攻撃型潜水艦にさらに攻撃力が加わるわけですが、世界いかなる場所も一時間で攻撃可能というのはカタログスペックでしょう。とはいえ、米国がこの機能を実現すれば、中露もいずれ獲得し、潜水艦の攻撃手段としての地位が高まるとともに、ASWが一層重要になるのでは。
Rendering of Block V Virginia-class submarine with Virginia Payload Module. General Dynamics Electric Boat Image
米海軍は通常弾頭付き極超音速兵器をヴァージニア級攻撃型潜水艦に搭載する。オハイオ級誘導ミサイル潜水艦(SSGN)への搭載案も検討されていた。
2021年度予算案で海軍は研究開発を5%増額し、215億ドルで「コロンビア級建造、F-35、海上型トマホーク、通常型迅速攻撃手段(極超音速兵器)、無人装備、レーザー各種、デジタル戦、人工知能、海兵隊遠征運用能力装備」の開発を進める。
このうち、通常型迅速攻撃手段Conventional Prompt Strike(CPS)の研究開発に10億ドルを投じる。
「CPSのねらいは精密かつ迅速な攻撃能力を水上艦、潜水艦に与えること」と予算書にある。「CPSは共通極超音速滑空体Common Hypersonic Glide Body (C-HGB) および34.5インチ二段式ブースターをもとに構成する。2028年度に初期作戦能力獲得をめざし、ヴァージニア級潜水艦のペイロードモジュールに導入する」
通常型迅速汎地球攻撃能力が実現すれば世界いかなる場所を1時間未満で精密攻撃できる。迅速攻撃能力手段は水上艦艇、潜水艦、地上から発射可能となる。
2017年秋に海軍、国防総省は共同で「初の通常型迅速攻撃ミサイル」をテストしたと、テリー・ベネディクト中将(退役)は述べる。「画期的成果となった」
誘導ミサイル潜水艦SSGNに改装ずみのオハイオ級SSBNのうち4隻、またはヴァージニア級攻撃型潜水艦でヴァージニア・ペイロードモジュール導入ずみの艦への搭載を想定していたと海軍はUSNI Newsに伝えていた。
ヴァージニア・ペイロードモジュールとはヴァージニア級の艦体中央に追加されたミサイル発射管28本を指し、40発のミサイル運用が可能。ブロックV建造艦から採用される。
その一年後、2018年秋にベネディクトの後任ジョニー・ウルフ中将が各軍共通の弾頭形状の極超音速誘導手段が開発中だと明かし、海軍仕様は水上艦、潜水艦に搭載すると述べていた。
「海軍の視点で極超音速滑空体用のブースターを開発中で、今回は水中発射という厳しい条件だが、実現すれば妨害をまったく受けない画期的な攻撃手段になる」とウルフ中将は述べていた。
予算書では2021年度研究開発の対象に「同兵器装備の継続開発ならびに飛翔用サブシステム、装備品統合、今後の能力拡充に向けた弾頭部分の開発、通信機能の拡充、航法別手段、最終段階センサー技術の高度研究がある」を列挙している。■
この記事は以下を再構成しました。
Navy Confirms Global Strike Hypersonic Weapon Will First Deploy on Virginia Attack Subs
By: Megan Eckstein
February 18, 2020 4:55 PM
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