米空軍がB-21のリアルな想像図を新たに公開しました。それだけ実機の開発が進んでいるということでしょう。予定では来年末に初号機が初飛行と、これまでにない開発ペースです。B-21についてはもともとLRS-Bと言われていましたので今後別用途の機体への進化が期待されること(空対空任務への投入もあり?)と、無人運行が基本と言われるなかどんなアルゴリズムを搭載しているのかが興味を感じるところです。
新たに公開された構想図からB-21の空気取入口等ステルス性能につながる構造や機体サイズがわかる。
米空軍が開発を急ぐ極秘B-21レイダー爆撃機では情報が極めて少ない中、ノースロップ・グラマンが契約交付された2015年以来公開されたのは想像図一枚しかのみという状況が続いていた。
2020年1月31日、空軍はノースロップ・グラマンとともにB-21予想図3枚を公開した。それぞれサウスダコタ州エルスワース空軍基地、ミズーリ州ホワイトマン空軍基地、テキサス州ダイエス空軍基地の格納庫写真に機体構想図を取り入れたものだ。2019年3月に空軍はレイダー実戦部隊をエルスワースから配備開始すると発表し、B-2、B-1超音速爆撃機をそれぞれ運用中のホワイトマン、ダイエス両基地にはB-21がその後配備される。
今回発表された想像図は次の三点。
USAF
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想像図では詳細面が不明だが、B-2がB-21に大きく影響を与えているのがわかる。
B-21の空気取入口はエンジンナセルと一体化された画期的なデザインだ。ボーイングのMQ-25スティングレイ給油無人機もなめらかな形状の空気取入口だが、B-21と比べ直線的だ。
空気取入口の形状は大きな課題で、機体内に搭載する大型エンジンに空気取り入れをいかになめらかにするかが問題だった。今回明らかになったB-21の開発事情ではノースロップ・グラマンがこの解決に苦労したとあり、驚かされる。ただし、結果としてレーダー探知性をさらに下げる効果も生んだ。
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B-2の空気取入口形状に注目。B-21想像図と簡単に比較できる。
今回発表の想像図からB-21とB-2の違いが浮上している。B-21の前縁部のチャイン線の構造はより複雑で、前縁部と機体をつなぐラインはB-2より急角度がついており、B-2の機首は鳥の嘴状だがこれが見当たらない。すべてステルス性能の向上を狙ったものだ。
想像図からB-21の降着装置と格納扉の配置はB-2に似ているが扉部分にギザギザの角度がついているのがわかる。B-2は台形形状だった。機首降着装置はB-2と似ているが扉はやはりギザギザ状になっている。
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B-2スピリットの側面を見ると、主降着装置扉が台形形状になっているのがわかる。
また重要な点がある。B-21の主降着装置は二輪構造で、B-2は四輪だった。これはレイダーの総重量、機体サイズともにスピリットより小さいためだろう。
B-21の後縁部はダイヤモンド状でB-2ののこぎり状形状と異なるが、今回の公表図でははっきりしない。B-2では低高度侵入任務が新たに設定されたため設計変更となり高い経費で今の形状に落ち着いた経緯がある。B-21は後縁部設計でB-2より高高度性能が向上するはずだ。

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B-21構想図ではダイヤモンド形状の後縁部がわかる.

B-21については不明点が多い。実機の公開時期も不明のままだ。空軍はB-21一号機の初飛行に2021年末を想定しているが、日程変更の可能性はある。エドワーズ空軍基地でテストがはじまれば、実機の姿を目にすることができるはずだ。
B-21構想図発表から数年が経過し、新型爆撃機の姿がわずかだが判明した。■
この記事は以下を参考にしました。
Here's Our Analysis Of The Air Force's New B-21 Stealth Bomber Renderings
Although limited in detail, the new concept art offers new insights into the B-21's inlets, other stealthy features, and overall size.
BY JOSEPH TREVITHICK AND TYLER ROGOWAYJANUARY 31, 2020
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