2017年1月28日土曜日

ヘッドラインニュース 1月27日(土)


1月27日のヘッドラインニュース:T2

注目記事の要約を掲載しています。時差・掲載時間の関係でその後進展した内容と食い違うことがありますのでご了承ください。

KC-46A開発でコスト超過発生中
ボーイングKC-46Aのコストが23億ドルに膨れ上がっていることが同社の営業報告から判明した。米空軍は2011年に同社に対し固定費用制度で490億ドルで同機開発を発注している。同社は費用超過分を機内配線など判明済み問題の解決が原因と説明。このままだと同機の配備は2019年にずれこみそうだ。

マティス長官:F-35、次期大統領専用機の見直しを省内指示
ジェイムズ・マティス国防長官はF-35、次期エアフォースワンについてそれぞれ別個の検討を命じ、費用削減をめざす。ワーク副長官がF-35CとF/A-18E/Fの作戦能力比較、スーパーホーネットの性能がどこまで引き上げられるかの検討を取り仕切ると発表。大統領専用機では費用削減につながる性能諸元の把握をめざす。F-35Cは260機のうち26機が引き渡し済みだ。ボーイング、ロッキード・マーティンともにトップが仕様見直し、価格引き下げデトランプ大統領に前向きな姿勢を示している。

UAVを運用するISIS
ISISは24日に発表した映像で、民生無人機を運用している状況を初めて公表した。映像では戦闘員が固定翼式スカイウォーカーX7/8 UAVの主翼左右下即席爆発装置IEDを搭載して飛行中に投下する様子が見られる。続けて19回のUAVによるIED攻撃を見せ、イラク保安部隊が標的になっている。攻撃の状況は上空を飛行する別のUAVが撮影している。ISISは50キロ範囲で有効な空からの攻撃手段を運用していることが判明した。モスルを死守するISISがUAVを攻撃偵察に使っていることは連合軍も確認している。


MiG-35登場:ロシア航空機産業の最新状況とF-35と異なる設計思想
26日合同航空機企業傘下のMiGが新型MiG-35をロシア政府に公開した。当日は悪天候のためプーチン大統領は同機の飛行状況をビデオで視察した。MiG-35にはNATOコード「フルクラム・フォックストロット」がついており、MiG-29の改良版の位置づけだが、フライバイワイヤ、コックピットの大幅改良、精密対地攻撃手段の運用など相当の性能向上が実現している模様。
(本稿は別途ご紹介します)



★州軍航空隊C-130がスパイ機になり世界を飛び回っている


C-130のような汎用機でもしっかりISR任務で成果をあげられるという事例ですね。

War Is Boring

These U.S. National Guard Spy Planes Have Flown All Over the World

Senior Scout turned C-130 cargo planes into part-time spooks

by JOSEPH TREVITHICK
2004年6月8日のこと、米スパイ機がカルシ・ハナバ航空基地(別名K2)のあるウズベキスタンを離陸しアフガニスタンを目ざした。機材は冷戦時代の象徴たるU-2ドラゴンレイディでなくRC-135V/Wリヴェットジョイントでもなく、ユタおよびネヴァダの州軍所属の特殊改装C-130貨物機だった。
  1. 搭載する貨物は情報収集用装備でシニアスカウトの愛称だった。輸送機は臨時スパイ機となり、地上通信傍受が役割だった。
  2. 「その日、乗員は第22海兵派遣部隊の支援任務についたのだった」と州軍航空隊の公式記録にある。「シニアスカウトで海兵隊部隊との連絡を確立し、120名もの反乱分子が同隊を包囲していることがわかった」
  3. 増援部隊が現地に向かう一方で情報分析が上空で進み、反乱分子の無線交信にタグをつけて追跡できた。乗員は情報を米軍地上部隊に逐次伝えた。
  4. 「シニアスカウトの乗員の支援が死活的だったのかとの質問があったが」と海兵隊は回想する。「答えは、その通り!」と海兵隊史はまとめている。
  5. シニアスカウトの初投入は1990年のことで、その陰には大型で知名度の高いスパイ機の存在がある。War Is Boringはこのたび情報公開法を活用し、9/11テロ攻撃以降に州軍所属の空のスパイが戦闘員、麻薬密輸業者、その他敵対勢力を世界中で狩りたてていたことを知った。
  6. シニアスカウトは情報収集装備そのものをさすが、空軍はC-130Eに搭載できるように設計し、H型J型でも同様で48時間以内に搭載が完了する。
ウェストヴァージニア州軍がシニアスカウトコンテナーをC-130に搭載している。 Air Force photo
  1. 制御ステーション及びその他をコンテナー内部に収め、ハーキュリーズの貨物室に搭載できるようにした。着陸装置扉、貨物室扉に特殊アンテナを装着する。
  2. このアンテナが特殊装備搭載のハーキュリーズを外観から判別する数少ない目安になる。ペンタゴンはシニアスカウト搭載機体をEC-130あるいはRC-130と呼ぶことがあるがこれらの名称は非公式のものである。
  3. 1989年に空軍は旧式化してきた州軍C-130機材の更新作業を開始した。2001年までにユタ州軍の第169情報飛行隊が三基の「シェルター」と関連装備を運用していた。
  4. 同隊は装備二組を常時展開する体制を保ち、残る一基は故障時の予備だった。初回の湾岸戦争で中東に飛んでいるがシニアスカウトの主な任務は麻薬密輸業者をラテンアメリカで追跡することだった。
  5. 第169飛行隊は海外任務でシニアスカウト装備を運用し、その他の正規空軍部隊や州軍航空隊がC-130機材を提供する。
  6. さらに「ホスト国同乗員」と呼ばれる情報活動の舞台となる国の関係者を乗せることがある。現地当局と米軍の連絡要員だ。乗員は集めた情報はこの同乗者を通じて迅速に「パートナー国の活動用に」提供すると関係筋は説明。。
  7. これまで20年近くシニアスカウトを搭載したC-130が各国の基地から飛んでいる。エクアドル、エルサルバドル、パナパ、コロンビアと言った国で、米軍や法執行機関、民間事業者と協力している。2011年には改装C-130が海軍のE-2レーダー機と空軍のRQ-4グローバルホークと連携してコロンビアで運用されていたことが年誌からわかる。
  8. 機密解除となった空軍の資料から一回の任務が10時間に及んでいたことがわかる。
  9. だがアメリカの対テロ戦争が世界規模に拡大する中でペンタゴンに情報活動の要請が急増し、スパイ機は引っ張りだことなる。シニアスカウトも例外ではなく、前に紹介した2004年のアフガニスタン上空のミッションは一例にすぎない。
  10. 2009年になるとシニアスカウトはラテンアメリカ、アフガニスタン、アフリカ(国名非公開)で活動しており、おそらく「アフリカの角」でソマリアの対テロ作戦に従事していたのだろう。アフガニスタンだけでも空軍は専用にミッションセット二基を活用していた。
基地開放デーでシニアスカウトの「シェルター」内部を見る貴重な体験をする来訪者。 Air Force photo
  1. ミッション増加でシニアスカウト運用チームに負担が増えてきた。また州軍のC-130でも同様で、状況を重視して空軍も新規部隊創設を検討したほどだ。各種情報収集装備とC-130部隊を統合する司令部機能が必要と考える向きが出て保守整備と補給活動が容易になるとの期待があった。
  2. 「過去にはこれは問題にはならなかった」と2008年編纂の空軍公式記録は記述している。だが対テロ戦が世界規模になり、ラテンアメリカでも作戦が「C-130各機を限界まで酷使するまでになった」のだ。
  3. さらにペンタゴンはシニアスカウトを他の貨物機に搭載して即席スパイ機として太平洋で運用する構想に関心を示した。大型のRC-135V/Wスパイ機がフィリピンでテロリスト捜索に投入されており、北朝鮮の動きを見守り、南シナ海のパトロール他にも従事していた。
  4. だが空軍上層部は構想に同意せず、代わりに空軍のワシントン司令部が各チームを統合し、課題に取り組むことになったと2008年の年誌が述べている。
  5. 2010年までに「RC-130航空団」構想は消え去った観があった。だがシニアスカウトは太平洋にも進出した。
  6. その翌年に空軍は装備の性能向上を図り、情報は基地と地上部隊双方に送れるようになった。リヴェットジョイントで運用中のデータリンクソフトウェアが小型のシニアスカウトに転用されたと公式記録にある。
  7. 20年以上に渡り供用されてきたが2013年度には第169飛行隊は「シニアスカウトを投入する主任務が不確定になりシニアスカウト投入回数が一時停止」になったとユタ州軍がまとめている。同隊は情報要員を他のミッションの応援に派遣した。
  8. 各員はシニアスカウト装備の運用技量を維持し、必要なら即派遣できる体制にあった。2014年8月には公式マニュアルで同隊の乗員は空軍ジェローム・オマリー大将賞(航空偵察)の受賞資格があると記載されている。
  9. だが中東、アフリカ等で武力衝突が続いており、ペンタゴンは特殊装備をすぐには廃棄しないだろう。■


2017年1月26日木曜日

1月27日(金)のヘッドラインニュース


1月27日のヘッドラインニュース:T2

注目記事の要約を掲載しています。時差・掲載時間の関係でその後進展した内容と食い違うことがありますのでご了承ください。

米海軍が150KW級レーザーを艦載装備に採用か
米海軍のレーザー兵器開発が仮想してきた模様。1年以内に150kW級レーザーの運用をめざす。2014年のAN/SEQ-3(XN-1) が30kW出力だったので進展は早い。海軍は駆逐艦、空母に大型レーザーを搭載し巡航ミサイルの迎撃を目指す。


インドが潜水艦発射弾道ミサイルの試射を1月31日に実施へ
K-4潜水艦発射弾道ミサイルSLBMを水深20メートルほどの発射台から発射する準備をインド海軍が進めてている。発射は1月31日に予定されている。インド初の国産原子力ミサイル潜水艦アリハントはすでに艦隊に編入されている。K-4はペイロード2トンだが開発中のSLBM,K-5は射程5千キロを狙う。


台湾のF-16改修作業
台湾国営企業漢翔航空工業はF-16の回収作業を台中で開始した。対象は台湾が運用する144機だが年間24機の作業が可能。だがソフトウェア検査が米国で遅れている影響が出ている。改修内容にはAESAレーダー搭載、ミッションコンピュータ交換、 ALQ-213(V)電子戦装備等が含まれる。台湾のF-16はA型B型だが引き渡しが1990年代のため比較的機齢が低く実戦能力は高い。FMS制度を活用し米側主契約者はロッキード・マーティン。



T-X競作でレイセオンがレオナルドとの共同作業を解消
レオナルドは単独で米空軍向け次期練習機の採用を目指すことになる。レイセオンは1月25日、両社で合意が形成できないと判明したと短い声明を発表。レオナルドが提唱するT-100の原型M-346はイタリア、ポーランド、シンガポールが採用しており、同社は単独でも米国での採用を目指す。T-Xではロッキード・マーティン、ボーイング、ノースロップ、シエラネヴァダの4社が別に350機の採用を狙っている。

2017年1月25日水曜日

何が起こっても不思議はないトランプ政権の国防政策をあえて予測すると


大統領選挙というルールあるゲームでの勝者を認めない、というのがよくわかりません。自分が選んだ候補じゃないから認めたくないというのでは話になりません。移行期間が終わり、すでに新政権が始まっていますが、初めての21世紀型大統領に期待できることと失望させられることが混じり合うのではないでしょうか。ひょっとするとレーガン時代が再来するのかもしれません。ここに掲載したのは大西洋協議会という超エリートの観点ですが、現実を受け入れてよく見ようとしていますね。さすがです。

Aviation Week & Space Technology

Opinion: Under ‘High-Beta’ Trump Presidency, Anything Could Happen

Jan 20, 2017Steven Grundman | Aviation Week & Space Technology

ドナルド・トランプ政権が国防政策でどんな前兆を見せてくるだろうか。国防予算は増額されるのか。軍の規模、構造、性質を変えるのか。重要な調達事業を取り消すのだろうか。今のところは「そうなるかも」としか言えない。トランプの選挙運動では国防については注意深く政策を検討した効果が出ており、政権移行中も予測のブレを示す兆候はほとんど皆無だった。
新政権から出てくる可能性はきわめて幅広く、予測を試みるのは無謀と言わざるをえない。よくトランプのペンタゴン変革の方向性を聞かれるが、著者は毎回ため息をついて「何が起こっても不思議はない」と答えている。あるいは機関投資家から「トランプの行っていることは『ハイ・ベータ』(ベータとは株式の変動を示す用語で分子生物学や高血圧症でも使う言い得て妙の表現だ)」との発言も耳に入ってくる。
ここまで不確実性がある中で著者は予測を断念し、変化の兆しとなる現象を直視することとした。以下は新政権の方向性を図る意味で著者が今後フォローする指標というべきものである。
国防支出: トランプ政権の提言は総額方式(基本国防予算に『海外緊急作戦(OCO)予算を加える)でオバマ政権と比較するとどうなるのか。2017年分としてオバマ政権は総額5,890億ドル(基本5,240億ドル+OCO650億ドル)を要求した。2018年は基本5,570億ドルと見られ、ここに著者は620億ドルがOCOとなると試算して総額は6,190億ドルに膨れ上がると見ている。新政権は国防支出案を公表すると前政権が残した総額1.208兆ドルの2017年度から2018年度にかけての合計予算が変わるはずでその中で新政権の国防支出の方向性が反映されるだろう。
国防体制: アフガニスタンの米軍部隊はどうなるだろうか。昨夏にオバマ大統領はアフガニスタン駐留部隊を8,400名に再設定した。これは同年で二回目のペンタゴンによるホワイトハウスへの要請でアフガニスタン撤兵のペースを落とすことになったものであり、当初官邸側は「大使館警備」程度の規模にしたいと希望していた。自由の前哨作戦はそれでも依然として米軍の海外展開で最大規模の緊急作戦である。トランプ政権がアフがニスタンにどこまで介入する意図があるかで展開部隊の規模も変わってくる。アフガニスタンでは米軍は約6千名のNATO部隊と共同作戦を展開していることもトランプのアフガニスタンでの決定に影響するだろう。
調達事業: F-35Aで機体単価が低率初期生産ロット10(2018年から90機生産)の交渉でどうなるのだろうか。トランプはツィッターでボーイングとロッキード・マーティンを非難したことが調達方針よりは国防支出を巡る戦いに影響を及ぼしそうだ。トランプは価格を真正面から取り上げ調達事業の変化の争点にした。F-35事業推進室長のクリストファー・ボグデン中将は昨年12月に「ロット10では6%ないし7%は機体価格が下がるのではないか」と発言しロット9と比較していた。つまりロット10では一機95百万ドルを下回る(あるいは上回る)ことになり、そうなれば新大統領の姿勢でペンタゴンの調達事業も本当に変わるきっかけになるかもしれない。
その他まだわからないこともある。ドナルド・トランプは政治駆け引きの才能があるが、公共政策分野は帰納法思考では対処出来ないほど広範囲に及ぶのであり、国防政策の内側にどれだけ近づけるかで生計を立てる筆者含むわれわれとしては風評と事実を区別するためにも意味のある道標がほしいところだ。
Steven Grundman is the principal of Grundman Advisory and Lund Fellow at the Atlantic Council. His views are not necessarily those of Aviation Week.

2017年1月24日火曜日

ヘッドラインニュース1月25日(水)


1月25日のヘッドラインニュース:T2


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 中国北方艦隊に新型052D型駆逐艦が配備
中国海軍が旅洋級052D型駆逐艦Xining西宁を北方艦隊に配備した。同型艦は他に4隻あり、全て南方艦隊所属だ。排水量7,500トンで垂直発射システムが二基あり、HHQ-9A対空ミサイルを運用する。対潜用には可変深度曳航ソナーも備え相当の威力を有しているようだ。


  ロシアとシリアが地中海海軍基地拡充で合意
ロシア唯一の海外基地であるシリアの海軍基地を恒久施設とし11隻を収容できるよう拡充することで両国が合意した。タルトゥース港にロシアは技術者を送り、シリア艦船の修理もあたる。ロシアは同港に補給処くぃ1970年代から確保しており、シリア作戦の拠点になっている。

新空軍長官
トランプの選んだヘザー・ウィルソン下院議員は事実を把握した上で政策を論じる能力のある女性で下院情報小委員会の委員長だった。議員になる前は国家安全保障会議のスタッフでもあった。空軍長官として宇宙関係でブラック(極秘)とホワイト(公表)の事業を仕切りながら空軍のビッグスリー課題、F-35、KC-46A、B-21開発をまとめる重責が待っている。

サウジアラビアが導入のF-15SAを一般公開
2月1日にキング・ファイサル航空士官学校の開校50周年を2月1日に向かえるのに合わせ、先月米国から到着したばかりのF-15SAが一般公開される。

英トライデント・ミサイル試射の失敗を米側が認める
昨年6月に行われたフロリダ沖からの英ミサイル試射が失敗したことを事情を知る米国某関係者が認めた。英政府は失敗の事実を認めず、実験の翌月に英議会は400億ポンドのトライデントミサイル更新案を可決していた。


1月24日(火)のヘッドラインニュース



1月24日のヘッドライン


注目記事の要約を掲載しています。時差・掲載時間の関係でその後進展した内容と食い違うことがありますのでご了承ください。

 国防産業は武器輸出制限の緩和に期待
USML(対象装備リスト)の見直しで国務省により輸出取引制限の対象を見直すことを業界は新政権に期待し、管轄を商務省に移し、手続き緩和で迅速な商談の制約を臨む。USMLは2016年から見直しが進んでいた。航空宇宙分野は貿易黒字の稼ぎ手であり、国内雇用の創出の観点から新大統領に業界は期待しているようだ。


 トランプ大統領は空軍を重視、米軍再建を誓う
ホワイトハウスは「アメリカ第一の外交方針」を発表し、「最新技術によるミサイル防衛体制」の整備で北朝鮮・イランからの国土防衛を進めるとし、現時点の空軍の人員規模が1991年時点より少ないことを問題視しており、この傾向を逆転させるとしている。米空軍は1991年は517千人体制だったが2016年末で317千名になっている。空軍は2024年までに340千名規模にしたいとし、特に無人機パイロットの拡充を狙っている。


台湾情勢を想定して中国への対処を探る演習が展開中
自衛隊は1月23日から27日にかけて台湾へ中国が侵攻した場合の図上演習を行っている。演習では日米部隊が台湾をめぐり中国と対立をする想定だ。昨年発足した新しい自衛隊の任務範囲で日本の安全が脅かされる事態ではこれまでの地理範囲とは関係なく他国の支援に当たれるようになった。米軍がオブザーバーで参加する。同様の演習は昨年11月に自衛隊が米軍と実施済みだ。



 トライデント・ミサイル試射に失敗していた
フロリダ沖から発射された英トライデント・ミサイルの試射が大きくコースを離れて着弾していたことが判明してテレサ・メイ首相が野党の攻撃に直面している。ミサイルは昨年6月にHMSヴェンジエンスから発射されていた。トライデントIID5ミサイルはアフリカ沖に着弾するはずが米本土よりに大きくコースを変えていた。ミサイルに飛翔中に不良が発生したと見られるが、失敗は極秘事項になっていた。



2017年1月22日日曜日

岩国海兵隊航空基地にF-35B第一陣到着!


岩国にF-35Bが到着し、海兵隊航空戦力に変化が生まれましたが、地元では新型機なので事故が心配、という意見があるそうです。空を飛ぶ機体に事故がまったくないとは言い切れませんが、新鋭機で細心の注意を払って運用する機体に対してその言い方はないだろうと思いませんか。また、そんな発言をしている方がいるのだとは思いますが地元の総意のように見せかけたい思惑がメディアにあるのでしょうか。トランプ時代になり既存のメディアにはつらい時代が来たようですね。

First F-35B Fighter Jets Arrive in Japan

By: Mike Yeo, January 18, 2017

MELBOURNE, Australia — 米海兵隊のロッキード・マーティンF-35BライトニングII共用打撃戦闘機が初めて日本に到着し、海外基地への展開が開始された。
  1. 海兵隊第三遠征軍(MEF)によると海兵戦闘機飛行隊(VMFA)-121「グリーンナイツ」が岩国海兵隊航空基地(MCAS)に1月18日水曜日午後5時30分ごろに到着した。
  2. 最終的に16機の同隊F-35Bが岩国に駐留するが、今月は10機が到着し、残りは今年夏までに加わる。Defense NewsはF-35BがMCASユマ(アリゾナ)を1月9日に出発したとお伝えしていた。
  3. 「F-35Bの到着は日本防衛への米国のコミットメントの現れであり、太平洋の安全保障の現れでもある」とラッセル・サンバーン少将(第一海兵航空団司令)は述べ「太平洋地区に最新技術を持ち込み各種ミッションに対応し一層幅広い支援を同盟各国に提供できる」
  4. 岩国には前方配備の海兵隊所属F/A-18Dホーネット飛行隊の他KC-130Jハーキュリーズ空中給油・輸送機飛行隊がある他、海上自衛隊も航空隊を配備している。
  5. 岩国にはさらに海兵隊ホーネット飛行隊が二個、部隊配備プログラム(UDP)によりローテーションdね臨時配備されている。Defense NewsはF-35B配備でUDPがどうなるか問合わせたが第三MEFからまだ回答はない。
  6. グリーンナイツは太平洋軍の担当地域で各種の合同演習に今年参加する。アラスカでノーザンエッジ、グアムのフォレージャー・フューリー、韓国のサンヨン、マックスサンダーなどである。
  7. 同隊はノーザンエッジ演習の機会を使ってワスプ揚陸即応グループで初の艦載運用の正式配備前訓練も2017年秋に行う。
  8. 強襲揚陸艦ワスプは第7艦隊の前方配備部隊に2017年秋に加わる予定で母港をノーフォークから佐世保に変更すると太平洋艦隊から事前に発表されていた。ワスプは佐世保に配備されており交替となる現在のボンハム・リチャードとちがいF-35B運用を前提の改修を受けている。■

2017年1月21日土曜日

ヘッドラインニュース1月21日(土)


1月21日のヘッドライン


筆者が注目する記事の要約を掲載しています。時差・掲載時間の関係でその後進展した内容と食い違うことがあります。

米印が中国潜水艦追跡データの共有で合意
ハリス太平洋軍司令官はニューデリーでCOMCASA(2国間通信相互性安全保障協約)の締結に近づいていることを発表。両国が運用するP-8を軸に中国潜水艦のデータを共有する。インドが運用するP-8Iと米海軍P-8Aの通信方式が異なっているのを補う。太平洋軍の運用範囲にはパキスタンが入っていないがインドとしては同国と中国のつながりを重視して米国に働きかけそうだ。


B-2をISIS爆撃に投入した理由はなんだったのか
1月18日にB-2がリビアのISIS訓練キャンプを二機で爆撃した。リビア空爆は2011年から始まっているがステルス爆撃機の投入は今回が初。両機はホワイトマン空軍基地(ミズーリ)から空中給油5回で連続飛行で現地に飛び精密誘導爆弾108発を投下した。飛行時間あたり128千ドルかかる同機をなぜテロリスト爆撃に投入したのかいろいろな観測が飛んでいる。飛行時間の確保以外に高性能センサーの効用が理由に挙げられそうだ。

シリアに原油を販売し戦費を確保するISIS
ISISがシリアのアサド政権にガス・石油の販売を増やし資金調達していると欧米筋が見ている。ウォールストリート・ジャーナルは原油販売がISISの最大の収入源だと報じた。最盛期にISISはシリアの油田全部を掌握し一日百万ドルの歳入を確保していたが、米主導の連合軍の空爆で相当の減収となっていた。

 ジョージ・H・W・ブッシュ空母打撃群が欧州中東へ出港
21日土曜日にノーフォークから出向する同CSGは総員6千名でミサイル巡洋艦フィリピン・シー、フエシティー、ミサイル駆逐艦ラブーン、トラクストンを含む。第八空母航空隊を搭載する。アイゼンハワーCSGが昨年12月に帰港していたがブッシュの整備に時間がかかっていた。これで中東地区での空母不在状態は解消する。



2017年1月20日金曜日

ヘッドラインニュース1月20日(金)


1月20日のヘッドライン


筆者が注目する記事の要約を掲載しています。時差・掲載時間の関係でその後進展した内容と食い違うことがあります。

インドネシアがA400Mを導入:5機で20億ドル
インドネシア政府はエアバスA400Mの導入を決めた。インドネシア空軍の近代化に大きな一歩となる。インドネシア国会の決議でうち3機はインドネシア国内で組み立てられ機材の構造、主要部品の製造方法などを吸収する機会にする狙いがある。


ロシア=トルコ共同作戦でシリア空爆を実施
計13機が両国による初の共同空爆作戦に動員されISISを攻撃した。空爆地点はアレッポ近郊の36箇所。ロシア航空宇宙軍はSu-24M、Su-25、Su-35を、トルコ空軍はF-16とF-4を参加させた。両国は昨年末に発効したシリア休戦で保証役になっている。


米空軍トップが小型攻撃機導入に前向き発言
ゴールドフェイン空軍参謀総長が軽量小型攻撃機を対テロ作戦用に導入する案を提唱している。マケイン上院議員もA-10とは別に小型攻撃機を300機程度導入すべきとの私案を発表している。空軍内部にもOA-Xとして軽量攻撃機導入の研究があり、シエラネヴァダA-29スーパートゥカーノ、ビーチクラフトAT-6ウルヴァリンが候補とされていた。ゴールドファインは既存機種の導入を検討する考えだ。
本命はテキストロンのスコーピオンでしょう。


トランプがボーイングCEOと再び会談しエアフォースワン仕様見直しへ
ミュレンバーグCEOは17日トランプ次期大統領と会談し、次期大統領選容器について要求性能を下げ、民生用部品も採用することで事業経費を引き下げることになると発表した。二回目の会談となった今回も戦闘機の話題も出たようでミュレンバーグは詳しく述べていないがF/A-18スーパーホーネットが俎上に上がったのは明らか。

2017年1月17日火曜日

★★F-22はなぜ途中で生産中止になったのか、判断は正しかったのか



F-22については今でも一種の郷愁があるようですが、今更の感もありますね。ただし、F-22を犠牲にしてF-35を重視する決定が結果として予期した効果を上げていないということではないでしょうか。かつてのような大量の機材を惜しげもなく投入する戦争はありえないのでしょう。(少なくとも有人機について)今後数十年間に渡り虎の子のF-22はかつてないほどの保守点検、性能向上を受けながら使い続けられるのでしょうね。

The National Interest

Why Did America Stop Building the Best Fighter Jet Ever?


January 8, 2017


1990年代末の米国空軍力は冷戦後で最頂状態だった。世界最大規模の作戦機材数に加え第五世代機の生産に入っていたのは米国だけだった。その機体がF-22ラプターだ。だが2009年に米政府は同機を途中で不要と言い出し、生産はわずか187機で終了した。いったいF-22に何が起こったのか。生産中止の理由は何だったのか。
  1. F-22が登場当時では世界最優秀の航空優勢戦闘機であったことは疑う余地がない。問題は開発があまりにも長引くうちに主要相手に想定したソ連空軍が崩壊したことだった。
  2. 時局も悪い材料だった。イラク、アフガニスタンの戦役で経済事情が変わり、同程度の実力を有する相手が不在となったことで一機3億ドルの同機は高すぎて維持出来ないと当時の政府は判断した。そして2008年には経済不況というより恐慌そのものがはじまり、2010年には終結したものの、これがとどめを刺したと言える。
ラプターの興亡
  1. F-22ラプターの物語は1980年台初頭に始まった。航空優勢戦闘機の主導権を維持すべく、米空軍はF-15Cイーグルの後継機を模索し始めた。1990年には飛行実証でノースロップYF-23とロッキード・マーティンYF-22が比較され、後者を空軍は選択した。その後F-22ラプターと名称がつき、米空軍の主力機として期待された。
  2. その時点では空軍は750機で262億ドル(機体単価35百万ドル)と試算していた。1990年に冷戦が実質的に終焉を迎えるとジョージ・H・W・ブッシュ政権は648機購入に変更。1997年には339機に削減され、2003年に277機になった。さらに2009年に187機に減り、生産ラインは閉鎖された。
  3. 実戦配備の道も長いものになった。高性能戦術戦闘機事業として1981年に開始され、ラプター初飛行は1990年、初期作戦能力獲得が2005年だった。比較するとF-15イーグルの場合は設計案採用から初飛行まで7年、その後4年で初期作戦能力を獲得している。
  4. F-22の開発完了にはF-15の時間が二倍かかっていることになる。その間にソ連は超大国から没落し1991年に崩壊してしまった。かつて強力だったソ連空軍は各共和国に分散し、戦闘機開発は既存機の改修にとどまり、MiG-29やSu-30となった。F-22開発を急ぐ理由がなくなってしまった。同時にF-22に対地攻撃能力を追加して機材の有益性をふやそうとした。
  5. F-22はイラク・アフガニスタン戦争の犠牲とも言える。低密度武力衝突とはいえ両戦役の経費は膨大となり、当時は存在しなかった大国との戦闘想定への備えは理由付が困難となった。F-22はイラク、アフガニスタンのどちらにも展開されないものの、予算を巡る戦いの中で当時米国が展開中の作戦に必要な装備だとされていた。F-22は即席爆発装置の脅威から地上兵員を守る特別設計車両を犠牲にして予算がついた機体と言われてきた。
  6. 開発期間が長引いたためF-22はF-35とも間接的な競合関係を迎えた。もともと違う役割を想定した別の機材とはいうもののF-35は安価ながらF-22と同じような性能があり、場合によってはF-22を上回る。このことがロバート・ゲイツ国防長官がF-22の生産取りやめを提起した根拠になったのは明らかだ。ゲイツは代わりにF-35開発の加速化を提言した。ゲイツの予見では米国は2025年までにF-35を1,700機配備するはずだったが、費用超過と開発の遅れでこの目標の達成はほぼ無理になっている。
  7. 2008年になり米国は大恐慌以来最悪の経済危機に入り、GDPが2009年には8%も減少してしまう。この年にF-22生産中止が決定された。不況は2010年まで続き、現在も回復途上だ。これにより現実の戦況への対応が一層強調され、超大国相手の装備整備は二の次とされた。今からみれば2009年の判断は見当違いだったとわかる。
アメリカはとんでもない間違いをしたのだろうか
  1. F-22中止から8年が経過した今、歴史の審判は別れている。同機取りやめで特別装甲車の製造に道が開き地上部隊隊員の生命が救われたのは疑う余地が無い。
  2. 一方で世界は再び変貌している。中国、ロシアはそれぞれ大幅な空軍力近代化に入っており、両国とも強硬な姿勢を隠そうとしていない。第五世代機も現時点で三機種増え、中国のJ-20、FC-31とロシアがインドと共同開発を進めるT-50はそれぞれ米空軍力に真っ向から挑戦する機体だ。F-22生産中止を非難する向きは国防総省の戦術判断ミスだとして超大国間の戦いに抑止効果のある装備を犠牲にて結果的に戦争の可能性が高まったと主張している。
  3. なんといっても開発が長引く間に時局変化でリスクが増えてしまったのが痛い。開発10年で57ミリ砲一門を搭載するに過ぎない沿海戦闘艦事業も同じコースに向かっていないか。F-22は夢の兵器といわれつつ意外に早く終焉を迎えたが、同じ事例は他にも出てくるだろう。■
Kyle Mizokami is a defense and national-security writer based in San Francisco who has appeared in the Diplomat, Foreign Policy, War is Boring and the Daily Beast. In 2009 he cofounded the defense and security blog Japan Security Watch. You can follow him on Twitter: @KyleMizokami.



2017年1月16日月曜日

1月16日(月)のヘッドラインニュース


1月16日のヘッドライン


筆者が注目する記事の要約を掲載しています。時差・掲載時間の関係でその後進展した内容と食い違うことがあります。


岩国駐留のF-35Bが米韓演習に参加か
3月に実施する恒例のフォールイーグル、キー・リゾルブ両演習にVMFA-121所属のF-35Bの派遣が検討されていると韓国紙が伝えている。

F-35の値下げは実現するのか
ロッキード・マーティンはトランプ次期大統領が求めたF-35の値下げの実施まであと一歩まできたと金曜日発表した。


 PLAN新司令官
Shen Jinlong旧字体沈金龍(1956年生)は現在南洋艦隊の司令官。リムパック演習を通じて米海軍にも親しい。2014年に現職に就く前に北海艦隊駆逐戦隊指揮官、補給基地司令官、大連海軍学校、海軍指揮官学校を率いた経歴を有する。沈の抜擢は現在中国海軍を率いる呉常勝の退官に伴う人事。呉は新造艦船の建造など中国海軍で最も大きな変革を取り仕切ってきた。


 ワーク国防副長官は短期間留任へ
トランプ政権誕生で去就が注目されていたワーク副長官は2014年以来現職にあり、マティス次期国防長官から政権移行期につき留任を求められたとの報道もあったが、本人から短期間に限り現職にとどまるとの発言が先週金曜日に出た。ワークは元海兵隊員で、国防長官、統合参謀本部議長と並び要職3ポストを海兵隊員が占めることになるという本人のジョークが現実になる。

2017年1月15日日曜日

1月15日(日)のヘッドラインニュース


1月15日のヘッドライン


筆者が注目する記事の要約を掲載しています。時差・掲載時間の関係でその後進展した内容と食い違うことがあります。

PAK-FAは今年中に引き渡しか
ロシア航空宇宙軍(VKS)がスホイT-50 PAK-FAを5機今年中に受領すると発表した。VKSは具体的予定を述べていないが、第一段階として空軍パイロットがスホイ社パイロットにより操縦を習得し、第二段階で空軍がテストを開始する。その後量産に入るため、VKSへの引き渡しは大きな意味を有すると見られる。

X-37は600日を超え今も軌道飛行中
米空軍の無人シャトルX-37Bの第四回目ミッションOTV-4が軌道飛行600日目に突入し、連続飛行日数の記録を更新するのは確実だ。ただしX-37がいつ地球に帰還するのか、軌道上に何をしているのかは依然として不明。前回のOTV-3ミッションは674日だった。

新型空母フォードの引き渡しは4月
ジェラルド・R・フォード(CVN-78)の海上公試を米海軍は4月に開始する。それに先立ち建造所による
公試が3月に行われることになった。艦内配電系統で抜本的な技術改良が昨年から続いていたが、解決の目処がつき、93パーセントの項目が解決したため。フォードでは電磁カタパルト(EMALS)と高性能拘束装置(AAS)が採用されている。航空機運用は今夏以降になる。

緊急飛行場の整備を進める北朝鮮
北朝鮮が2015年から緊急用の飛行場施設拡充を進めており、高速道路の滑走路転用、機材用シェルターの建設がつづいいていることが衛星画像から明らかになった。既存空軍基地に近い地点の緊急滑走路を重点的に整備している。一部空軍基地が老朽化シていることの対策でもあるが、緊急施設はジェット機の運用は不可能との評価もある。


タイ空軍のJAS-39グリペンが飛行ショーで墜落
1月14日にタイ国内ハートヤイ空港でこどもの日にちなむ航空ショー会場の展示飛行中に機体制御を失い墜落した。操縦していたパイロットは死亡。タイはグリペンを12機調達している。