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ArcFlash Labs社のGR-1電磁ガウスライフルのビデオレビューがオンライン上に昨日登場した。同社は昨年から先行予約を集めていた。3Dプリントを多用した同銃は電池動力のライフルで玩具のように見えるが、レビューでは銃として機能すると評している。
YouTubeでレビューをノンカットで見られる。投稿したのはイアン・マッカラム Ian McCollumでArmament Research Servicesのリサーチャーで自身で人気のあるブログForgotten Weaponsを運営している。ブログでは試作品含む小火器を取り上げることが多い。今回のGR-1編ではガウスライフルの特徴と性能を解説したあと、実際に試射している。
ブログにはビデオレビューもあり、マッカラムは「ライフル」という表現は正しくないとしている。ライフルは通常銃身に螺旋溝を切っているが、GR-1は滑腔式で銃身内に溝はない。
GR-1は2021年8月に発売前だが「世界初、唯一の手持ちガウスライフル」との触れ込みで登場した。その時点で価格は3,375ドル(約388千円)とされていたが、同社ウェブサイトを見ると現在もそのままだ。原理としては電動コイルをつなぎ、電磁場を作り、これで強磁性の金属塊(半径1センチ程度)を秒速75メートル(240フィート)まで加速する。GR-1には弾倉がつき、10発入る。
ArcFlash社はGR-1には「高性能キャパシタによる急速充電システム」が採用され、25vのリチウムイオン電池で各コイルを急速充電し、「ライフル」として3秒間隔でフル充電する。あるいは出力を下げるともっと短時間で充電できる。引き金の操作で充電を操作できる。半分引くと充電となり、いっぱい引くと発射する。
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GR-1のバッテリーを外したところ
同銃の銃床、弾倉、バッテリホルダーは3Dプリントで製造しており、一部はアクリル・プラスチックで底部に止めてある。小型LCDスクリーンで充電の様子がわかり、キャパシタの充電具合、コイルの温度、さらに「発射後の分析」を教えてくれる。
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GR-1のLCD画面表示
ビデオでガウス銃の特徴、作動原理などがわかる。映像では弾倉の交換、バッテリー交換、充電のほか、コイルのエナジー強度の変更の仕方を解説している。
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金属弾は3種類あり、すべてGR-1の弾倉に収まる。最左に9mm弾、最右に.308口径弾を比較のため置いた
マッカラムは銃にうめこんだ照明装置、照準用のグリーンレーザー、後部の銃床が移動式で3種類の弾倉に対応し各種スラグ弾をp使えることと解説している。ライフル上部のロックリングを引っ張れば、銃後部が伸び縮みし、レシーバーのサイズを変更し、別の弾倉に対応する。
レビューではガウスライフル特有の安全措置があるとし、使用しない時はバッテリーを取り外すこと、またコイルに生まれる磁場のため心臓ペースメーカーや医療器具を使用する人の50フィート以内では使わないことと解説している。
マッカラムは屋外でGR-1を各種エナジーレベル弟試射した。同銃を発射してもびっくりするほど静かで充電音と毎回発射するたびに「クリック」音がするだけだという。
ビデオでは(19分15秒で)GR-1が不発となり、マッカラムがライフルを前方に傾けて不発弾を銃身から落とす場面がある。レビューでは弾倉が空に近づく際に装填で問題が起きたようだと解説している。「未来になっても問題が全部なくなるわけではないようだ」とマッカラムは冗談めかして語っている。
数回発射すると木製標的に損傷があらわれ、マッカラムはGR-1で損傷を与える能力が証明できたと述べた。「これは本格的な武器だ」とし、「潜在的に殺傷力のある武器であり、銃器同様に扱うべきだ」とした。「とはいえ、超楽しい」
GR-1試射後の標的板を見てマッカラムは一部銃弾が飛翔中に方向がずれたことに気づいた。銃身に線条がないこと、初速が低いためだろう。ただし、命中弾はまとまっており、ガウスライフルの命中精度は短い距離なら十分だとわかる。
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GR-1が昨年、初登場するや嘲笑を浴びせる向きもあったが、Forgotten Weaponsのレビューで、ガウスライフルが型破りでながら、威力のある武器であることが明確になった。また、レビューでは、GR-1が、少なくともレビューで使用された銃が、試作品で、完成度が低い点を強調している。しばしばの誤射、3Dプリント部分の粗い仕上げ、そして一見すると寄せ集め部品に見えることなど、今回の製品は試作段階であり、量産品にほど遠い。
とはいえ、3,375ドルほどの値札がつくGR-1は、射撃場で面白い話題になるはずだ。■
$3,375 Electromagnetic Gun Declared "A Serious Weapon" During Expert Range Report
While the rifle may not pack the punch of a traditional firearm, a review of the ArcFlash Labs GR-1 shows why it is not a toy.
BY BRETT TINGLEY FEBRUARY 12, 2022
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