2025年6月17日火曜日

中東方面への米軍の大幅軍事増強が進行中(TWZ) ― トランプ大統領がG7二日目行事を取りやめ急遽ワシントンDCへ戻ったことも米国の対応の変化を示していますね

ニミッツ空母打撃群が中東へ急行中でカール・ヴィンソンCSGと二個編成とする他、週末から緊急展開したタンカー機材が大西洋沿いの基地に到着している

The U.S. Navy is sending the supercarrier USS Nimitz and the rest of its strike group to the Middle East amid a new buildup of forces in the region ostensibly for defensive purposes, U.S. officials have told TWZ.

米海軍

海軍は、中東地域での新たな軍事増強として、防御を名目とした同地域への超大型空母「USSニミッツ」打撃群の派遣を決定したと、米当局者が本誌に明かした。夜間に、数十機の米空軍KC-135RとKC-46A給油機が大西洋上空を東進する様子が追跡された。

 これを受けて、米政策の転換を背景にした大規模な緊急作戦の開始の可能性が浮上している。

 米空軍、海軍、陸軍は、先週始まった現在の武力衝突以来、イスラエルの防衛を支援している。イスラエルとイランの衝突に関する最新の展開は、当サイトの報道こちらで確認できる。

 西太平洋を航行中の「ニミッツ空母打撃群は、中東へ遅滞なく向かっている」と、米当局者が本誌に明かした。同当局者は、これは中東に展開中のUSSカール・ヴィンソン打撃群と交代するため、予定通りの展開だと説明している。ただし、ヴィンソンがいつ地域を離れるかは明言していない。

 Fox Newsは別途、ニミッツを中東に派遣する決定は当初の計画通りだったが、数ヶ月前倒しされたと報じ、ニミッツとヴィンソンが少なくとも一定期間、同地域に共同展開すると伝えている。ニミッツ打撃群には、空母と航空団に加え、4隻のアーレイ・バーク級駆逐艦が含まれる。海軍の空母展開には通常、少なくとも1隻の高速攻撃型潜水艦が随伴している。

 質問を受けた別の米当局者は、KC-135RとKC-46A給油機の最近の動きについて具体的にコメントしなかったが、「地域に追加の防衛部隊が展開され、指導部に柔軟な選択肢を提供するため」と本誌に述べた。同当局者は、部隊の正確な構成について詳細を明かさなかった。

 他の報道では、これらの飛行が「防衛」強化と直接関連付けられている。上記の米当局者両名は、作戦上の詳細を議論するため、匿名を条件にTWZに発言した。

 空軍の航空機動司令部(AMC)が給油機と輸送機を管轄しているが、本誌問い合わせに対し、作戦上の安全保障上の懸念を理由にコメントを拒否した。本誌はまた、米中央軍(CENTCOM)、インド太平洋軍(INDOPACOM)、および米海軍太平洋艦隊(PACFLT)の本部にも追加情報を求めた。CENTCOMはホワイトハウスに照会するよう指示してきたため、本誌は従った。

 追加の航空母艦打撃群を配置することは、米軍指揮官の防衛および攻撃能力に重要な強化をもたらす。地域における緊急事態対応作戦の一環として、ニミッツの航空団は、ドローンや巡航ミサイルを含む空中脅威の迎撃支援や、陸上および海上目標への攻撃任務を命じられる可能性がある。海軍のF-35C統合打撃戦闘機は、最近数ヶ月間、イエメンでイラン支援のフーシ派武装勢力によって発射されたドローンを撃墜したことが知られており、これは本誌が最初に報じたものだった。

 空母打撃群のその他艦艇は、敵艦艇や地上目標を攻撃する能力に加え、航空・ミサイル防衛能力を有する。空母とその護衛艦艇は、監視・偵察、指揮統制、戦闘管理など、多様な支援を提供できる。

 イスラエル国防軍(IDF)の高官は本誌 に対し、週末にイージス戦闘システムを搭載した艦艇アーレイ・バーク級駆逐艦と/またはィコンデロガ級巡洋艦)が、現在の紛争が勃発して以来、イスラエルへ向かうミサイルの迎撃を支援してきたと述べた。また、イージスシステムを弾道ミサイル防衛任務用に特別に構成した米軍艦艇が使用する「SM-3弾道ミサイル迎撃ミサイル」が使用された証拠も存在する。

 米当局者は現在の情勢を受けて追加のアーレイ・バーク級駆逐艦「USS トーマス・ヒューダー」が東地中海へ移動中だと本誌に先に伝えていた。同型駆逐艦のもう1隻も、要請があれば同地域への前線展開のため再配置されると報じられている。トーマス・ヒューダーはBMD(弾道ミサイル防衛)仕様のアーレイ・バーク級で、追加のSM-3ミサイルを戦域に投入する。米国が保有するSM-3ミサイルの在庫は限られている。また、海軍は現在、アーレイ・バーク級駆逐艦で垂直発射システムを再装填する運用可能な手段を持っていない。

 米軍の航空戦力動向に関する観測では、オンラインの飛行追跡ソフトウェアによると、少なくとも32機の空軍給油機が欧州と中東各地に到着した。これらの給油機が戦闘機を伴い大西洋を横断したかは不明だ。

 前述のイスラエル国防軍(IDF)の高官は本誌に対し、同地域に展開する米戦闘機が既に防御作戦に参加中と述べた。空軍のF-15Eストライクイーグルは、昨年イスラエルに対するミサイルとドローンの攻撃から防衛する際に重要な役割を果たした。F-15Eは最近、対ドローン能力が特に大幅に拡大され、レーザー誘導式アドバンスト・プレシジョン・キル・ウェポン・システムII(APKWS II)ロケットが装備されたばかりだ。中東の空軍F-16は、昨年からイラン支援のフーシ派武装勢力によってイエメンから発射されたドローンを撃墜するためにAPKWS IIを使用しており、これも当サイトが最初に報じた

中東に展開中のF-15Eストライクイーグルが、レーザー誘導式APKWS IIロケットを大量に搭載した写真。CENTCOM

 ヨーロッパの基地から、空中給油機の大編隊は、貨物機の長距離飛行支援、戦闘機の移動、または米国から中東へのグローバル空軍爆撃機の展開を支援する位置に配置される。

 TWZ は以前、米空軍のB-2爆撃機が30,000ポンドのGBU-57/B マッシブ・オルダンンス・ペネトレーター(MOP)バンカーバスター爆弾を搭載する独自の組み合わせが、米国政府がイスラエルの軍事作戦に 参加する決定をした場合、イランの深く埋設された施設、特にフォルドの核濃縮施設を破壊する役割を果たす可能性を指摘してきた。

B-2爆撃機がテスト中にGBU-57/Bマッシブ・オードナンス・ペネトレーター(MOP)を投下する。USAF

 地上配備の航空・ミサイル防衛資産の追加展開や、既に前線展開中の部隊の迎撃ミサイル在庫の補充を空輸で実施する場合も、多大な資源を要する。米陸軍のペイトリオット地対空ミサイルシステムターミナル・ハイ・アルティチュード・エリア・ディフェンス(THAAD)弾道ミサイル防衛システムは、イスラエル防衛に既に投入されている。

 新たな米軍増強が、米国が紛争への関与の新段階に入る兆候かどうかは、まだ不明だ。本誌が指摘したように、タンカー編隊が大西洋を東へ進路を取った際、その動きは複数の異なる緊急事態シナリオを予想させた。イスラエルの防衛オプションを拡大する以外に米国の中東地域における権益が直接の脅威にさらされる可能性も残る。イランは、戦略的に重要なホルムズ海峡を封鎖するという長年の脅威を改めて強調しているが、その行動が世界にもたらす影響を考えれば、イランが実際にその能力と関心を実行に移すかは疑問である。特に、中東にある米軍の基地を標的としたイランの攻撃や、ホルムズ海峡の封鎖に対処するには、弾道ミサイル防衛が鍵となるだろう。

 また、ドナルド・トランプ米大統領とその政権に対して、イスラエルとその目標を支援するため、より積極的に紛争に関与するよう圧力が高まっていると報じられている。特に、イスラエル軍は、イランの地下深くにある施設、特にフォードウの濃縮施設を無力化するための選択肢が大幅に増えている。フォードウを破壊することは、イランの核兵器製造能力を実質的に阻止するために不可欠と広く見られている。前述したように、イスラエル空軍(IAF)に米国の空中給油支援を提供するだけでも、同国の継続的な作戦に大きな弾みがつく。

 一方、イスラエルによるイランに対する作戦の範囲も、核関連施設という当初の焦点から徐々に拡大している。これは、エネルギー関連施設を報復対象としたイランの行動も一因だ。

 イスラエルとイランの紛争に対する米国政策に大きな変化があるかどうかに関わらず、米軍は現在、中東における将来の攻撃作戦および防衛作戦を支援する準備として、大規模な軍備増強に取り組んでいる。

最新情報、午後 6 時(東部時間)(日本時間6月17日午前7時)

「米国中央軍管轄区域への追加兵力の派遣を週末に指示しました」と、ピート・ヘグセス米国国防長官は声明で述べた。「米国軍隊の保護は私たちの最優先事項であり、今回の派遣は、この地域における防衛態勢の強化を目的としています」。

最新情報、東部時間午後 7 時 25 分(日本時間6月17日午前8時25分)

「中東における米軍の保護義務に基づき、ヘグセス国防長官は、防衛態勢を維持し、米国人要員を保護するため、ニミッツ空母打撃群を米中央軍(CENTCOM)の責任地域へ派遣するよう指示しました」と、米国国防当局者も本誌に直接明らかにしました。米国欧州軍(EUCOM)の作戦地域では、米国海軍は、米国の国家安全保障目標を支援するため、東地中海で作戦を継続している。

 また、彼らは「米国は陸と海からイスラエルを狙うミサイルの撃墜を支援している」という以前の声明も繰り返した。■


Major U.S. Middle East-Focused Buildup Confirmed (Updated)

The Nimitz Carrier Strike Group is now rushing to the Middle East and a snap deployment of tankers has landed at bases across the Atlantic.

Joseph Trevithick, Howard Altman

Published Jun 16, 2025 3:56 PM EDT

https://www.twz.com/air/major-u-s-middle-east-focused-buildup-confirmed

ハワード・アルトマン

シニア・スタッフライター

ハワードは『The War Zone』のシニアスタッフライターであり、以前は『Military Times』のシニアマネージングエディターを務めていました。それ以前には、『Tampa Bay Times』で軍事問題を担当するシニアライターとして活動していました。ハワードの作品は、『Yahoo News』『RealClearDefense』『Air Force Times』など、さまざまな出版物に掲載されています。

ジョセフ・トレヴィシック

副編集長

ジョセフは2017年初頭からThe War Zoneチームの一員です。以前はWar Is Boringの副編集長を務め、Small Arms ReviewSmall Arms Defense JournalReutersWe Are the MightyTask & Purposeなどにも寄稿しています。


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