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B-21を「バトルプレーン」とし敵戦闘機の駆逐を図る構想が出てきた


Could the New B-21 Stealth Bomber Become a 'Battleplane'?

B-21ステルス爆撃機が「バトルプレーン」になる可能性
Or, a bomber that can also do air-to-air combat? Is that a good idea?
そもそも爆撃機で空対空戦がこなせるのか。
September 14, 2019  Topic: Security  Region: Americas  Blog Brand: The Buzz  Tags: B-21B-2Stealth BomberStealth FighterBattleplaneAir-to-Air Missiles
B-21について直近の報道をみると同機は米爆撃機として久しぶりに空対空戦闘に投入されるようだ。米空軍がそのまま進めれば、航空史の初期段階の主張が実現する。実際には1950年代、60年代に技術面運用面からこの構想は実現できなかった。だがB-21が「バトルプレーン」として実用に耐えるのか、あるいはせっかくの構想も官僚主義の前に消えてしまうのか、いずれにせよ新型爆撃機の残存性に関係する話題だ。
歴史
爆撃機の武装では必ず何かが犠牲になってきた。武装で重量が増えれば、後続距離、速力、ペイロードが減る。防御装備も空力特性で悪影響を生み、操縦性や速力が代償となった。にもかかわらず各国の空軍は初期から爆撃機の武装を進めてきた。第一次大戦中にロンドンを恐怖に陥れたゴータ爆撃機は英戦闘機からの防御を各種装甲で試みた。爆撃機の自衛能力を求める動きで転換点になったのがマーティンB-10で機関銃砲塔3箇所で異なる角度での防御をめざした。B-10を編隊運用すれば、理論上は攻撃してくる戦闘機に対抗でき、防衛側に相当の損耗を生じさせるはずだった。
全盛期
爆撃機の自衛能力を求める動きの全盛期が大戦間で米国および規模は落ちるが英国の理論家は十分に武装した爆撃機が編隊を組めば迎撃戦闘機を駆逐できるとしていた。防御力主張派は敵地上空まで爆撃機が飛び、ペイロードを投下しながら敵の防空戦闘機が損耗していくと主張した。
米空軍はこの理論をドイツ上空の昼間爆撃に応用したが、結果は良好とはいえなかった。ドイツ戦闘機の高速飛行性能と操縦性に加え、対空砲火が爆撃機編隊をバラバラにし、1機ずつ爆撃機が撃破された。また米爆撃機の機関銃は威力が足りずドイツ戦闘機を駆逐できなかった。逆にドイツ機が20mm機関砲をお見舞いしてきた。結局、USAFは援護戦闘機無しでの爆撃機の昼間運用は断念し、夜間爆撃に切り替えた後、P-51マスタング等を長距離援護につけた。
とはいえ爆撃以外の任務についた爆撃機もある。ドイツは軽爆撃機を夜間戦闘機に転用した。Ju-88やDo-217も同様に投入した。英空軍もデハヴィランド・モスキート軽爆撃機を夜間戦闘機に投入した。
衰退
大戦直後の爆撃機は防御装備をそのまま残していた。B-36ピースメイカーは20mm機関砲を尾部砲塔に装備し、B-47やB-52も同様だった。USAFがB-36を防御戦闘機用の母機にする実験をしたことは有名だ。だがジェット時代に入ると爆撃機の多くで防御装備は断念された。B-58ハスラーでは皆無、XB-70ヴァルキリーでも同様だった。迎撃機が機銃からミサイルによる攻撃に切り替えるや、爆撃機に機銃を搭載しても意味がなくなった。敵防空網に対抗する装備を搭載した最後の機体がB-52ストラトフォートレスで20mmヴァルカン砲を尾部に積んだ。B-52がヴィエトナム人民軍空軍のMiG-21を2機、ラインバッカーII作戦で撃墜下との記録がある。最後のMiG撃墜記録は1972年4月のB-52だった。
構想の再出発
B-1Bに空対空ミサイル発射装備を搭載する構想があったが、ミサイル発射後のレーダー誘導方式は不明である。同様にB-1Bをミサイルトラックにする構想もあり、「重武装機」としてミサイル多数を搭載しても、他機のセンサーに頼る必要があった。B-1Bの高速力と大量ペイロードで理想的な機体になるはずだ。
B-21を空対空戦に最適化する構想に合理性があるのは兵装・センサーの開発状況を鑑みてのことだ。B-21のような大型機体なら空対空ミサイル多数を搭載しながらステルスを維持できる。強力な搭載センサーで空戦状況を把握しながら戦闘と指揮統制を同時にこなせる。敵空域侵入のためステルスを重視し、速力は二の次とした。他方で戦闘機は依然として高速飛行性能を追求している。ミサイルを発射すればステルスを捨てることになるのは発射でアスペクト比が変わるためで、ミサイルの存在そのものも理由となる。戦闘機ではこの問題に対し発射後は直ちに高速で退避することで対応している。B-21では別の対応が必要となり、超長距離ミサイルを敵の有効射程外から発射するのではないか。
まとめ
USAFが敵地深部への侵攻作戦をステルスだけに任せることに躊躇しているのは、大型機がステルス機でも昼間には姿を隠すことができないことに加え、センサー技術の高性能化が止まらないためだ。このため自機の防御能力の復活には一定の訴求力がある。さらに戦闘機の単価が大幅に上がっている中で、爆撃機が防衛側を損耗する構想に魅力が感じられているのは事実だ。ではB-21が敵戦闘機を撃破する場面が実現すれば、1972年以来のこととなり敵の狩人を逆に狩ることになる。■

Robert Farley, a frequent contributor to The National Interest, is a Visiting Professor at the United States Army War College. The views expressed are those of the author and do not necessarily reflect the official policy or position of the Department of the Army, Department of Defense, or the U.S. Government.

コメント:ドッグファイトを念頭に進化してきた戦闘機の形態がなくなるとは思いませんが、もともと小型機では全域ステルスは物理的に不可能なはずです。また長距離ミサイルによる視界外戦闘が中心になれば、大型機の活躍の範囲が増えるわけで、B-21が切り込み隊長として有望なプラットフォームになるのは当然とも言えるでしょう。

コメント

  1. 爆撃機の戦闘機に対する不利、逃げられたら追えず追われたら逃げられない、が長距離誘導兵器によってどう変わるかですね。

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