How Well Would Iran's Air Force Actually Fare Against America?
Let's hope we never actually have to find out.
September 20, 2019 Topic: Security Region: Middle East Blog Brand: The Buzz Tags: MilitaryTechnologyAir ForceIranAmericaUSATrump
世界最大かつ最強の空軍部隊の一画だったがイランイスラム共和国空軍(IRIAF)の現況は過去の影にすぎない。戦闘を繰り返し、制裁を長年受けるうちイランのかつては誇り高き空軍部隊は老朽化ばかり進む各国機材の寄せ集めになっている。イラン空軍力は長きにわたりる衰退し、自国領空をかろうじて防衛できる能力しかなく、隣国はおろか米国に対抗すべくもない。
CIAがお膳立てした1953年のクーデタで王位についたシャー・イラン皇帝は頼りになる米同盟国だった。米国はイランを冷戦時の中東で重要な存在と捉え、日本・オーストラリアと同様の域内重要同盟国として親西欧反共体制に取り込んでいた。
そのイランは強力な軍事力整備を必要とし、シャーは大量の米製装備品を導入し、F-5A/Bフリーダムファイター・F-5E/FタイガーIIは179機、F-4はD型E型、RF-4E合計225機、C-130ハーキュリーズ56機、P-3オライオン哨戒機6機、KC-135ストラトタンカー6機を調達した。さらにF-14Aトムキャットを80機購入し、AIM-54フェニックスミサイルを搭載した。米国外でF-14を導入したのはイランのみである。シャー政権が倒れるまで77機が納入された。シャーからSR-71ブラックバード戦略偵察機の導入希望があったが米政府はやんわりと断っている。
これだけの威容を誇る空軍力は米国の意図にそう形で運用されるはずだったが1979年に革命政権が発足し、シャーは国外に追放され、アヤトラ・ホメイ二が権力を掌握した。神聖政治を掲げる新政権は軍部でパージをかけ親シャー勢力を駆逐したため、イラン軍の即応体制はとくに空で大きく低下した。1980年にサダム・フセインがイランを侵攻するとイラン軍の体制が危険なほど未整備であることを露呈してしまう。
イランはあわてて新体制で放逐されていた人員を呼び戻し、制空権の喪失だけは防げた。イラン、イラクの戦闘機部隊の空戦は1000回を超え、両国で数百機を喪失した。それでも新体制でイランは戦争を通じ本来可能だったはずの制空権掌握に失敗している。新政権は米国を「大悪魔国」とし、その後の制裁措置で部品確保もままならずIRIAFの戦闘能力を引き出せなかった。
1993年にはイランイラク戦争終結後5年になり、イラン空軍の人員は15千名と1976年の四分の一になり、ファントムIIで供用可能な機材は60機しかなく、179機あったF-5も60機のみになっていた。残りは撃墜されたか、飛行できない状態か、部品取りに使われていた。トムキャットでは60機が運用可能だった。C-130では20機が残るだけだった。1990年にはSu-24フェンサー攻撃機20機とMiG-29フルクラム30機をソ連から受領した。他に中国から成都F-7(MiG-21のコピー)を25機導入したものの戦中の喪失分の穴埋めには程遠かった。IRIAFは少数ながら戦中にイランへ亡命してきたイラク空軍機材も入手している。
イランは西側世界に敵意を示し核開発を継続したため制裁を受けている。Flight InternationalによればIRIAFの現在の主力機材は当時と変化ない。F-4ファントムII(42機)、F-5(24機)(自国開発のセゲ派生型含む)、MiG-29(20機)、F-7(17機)、Su-24(23機)、旧イラク空軍のミラージュF-1(9機)だ。イラン革命防衛隊空軍は別組織で10機のSu-25フロッグフット対地攻撃機を運用する。これもイラクが運用していた機材だ。
老朽化が進んでも、イラン空軍はISISを相手に相当数の攻撃を試みており、F-14がロシア爆撃機を援護し、シリア空爆を実施している。またイランのF-5、F-4、Su-24がイスラム国制圧に出撃している。こうした機材は30年から50年の機齢となっており、近代的な防空装備の前に簡単に駆逐される。老朽化のためか、2016年にはF-4、J-7、Su-24で4機が相次いで墜落している。
イランは軍用機製造の国産化をめざしたものの期待に沿わない結果が大部分だ。2007年にはセゲSaegheh戦闘機をF-5タイガーの尾翼を二枚にした形でイラン報道陣の前に盛大に披露し「高度の操縦性により以前よりもレーダー探知が困難になる」と内容に疑問が残る説明をしている。操縦性とステルス性は連関がないからだ。2016年にはカヘQaher313「ステルス戦闘機」を公開したが機材はパイロットの膝が見えるほどの小型機だ。その新型が2017年に登場し、機体は大型となったが、本当に空を飛べるのか疑問が残ったままだ。
イラン核開発が停止しても同国への武器禁輸措置は解除になっていない。2010年発効の通常兵器の同国への引き渡しを禁止する措置は国連安全保障理事会が承認すれば回避できる。また禁輸措置は2020年に失効する。イランロシア両国はSu-30戦闘爆撃機を48機イラン国内生産する協議をしており、一時は妥結すると見られていたが今は先に進んでいない。価格と技術移転でイランが強硬な要求をしているためで、制裁措置の延長を想定しているようだ。
長年に渡り冷遇されてきたIRIAFは今やかろうじて存続しているにすぎない。イラン空軍力の近代化の実施は核開発に関する国連の要求を受け入れることに大きくかかっている。仮にこれが実現しても中東各国のみならず、西側やイスラエルと強く対立しているイランには、ロシアを除けば装備輸出の商談がまとまる可能性は低い。敵視してきた各国との関係復活がない限り、イラン空軍の再興はない。その兆候はいまのところない。■
Kyle Mizokami is a defense and national-security writer based in San Francisco who has appeared in the Diplomat, Foreign Policy, War is Boring and the Daily Beast. In 2009 he cofounded the defense and security blog Japan Security Watch. You can follow him on Twitter: @KyleMizokami. This first appeared in October 2017.
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