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コープノース22演習に参加した海自US-2に米空軍が改めて関心を示す。AFSOCではMC-130Jの水陸療養型の開発が進んでいる模様。

 


ShinMaywa crew works jointly with U.S. pararescuemen

U.S. AIR FORCE / SENIOR AIRMAN JOSEPH P. LEVEILLE

 

 

(メディア関係者の皆様へ。US2、C130といった表記はしないでくださ瑠葉お願いします。)


空軍がコープノース演習で新明和US-2水陸両用機に触れる機会が生まれた。各国軍でも珍しい存在になっている水陸両用機を初めて知る隊員も多く、C-130ハーキュリーズ輸送機を水陸両用仕様にする検討が他方で進んでいる。特殊作戦部隊用に運用する構想だ。

 

 

コープノース2022演習は2月2日から18日までオーストラリア、日本、米国の合計3,500名130機が参加した。航空戦闘、大規模部隊動員、人道援助災害救難f (HA/DR)の演習を展開した。シナリオごとに各所で展開し、グアムのアンダーセン空軍基地、北マリアナ諸島のロタ、サイパン、ティニアン、パラオ、マイクロネシア連邦が舞台となった。

U.S. AIR FORCE/SENIOR AIRMAN JOSEPH P. LEVEILLE

新明和US-2がコープノース22演習でティニアン島沖に着水した。February 14, 2022.

 

同演習では迅速戦闘展開(ACE)構想による作戦運用も試され、分散作戦拠点に空軍機が展開した。ACEではこの他に予測不能な形で機材展開し、地上支援部隊も小規模に分け、最小限の運用要求に答える臨時施設を構築し、再び別場所に展開する訓練もあった。

 

太平洋地区の空軍部隊がACEを採用すれば、戦闘航空戦力をアジア太平洋地区に放射し、分散作戦拠点のネットワークが生まれる。今のところは島嶼部分を使うが、米空軍では水陸両用機を投入して同構想を拡大できないか検討中だ。

 

米国防総省が昨日発表した写真では海上自衛隊のUS-2がアンダーセン基地付近の海上でHA/DR訓練シナリオに参加した際の姿がわかる。海上自衛隊隊員が米空軍HH-60Gペイヴホーク戦闘捜索救難ヘリコプター(第33救難飛行隊、嘉手納航空基地)とともに訓練にあたった。

 

US-2は特殊な機材で、外観こそレトロだが完全に新しい技術を導入している。エンジンはロールスロイスAE2100Jターボプロップ(4,600馬力)4発で、操縦席周りはデジタル化しており、時速300マイルで巡航でき、最大航続距離も3,000マイルに達する。また短距離離着水機能のためフラップへの吹き付け機能と高性能期待制御を備える。

 

U.S. AIR FORCE/AIRMAN 1ST CLASS YOSSELIN PERLA

コープノース22演習で王立オーストラリア空軍の航空要員がUS-2操縦席を試した。アンダーセン空軍基地。February 10, 2022.

 

米空軍はここに来てUS-2へ関心を深めている。昨年11月に空軍特殊作戦軍団(AFSOC)の派遣団が岩国航空基地を訪ねており、同機の特徴と運用方法を学んだ。派遣団のAFSOC副司令のエリック・ヒル少将Maj. Gen. Eric Hillが海上自衛隊から説明を受け、「米日間の鉄の団結が更に深まった」と評した。

 

「水陸双方で運用できる機体は前からある構想だが、水陸両用運用を経験した要員は皆無に近い」とヒル少将は当時述べていた。「パートナー部隊から教訓を得て戦術技量を今後整備していきたい」

 

今回の国防総省発表の画像では岩国基地視察により「AFSOCの水陸両用機運用への関心が高まっていることがわかった」とあり、US-2は「救難用途とあわせ緊急展開を想定している」ともある。

 

 

U.S. AIR FORCE/SENIOR AIRMAN JOSEPH P. LEVEILLE

The US-2 in the ocean during exercise Cope North 22.

 

 

言及の合った任務はともにコープノース22の目的とも重なるし、空軍も将来の水陸両用機に想定する任務だ。これを念頭に、AFSOCがUS-2実機を検分していることは驚くに当たらない。

 

前回のAFSOC高レベル訪問は実態調査だったとあるが、コープノース22演習ではちがったよづあ。ただし、今回は新型水陸両用機で想定する内容のミッションでUS-2が投入され空軍要員が同機を利用したことに意味がある。

 

U.S. AIR FORCE/SENIOR AIRMAN JOSEPH P. LEVEILLE

米空軍第31救難飛行隊のパラ救難員がUS-2との共同訓練に加わった。

U.S. AIR FORCE/SENIOR AIRMAN JOSEPH P. LEVEILLE

海上自衛隊と米空軍の救難要員がコープノース22で共同訓練を展開した

 

昨年9月にAFSOCから水陸両用機をMC-130JコマンドーII多任務戦術輸送機を原型として調達すると高い優先順位が示されていた。

 

その時点の公式発表は以下の通りだった。

空軍研究本部の戦略開発計画実験局(AFRL-SDPE) と連携し、AFSOCがMC-130JコマンドーII水陸両用基(MAC)の開発にあたっており、海上での特殊作戦運用支援をめざす。「MAC開発は多方面の努力で生まれる」とジョシュ・トランタム中佐Lt Col Josh Trantham AFSOC科学システムズ技術革新 (SST&I) 副部門長は述べている。「この性能が実現すれば空軍の部隊侵入撤収、人員回収面の能力向上ならびに今後の有事の際に補給活動の強化が実現する」

 

その前にもAFSOCが水陸両用型のC-130を対象に、各種のフロート付き仕様のコンセプトが検討されていた。

 

全部合わせると、アジア太平洋地区で水上機への関心が高まっているのは確かだ。MC-130JのMAC仕様はUS-2や大型の中国AG600のような真の飛行艇とはいえないが、水陸両用機能を活用できる。AG600は大幅設計変更を受けており、試作段階を脱していない。

 

C-130改装機に想定される任務として戦闘捜索救難(CSAR)があり、アジア太平洋地区では海上で搭乗員を長距離捜索する必要が想定されている。これはHH-60Gペイヴホークの性能を超える。そこで今後のCSAR機材には水陸両用機、垂直離着陸機、さらにステルス機能の想定もあり、空軍が検討を進めているところだ。水上運用能力と航続距離が長いUS-2はMC-130のMAC仕様で想定する内容を実現している。

AFSOC

フロート付きMC-130JのMAC仕様の想像図

想定される性能は広義の迅速戦闘展開構想に通じるものがある。ACEでは滑走路に依存しないことが大きな課題となっている。MC-130Jが水面滑走路双方で運用可能となれば、大型滑走路の脆弱性を大きく緩和する効果が生まれる。有事には弾道ミサイルによる攻撃が想定される。

 

一部にはAFSOCがUS-2を調達すれば良いとの声*もある。一部ミッションでは意味のある選択肢だろう。だが、MC-130JのMAC仕様は補給任務で効果を発揮するもので、大型補給品、車両、燃料を遠隔地拠点に届けることができる。また、MAC仕様のMC-130Jの実機はまだなく、性能内容も検討が必要だ。

 

*U.S. Air Force Trains With Japan’s US-2 Flying Boat As It Looks Forward To Its Own Amphibious Plane

 

AFSOCには水陸両用機を早く求める動きがあり、昨年9月の発表もMAC構想の検討開始からわずか17ヶ月で公表に及んだものだった。

 

水陸両用機実現の予定が順調に進めば、空軍は短時間で実機を調達でき、水陸両用運用での貨物空輸手段が実現する。他方でUS-2を見れば、新型機で実現する機能の一部が見えてくる。■

 

U.S. Air Force Trains With Japan’s US-2 Flying Boat As It Looks Forward To Its Own Amphibious Plane

While plans for an amphibious MC-130 transport take shape, Cope North 2022 provided an opportunity to see the capabilities of the US-2 firsthand.

BY THOMAS NEWDICK FEBRUARY 23, 2022

https://www.thedrive.com/the-war-zone/44424/u-s-air-force-trains-with-japans-us-2-flying-boat-as-it-looks-forward-to-its-own-amphibious-plane





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