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空母の将来を脅かす5つの軍事技術

All of the Reasons America's Aircraft Carriers Are Doomed

September 22, 2019  Topic: Security  Blog Brand: The Buzz  Tags: Aircraft CarrierMilitaryTechnologyWorldNavy
母の攻略方法は知れ渡っている。あるいは攻撃を試みる方法というべきか。潜水艦発射の魚雷、巡航ミサイル、弾道ミサイルはいずれも空母に最悪の事態を与えかねない。もちろん、現在の空母は各種攻撃への防御手段を備えているが、攻撃と防御のバランスが確保されているかは残念ながら未知数である。
だがこれからはどうなるのか。30年後なら空母への攻撃方法が変わるのだろうか。空母建造者の頭を悩ませそうな5分野に触れてみたい。

水中無人機
空母にとって潜水艦が長きに渡り最も大きな脅威である。第二次大戦時には、ほぼすべての空母部隊で潜水艦による損失が発生した。冷戦時に米海軍はソ連潜水艦の存在を重要ととらえていた。対潜技術が進歩したとはいえ、潜水艦で最大の課題は空母の捕捉であり、攻撃射程内への接近である。しかも空母部隊の対潜機能の餌食になる前にこれを実施しなければならない。潜水艦には脱出経路を見つけることも重要だ。
無人潜水機は以上の問題をいくつか解決できる。接近を予期してほぼ無期限にわたり水中待機できるし、空母捕捉に成功して初めて移動すればよい。またロボット潜水艇には陸上に残した家族を心配する乗組員は皆無だ。武装がわずかでも事前設定した条件で自律運用する無人機は空母にとって厄介な存在になるだろう。

サイバー攻撃
空母は今でも頭が痛くなるほど複雑なシステムの塊だ。艦だけでなく航空団さらに護衛艦艇もある。フォード級空母ではさらに発展しており、ウェポンシステムの一部となりセンサーも同時にシステムを構成し数百、数千マイルの範囲を探査する。ネットワークはデジタル化し防御も厳重だが侵入不可能なわけではない。敵がフォード級のコンピューターシステムへ妨害や侵入してくるかもしれない。
サイバー攻撃を受ければ空母に大きな影響が生まれる。空母がセンサー能力を失えば、艦の運行のみならず航空団の運行もままならなくなる。逆に艦の位置を露呈し、攻撃手段の前に脆弱となる。極端に言えばサイバー攻撃で主幹システムが無力になれば艦は自衛できなくなる。

無人航空機
ピーター・シンガーとオーガスト・コール共著のGhost Fleet(邦題中国軍を駆逐せよ!ゴーストフリート出撃す)では米軍のUAV部隊が空母二隻(ロシアのクズネツォフ、中国の山東)を北太平洋の空母戦の最後に撃破する。無人機は前からあるし、巡航ミサイルとは自殺用の無人機と大差ない。一方で、航空機は1940年代から空母を沈めてきた。だが現在の有人機で空母を捕捉攻撃しようとすると新鋭防空装備の前に自殺行為となる。巡航ミサイルは射程が長いとはいえ、やはり防御突破で同じ問題に直面する。 .
自律運行型UAVにスタンドオフ兵器および近接距離兵器を併用すれば柔軟に防空網を圧倒できる。とくにパイロットの生存を心配しなくて良いとなれば可能性が高くなる。まず遠距離で兵器を放出してから十分に接近して空母に致命傷を与える。生命の危険を感じないロボットほど怖い存在はない。

極超音速兵器
中国、ロシア、米国が極超音速技術の開発に躍起となっており、弾道ミサイル同様の脅威となる予感がある。ただ弾道ミサイルと異なり、極超音速兵器は防御が極端に困難な飛翔経路を取ることが厄介だ。つまり弾道ミサイルや巡航ミサイルの威力と慣性を組み合わせて空母に甚大な被害を与える存在になる。弾道ミサイルには核兵器の運搬手段というイメージがあるが極超音速兵器は政治的には使いやすい兵器となろう。

軌道爆撃
空母はステルスになれない。航空機、潜水艦、水上艦艇が姿を隠すのと対照的だ。ただし空母には機動性という有益性がある。航空基地が固定されれば敵は常時その位置を把握できる。攻撃対防御の単純な戦術問題になる。空母は機動性を発揮して有利な立場を作る。
軌道爆撃システム(ニックネーム「神の杖」)はこの問題を解決する。衛星にタングステン棒や運動エナジー兵器を搭載すれば空母の位置を識別すれば即時に攻撃可能となる。ここではネットワーク間の通信といった問題は不要だ。神の杖は運動エナジーだけで水上艦に甚大な被害を与え、空母を撃沈するか、機能を奪う効果を与えるだろう。

空母は生き残れるのか
航空母艦は地政学上の影響力を生む手段だ。このため、そのを無力化を狙う国家が存在する。空母はほぼ一世紀にわたり、その目的を果たしてきた。USSフォレスタル以後の米海軍は超大型空母を運用しており、その役目は1950年代から変わっておらず、21世紀後半も変化はないと見られるが、どこかの時点で大きな変化があれば、空母の攻撃力は効果を失い、脆弱性の正当化もできなくなる。だが実際に米海軍の宝たる空母が一隻でも喪失しないとこれはわからないだろう。

Robert Farley, a frequent contributor to TNI, is author of The Battleship Book.

コメント

  1. ぼたんのちから2019年9月25日 13:14

    米国の空母戦力は、世界軍事覇権の源泉であり、その圧倒的攻撃力で対立する国家の軍事力を抑制してきたが、フォーレイ先生がこの記事で指摘するようにそれは過去のものになるかもしれない。
    中国は、記事で書かれている空母攻撃兵器の開発に勤しんでおり、近い将来、これらのいくつかは実用化されるだろう。
    その時には、最早、台湾進攻の兆しがあっても空母を派遣し、威嚇できず、また、南シナ海や東シナ海は危険に満ちた海域になる。いや、もう既になっているのかもしれない。
    まず空母は、このような危険な海域から離れて行動することになるだろう。現在の戦闘攻撃機は、航続距離が十分でないから、給油を受けて距離を伸ばすが、効率の悪さは避けられず、攻撃力は著しく低減するだろう。よって長距離攻撃機を導入するが、それは恐らく無人となる。
    海上だけ考えても、敵の目となる様々な偵察衛星、警戒機等の排除が十分でなければ、海域の安全は確保できないが、これは実際には難しい。このようなことを考えると、空母の利用価値は減り続けるように見えるかもしれない。
    結果として、空母は、最前線で活動できる兵器でなくなる。それとともに戦線での米海軍の力は激減することになる。
    しかし、危険な海域は中国周辺のみであり、空母部隊が近寄る必要はないだろう。世界の海で海路を確保し、中国艦船や勢力を排除すればよく、中国を孤立化させ、徐々に攻撃兵器を無力化し、仕上げに空母も加えて中国本土を攻撃すれば良いだろう。これは太平洋戦争後半時と同じではなかろうか。

    返信削除
  2. 何が怖いって空母が沈まなきゃアメリカは変われないだろうというあきらめがサラっと出てくる所が怖いです。
    そして日本もいずもとかが沈まなきゃ変われないんでしょう。たいして投資していない今がチャンスなんですが。

    返信削除
  3. >空母は生き残れるのか?
    日本の場合、中国に位置座標を完全に把握され、しかも動けない、空自基地との生存性の比較になるわけですな。
    中国 A2/ADに突入しなければ存在意義が発揮できない米空母より、ちょっと楽かな?

    返信削除

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