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主張 サンダースを大統領にしてはならない

米民主党でサンダース上院議員が大統領候補に近づきつつあり、警戒心を感じています。貧富の格差をとりあげ、大学学費を無料にするなど若者へ焦点を当てた公約を掲げていますが、衆愚政治で選ばれてしまうとしたら悲劇です。このような人物を大統領にしてはいけません。ただし、今回の記事にあるように根本は政治屋であり、言ってることとやってることが違う典型例のようなので少し安心です。選挙区という地盤を持つ政治家がそれ以上の地位を追い求めていいのか、悩ましいところです。その点トランプのような人物は誠に稀有ですね。全国区という制度も地元を意識しなくても良い政治家を生む点では効果があるのではないでしょうか。
結局は雇用と資金の流れ
普段はハト派のサンダース議員だが出身州のヴァーモントにF-35が雇用と資金をもたらすことを熟知しており、連邦政府予算が同州に途切れずに流れるよう行動している。▶2019年4月7日、ヴァーモント州軍パイロットがF-16ファイティング・ファルコンの退役に際し、最後の展示飛行を行った。▶同州軍の第158戦闘航空団はF-16C、D型を1986年からバーリントン国際空港から運用してきた。2001年9月11日のテロ攻撃でニューヨーク市上空の防衛にあたった。▶F-16の後継機としてF-35Aの18機及び予備2機が到着した。『ヴァイパー』より機動性は劣るものの、F-35は戦闘シナリオの大部分を生き延びられるのはステルス性と長距離センサー能力に頼るところが大きい。▶ただし地元民に懸念の声もある。搭載するプラット&ホイットニーF135ターボファンエンジンはF-16より騒音レベルが高い。空軍調査では65デシベル超の騒音レベルが数千世帯にわたるという。「不適」な水準だ。▶ここからF-35反対派が生まれているが、同州選出の左傾上院議員、無党派のバーニー・サンダース、民主党パトリック・リーヒともにF-35配備を支持している。▶反対派は「空を救え」運動として退役空軍大佐ロザンヌ・グレコ(核交渉に参加)、ピエール・スプレー(兵器専門家でF-35批判者)、ベン・コーヘン(ベン&ジェリーアイスクリーム)を陣営に加えた。▶バーリントン空港付近の住民はF-16の騒音でさえ不快に感じていた。空港当局は住宅200棟を買い上げ、騒音に悩む人口を減らした。F-35配備反対派は高騒音の空港近くで育つ児童に健康面のみならず学業成績でも悪影響があるとの統計を使っている。▶2013年発表の州軍がによる環境インパクト調査では騒音水準の増加はごくわずかとしている。しかし住民から評価モデルそのものに疑問の声が出ている。▶さらに調査で対象4箇所のうちバーリントンが最低だったことがわかった。バーリントンを強く推したのがリーヒ上院議員だった。さらにメールがリークされ、州軍が騒音モデルを新たに作り、騒音評価を都合よく操作したことがわかった。▶さらに調査で使ったモデルはF-35がアフターバーナーを使う時間を5%に止めていることがわかった。アフターバーナーは28千ポンドのエンジン最高推力を44千ポンドに引き上げ、それだけ騒音も強くなる。ただしその後判明した文書ではF-35のアフターバーナー使用想定はミッション時間の半分であり、5%ではなかった。とくに同空港の滑走路が短いため、戦闘装備の機体は離陸時に推力が余分に必要であることがわかった。▶さらに空軍内部のメモが流出し、空軍でもバーリントン国際空港への機材配備に反対する声があることがわかった。人口密度の低い地点の基地の方が望ましいとある。

ヴァーモントに核兵器が持ち込まれる?
ヴァーモント州民にはライトニングが今後B61核爆弾運用能力を獲得することも反対の根拠としている。同核爆弾は前線で使う想定で出力は0.3から50キロトンの間だ。広島型原爆は15キロトンだった。▶「ヴァーモントへ核爆撃機配備に反対する会」の様な集団は戦術核兵器そのものに反対しており、同州が配備を受け入れればロシアや中国と戦争の際に攻撃対象になるとする。▶バーリントン市議会は2019年に核兵器運用可能機材の同地導入に反対する決議を全会一致で成立させている。ただしF-35配備については反対していない。▶ただし、ここでふたつ注意すべきことがある。F-16もB61爆弾搭載の構造となっていたし、F-35がB61運用可能となるのはブロック4にアップグレードされてからとなる。▶サンダース、リーヒ両上院議員は核兵器運用能力について聞いていれば同機導入への賛成を取り下げるとしている。▶だがまずF-35全機に核運用能力がつくわけではない。一方で核運用可能機材、訓練ずみ部隊、実際に核兵器を搭載している機材を示すことはしないとの方針だ。▶実務面を見れば、ペンタゴンがバーリントン国際空港内に核兵器貯蔵施設を建設することに乗り気なはずがない。反対派からすれば核兵器があろうがなかろうがF-35そのものが標的になると主張している。

政治経済とF-35
反対派はF-35の悪評高い予算超過と遅延を見れば、サンダース議員が同機配備を支持するのは本人が大統領当選の暁には軍事支出の統制不可能状態を是正するとの本人主張と矛盾するとする。▶リーヒ上院議員が導入を支持するのは上院内で州軍関連で本人が強い立場にあるためだ。サンダースはF-35導入支持の理由として州への経済効果をまずあげ、国家安全保障上は二の次としている。▶2014年の地元集会でサンダースは「現実の世界で、機体が製造され、ヴァーモント州がその場所に選ばれれそうなときにサウスカロライナやフロリダも候補なら、米国上院議員としてどう選択すべきでしょうか。サウスカロライナに流れて我慢できますか。現実面で言えば、やはりサウスカロライナではなくヴァーモントに持ってきてもらいたい。ヴァーモント州軍も同じ意見でしょう。何百という雇用がこの町に生まれます。それがねらいです」▶ヴァーモントではF-35の兵装庫、GAU-22「イーコライザー」5銃身ガトリング砲のメーカーがあり、CNBCはその規模を雇用1,600名分、金額で2.22億ドルとしている。▶ペンタゴンはF-35を2,400機調達する予定で、今後同機が配備される地方都市も増えそうだ。すでにアイダホ州やアリゾナ州でも同機の騒音に反対する声が生まれている。▶F-35配備が政治面での意見対立のシンボルとなり、米軍の役割や適正規模についても議論を巻き起こしそうだ。■

この記事は以下を再構成したものです。

It's All Politics: The 1 Reason Bernie Sanders Loves the F-35 Stealth Fighter


February 24, 2020  Topic: Politics  Region: Americas  Blog Brand: The Buzz  Tags: Bernie SandersF-35 MilitaryU.S. Air Force Stealth Fighters





コメント

  1. そうやって民衆や左派ポピュリストの訴えを、衆愚の戯言扱いして自民党も民主党も無視し続けたから、日本はいつまで経っても不況から抜け出せなかったんだぞ。
    産業界の言うことばっかり聞いた結果、今の法人税の減税分を貧乏人も支払う消費税で賄うという馬鹿げた構造が出来上がってしまった。
    トランプのような奴はそういう意味で一番政治家にしちゃあいけない奴だ。

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  2. サウスカロライナではバイデンが圧勝した様で、
    民主党候補は無能な小粒ばかりがコップの中の争いで拮抗していて、
    まずトランプに対抗できる候補など全く見当たりません

    アメリカでも日本でもどこの国でも、政権に対する世論はほとんどが、
    経済政策と景気で決まるので、空前の好景気を演出しているトランプが圧倒的に優位でしょう

    コロナショックで景気が冷えるとしても、東アジア諸国よりは影響は薄く、
    11月には過去の事となってる可能性も高く、よほどの新規の逸材が出ないと、
    民主党は敗色濃厚に見えます。ブティジェッジは無いですね

    返信削除

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