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国務省報道官は先週、ウクライナへの米国の支援は「ロシアの追加的な侵略があった場合は加速されるだろう」と述べ、ウクライナ政府が崩壊しても「防衛的な安全保障支援は継続する」かは説明しなかった。
ロイド・オースティン米国防長官は、ロシアが侵攻を拡大しても、ジャベリン対戦車兵器などのウクライナへの支援を継続すると約束したが、国防当局高官によると、兵站に関する議論が進行中だという。
米国当局は、外交、経済制裁、そしてロシアがクリミアを併合し、同国東部で流血の分離主義運動を煽った2014年時点と比べウクライナ軍の訓練と武装が進んでいると警告することで、ロシアへの抑止効果を図ってきた。2014年以来、米国はウクライナ軍の能力を高めるために27億ドル以上の安全保障支援を約束しており、2021年だけで6億5千万ドル以上が含まれている。
国務省のネッド・プライスNed Price報道官は先週、そ米国の対ウクライナ援助は 「ロシアの追加的な侵略があった場合には加速される」と方法論を説明することなく、述べ、ウクライナ政府が崩壊したとしても、「防衛的安全保障援助は継続される 」と述べた。
軍事支援は航空機でウクライナに運ばれてきたが、ロシアがウクライナ領空を支配したり、飛行が危険となれば、機能しなくなるかもしれない。水曜日、国防省高官は、兵站方法は定まっていないと認めた。
「支援にはさまざまな方法があり、航空輸送が不可能な場合に備え、別の方法を探っている」と、この高官は匿名条件で記者団に語った。「どのような支援であれ、必要に応じた適切なものであり、安全かつ効果的に行えるものであることを確認したい。
「侵攻後のシナリオでどのような支援ができるかを検討中で、そのメカニズムについて最終的な決定はまだだ」と同高官は付け加えた。
オースティン長官とウクライナのドミトロ・クレバDmytro Kuleba外相は、火曜日にペンタゴンでの会談で、米国の支援継続を協議した。
「長官は、ウクライナ軍に致死的および非致死的な支援を提供する方法を今後も模索すると明らかにした」と同上高官は述べた。「これは、ある種の正式な協定を制定するものではないが、長官も大統領が約束したように、ウクライナに致死的および非致死的支援を提供する方法を引き続き検討すると約束した」と当局者は述べた。
2月10日、オクサナ・マルカロヴァOksana Markarova駐米ウクライナ大使と大使館付き武官ボリス・クレメネツキー少将Maj. Gen. Borys Kremenetskyiは、デラウェア州のドーバー空軍基地を視察した。作業員がジャベリン・ミサイルのパレットをウクライナ行き民間機に積み込んでいた。1月22日にはカリフォルニア州のトラヴィス空軍基地でも、同様の貨物が民間航空機に積み込まれた。
在米ウクライナ大使館は、2月10日にフェイスブックで、「ウクライナの揺るぎない支援とウクライナ軍の防衛能力強化に対して、米国に感謝の意を表します」と述べた。
ウクライナの国防相オレクシイ・レズニコフOleksii Reznikovは、外国から援助が発送されるたびにツイッターで歓声を上げた。2月11日に「現時点での米軍援助の総重量は、1,300トンを超えた!」とツイートした。
ポーランドからヘルメットやグレネードランチャー、ラトビアやカナダからスティンガー地対空ミサイルなどの弾薬が続々と届くいていると発表していた。
ウクライナへの航空路が利用できなくなる可能性があるため、ポーランド=ウクライナ国境が注目されている。米外交官は、キエフやウクライナ西部のリヴィウを離れたあと隠れ家としてポーランドを利用してきた。
米軍は、2014年以降、ドンバス地方での戦闘を追跡する米軍監視員の安全な場所として、ポーランドを利用しており、ポーランド経由で部隊や装備を移動させてきた。
ポーランド当局者はウクライナへの軍事支援について公に話し始めたばかりで、自国が西側兵器の重要な中継拠点になるとの見通しは、ある当局者が言うように、非常に「技術的」かつ「繊細」な問題と認識している。
元米国国防次官補(ロシア・ウクライナ・ユーラシア担当)のエブリン・ファーカスEvelyn Farkasは、ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領は、国連にウクライナ上空の「飛行禁止区域」を承認してもらい、ロシアの空軍力を排除すべきだ、と述べている。そうしないと、西側からの援助は陸路依存となる。
「空路や海路ではなく、ポーランドを経由して陸路で来るというのが、私の推測です」とファーカスは言う。「しかし、ロシアがウクライナ上空を支配しているのであれば、それは明らかに問題です」。
2014年から2017年にかけて米陸軍欧州司令官を務めたベン・ホッジス退役中将 Lt. Gen. Ben Hodgesによれば、リヴィウが陸路または空路による武器輸送の拠点となる可能性があるという。短期的には、ロシアがウクライナ領空を支配したり、リヴィウ空港を破壊すれば重大なエスカレーションとは考えにくいとしても、ウクライナへの物資供給手段は他にもあるという。
「リヴィウまで輸送にあたる米軍部隊を現地駐留させたくなければ、契約企業車両でポーランドからリヴィウまで輸送すればよい」とホッジスは言う。「民間機でリヴィウに飛べばよい」。
黒海を補給路に使うには、隣接するトルコ海峡を支配するトルコ政府の了解が必要で、ロシアはその一部を実弾演習に使っている。しかし、黒海はドナウ川へのアクセスを提供し、ドナウ川にはウクライナの港が3つある。
ドナウ川については、「ある程度の能力はあるが、ロシアは破壊してくるだろう」とホッジスは述べている。■
Pentagon studying fallback supply lines to Ukraine in case of expanded Russian invasion
By Joe Gould, Sebastian Sprenger and Rachel S. Cohen
Feb 24, 06:52 AM
About Joe Gould, Sebastian Sprenger and Rachel S. Cohen
Joe Gould is senior Pentagon reporter for Defense News, covering the intersection of national security policy, politics and the defense industry.
Sebastian Sprenger is Europe editor for Defense News, reporting on the state of the defense market in the region, and on U.S.-Europe cooperation and multinational investments in defense and global security. He previously served as managing editor for Defense News.
Rachel Cohen joined Air Force Times as senior reporter in March 2021. Her work has appeared in Air Force Magazine, Inside Defense, Inside Health Policy, the Frederick News-Post (Md.), the Washington Post, and others.
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