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ウクライナへの戦闘機譲渡案がEUで浮上。対象機材、提供国を推理する。

Fast jets depart RAF Brize Norton for the NATO summit flypast over Celtic Manor.

PAUL CROUCH/CROWN COPYRIGHT

 

 

EUにはウクライナが供用中の機材の同型機を運用する加盟国があり、ウクライナへの譲渡案が浮上してきた。

 

クライナ紛争での大きな進展として、欧州連合(EU)高官は、ロシアの全面侵攻に抵抗し続ける同国へ戦闘の搬入を急ぎ取り組んでいると明らかにした。ロシアによる航空優勢を防いできたが、戦闘で損失を受けたウクライナにとって、追加の戦闘機はきわめて貴重となる。

 

 

欧州連合(EU)の外務・安全保障政策上級代表および欧州委員会副委員長を務めるスペインの政治家ジョセップ・ボレルJosep Borrellは、本日未明、ウクライナに対し、加盟国から戦闘機を購入する資金をEUが提供すると発表した。機種は明らかにしなかったが、ウクライナ空軍で運用中の機材であれば、早く戦闘に投入できるとの見方を示した。これは、450百万ユーロ(510百万ドル強)の大規模な軍事支援パッケージの一部となる。

 

ウクライナ空軍の戦闘機には、ソ連時代のMiG-29フルクラムとSu-27フランカーが混在しているが、EU圏内でSu-27の運用国はない。

 

ということは、MiG-29が譲渡の中心となる。ポーランド、スロバキア、ブルガリアがフルクラム派生型を供用中なので、ウクライナに引き渡せば就役できる。ブルガリア機体はソ連崩壊後、改良はわずかだったが、ポーランドとスロバキアの機体は大幅改良されている。

 

その他EU加盟国も以前はMiG-29を使用し、まだ保管している可能性があるが、再運用可能にするまで時間がかかるため、魅力的な選択肢ではない。。

 

ポーランド、スロバキア、ブルガリアはNATO加盟国であり、MiG-29の代替を進めているのも利点だ。ポーランドは2024年までに、スロバキアとブルガリアはそれぞれ2023年と2025年に新型F-16C/Dを受領する。

 

上記各国は、防空能力の低下による国家安全保障上のリスクを、他のNATO加盟国に領空警備の支援を暫定的に依頼することで軽減できよう。自国の戦闘機を持たないバルト三国(エストニア、ラトビア、リトアニア)や黒海地域では、NATO加盟国が防衛能力を提供している。さらに、ウクライナ紛争に対応し、アメリカ等のNATO機が同盟の東側で空中パトロールを強化している。ウクライナに引き渡される前に、これらの戦闘機からNATO標準の機密装備を取り外す必要があるだろう。

 

NATO加盟国であるルーマニアとクロアチアは、旧型MiG-21を使用しているが、同機は、空中戦で今でも強力な敵になる。ウクライナは現在、MiG-21を運用していないが、国内企業が他国向けに同機のデポメンテナンスを行っている。ただし、MiG-29譲渡に比べると可能性は低い。とはいえ、紛争が長引けばポーランドが保有する老朽化した可変翼機Su-22も含め魅力的になる可能性はある。

 

ボレルは「戦闘機」の用語を一般的な形で使っている可能性があり、EUはウクライナに別の機材の供給も検討している可能性がある。ブルガリアで今も供用中のSu-25フロッグフット地上攻撃機もウクライナが配備する機種で、今回の紛争にも投入されている。

 

VIA BULGARIAN AIR FORCE

ブルガリアのSu-25フロッグフット

 

これに加え、欧州各国や米国から武器他の軍事支援が増加している。ウクライナ軍によると、運用中の戦闘機用の空対空ミサイルも含まれている。

 

過去4日間で大きな損失を被ったウクライナ空軍にすれば、比較的新しい戦闘機を歓迎するはずだ。

 

ウクライナの戦闘機や地上の防空網も、ロシア軍機多数を撃墜している。ここに、「キエフの亡霊」と呼ばれるウクライナのスーパーエースの都市伝説が生まれている。

 

ウクライナの戦闘機は、トルコ製武装ドローンTB2などの装備や地上の防空部隊とともに、ロシア軍の制空権確保を阻んでいる。驚くべきことだ。一例として、TB2がロシアのBukズ移動式地対空ミサイルシステムを破壊する様子を伝える動画が本日未明、公開された。

 

ロシア軍の制空権確保を阻めば、TB2含むウクライナ軍機が、輸送隊の破壊や近接航空支援を試みたり、その他地上目標を攻撃する機会が生まれる。これらはすべて、ロシア軍の航空支援を妨害し、ウクライナ国内を自由に移動する軍事作戦の展開を妨げる効果が生まれる。

 

つまり、ウクライナ空軍には戦闘機がもっと必要だ。ロシア軍が首都キエフ含むウクライナの北部、東部、南部で攻勢をかけ続けているため、需要は高まる一方だ。

 

ウクライナはヨーロッパ各地からの機材を一刻も早く必要としている。

 

UPDATED: 7:05 PM EST —

 

欧州議会の「親欧州政治団体」であるRenew Europeの政策顧問、アレクサンドル・クラウスAlexandre Kraussは、ジェット機の種類が何であれ、「1時間以内にウクライナ上空を飛ぶだろう」とツイッターに書き込んだ。ただし、欧州連合による軍事航空パッケージに含まれ機種、また誰がウクライナ上空で機材を誰が操縦するのか、それ以上詳しくは説明しなかった。

 

これとは別に、ワシントン・ポストのマイケル・バーンバウム記者によると、ヨーロッパの一外交官が、ウクライナはブルガリア、スロバキア、ポーランドからロシア製機材を受け取る予定と語ったという。つまり、上記記事で述べたように、MiG-29やSu-25の納入が間近に迫っているということだろう。

 

ウクライナ空軍パイロットが譲渡機の操縦習熟にどの程度の訓練が必要かは不明だ。ポーランドとスロバキアのパイロットは、性能改修後のMiG-29操縦方法を学ぶのに相当の追加教習を必要としたといわれる。今回の戦闘に不要な高度システムが納入前に除去されていなくても、ウクライナ空軍パイロットの教習内容に含まれる可能性がある。■


Here Are The Options For The EU's Initiative To Restock Ukraine With Fighter Jets (Updated)

 

BY JOSEPH TREVITHICK FEBRUARY 27, 2022


 

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