガトリング銃が北朝鮮が海軍艦艇に搭載されている謎




  North Korea Arming Boats with US Gatling Guns: Report

POSTED BY: BRENDAN MCGARRY JUNE 28, 2016

(General Dynamics photo via Defense Department)(General Dynamics photo via Defense Department)


北朝鮮が哨戒艇多数に米国製ガトリング銃を搭載していると韓国最大の聯合ニュースが伝えている。

「北朝鮮は旧式兵装を回転銃装備に更新している」と軍事筋が述べている。「北朝鮮が保有する380隻の沿岸警備すべてがこの装備を搭載すれば、韓国海軍に深刻な脅威となる」 同筋によれば搭載兵装の更新の狙いは特に沿岸部での戦闘能力向上だという。現在は多くの警備艇は30mm機関砲を搭載している。韓国内では北の機関銃は12.7mmジェネラルエレクトリック製との見方が多い。毎分2千発の射撃が可能で6キロ先まで狙えるが有効射程は2キロと見られる。

北朝鮮が米製ガトリング銃をどうやって調達したのか、なぜ換装をしているのかは不明だ。記事からミニガンのGAU-19だと見られ、製造元はジェネラルダイナミクスである。

同社は軽量で銃身三本のGAU-19/Aは「偵察多用途ヘリコプターや軽量固定翼機に最適」とうたい「攻撃用火力として軽車両」に最適とする。

一方でGAU-19/Bは「空、陸、海の各種機材用」に最適とし、「ヘリコプター、固定翼機、陸上車両、海軍艦艇、高速哨戒艇」での使用を想定していると同社は述べている。

米国以外で同兵装を使用しているのはコロンビア、日本、メキシコ、オマーンが知られていたが、これで北朝鮮が加わったわけである。■


2016年6月29日水曜日

在韓米軍が北朝鮮偵察をU-2で強化中




USFK increases aerial reconnaissance near inter-Korean border


2016/06/27 18:32

SEOUL, June 27 (Yonhap) --北朝鮮のムスダン中距離弾道ミサイル発射を受けて在韓米軍が韓国、北朝鮮国境地帯の空中偵察を強化していることが27日判明した。
在韓米軍(USFK)はU-2S超高度飛行偵察機を2機で毎日監視任務に充てているとUSFK関係者が明かした。
発射前は一機しか投入していなかった。
ドラゴンレイディの名前が付く同偵察機は上空から北朝鮮の軍事活動を監視しビデオ撮影するほか、盗聴も行う。高度は2万メートルに達し一回で8時間飛行になることもある。領空外を飛行し北朝鮮の60キロから70キロ内部を監視できる。■


密漁船は拿捕、爆破!インドネシアの豪傑女性大臣に中国はどう対応?



とにかく南シナ海は広大で、これまでは各国が暗黙の裡に漁場など共有する一定の秩序があったのでしょう。そこに中国が横柄な態度を示せば各国は反発します。中国には見方は弱小国少数しかないという不利な状況を早く認識してもらいたいですね。スシ大臣の強硬策に中国がどう出るかが見ものでしょう。同大臣は民間出身で、しかも女性で魚河岸の男の世界に乗り込んだ伝説の人物らしいです。日本の価値観も理解してもらっているようなので大事な人物ですね。

 Indonesia Fights Illegal Fishing by Blowing Up Lots of Boats

Here’s one way to stop poachers

by ROBERT BECKHUSEN
インドネシア海軍海防艦が6月17日南シナ海ナトゥナ島付近で中国漁船に発砲し領海侵犯中の漁船団十数隻を追い払った。そのうち一隻Qiong Dan Zhou 19038がインドネシア海軍に拿捕され、乗組員11名が身柄を拘束された。
  1. インドネシアは海外密漁者に真正面から挑み、海上で迎え撃ち、時には発砲も辞さない姿勢を見せている。
  2. 2014年12月より海軍艦船を派遣し不法漁船を狩り立てており、沈没させることもある。2016年4月には拿捕外国漁船174隻を一気爆破する思い切った行動に出ており、テレビ中継までしている。
  3. 「国籍を問わずインドネシア領海に一歩でも入ればTNI-AL(インドネシア海軍)は躊躇せず断固たる行動をとる」とのエディ・スチプト中将の声明を6月17日の事件後に出ている。
  4. 世界最長級の沿岸部を有する一方でインドネシアの海軍力は不十分だ。駆逐艦11隻、海防艦18隻、ドイツ製老朽潜水艦2隻しかない。インドネシア政府は不法漁船を食い止めることができないが、強硬姿勢でインドネシアの環境、経済上の被害を最小限にしようとしている。
  5. ジョコ・「ジョコウィ」・ウィドド大統領は規外国漁船数千隻による不法操業で年間250億ドルもの被害を同国が受けていると主張しているが、この数字は誇張で2009年政府試算では損失を20億ドル程度としていた。
  6. それでも大変な金額であることに変わりなく、密漁船を吹き飛ばすと十分警告になる。
  7. 「ジョコウィのインドネシアは海上警察官の役割を演じ密漁取り締まりを自国籍のみならず外国籍漁船にも躊躇しない国になった」とフィリップ・ジェイコブソンがニュース専門サイトで評している。
  8. 密漁船の断固たる排除方針はジョコウィの功績で、ヘビーメタル愛好家にしてジャカルタ市長も務めた同人は2014年大統領に当選している。当選そのものがインドネシア政治の大きな地盤変化で、軍出身者が大統領職を独占し中でも31年間にわたり軍部政治を敷いたスハルト将軍の存在は大きかった。
  9. ジョコウィ自身は不法漁船取り締まりを「ショック療法」と呼び、「海洋軸構想」で港湾建設と海軍力整備を目指している。
スシ・プジアストゥティ海洋水産大臣(右)。インドネシア海軍艦艇にて。
  1. ただしもっと重要な人物はスシ・プジアストゥティ海洋水産大臣である。フィナンシャルタイムズはこの女性大臣のことを「タトゥーを彫ったチェーンスモーカー」で漁船爆破現場の前でサングラスでポーズをとるのを好むと評している。
  2. The Interpreterは派手な現場公開はショーの要素が強く、拿捕漁船には追加ダイナマイトが積まれていたと伝える。漁船を沈める前に当局は燃料とエンジンを取り除き環境汚染を予防していたという。
  3. だがこの戦略は効果を上げてきたようだ。ある程度まで。漁民は次第に漁獲高が上がってきたのを感じ取っており「マダム・スシ効果」と言っているが、批判筋は経済効果は水増しされており、肝心の国内水産業への投資は不足したままだと言う。
  4. 「プジアストゥティは外国製漁船も排除する命令をしており、インドネシア人が海外に注文した漁船も対象となるが実際に海外業者が隠れ蓑に使うこともある」とジェイコブソンは記している。「多くが人身売買に関係している」
  5. 3月にはヴァイキング号(ナイジェリア船籍)を爆破している。インターボールが希少な南極海やパタゴニアのアイナメを密漁したとして手配した漁船だ。環境保護団体シーシェパードが長年追跡し、インドネシア領海に入った段階でジャカルタに通報していた。
ヴァイキング号の爆破Via YouTube
  1. 「これで抑止効果が出るでしょう」とプジアストゥティ大臣は述べている。「世界の他の場所なら自由に航行できてもインドネシア領海に入れば、こうなるのよ」
  2. インドネシア海域は各地の漁船を引き付ける漁場で中国、ヴィエトナム、マレーシアが密漁で悪名高いが水産資源取引は世界規模で行われ漁船はいたるところから集まってくる。
  3. 中国漁船団の存在は別の意味でも深刻な問題になっている。というのはすば抜けた規模の戦力を有する中国海軍が力ずくで自国民を守ろうとするからだ。ナトゥナ諸島周辺の領海はインドネシア海岸線から200マイル地点であり、中国が主張する南シナ海領海とも重複する。
  4. 2013年には中国沿岸警備隊巡視船CCG3210号がインドネシア側巡視艇が拿捕した中国籍漁船の解放を迫り、インドネシアの無線交信を妨害し救援を呼べなくしている。
  5. 中国は強硬に南シナ海で軍事プレゼンスを拡大いしており、海洋領有を主張するべく艦船の派遣も増強している。この事から密漁団は犯罪組織の行為ではなく国家の庇護のもとに行っているともいえる。
  6. 強力な海軍まで控える国家が後ろ盾となった不法漁船を食い止めるには拿捕漁船の爆破では足りないのではないか。■


★★F-35AがF-15E相手のドッグファイトで無敵ぶりを示した?



なるほど、今回はF-15E相手のドッグファイトでF-35に歯が立たなかったということですか。これから性能に磨きをかけていくということなので期待しましょう。


F-15E Strike Eagles unable to shoot down the F-35s in 8 dogfights during simulated deployment


Jun 27 2016 -

「仮想敵F-15E相手に八戦八勝」

米空軍のF-35Aは初期作戦能力の獲得宣言を今年8月から12月に予定し準備中だ。

  1. 実戦想定の配備が実施されており、結果から同機が「整備された防空圏を突破できること、また地上部隊向けの近接航空支援を行い、紛争地帯に配備可能なこと」を実証したという。
  2. ヒル空軍基地(ユタ)のF-35七機がマウンテンホームAFB(アイダホ)に展開し同基地のF-15Eストライクイーグル(第366戦闘機隊)と実戦テストを実施した。
  3. 航空戦闘軍団でF-35作戦性能要求の取りまとめ作業を統括するF-35システムズ統括室のデイヴィッド・チェイス大佐が空軍ウェブサイトに今回二回目となった配備シミュレーション結果を紹介している。
  4. 「マウンテンホームに到着したF-35は搭乗員、保守点検要員他支援部隊とともにミッションをこなした。今回の配備では予定88回の飛行を88回全部実施し、実行率100%を示した。また爆撃任務では16発投下したうち15発が命中という命中率94%を達成した」
  5. 「一連の数字は機体の安定度が高いとともに各部品が良好に作動したことを示している」
  6. 「マウンテンホームでの実績からF-35の性能で総合評価を導くことが可能。第二回評価作業でIOC後の空軍目標が生まれる。各報告データ全部が7月に集まり、総合性能評価に反映される。最終目標は必要な性能を同機に与え、ミッションを成功裏に実施させること。カレンダー通りには進展しない作業だ」
  7. 「本日の各機運用実績からはF-35は非常に高い評価がつき、性能だけでなく他機種への優越性も示した。ヒルではF-15Eとの統合運用が非常にうまくいった。爆弾の投下の正確さもよかった。すべての情報からIOCへの準備態勢の評価ができるだろう」
  8. 今回の配備についてまとめた図が下のように同時に公開されているが興味深い内容だ。
F-35 deployment

  1. 左から四番目の部分が興味を引くだろう。演習でF-15EがF-35に挑んだがF-15は全く歯が立たなかったというのだ。
  2. 図ではF-35がF-15Eに射撃を撃ち返したのかは不明だが、アナリストにはJSFがストライクイーグルに対し8対0の驚くべき撃墜比率を示していると指摘するものもある。
  3. ただし「被害ゼロ」は単にF-35がレッドエアー軍のアグレッサー部隊に撃墜されていないということだけかもしれない。F-15EにAN/APG-82 AESAレーダーとスナイパーATP(高性能目標捕捉ポッド)が搭載されていたとすれば、ストライクイーグル編隊はDCA)防御制空任務)にあたり、IOCに近づいた状態のF-35を「発見」できなかったのかあるいは「交戦」できなかったのかもしれない。これはトラブル続きで予算超過が批判されるF-35にとっては大きな成果だと受け止められるはずだ。
  4. 実はF-35が対戦闘機の空域で被害を受けずに飛行できる性能を示したのは今回が初めてではない。グリーンフラッグ演習15-08ではライトニングIIで一機も撃墜相当が発生していない。この大規模演習はほぼ一年前の出来事だがカリフォーニア州フォートアーウィンの国家演習センターで実施され、F-35はCAS(近接航空支援)の主力機として投入された。
  5. この時にはアナリスト数名からテスト機材二機を参加させたのはPR目的に過ぎないとの見方が出ている。事実各機は実戦想定の航空支援へまだ対応が整っていない状態で投入されていた。
  6. 今年の演習でどんな成果がでるか楽しみだ。■