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ポーランド向けM1エイブラムズ主力戦車最大250両の販売案件にGO。

 

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3RD ARMORED BRIGADE COMBAT TEAM,—PUBLIC DOMAIN

 

ーランド陸軍の戦力が大きく強化される。米国務省が総額60億ドルで M1A2SEPv3 エイブラムズ主力戦車最大250両の売却を承認した。成立すれば、米製エイブラムズ戦車がドイツ製レオパルド2とポーランド陸上軍で供用される日が来る。

U.S. ARMY/SPC. HEDIL HERNÁNDEZ

第一歩兵師団第一装甲連隊戦闘チームの第34装甲連隊第二大隊所属のM1A2エイブラムズ戦車がM256 120mm 平滑砲で夜間火力演習に加わった。ポーランド、コノトップ演習地。 January 28, 2022.

承認日付に意味がある。冷戦後で東西の緊張が最大となり、ロシアによるウクライナ侵攻の脅威が現実になりかねなず、NATO、ロシア双方で東欧での部隊増強が進んでいる中での承認だからだ。

海外軍事販売承認は昨日のことで、米国防安全保障協力庁(DSCA)が米議会に通知を出した。案件の中心は最新 M1A2SEPv3 エイブラムズ戦車250両に加え、M88A2 ハーキュリーズ装甲回収車両26両、M1110共用強襲橋梁(JAB)17も含む。このうちM1110はM1エイブラムズの車体を利用し、M88A2は1960年代の戦車が原型。

その他の装備品について以下列挙されている。

AN/VLQ-12 CREW Duke対IED装備250、M2 .50口径機関銃276、M240C 7.62mm機関銃500、AGT1500ガスタービンエンジン15、120mmM865標的演習用円錐安定機能付きサボ追尾弾(TPSCDS-T)9、168、120mmM1002標的演習用多用途追尾弾(TPMP-T)4,562、120mm M830A1高性能爆薬対戦車(HEAT)TP-T弾13,920、120mm XM1147XM1147高性能爆薬多用途追跡弾6,960。

さらに以下を含む。前方修理装備、トレーラー搭載発電機、共通遠隔運営兵器操作低視認型 (CROWS-LP)、通信装備、GPS受信機、弾薬類、予備修理部品、特殊工具試験装置(STTE)、技術マニュアル出版物、修理技術訓練装置、砲手訓練装置、操縦者訓練装置、新型装備訓練装置、米政府並びに契約企業による技術兵站活動専門家支援、その他関連補給活動等支援。

米陸軍はM1A2 SEPv3 (システム向上事業ヴァージョン3)をイラクの自由作戦の戦訓から開発した。変更点として車内容積、重量、動力系に加え生存性を高めた。SEPv3は電源出力を高め、車内健康管理機能を強化し、装甲を変更し、イスラエル製トロフィーアクティブ防御システムを搭載し、統合即席爆発物対抗の防御策、補助動力を一新し、訓練支援策を組み込んだ。米陸軍では「エイブラムズ戦車で最も信頼性が高くなった」と評している。

DSCAは今回の売却で「ポーランドの防衛体制を将来の脅威に対応すべく、抑止効果のある戦力の実現手段となり、NATO作戦に加わる能力も実現する」「ポーランドは対象装備品の自軍導入になんら障害はない」とした。

今回の案件の背景に共和党議員が販売推進を加速するよう求めていた。ヨーロッパの安全保障面の悪化が一因で、ロシアがウクライナ周辺に部隊増強していることが中心だ。ウクライナ侵攻の恐れに加え、ロシア、NATOの部隊が東欧各地に展開しており、ポーランドも東欧の一部で、米陸上部隊、戦闘機部隊が同国に移動してきた。

そこで戦車売却を「ウクライナ周辺で武力増強中のロシアをにらみ、クレムリン、NATO双方へメッセージを送る」と位置づけたのが下院軍事委員会の有力議員マイク・ロジャース、下院情報委員会のマイク・ターナー、リサ・マケイン各議員だ。「sらにポーランドにM1A2戦車を導入すれば、ソ連時代の装備品をポーランド軍から一掃できるのに加え、米NATO軍との共同作戦能力が向上しつつ、同時に米産業界の強化にもつながる」と各議員は述べている。

ポーランドはエイブラムス取得の意向を昨年10月時点で表明していた。ポーランド国防相マリウス・ブラスザックMariusz Błaszczakは「ポーランド陸軍へのエイブラムズ戦車の配備は米軍との共同作戦体制構築のため絶対必要だ」と述べていた。

2021年7月、ブラスザック国防相は新型主力戦車調達を検討中と述べ、「最良の戦力を搭載しつつ調達可能な戦車で、実績があり、ロシアの最新戦車T-14アルマータ戦車に対抗できる車両」を想定していると語っていた。

ポーランド装甲部隊の中心は250両ほどのレオパルド2A4、2A5両型式の戦車部隊で、やはり性能改修を受けている。このため、エイブラムズは冷戦時代の遺物T-72戦車とポーランド製PT-91と交代すると見られる。

T-14は手強い相手で、ロシア旧型戦車に比べパッシブ装甲を改良し、アクティブ防御も採用しているが、エイブラズムにも問題が発生しており、予算不足もそのひとつだ。数千両規模の調達は実現しておらず、現時点では初期生産バッチ100両の予定があるだけだ。

ポーランドもその他ヨーロッパ諸国同様に冷戦は終わったが、装甲部隊の大幅削減を実行していない。逆にロシア装甲部隊による攻撃事態への対応を念頭に置いている。ポーランドはロシア本国と国境を接しないものの、重装備を配備したロシアの飛び地カリニングラードはポーランドに隣接しており、さらにロシアの軍事同盟国ベラルーシも隣国だ。

今回の安全保障上の危機の前からNATOはいわゆるスワルキギャップSuwalki Gapが将来のロシアとの軍事衝突で重要地点になると見ていた。ここでNATO加盟国のポーランドとリトアニアがつながり、ロシアはベラルーシ経由で同地に入り、バルト海3カ国をその他NATO加盟国から分断するねらいがある。

さらにその他の事情も念頭に、ポーランドは地上部隊の迅速展開と防御力の強化を目指しており、中でも戦車部隊に大きな役割を期待する。ロシアが大規模戦車部隊、野砲部隊を維持していることも背景にある。

今回のエイブラムズ戦車以外にポーランドは米製軍事装備品の購入を進めており、米国への接近をさらに強めている。ペイトリオット防空装備、F-16C/Dブロック52戦闘機、HIMARSロケット発射装置、ジャベリン対戦車ミサイル等がある。

ポーランド政府関係者から新型エイブラムズ戦車の納入は早ければ来年に始まるとの発言が出ているが、メーカーのジェネラルダイミクス・ランドシステムズは実施に二年かかると述べている。

総合して、今回の新型戦車導入は装甲車両による戦闘を念頭にポーランドが米軍との共同作戦体制強化を続けていることを示す。また同国は防衛予算を増額し、NATOの予算支出目標を意識するだけでなく、ロシアに侵攻を思いとどまらせる抑止効果につながらう戦力整備を真剣に考えていることが明らかになった。■

Poland Cleared To Buy 250 M1A2 SEPv3 Advanced Abrams Tanks

Adding 250 of the advanced tanks would be a huge boost to the Polish Land Forces as they seek to match Russian developments.

BY THOMAS NEWDICK FEBRUARY 18, 2022


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