
日本では国連をとても大事に考えているため、国連機関に過大な期待をしがちです。そういう当方も短期ながら国連機関に奉職していた体験から内情はかならずしもそこまで優秀ではないと言えますが、今回の騒動をみるとWHOが期待通りに機能していないことは明白です。中国があまりにも身勝手な主張でWHOに圧力をかけているとしか思えません。そうなると今後はWHOへの信頼が下がりかねません。もともと米国には国連を軽視する傾向があるのですが、いよいよトランプ大統領の主張がまかりとおりかねません。今回明らかになったのは中国、中国共産党の存在自体が悪だということではないでしょうか。
疾病の名称は重要だ。名前により専門職並びに一般が対応を誤ることになりかねない。エボラといえばすぐわかるが、H1N1といわれると対症方法も異なる。
一般名称が重要だ。誤解を防ぐためだ。だが時として不満につながる。これはおかしい。エボラの語源はコンゴを流れる川のひとつだが、コンゴに敵意をいだく、あるいはマルブルグウィルスの語源があるからといってドイツを憎むだろうか。あるいはジカ熱の語源がウガンダの森林だから同国に立腹してどうするのか。
2009年4月、イスラエル保健省はブタインフルエンザの名称を希望したが、イスラム教徒、ユダヤ教徒の神経を逆なでするので、発生地から「メキシコインフルエンザ」と呼ぼうとした。これに対し駐イスラエル・メキシコ大使が抗議し、結局H1N1になった経緯がある。ブタインフルのため各国で豚数百万頭が処分され、豚肉消費が非合理にも減少したものの、名前は忘れがたいものになった。
今回のコロナウィルスについた名称がCOVID-19でコロナウィルス疾病-2019の略称だ。WHOの発表に先立ち国際ウィル毒学委員会は重症急性呼吸器症候群コロナウィルス2型(SARS-CoV-2)とするよう提言していた。SARSウィルスとの関連が伺える学術名である。WHOはこの提言を受け入れなかった。「SARS」というと不必要なパニックを呼ぶ、というのが理由だった。
名称からパニックが生まれたり、誤解を呼ぶかもしれないが、地名が疾病と関連付けられることは悪いことだろうか。ハンティントン(神経変性疾患)やホジキン(リンパ悪種)が疾病名だからといって両都市に悪感情を抱く人がいるだろうか。
新型疾病で薬物耐性のある菌が繁殖するのを許している原因と事実の隠蔽に真の懸念と怒りを向けるべきである。中国の食品市場と透明性の欠除、さらに政治体制の意思決定過程が世界最大の問題である。
中国起源の疾病をCOVID-19と呼ぶことで、中国から発生した事実に気づかなくなる可能性があるが、中国自身が政治体制ならびに慣行を変革させない限り、同国から深刻なパンデミックが再び発生する可能性があることを忘れてはならない。■
この記事は以下から構成しました。
Does the UN Want Us to Forget That the New Coronavirus Is From China?
Names matter.
by Roger Bate
February 22, 2020 Topic: Politics Region: Asia Blog Brand: The Buzz Tags: ChinaCoronavirusWorld Health OrganizationPandemicPolitical Correctness
1月か2月上旬くらいにツイッターで見た書き込みですが、
返信削除今はスペイン風とか日本脳炎とかそういった名称は偏見を生むので、
地名で名前をつけるのを避けるようになってるとの事でした。
まぁ、その人は中国擁護で書いていたのかもしれませんが、
一理ある話ですし正しくもあると思われます。