2022年2月26日土曜日

プーチンがウクライナ軍にクーデターを持ちかけ内部混乱を図る。ロシア軍の進撃は想定以下か。ゼレンスキー政権崩壊を想定した動きも。事態の展開が早くなってきた

 事態はロシアの当初の想定通りには進んでいないようですが、展開が加速化しています。これに対し、対岸の火事とばかりに日本のメディアがのんびりとした伝え方しかしていないのが気になります。情報量があまりにも少なすぎます。ことの重大性を理解できないのだとしたらメディア機能があまりにも低すぎます。


Ukrainian forces deployed to the streets of Kyiv amid Russia's invasion.

SERGEI SUPINSKY/AFP VIA GETTY IMAGES

 

ーチン大統領はウクライナ軍にクーデターをけしかけた。

 

プーチンはテレビ演説で、ウクライナ軍に「自分たちの手で権力を握れ」と発言した。「麻薬中毒者やネオナチの一団より、諸君との取引の方が簡単そうだ 」。

 

「ネオナチや右翼団体に子供や妻や両親を人間の盾にさせるな」とも付け加え、第二次世界大戦中にソ連に対してナチスに逮捕されたのちに協力したウクライナの超国家主義者ステパン・バンデラに言及した。プーチン発言は、ウクライナ政府が降伏しない場合、キエフ他の人口密集地へ更なる攻撃が計画ずみであると示唆している。

 

大統領自身を含むロシア当局者が、同日にウクライナ当局との交渉開始を模索していると述べたにもかかわらず、プーチンは同上演説を行った。ウクライナ政府がクレムリンとの交渉開始を申し出ているとの報道もある。しかし、プーチンが「現在の傀儡政権を裁く」「ウクライナを完全に非軍事化する」「NATO加盟を断念させる」といった最大公約数的な要求を取り下げた形跡はない。同大統領はまた、キエフ政府が2014年にクレムリンが獲得したクリミア半島の支配権を正式に譲渡し、東部ドンバス地域のふたつの分離共和国の領有権主張を放棄するのを望んでいる。ウクライナ政府関係者は、NATO加盟問題を交渉内容に乗せたと報じられているが、こうした条項の多くを承諾する様子は見られない。

 

ウクライナのゼレンスキー大統領は、国際社会、特に欧州各国に対して、支援を訴え続けている。彼は自国の窮状を、他のウクライナ政府関係者と同様、国際的なルールに基づく秩序に遠大な影響を及ぼしかねないと繰り返し訴えている。

 

「これはヨーロッパへの戦争の始まりであり、ヨーロッパの統一、ヨーロッパの基本的人権、大陸におけるすべての共存のルール、ヨーロッパ諸国が力による国境の分断を拒否しているという事実にすべて反するものだ」と、今朝のテレビ演説で述べた。「キエフに爆弾が落ちる、これが欧州で起きている。ミサイルが国民を殺すとき、全ヨーロッパ人の死となる。民主主義世界の一部として、ヨーロッパの保護、ウクライナの保護をさらに要求する」

 

同大統領はウクライナ上空を国際的な飛行禁止区域にする、あるいはロシアの民間航空機の飛行禁止が生まれる可能性がある。また、外国人義勇軍を歓迎するとも述べた。

 

キエフでは、ロシア軍が首都近郊に到着し、地元の志願防衛隊に武器が配給され、大規模戦闘に備えている。元プロボクサーのクリチコ市長やペトロ・ポロシェンコ元大統領も武器を手にし、街頭でこうした勢力に加わっている。

 

キエフでは、ロシア特殊部隊あるいは代理勢力が潜入しての散発的な戦闘が報告されている。ゼレンスキー大統領は市内に「破壊工作グループ」がいると繰り返し発言していた。ウクライナ軍制服を着た敵が、国土防衛軍との交戦で死亡したとの未確認報告がある。

 

ウクライナ軍はキエフ周辺をはじめ、反撃を続けている。キエフ近郊のホストメル空港をめぐる戦闘が新たに入り、ロシアは空輸橋頭堡を築くため、同空港奪取を意図しているようだ。同空港には、世界最大の実用航空機An-225 Mriyaが駐機しており、両軍が激しい争奪戦を展開している。

 

ウクライナ南東部アゾフ海の港町マリウポルMariupol付近で、ロシアが揚陸強襲したとの新情報が入ってきた。以前にも同様の報道があったが、その後、誤報と判明した。同地域がロシアにとって戦略的に重要であることに変わりはない。また、黒海とウクライナ沿岸の港で、複数の商業船舶がロシアのミサイル攻撃を受けたとの報道もあるが、その正確な状況はほとんど確認されていない。

 

これに先立ち、ウクライナ軍は、ロシアとウクライナの国境近くにあるミラーヴォ空軍基地Millerovo Air Baseを標的に、ロシア国内への初めての攻撃を開始したと報じられている。攻撃に使用された兵器の種類は不明だが、OTR-21トーチカ(SS-21スカラベ)短距離弾道ミサイルや武装したTB2ドローンが使用された可能性がある。

 

この36時間に、各所で激戦があったようだ。米軍による本日の見解では、ロシア軍は優勢を維持しているものの、勢いを失った可能性があるとしているが、英国国防省が先に出した状況評価と一致している。米国当局によれば、ウクライナは制空権を失っていない。

 

ウクライナ国防省は現在、この2日間でロシア軍数千人を殺害し、数百台の装甲車と10機の航空機を破壊したと主張している。これらの損害について、確認は取れていない。同時に、実際の被害が主張の数分の一であったとしても、ロシアには重要な結果である可能性がある。公式発表によると、2008年の対ジョージア戦争では、12日間で約65人のロシア軍が死亡した。2015年にシリア介入が始まって以来のロシア軍の公式死者数はわずか117人。ウクライナ軍も犠牲者を出しており、当局によると、これまで少なくとも137名が死亡している。

 

どう見ても、両日中にこの紛争の最終的な行方に大きな影響を出そうだ。

 

UPDATE: 1:25 PM EST—

 

ウォール・ストリート・ジャーナルによると、ゼレンスキー大統領は本日未明、「生きている私を見るのはこれが最後かもしれない」と欧州首脳に語り、状況は一層悪化しているようだ。

 

NATOは、ウクライナ紛争へ呼応し、初めて対応部隊を編成したが、直接介入の計画はないと強調し続けている。対応部隊の航空、海軍、陸上部隊は、ロシアとの東側側面に展開中のNATO部隊に合流する。NATOのイェンス・ストルテンベルグ事務総長は本日、同盟は特に、より大きな紛争の引き金となりうる「事故」を避けるために、ロシア政府と紛争回避を試みると述べた。また、サイバー攻撃はNATOの集団安全保障条項第5条を発動させる可能性があると警告した。

 

NATOにはウクライナへ部隊派遣の予定はないものの、事務長は、加盟国は武器その他の軍事支援を継続すると述べ、防空能力の追加提供の可能性に触れた。NATOの複数国が、米国製スティンガーのような短距離地対空ミサイルシステムをすでに納入、または納入を計画している。

 

米軍や他のNATO諸国はウクライナ領空で飛行を停止しているが、同国国境沿いで情報・監視・偵察(ISR)を続けている。各機が収集したロシア軍に関する情報は、米軍の情勢判断に欠かせない。

 

NATOのE-3セントリー空中警戒管制システム(AWACS)レーダー機が、ウクライナと国境を接する同盟国上空を飛行するのが確認されている。

 

UPDATE: 2:15 PM EST—

 

ウクライナでは夜が明け、キエフ周辺や他の戦線で新たな戦闘報告が続いている。英国当局によると、ロシアはキエフに2方面から攻撃を仕掛けるようだという。

 

ITVニュースは、ウクライナ侵攻との関係は不明だが、大規模な医療緊急事態が発生すると予想するロシア保健省の文書を入手したと報じている。ロシアでは、オムリコン変種が出現した後、ここ数カ月でCOVID-19感染者も急増している。

 

商業衛星企業Maxarは、ベラルーシの新しい画像を公開し、ウクライナ国境近くの基地で、ヘリコプター数十機含む大規模な軍備増強を明らかにした。基地は、昨日ロシア軍が攻撃を開始したチェルノブイリ立ち入り禁止区域の反対側に位置するベラルーシ内にある。

 

興味深いことに、ウクライナの紛争は、森林火災の監視用のNASA衛星でも探知できるレベルに達している。米軍の早期警戒衛星も、状況を監視しているのは間違いない。弾道ミサイルの発射を探知する宇宙赤外線システム(SBIRS)衛星は、砲撃の探知が可能な感度を有していると言われている。

 

また、フランスが在キエフ大使館を強化するため、同国の最高峰のテロ対策・人質救出部隊GIGNを派遣し、ゼレンスキー大統領の安全確保にあたるとの未確認情報もある。これは、首都がロシア軍に陥落した場合、フランスがウクライナ指導者を自国公館に匿うと申し出ているのかもしれない。

 

 

UPDATE: 3:00 PM EST—

 

ハリコフ近郊の燃料貯蔵庫がロシア侵攻の主要な標的になっているという新たな映像が入ってきた。また、ウクライナ空軍基地への新たな攻撃とされる映像がソーシャルメディアに掲載されている。

 

ウクライナの国家緊急事態局は、キエフ郊外の発電所は攻撃で破壊されていないと主張している。キエフでは停電や混乱が続き、発電所が被害を受けた可能性を示唆している。

 

ロイターは、キエフなど北東部都市へのロシアの進撃が大損失を受け本日未明に停止したと報じている。同報道では、ロシア軍が地元商店から商品を略奪していたとの報道もあり、兵站上で問題がある可能性も指摘されている。

 

オクサナ・マルカロワOksana Markarova駐米ウクライナ大使は、本日の記者会見で、「わが国の正規軍と志願部隊の戦果に、敵は明らかに驚いている」と述べた。「敵の計画通りに進展していないと見ています」

 

マルカロワ大使は、キエフ近郊の孤児院と付属校がロシア砲撃により、死傷者多数が出ている事実を確認した。ロシア軍が意図的に、あるいは無差別に攻撃した結果、民間人が攻撃を受けたとの報告が増えている。ウクライナ政府は戦争犯罪の調査を要請するとし、米国政府などはこれらの事件を非難している。

 

ただし、ロシアは侵攻を進め続けている。

 

キエフのヴィタリ・クリチコVitali Klitschko市長は、ソーシャルメディアネットワーク「テレグラム」への投稿で、「現在の状況は、キエフにとって脅威である」「夜と朝は困難な状況になるだろう」とした。 ウクライナ国防省によると、英国が供給した対戦車誘導弾NLAWが首都予備軍に配布されている。

 

UPDATE: 4:05 PM EST—

 

ロシアはウクライナ各所へ攻撃を続けているようだ。ロシアのミサイルなどで民間人が攻撃を受けているとの主張を裏付ける画像も出てきた。

 

些細ながら、興味深い展開として、シリアの反政府勢力であるスヘイル・ハムードが、ロシアと戦うためにウクライナにどうしたら行けるのかとTwitterに投稿してきた。ハムードはシリアで戦車何十台を破壊したことで知られている。ゼレンスキー大統領は、軍隊経験のある外国人志願者を歓迎すると述べている。

 

ホワイトハウスのジェン・プサキ報道官によると、米国政府はロシアのプーチン大統領自身と、同国のセルゲイ・ラブロフ外相を制裁する計画であるという。さらなる制裁の可能性もあると付け加えた。

 

バイデン大統領は先にゼレスキー大統領と電話会談し、ウクライナへの「経済、人道、安全保障の支援」の継続を約束した。ゼレンスキー大統領は会談の後、米国の継続的支援に感謝する声明を発表していた。

 

これとは別に、米国務省がロシア政府との不要不急の交流を削減する計画を進めているという複数の報道がある。これには、国際機関を通じた関与や軍備管理などに関する交渉の停止は含まれない。

 

米国防総省は、本日未明のNATO対応部隊の発動に伴い、展開される可能性のある米軍部隊の詳細については提供しないとした。米軍によると、作戦の保安上の理由から、ウクライナへの軍事援助に関する発表も抑制している。

 

ウクライナのアントノフ航空に所属するAn-124貨物機がオーストリアのリンツ空港で乗員が、ロシアの侵攻に小さく抗議する写真がネット上に掲載された。ウクライナ空軍のAn-1244機が、理由は不明だが、昨晩ポーランドへ飛行したのが先に確認されたている。■

 

 

Ukraine's Capital Kyiv Braces For A Major Battle With Encroaching Russian Forces (Updated)

 

Ukrainian forces are preparing to hold the line in Kyiv amid reports of renewed Russian offensives across the country.

BY JOSEPH TREVITHICK FEBRUARY 25, 2022



2022年2月25日金曜日

ウクライナ「特別軍事作戦」でやはりロシアは砂漠の嵐作戦に影響を受けたミサイル集中攻撃で一次攻撃を行った。投入されたと見られるミサイル装備をまとめた。

 




CSIS.ORG



2022年2月24日ドンバス地方で始まったロシアのウクライナでの「特別軍事作戦」は、全国規模に拡大し、スタンドオフミサイルが多用された。これまでロシアの軍事作戦では、西側諸国のように精密誘導ミサイルが多用されてこなかったが、今回のウクライナ攻撃では、多種多様な最新鋭のミサイルが使用されている兆しがある。少なくとも当初は、初期目標を達成するため最も効果的でリスクの低い選択肢として、スタンドオフミサイル攻撃が好まれているのは明らかだ。「ドアを蹴破る」と呼ばれる、30年以上前の砂漠の嵐作戦で米国が開発した作戦方法にならっている。



現地時間5時に始まった軍事作戦は、陸・海・空から発射のスタンドオフミサイル攻撃を初動とした。指揮統制施設、防空施設、空軍基地12箇所、黒海の港湾都市オデッサの施設などを標的とし、ウクライナの自衛能力を低下させ、司令部の状況把握と通信手段を奪うことを目的とした。


以下、ロシアの陸上攻撃用巡航ミサイル、弾道ミサイル、空中発射型スタンドオフミサイルを検証してみた。


 

3M14 カリブル Kalibr


ウクライナ国防省によれば、第一段階のロシアの攻撃に3M14カリブル対地攻撃巡航ミサイル(LACM)が30発含まれていた。同ミサイルは、シリア内戦に介入したロシア海軍も使用しており、ロシア海軍の最重要兵器の1つだ。


西側でSS-N-30Aサガリスとして知られる亜音速3M14カリブルは、990ポンド高爆発弾頭を搭載し、930~1,550マイルの射程距離と推定される。


ウクライナ西部のイワノフランキフスク空軍基地がカリブルによる攻撃を受けた映像が流れている。


3M14は、対艦巡航ミサイルや対潜水艦ミサイルを含む、カリブル・ファミリーの一角で、3M14は、共通垂直発射システム(VLS)から発射され、各種水上艦や潜水艦に搭載できる汎用性がある。海防艦ほどの大きさの艦船にも搭載でき、強力な打撃を与える。ロシア海軍は、通常弾頭により長距離の地上固定目標の攻撃に注力している。


ウクライナ攻撃に投入された3M14カリブルミサイルは、黒海から艦艇が発射している。黒海艦隊はクリミアのセヴァストポリを母港とし、3隻のプロジェクト11356R/Мアドミラル・グリゴロヴィッチ級フリゲート艦と4隻のプロジェクト21630ブヤンM級海防艦に加えて、コンテナ型カリブル発射装置を運用可能なプロジェクト22160の3~4隻で構成されている。


黒海艦隊はまた、カリブルミサイル(潜水発射式の3M14K型)を発射できるプロジェクト636.3改良型キロ級ディーゼル攻撃型潜水艦も6隻保有している。


カリビルは、陸上攻撃ミサイル「トマホーク」の初期型に匹敵する。

 

空中発射式巡航ミサイル Air-launched cruise missiles


現時点で、ロシアが発射した巡航ミサイルが航空機発射式だったとする絶対的な確証はない。しかし、米国の国防当局者は、攻撃第一波に重・中型爆撃機75が含まれていたと述べている。重爆撃機とは、Tu-160ブラックジャックとTu-95MSベアH爆撃機、おそらくTu-22M3バックファイア-Cを指すと思われる。中型爆撃機とは、Su-24フェンサーやSu-34フルバックのような攻撃機だろう。このうちTu-160とTu-95MSは空中発射巡航ミサイルを搭載可能で、少なくとも前者が投入されたのは確実だ。


ロシア航空宇宙軍は通常型空中発射式巡航ミサイル2種類を保有している。


Kh-101 (AS-23A コディアクKodiak) は最新のステルス亜音速巡航ミサイルで、最大射程1,870~2,480マイルと報告されている。Kh-101は、ロシアのシリア作戦で初めて使用され、Tu-160とTu-95MS爆撃機が発射した。



CSIS.ORG

Kh-101s on a Tu-95 Bear.




旧世代装備としては、Kh-555(AS-22 クルーグKluge)がある。これは、Kh-55SM(AS-15 ケントKent)亜音速巡航ミサイルの核弾頭を通常弾頭に置き換えた。同ミサイルは、期待一体型燃料タンクを装着すれば、航続距離を約1,860マイルまで伸ばす。

 

イスカンデル-M Iskander-M


巡航ミサイルと同様に、作戦開始後数時間にウクライナを標的に弾道ミサイルの発射が確認されたとの報道がある。一方、米国防総省は、本日の戦闘の最初の数時間にロシアから100発もの弾道ミサイルが発射されたと評価している。


9K720イスカンデルM短距離弾道ミサイルは、西側ではSS-26ストーンとして知られ、ロシアがこウクライナ周辺に配備した多くの兵器システムの一つだ。


ウクライナ国防省は、イスカンデル-Mは 「重要標的の破壊」に投入される可能性が高い重要装備と指摘していた。


イスカンデルMシステムは9M723弾道ミサイルを発射し、公式発表の射程距離は310マイルだが、それ以上とする証拠もある。弾頭は最大1,500ポンドで、高性能爆発弾または子弾頭が通常だ。別のオプションに燃料空気爆発物やバンカーバスターがあると伝えられる。核弾頭は、特別部隊が保有するが、イスカンデル-Mも核弾頭が使用可能だ。


9M723ミサイルは準弾道軌道を使用し、飛翔中の機動も可能との報告があり、強力なミサイル防衛能力を持つ相手にも対応が課題となる。防御力が最高で強化された目標に同ミサイルが使用された可能性が高い。


イスカンデル-K Iskander-K


イスカンデルシステムは、輸送機・発射台と支援車両を共通とし、9M728巡航ミサイルも発射でき、イスカンデル-K(SSC-7サウスポー)とも呼ばれる。ロシアの公式発表によると、同ミサイルの射程は、1987年の中距離核戦力(INF)条約で定めた500km(310マイル)の制限内に収まっている。


同ミサイルは、初期段階において重要標的の攻撃に理想的であるため、今回の作戦で使用されたという未確認の報告がある。


トーチカ Tochka


冷戦中に開発されたトーチカ(SS-21スカラベ)は、FROG(Free Rocket Over Ground)シリーズに代わる戦場配備用の移動式短距離弾道ミサイル(SRBM)だ。トーチカ-Uの最新型は、射程距離が最大75マイルで、約1,000ポンドまでの各種弾頭を搭載する。


今回の戦闘では、ロシアが9N123K子弾頭を搭載したトーチカが投入されたことが確認されている。


Kh-31P


超音速の対レーダーミサイルで、スタンドオフ射程を持つKh-31P(AS-17Aクリプトン)は、実戦使用が明確に知られていないが、今回のウクライナ作戦の初期段階で使われレーダー装備をノックアウトしたと思われる。



Kh-31Pはもともとパトリオットなど西側防空システムを打ち負かすために作られたが、各種パッシブ・レーダー・シーカー・ヘッドに対応でき、ウクライナが運用するソ連時代のレーダー・システムに照準を合わせたと思われる。


同ミサイルは主にSu-24とSu-34攻撃機、およびSu-30SMとSu-35S含むフランカー・ファミリーが採用している。クリプトンミサイルは、対艦ミサイルとしても使用可能である。


BOEVAYA MASHINA/WIKIMEDIA COMMONS

An exhibition model of the Kh-31 missile.


原型のKh-31Pは、最大射程距離70マイル弱で、ラムジェット推進で最大マッハ3.5の速度で飛翔する。2012年から運用が始まった最新型Kh-31PMは、高高度・高速で発射された場合の最大射程が約150マイルに伸びている。


今回の報道には、ロシアが大規模なウクライナ侵攻に以前も使用したされるスタンドオフミサイルが含まれているが、国防総省は、クレムリンの軍事能力の全容はまだ解明できていないと考えている。初日の夜間に攻撃された標的の被害が確認され、2日目も作戦が続くと、多数のミサイル型式が使用される可能性が強くなる。■


These Are The Standoff Missiles Russia Used To Open Its War Against Ukraine

Russia used its growing arsenal of precision standoff missiles to hit key targets at the start of its invasion of Ukraine.

BY THOMAS NEWDICK FEBRUARY 24, 2022




2022年2月24日木曜日

コープノース22演習に参加した海自US-2に米空軍が改めて関心を示す。AFSOCではMC-130Jの水陸療養型の開発が進んでいる模様。

 


ShinMaywa crew works jointly with U.S. pararescuemen

U.S. AIR FORCE / SENIOR AIRMAN JOSEPH P. LEVEILLE

 

 

(メディア関係者の皆様へ。US2、C130といった表記はしないでくださ瑠葉お願いします。)


空軍がコープノース演習で新明和US-2水陸両用機に触れる機会が生まれた。各国軍でも珍しい存在になっている水陸両用機を初めて知る隊員も多く、C-130ハーキュリーズ輸送機を水陸両用仕様にする検討が他方で進んでいる。特殊作戦部隊用に運用する構想だ。

 

 

コープノース2022演習は2月2日から18日までオーストラリア、日本、米国の合計3,500名130機が参加した。航空戦闘、大規模部隊動員、人道援助災害救難f (HA/DR)の演習を展開した。シナリオごとに各所で展開し、グアムのアンダーセン空軍基地、北マリアナ諸島のロタ、サイパン、ティニアン、パラオ、マイクロネシア連邦が舞台となった。

U.S. AIR FORCE/SENIOR AIRMAN JOSEPH P. LEVEILLE

新明和US-2がコープノース22演習でティニアン島沖に着水した。February 14, 2022.

 

同演習では迅速戦闘展開(ACE)構想による作戦運用も試され、分散作戦拠点に空軍機が展開した。ACEではこの他に予測不能な形で機材展開し、地上支援部隊も小規模に分け、最小限の運用要求に答える臨時施設を構築し、再び別場所に展開する訓練もあった。

 

太平洋地区の空軍部隊がACEを採用すれば、戦闘航空戦力をアジア太平洋地区に放射し、分散作戦拠点のネットワークが生まれる。今のところは島嶼部分を使うが、米空軍では水陸両用機を投入して同構想を拡大できないか検討中だ。

 

米国防総省が昨日発表した写真では海上自衛隊のUS-2がアンダーセン基地付近の海上でHA/DR訓練シナリオに参加した際の姿がわかる。海上自衛隊隊員が米空軍HH-60Gペイヴホーク戦闘捜索救難ヘリコプター(第33救難飛行隊、嘉手納航空基地)とともに訓練にあたった。

 

US-2は特殊な機材で、外観こそレトロだが完全に新しい技術を導入している。エンジンはロールスロイスAE2100Jターボプロップ(4,600馬力)4発で、操縦席周りはデジタル化しており、時速300マイルで巡航でき、最大航続距離も3,000マイルに達する。また短距離離着水機能のためフラップへの吹き付け機能と高性能期待制御を備える。

 

U.S. AIR FORCE/AIRMAN 1ST CLASS YOSSELIN PERLA

コープノース22演習で王立オーストラリア空軍の航空要員がUS-2操縦席を試した。アンダーセン空軍基地。February 10, 2022.

 

米空軍はここに来てUS-2へ関心を深めている。昨年11月に空軍特殊作戦軍団(AFSOC)の派遣団が岩国航空基地を訪ねており、同機の特徴と運用方法を学んだ。派遣団のAFSOC副司令のエリック・ヒル少将Maj. Gen. Eric Hillが海上自衛隊から説明を受け、「米日間の鉄の団結が更に深まった」と評した。

 

「水陸双方で運用できる機体は前からある構想だが、水陸両用運用を経験した要員は皆無に近い」とヒル少将は当時述べていた。「パートナー部隊から教訓を得て戦術技量を今後整備していきたい」

 

今回の国防総省発表の画像では岩国基地視察により「AFSOCの水陸両用機運用への関心が高まっていることがわかった」とあり、US-2は「救難用途とあわせ緊急展開を想定している」ともある。

 

 

U.S. AIR FORCE/SENIOR AIRMAN JOSEPH P. LEVEILLE

The US-2 in the ocean during exercise Cope North 22.

 

 

言及の合った任務はともにコープノース22の目的とも重なるし、空軍も将来の水陸両用機に想定する任務だ。これを念頭に、AFSOCがUS-2実機を検分していることは驚くに当たらない。

 

前回のAFSOC高レベル訪問は実態調査だったとあるが、コープノース22演習ではちがったよづあ。ただし、今回は新型水陸両用機で想定する内容のミッションでUS-2が投入され空軍要員が同機を利用したことに意味がある。

 

U.S. AIR FORCE/SENIOR AIRMAN JOSEPH P. LEVEILLE

米空軍第31救難飛行隊のパラ救難員がUS-2との共同訓練に加わった。

U.S. AIR FORCE/SENIOR AIRMAN JOSEPH P. LEVEILLE

海上自衛隊と米空軍の救難要員がコープノース22で共同訓練を展開した

 

昨年9月にAFSOCから水陸両用機をMC-130JコマンドーII多任務戦術輸送機を原型として調達すると高い優先順位が示されていた。

 

その時点の公式発表は以下の通りだった。

空軍研究本部の戦略開発計画実験局(AFRL-SDPE) と連携し、AFSOCがMC-130JコマンドーII水陸両用基(MAC)の開発にあたっており、海上での特殊作戦運用支援をめざす。「MAC開発は多方面の努力で生まれる」とジョシュ・トランタム中佐Lt Col Josh Trantham AFSOC科学システムズ技術革新 (SST&I) 副部門長は述べている。「この性能が実現すれば空軍の部隊侵入撤収、人員回収面の能力向上ならびに今後の有事の際に補給活動の強化が実現する」

 

その前にもAFSOCが水陸両用型のC-130を対象に、各種のフロート付き仕様のコンセプトが検討されていた。

 

全部合わせると、アジア太平洋地区で水上機への関心が高まっているのは確かだ。MC-130JのMAC仕様はUS-2や大型の中国AG600のような真の飛行艇とはいえないが、水陸両用機能を活用できる。AG600は大幅設計変更を受けており、試作段階を脱していない。

 

C-130改装機に想定される任務として戦闘捜索救難(CSAR)があり、アジア太平洋地区では海上で搭乗員を長距離捜索する必要が想定されている。これはHH-60Gペイヴホークの性能を超える。そこで今後のCSAR機材には水陸両用機、垂直離着陸機、さらにステルス機能の想定もあり、空軍が検討を進めているところだ。水上運用能力と航続距離が長いUS-2はMC-130のMAC仕様で想定する内容を実現している。

AFSOC

フロート付きMC-130JのMAC仕様の想像図

想定される性能は広義の迅速戦闘展開構想に通じるものがある。ACEでは滑走路に依存しないことが大きな課題となっている。MC-130Jが水面滑走路双方で運用可能となれば、大型滑走路の脆弱性を大きく緩和する効果が生まれる。有事には弾道ミサイルによる攻撃が想定される。

 

一部にはAFSOCがUS-2を調達すれば良いとの声*もある。一部ミッションでは意味のある選択肢だろう。だが、MC-130JのMAC仕様は補給任務で効果を発揮するもので、大型補給品、車両、燃料を遠隔地拠点に届けることができる。また、MAC仕様のMC-130Jの実機はまだなく、性能内容も検討が必要だ。

 

*U.S. Air Force Trains With Japan’s US-2 Flying Boat As It Looks Forward To Its Own Amphibious Plane

 

AFSOCには水陸両用機を早く求める動きがあり、昨年9月の発表もMAC構想の検討開始からわずか17ヶ月で公表に及んだものだった。

 

水陸両用機実現の予定が順調に進めば、空軍は短時間で実機を調達でき、水陸両用運用での貨物空輸手段が実現する。他方でUS-2を見れば、新型機で実現する機能の一部が見えてくる。■

 

U.S. Air Force Trains With Japan’s US-2 Flying Boat As It Looks Forward To Its Own Amphibious Plane

While plans for an amphibious MC-130 transport take shape, Cope North 2022 provided an opportunity to see the capabilities of the US-2 firsthand.

BY THOMAS NEWDICK FEBRUARY 23, 2022

https://www.thedrive.com/the-war-zone/44424/u-s-air-force-trains-with-japans-us-2-flying-boat-as-it-looks-forward-to-its-own-amphibious-plane





2月23日、ウクライナ中枢をねらった最規模サイバー攻撃が発生。先週に続き、ロシアによる犯行の可能性。

 Ukrainian flags are pictured during a rally at the Embassy of the Russian Federation in Kyiv.

 

キエフのロシア大使館を抗議デモが取り囲んだFUTURE PUBLISHING VIA GETTY IMAGES / OLENA KHUDIAKOVA

 

クライナの政府、金融系各種ウェブサイトが2月23日一時的に利用できなくなった。内閣府、保安省、議会、外務省の各サイトが短時間ながら不通となったとウクライナ戦略通信センターが公表した。金融機関Privatbankの一般向けサイトも一時的ながら利用できなくなった。

 

大規模な利用妨害攻撃denial-of-service attacksがあったためで、先週の事例と類似しており、先週米側はロシアによる犯行と断定していた。

各サイトは現在通常通り機能しているが、今後も中断される可能性があると、同センターは言っている。

 

今回の攻撃は先週ウクライナを襲ったサイバー攻撃に酷似している。2月18日に米サイバー新興技術分野の国家安全保障補佐官アン・ニューバーガーはロシア軍が「大量の通信をウクライナにあるIPアドレスおよびドメインに送信した」ためとした。

 

2月23日、米国防関係者は「今回の攻撃対象となったサイトは増えている。やり口はたしかにロシアのものだが、現時点では犯行がどこからだったのかは確実に示せない」と述べた。■

 

More Cyber Attacks Disable Ukrainian Websites

Wednesday’s denial-of-service attacks on government, financial sites resemble earlier ones attributed to Russia.

BY PATRICK TUCKER

TECHNOLOGY EDITOR

FEBRUARY 23, 2022 02:34 PM ET

https://www.defenseone.com/threats/2022/02/more-cyber-attacks-disable-ukrainian-websites/362328/

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2022年2月23日水曜日

プーチンを称賛するトランプは左翼の非難を浴びるだろうが、その一貫した現実政治の考え方には傾聴の価値がある。翻って迎合するだけの政治屋にぶれない考え方はあるだろうか。

 


Former President Donald Trump and Russian President Vladimir Putin in Helsinki, Finland on July 16, 2018. Brendan Smialowski / AFP via Getty Images

  • ウクライナ国内の分離独立を承認したプーチンを「天才だ」とトランプは発言。

  • トランプがウクライナ侵攻を開始したとの報道を受け、ウラジミール・プーチンについて「さすがだ」と評した。

  • ウクライナ派兵しないようバイデンに釘をさし、「むしろ南方国境地帯に目を向けろ」と述べた。


ナルド・トランプ前大統領がウラジミール・プーチンを称賛し、ウクライナ侵攻を正当化したプーチンを「さすがだ」「天才だ」と評した。



"Clay Travis and Buck Sexton Show" でトランプはプーチンがウクライナ国内のドネツク、ルハンスク両地方を独立承認したのは手際よい動きと述べたが、両地方の3分の2は今もウクライナが実効支配している。


「昨日みていたが、思わず『すごい』と言ってしまったよ。プーチンはウクライナの少なからぬ部分を独立国だと宣言した。すごいことだ」とトランプは感想を聞かれてこう述べた。「手際の良さがいい。平和の実現者になる」


ロシアがウクライナ侵攻を自身の任期中ではなくこの時期に選択した理由について、プーチンとの関係がバイデンよりも良好だったためとトランプは説明した。


「プーチンのことはよくわかっている。うまくやってきた。向こうもこちらが好きだった。強い人物だ。魅力に溢れ、自信たっぷりだ。愛国心も厚い。真に自国を愛している」


ウクライナ関連で何がまずかったのかを聞かれ、トランプは2020年大統領選挙の結果を盗まれたとの主張を以前同様に繰り返した。


「選挙結果が歪められ、当選資格がない人物、自分で何をしているのか把握できない人物が大統領の座についている」とし、さらにウクライナ侵攻について「自分の政権中には絶対発生しなかった。再選されていれば、想像さえつかなかくなっていただろう。発生するはずがない」と述べた。


トランプはウクライナ問題を米保守派が一貫して憂慮する移民問題に関連させ、米国はロシア同様に軍事力を行使してまで米メキシコ国境を保安すべきと主張した。


「平和維持部隊でここまでの規模の部隊は今までなかった。これだけ多くの戦車が動員されたことはなかった」「ロシアは平和を維持するだろう。その背後に利口な男がいる。その人柄をよく知っている」


また、ウクライナ紛争に米国が巻き込まれる可能性について聞かれ、トランプはここでも米メキシコ国境地帯に触れた。


「むしろ南方国境地帯に部隊を派遣するべきだ」とし、「小規模部隊を小出しに派遣するやり方は気に入らない」


トランプはロシア-ウクライナ対立に米国が十分な効果を持って対応していないと主張した。


「相手側に比べたらこちらの対応はジョークのようなものだ。3千名を派遣するといっている。わざわざトラブルに巻き込もうというのか。いや、南方国境地帯の防護を固めるべきであり、現政権のウクライナ処置はひどい」


トランプからは大統領任期中にウクライナ、プーチン問題を議論したとし、ロシア最高指導者は隣国への侵攻を「一貫して望んでいた」とした。


「ウクライナを狙っていることはわかっていた。本人にもこれを話題にした。こう伝えた。『これはできない。しちゃダメだ』。とはいえ、狙っているのはわかっていたので、この話題について何度も要望し、長い時間を割いて議論したものだ」


Trump praised Putin's justification to invade Ukraine as 'genius' and 'savvy'

https://www.businessinsider.com/donald-trump-vladimir-putin-ukraine-invasion-justification-genius-savvy-2022-2

Bryan Metzger


ウクライナ空軍はMiG-29部隊を保有。だがロシアに対して有効な防空体制を維持できるのか。

 

 

ウクライナの防衛体制が注目の的となっていますが、空軍戦力はどんな状態名なのでしょうか。Forbesの記事からのご紹介です。メディア関係者の皆様へ。MiG29という機材は存在しませんので、MiG-29と正しく真実を報道していただくようお願いします

 

ウクライナ空軍のMiG-29が北米を1992年に巡回した。 PHOTO VIA WIKIMEDIA COMMONS

 

 

 

 

所により機数が異なるが、ウクライナはMiG-29を37機から70機保有しているらしい。全機が1991年に旧ソ連から移譲されたものだ。

 

煙を多く出すRD-33双発で強力な短距離戦闘機のMiG-29は、Su-27もあわせ、ウクライナは首都キエフ近郊の基地から発進させる。

 

だがMiG部隊が侵攻してくるロシア軍に打撃を与えると考えてはならない。

 

最大の問題は機材の老朽化だ。またパイロット不足のため運行できない機体が多数ある。

 

ソ連崩壊の1991年当時、ウクライナ国内にMiG-29が200機超展開していた。その後20年経過し、ウクライナは一部機材を海外販売し機数を減らし、自国では乗員を確保できないままだ。

 

紙の上ではウクライナ空軍は2014年2月時点でMiG-29を80機運用していたが、ロシア軍が侵攻しクリミア半島をウクライナから奪った。その時点でMiG機の半数近くがクリミア半島にあった。ロシアは45機を捕獲した。

 

一年が経ち、ウクライナは19機のMiG-29をかき集めた。軍事衝突が拡大し、ロシア軍は反政府分離勢力をドンバス地方で支援し、ウクライナ空軍は必死の思いで稼働可能機材を集め、ウクライナファルコン空技チームのMiG-29機も武装の上、投入したほどだった。

 

ロシア軍、分離勢力武装勢力の防空部隊によりウクライナはMiG-29をクリミアで2機喪失したが、稼働可能なMiGはその後順調に増え、クリミアから運んだ分解状態の機体も組み立て、さらに保管中の機材も引っ張り出した。

 

現在のウクライナ空軍は六個飛行隊でMiG-29を基地三箇所から運用する。ロシア軍が侵攻してきた場合、MiG部隊は圧倒的に数の上でまさる敵に対峙することになる。

 

ただし、MiGを何機投入できるかが不明だ。パイロット不足が顕著なためだ。

 

世界各地の空軍部隊では単座戦闘機1機につきパイロット3名を確保するのが普通だ。この比率があればパイロットは休養、訓練、事務作業をこなしつつ、機体を効率よく運用できる。

 

この3対1の比率だとウクライナ空軍にはパイロット400名近く必要となるが、2019年2020年続けて70名が退職した。給与が低いこと、書類事務作業が負担になっていることを理由としており、訓練が十分できず、ロシア軍との対決に準備が足りない状況だ。

 

2021年7月にはパイロット5名が一度に契約更新を拒んだ。このままだと空軍戦闘機部隊の即応体制が大きく落ち込んでしまうとの懸念が出ている。

 

ロシアの脅威の高まりで愛国心が高まっているとはいえ、航空要員が空軍に残るかが不明だ。とはいえ最良の条件のもとで70機に十分なパイロット数が確保できてもウクライナ空軍がロシア軍の侵攻に対抗するのは厳しいと言わざるを得ない。■

 

Ukraine Has Lots Of MiG-29s, But It Might Not Have Enough Pilots

David AxeForbes Staff

Aerospace & Defense