キエフへのロシア軍進軍が減速し、死亡者数が増えている
大量の砲火とミサイル集中発射にもかかわらず、ロシア軍のキエフ進軍がここに来て大きく減速している。ウクライナ軍の反撃のためだ。
ロシア軍は主要ポイントを一つも占拠できていない。
ウクライナ軍がキエフに通じる橋梁数カ所を爆破したため、ロシア軍は代替ルートを模索している。報道によれば、ロシア偵察部隊が郊外で戦闘を展開中で、ロシア本隊は市街地から50キロ地点のままだ。
しかし、キエフ中心部に近いオボロンObolon地区にロシア軍が到達し、中心部にも野砲やミサイルの命中弾があり、数日前に賑わっていた市街地も今やゴーストタウンの観がある。
ウクライナ国防省は国民向けに状況をネットで伝えており、ソーシャルメディアで火炎瓶の作り方を公開中で、首都をロシア軍から守れと伝えている。アレクセイ・レズニコフAlexey Reznikov国防相はビデオ出演し米国に対戦車兵器対空兵器をもっと提供するよう求めた。
「スティンガーや対戦車兵器がもっと必要だ」「ポーランドへ搬送してもらえれば安定した供給につながる。そこからは当方で陸送を手配し、前線に補充する」
ゼレンスキー大統領は25日金曜日夜に国民向けに「運命の分かれ目」の時が近づいてきた、ロシア軍がキエフへ進軍中だと告げた。
「夜間に状況が悪化し、敵は全部隊でウクライナ軍の抵抗を打破しようとしている」「ウクライナの運命がまさに今決まる」と述べ、ロシア軍が意図的に幼稚園初め民間施設を標的にしたと非難し、海外各国の一層の支援を求めた。
両陣営に死傷者が増える中、ロシア側損害が目立つ
ゼレンスキー大統領はウクライナ軍、民間で137名がこれまで死亡したとしたが、数字はロシア軍のキエフ接近で増えそうだ。ウクライナ国防省はロシア軍の1千名以上を殺害したと主張している。
未確認情報だがウクライナ軍がロシア軍用機を撃墜したとの報道がある。固定翼機7機、ヘリコプター7機で、さらに戦車装甲車両数両を撃破したという。オンライン上に出た映像ではロシア軍装甲車両と隊員が待ち伏せ攻撃で被害を受けてたのがわかる。
ロシア軍は否定しているが、親ロシア分離勢力はウクライナ東部でウクライナ軍ヘリコプター、固定翼機各2を撃墜したと主張している。
ウクライナ軍はキエフ南方25マイルにあるワシルキフVasylkivで空挺部隊を載せたロシア軍輸送機を撃墜したと発表した。この撃墜は米情報機関が確認している。空挺部隊隊員何名が乗っていたかは不明だが、同機は125名までの空挺隊員輸送に対応する。ロシア軍は同空港を占拠し、兵員装備品をさらに送り込もうとし、激しい交戦があったという。
ロシア軍はキエフからわずか4マイルのホストメルHostomel飛行場を占拠し、同地の滑走路は十分に長く、大型輸送機の運用も可能だ。同飛行場を抑えたロシアはキエフ近郊へ部隊を直接送り込めるようになった。だが、ウクライナ軍が反撃に出て同飛行場を取り戻したと主張している。
キエフ市内にも銃火器の発射音が聞こえるが、キエフ市長ウィタリ・クリチェコVitali Klitschkoはロシア工作員が潜入していると述べており、「敵は我が首都を屈服させ、こちらを殲滅するつもりだ」と述べた。
Kyiv Has Not Fallen: Russia’s War On Ukraine Is Not Going Very Well
https://www.19fortyfive.com/2022/02/kyiv-has-not-fallen-russias-war-on-ukraine-is-not-going-very-well/
Steve Balestrieri is a 1945 National Security Columnist. He has served as a US Army Special Forces NCO and Warrant Officer before injuries forced his early separation. In addition to writing for 19fortyfive.com, he has covered the NFL for PatsFans.com for more than 10 years and his work was regularly featured in the Millbury-Sutton Chronicle and Grafton News newspapers in Massachusetts.
戦争の長期化はウクライナに味方するとしても、キエフは長く持たない。ゼレンスキーは、キエフに拘るべきでなく、西方に逃れ、長期抵抗を試みるべきだ。しかし、ウクライナの被害は相当なものになる。世界はロシアに停戦を強いるべきだが、情報機関あがりの暴走老人は聞く耳を持たないだろう。
返信削除どのような形で戦争が終わっても、プーチンの政治生命と軍事国家ロシアの命運は長くはないだろう。しかし、西側の制裁はロシアをCCP中国へと押しやり、中露の強い結び付きは第3次世界大戦のリスクを高めることになりそうだ。これは間違いなく新冷戦となるだろう。
このような状況になった大きな原因は、1/15付け本ブログ「今週のウクライナ情勢…」で述べた通りバイデンの軍事非介入をいち早く明言してしまったことかもしれない。いずれにしても米民主党政権は、2014年に引き続き今年もロシアに対する抑止に失敗した。
バイデンは、一つ覚えのように繰り返し「大きな代償を払わせる」と叫ぶが、より大きな代償を払うことになるのは、米国と世界かもしれない。