日本が中国に対抗して核戦力を整備するとしたら最適の選択はどれか。
Forget North Korea: Imagine if Japan Built Nuclear Weapons...
Another nuclear weapons power in Asia?
September 20, 2019 Topic: Security Region: Asia Blog Brand: The Buzz Tags: North KoreaMilitaryTechnologyWorldJapanChina
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日本の核武装は中国さらに北朝鮮の悪夢となる。アジア本土から離れた位置にある日本が核兵器を配備すれば中国の安全保障環境は今より複雑となり、ついては核運用原則の変更を迫られ、核兵器増強に走らざるをえなくなる。
まず、はっきりさせておきたい。現在の日本に核兵器整備の意向は皆無である。むしろ日本は唯一の被爆国という立場のためか核へ強い嫌悪感がある。大幅な方向転換となれば同国の安全保障環境が大きく変わる場合だろう。
中国としても日本を挑発して核武装に向かわせてもなんの利益にもならない。中国は自国が核兵器の先制攻撃を受けない限り、核兵器は戦闘に投入しないと日本に伝えている。したがって日本に核兵器がない以上、もし中国は言葉のとおりなら日本に杞憂すべき事態はなくなる。ただし、「もし」と「なら」が肝心なことばだ。
核兵器への嫌悪と危急の事態でないことは別にして、世界第三位の経済規模の日本に核武装できないはずがない。
では日本が核抑止力整備に乗り出せばどんな姿になるか。これまでの核兵器三本柱の地上配備弾道ミサイル、戦略爆撃機、弾道ミサイル潜水艦で検討してみたい。日本の置かれた条件で残存性があるのだろうか。ここでは議論のため、日本がこの内一本を集中整備するとしよう。
また核弾頭数は300個と仮定する。日本の人口密度が高いことから主要都市数個が破壊されれば人口の相当部分に損害が生まれる。ロシアや中国を相手に同等の損害を与える能力が日本に必要となる。
地上配備ミサイル
日本には小規模の地上配備ミサイルを整備する選択肢があり、各ミサイルに弾頭1ないし3を搭載すればよい。ミサイルは強化サイロに格納すれば米ミニットマンIIIと同じになるが、ロシアのRS-24ヤルスのような移動式にする手もある。日本のICBMは小型でよく北米まで届く飛翔距離や燃料搭載量は不要だ。中国全土、ロシアのヨーロッパ部、中東まで射程に押さえれば十分だ。
最終的に日本には中距離弾道ミサイル100本あれば十分だろう。各弾頭は100キロトンとする。ミサイルは北海道東部の硬化サイロに格納するか、移動発射台で運用する。
ただし残存性は三案中で最低だ。日本が中国に近いため、中国が核攻撃を加えてくれば「警告とともに発射」する方針を採用しないかぎりミサイルの残存がおぼつかない。日本の早期警戒でハード、ソフトの誤作動が発生すれば攻撃を受けていると判断し、偶発核戦争の可能性が高まりかねない。
.地理条件からも地上配備の利点は少ない。日本の人口密度が高いことから100本ものミサイルサイロを置く場所の確保が困難で、攻撃を受ければ恐ろしい付随被害が生まれる。移動式発射台で日本各地を移動できるだろうか。専用道路を建設するほうが現実的だ。これでも現在位置を予測されかねない。あるいは日本の鉄道網を利用するかだ。
戦略爆撃機
日本にはステルス爆撃機部隊を整備し巡航ミサイルや落下式核爆弾を運用する選択肢もある。爆撃機は核侵入攻撃ミッションを実施し、敵核兵器や指揮命令施設等の標的を破壊する。核爆撃機があれば日本は飛行中に攻撃対象の変更を指定でき柔軟な運用が可能となる。あるいは任務途中で帰還を命じることもできる。
.各24機の3個飛行隊で十分だ。機体はFB-111と同じ大きさでよい。各機が短距離攻撃ミサイル4本を搭載し、それぞれ100キロトンなら合計72機で核兵器288本を運用できる。
しかし地理条件で爆撃機整備は非現実的だ。爆撃機基地が奇襲攻撃されれば緊急発進の前に機材が消える。給油機が必要となれば、給油機基地の攻撃で爆撃機はまともに運用できなくなる。更に防空技術の進展で爆撃機は危険なほど脆弱になりかねない。
かつての米戦略航空軍団と同様に爆撃機の常時空中待機も可能だが、多額の予算とともに地上に十分な数の機材(給油機も含む)が常時必要となり、現実でその実施は不可能だろう。
弾道ミサイル潜水艦
これが最も有望な選択肢だ。弾道ミサイル潜水艦の残存性が一番高い。常時一隻をパトロールにだせばよい。日本の「ブーマー」は進路を東にとり中央太平洋の安全な海域に待機する。中国やロシアが対潜機材を展開しようとすれば日本を通過する必要がある。
日本は潜水艦技術、ミサイル、弾頭について米国の支援を受けることも可能だろう。英国で前例がある。海を防壁に使う抑止力策なら米国も援助を惜しまないはずだ。場合によっては日本がオハイオ級後継艦建造を資金負担することも考えられる。特にミサイル技術だ。
水中配備案で日本は中国、フランス、英国に続き、弾道ミサイル潜水艦5隻を建造し、各16発の核ミサイルを搭載するだろう。ミサイルは100キロトン弾頭4発を搭載する。一隻がパトロールにでると弾頭64個を運用することになる。
弱点もある。危機状況では弾道ミサイル潜水艦との連絡が困難だ。また5隻中2隻が常時パトロールしても使える弾頭は128個しかない。
現状で日本の核武装を歓迎する向きはない。だが日本も追い詰められれば核武装に走る可能性があることを全員が認識すべきだ。実現までは遠い道のりとはいえ、中国やロシアとの関係が悪化すれば状況はさらに厳しくなる。■
Kyle Mizokami is a defense and national security writer based in San Francisco who has appeared in The Diplomat, Foreign Policy, War is Boring and The Daily Beast. In 2009 he cofounded the defense and security blog Japan Security Watch. You can follow him on Twitter: @KyleMizokami. This first appeared in October 2015 and is being reposted due to reader interest.
中露の問題ではなく、半島に核保有の統一国家が出来た時に備えておく必要がある。
返信削除記事のような規模でなくとも十分だろうが。
日本が短期間で核兵器を製造し、配備することが可能な国家であることは、世界が認めるところだ。そして記事の筆者が述べているように、政府、国民が共に核保有国になるつもりがないことも間違いないだろう。
返信削除日本は、今後も国家の存続が脅かされない限り、核兵器の検討さえ行わないだろう。
しかし、世界を見渡せば核兵器を製造し、あるいは製造しようとする国が増えており、近い将来に核兵器を用いた戦争が起きる可能性が高いと、個人的には予想している。
また、核保有国の動きも核兵器使用のハードルを低めているように見える。爆発力を制御した「使いやすい」核兵器や、地下の長城を建設し、核兵器数や配備先を隠そうとする中国も問題だ。
さらに中国の核兵器の先制不使用宣言も、国家・党・軍指導者の欺瞞的発言を考えると、簡単に信頼するわけに行かないだろう。
北朝鮮はともかく、中国相手に小手先の「抑止」が通じるか?
返信削除甚だ疑問。