2018年9月30日日曜日

大統領専用車両ビーストの新型がNYに現れた

今回は航空機ではなく自動車の話題です。今までのビーストはフロントウィンドウ周りが不自然で正直好きではなかったのですが今回はより威厳がある形になっているようですね。しかしこれでは東京の街なかでは取り回しが大変そうですね。


Brand New 'Beast' Presidential Limousine Emerges During Trump's Visit To NYC トランプのニューヨーク訪問時に新型「ビースト」大統領専用リムジンが姿を表した

The new Beast has finally arrived and its first mission is to move the President around New York for the U.N. General Assembly.  新型ビーストが大統領の国連総会訪問にあわせ使用された

BY TYLER ROGOWAYSEPTEMBER 23, 2018


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型大統領専用リムジン愛称「ビースト」がなかなか現れなかったのは強力な装甲など特殊装備のためだ。POTUS(米大統領)の現行専用車両はオバマの就任式の2009年から供用されている。その後新型車の噂が何度となく出たが、姿を表さなかった。今回ついに新型かつ大型のキャディがウォールストリートヘリポートがあるマンハッタンに初めてその姿を見せた。2018年9月23日日曜日のことだ。
ビーストは大統領移動車列の中心であるが、使用につれ消耗する点でその他車両と変わらない。だが完全に使用を終了する前にVVIP車両として国賓や副大統領用に回されるのが常でその後完全に運行を止める。
AP
バイデン副大統領が「DTS」形式の大統領車両を2013年に使っていた。現在のビーストと比べると古風な趣がある。

新型ビーストは最終テスト段階にあるといわれ、カモフラージュを施した全体像が4月に出ていた。米政府が15.8百万ドルでジェネラル・モーターズと交わした2014年の「次世代パレード用車両第二段階第三段階」契約の成果として初公開されたのだ。
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New model presidential limo noticed awaiting Pres Trump at Wall Street heliport. Photo by @stevebruskCNN
FOXニューズはテスト車両についてGMとシークレットサービスに照会し次の回答を得た。
「当社は業務を完了し車両を顧客に引き渡したところ」とキャディラック社長ジョハン・デニスチェンがFOXニューズに回答。シークレットサービス報道官からは「次世代大統領専用リムジンの製造、配備は予定通り順調に推移しており、製造元による生産、シークレットサービスによる製造後要求の双方が順調だ。一般国民には新型車両を今年晩夏にはお披露目できる」との回答があった。
関係者は目標に向けて尽力したようだ。
大統領用リモはほぼ十年間も変化がないように見えるが、随行車両には大きな変化が見られる。その一つが威容を見せる通信指揮統制トラックで護衛官に必要な命令を下す車両だ。一方で他国の指導者も専用車を更新しており、ウラジミール・プーチンも国産ビーストを手に入れ、これまでの装甲メルセデスの代わりに使っている。習近平も国産の新型専用車を使い始め、先月のアフリカ歴訪で初めて姿を表した。
AP
プーチンの新型専用車

こうした海外の専用車車両の上を行くのがビーストで世界各地の自動車愛好家の関心の的だ。あらゆる乗り物に関心を寄せる金正恩でさえ前回のシンガポール会談ではビーストに並々ならぬ視線を寄せていた。北朝鮮指導者は年代物のメルセデス・プルマン・ガード リモを使っている。
.新型大統領専用リモにはキャデラックのフラッグシップCT6セダンのデザインが使われているが似ているのはそれだけだ。 専用車の詳しい性能は極秘扱いだが一部は判明している。各種重装甲が何層にも渡り施され、直接の爆発を跳ね返し、地雷を踏んでも耐えられ、待ち伏せ攻撃に耐えられる構造のため車高が高い。
高度なまで調整されたサスペンションでこの動く要塞を確実に制御できるのでシークレットサービスの運転手は高度の回避行動も安心して行える。ただし車両と運行要員のミッションはあくまでも脅威を回避したり退避することであり、攻撃をそのまま受けることではない。
火災鎮火装備により最悪の場合でも装甲の繭の中で乗員は安全なままだ。ケブラーで強化したランフラットタイヤのおかげで直撃弾数発を受けてもそのまま走行できる。
ビーストは高度なまで強化され装甲を施されたトラックフレームの上に作られており、乗用車をベースにしていない。また大型走行ギアで大重量に耐える。客室部は外部と遮断され、軍用仕様の環境システムで核・生物・化学(NBC)対策を施す。暗視装置を使った運転が可能で通信装置は大統領移動車列の高度に保全体制の取れた無線ネットワークを利用できる。トランプの血液型と同じ血液バッグを冷蔵しており、緊急時に医療措置車が使えない場合でも対応可能だ。
ビーストの防御対策は極秘だが煙幕を貼る、路面に油を散布する、催涙ガスを発射する、電流を車体ドアハンドルに流すなどの対策があると述べられてきた。同乗するシークレットサービス護衛官が最後の防衛線で小火器を使用する。
大統領車列は道路上で最も危険を受けつつ同時に最も安全な移動手段である。だが新型ビーストはさらに複雑な事態でも大統領の生命を守る可能性を高めている。同時に大統領を守る車両多数が随行していることを忘れてはならない。
REAGAN PRESIDENTIAL LIBRARY
大統領専用リモは年を追うにつれ重装備になっていった。この写真は1984年のレーガン時代のリモだが内装は現在の専用車と大差ない。

移動に際しては細心の注意で準備が進められ、事前の念入りな検討、訓練、情報収集、現地法執行機関との協力、航空機材との調整の他、道路を確保し車列がシームレスに動けるよう統合パッケージの様相を示すことで毎回の移動が成功理に行われる。大統領がいかなる場所に移動する際も全く同じ手順が繰り広げられる。複雑で労力を要する高額なバレーを毎回公演するようなものだが何事もなければその努力が認められることはない。実際に異常事態が発生することは皆無に近く、関係者全員が献身的にそれぞれの力を振り向けるのだ。
では新型ビーストの姿はどう受け止められているのだろうか。コメントをぜひお寄せいただきたい。
UPDATE: 6:45pm PST— 
Another angle from Dan Scavino aboard Marine One.
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President Trump, as seen from Marine One, arrives in New York City for #UNGA

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記録: 米海兵隊F-35Bの初の実戦投入

U.S. F-35B Joint Strike Fighters Perform Their First-Ever Air Strike On Targets in Afghanistan 米F-35B共用打撃戦闘機が初の空爆任務をアフガニスタン標的を相手に実施

Sep 27 2018 - By Tom Demerly

U.S. Marine Corps F-35B Lightings Of VMFA-211 Hit Targets in Afghanistan From USS Essex.


軍所属のF-35共用打撃戦闘機が実戦に初投入された。2018年9月27日のことで米軍はミッションは「成功」したと伝えている。

海兵隊第211戦闘攻撃飛行隊「ウェークアイランドアヴェンジャーズ」がF-35B編隊でアフガニスタンのカンダハール地方の反乱戦力拠点を同日早朝に攻撃した。F-35B投入は「地上掃討作戦の支援」が目的だったとMilitary Timesが伝えている。

今回の歴史的な長距離空爆はワスプ級強襲揚陸艦USSエセックス(LHD-2)から発進した。同艦はアデン湾から北アラビア海を経由しペルシア湾に移動し戦闘態勢に入っていた。

ただし世界初のF-35の実戦投入は今年はじめのイスラエル空軍F-35Iアディールで詳細非公表の標的複数を少なくとも二回攻撃している。

今回の海兵隊によるF-35Bを使った空爆で同機への批判は和らぐのか、あるいはさらに激しくなるのか。少なくとも第5世代多任務STOVL型は火の洗礼を受けたが同時に疑問もうんだのも事実で、歴史上最も高価なステルス機でアフガニスタンのタリバン拠点を攻撃する必要があったのかがその筆頭だ。

米海兵隊が世界で先駆けてF-35を作戦投入可能な状態にしたのは2015年のことだった。ロッキード・マーティンのF-35三形式のうち海兵隊仕様のF-35Bが最も複雑な機構で革新的な推力偏向とリフトファンを特徴とし母艦の飛行甲板からカタパルト不要の短距離発艦をし、ホバリング状態から垂直着艦をする。本日投入されたF-35BにはGAU-22(25ミリ機銃)がポッドで付き、機内爆弾倉にも兵装を積んだ。

DoD公表の写真を見るとF-35BがGBU-32 1000ポンドのJDAM(共用直撃弾)をウェポンベイ下に搭載しているのがわかる。

U.S. 5th FLEET AREA OF OPERATIONS – U.S. 2018年9月27日、米海兵隊が第13海兵遠征部隊(MEU)隷下の第211海兵戦闘攻撃飛行隊所属F-35Bの初の戦闘出撃に備え装備搭載をワスプ級揚陸強襲艦USSエセックス(LHD-2)艦上で進めている。エセックスはエセックス揚陸即応集団の旗艦で第13MEUが乗艦し、第五艦隊任務海域に展開し中央地域の安定と安全の確保を支援する。同地域は地中海と太平洋を西インド洋経由で結ぶ戦略重要地点と位置づけられる。(U.S. Marine Corps photo by Cpl. A. J. Van Fredenberg/Released)

米海軍が導入したF-35Cは主翼が大型化し着艦装置が異なり空母運用を前提とする。空軍向けのF-35Aは陸上基地運用のため通常の離着陸をする。米空軍はF-35Aの作戦能力獲得を宣言済みだが、海軍はまだこの状態に進んでいない。

米海軍部隊中央司令部司令官スコット・ステアニー中将から報道陣に「F-35Bで揚陸作戦、航空作戦の様相が変わり、作戦柔軟度や戦術優位性が向上する」と語った。「エセックス揚陸即応集団の一部としてこの機体が公海から飛び立ち地上作戦を支援することで海洋優位性を確立し安定と安全が高まる」■

2018年9月28日金曜日

速報 米空軍T-X事業にボーイング案が採択されました

ボーイングは一度は防衛産業から撤退との観測もありましたが、ここに来てMQ-25受注に加え一気に防衛産業の大手に返り咲きましたね。T-Xは今後別の機材にも発展する可能性があり目が離せない存在になりそうです。韓国が絡んだロッキードは無念でしょう。

Boeing just won a contract worth up to $9 billion to build the Air Force's new training plane ボーイングが米空軍次期練習機調達事業で90億ドル上限の契約を獲得

 Idrees Ali and Mike Stone, Reuters


ーイング・カンパニーが米空軍向け次期練習機選定に残り、92億ドル上限の契約を勝ち取ったと空軍が9月27日発表した。
ボーイングはスウェーデンのSaab ABと新型機を共同提案し、ロッキード・マーティン案、レオナルドDRS案を破った。
米空軍は351機調達する予定。2034年にフル稼働を期待する。
今回の受注でボーイングは防衛事業での立場を大幅に強めた。
t-38A T-38 Talon flying over Edwards Air Force Base Department of DefenseA T-38 Talon takes off at at Beale Air Force Base, California, August 21, 2018. Air Force/Staff Sgt. Ramon A. Adelan

ボーイングは防衛事業で大型受注を逃してきたが、同社防衛宇宙セキュリティ部門のCEO、リアン・キャレットは2016年2月の就任後、受注成功に向け同社を導いてきた。
ボーイングに破れたロッキードはT-50練習機(韓国航空宇宙工業と共同開発)を提案し、イタリアのレオナルドDRSは既存M-346の改修型をT-100として提案していた。
米空軍は導入後50年超となり老朽化したT-38の後継機を求めていた。専門家は最終導入機数は600機と見る。
ボーイングにとって今回はKC-46給油機の納入に手間取る最中での契約獲得となった。■
(Reporting by Idrees Ali and Mike Stone in Washington; editing by Jonathan Oatis)

JSかが 英海軍とインド洋で演習を実施

Japanese carrier drills with British warship heading to contested South China Sea 日本空母が英艦船と演習の後、緊張高い南シナ海へ移動中

Tim Kelly
JS Kaga(DDH-184) right front view at Port of Osaka May 19, 2018 02
ABOARD THE KAGA, Indian Ocean (Reuters) - 日本最大の艦船ヘリコプター空母かがが英海軍HMSアーガイルに加わりインド洋で演習を9月26日開始した。英フリゲート艦は南シナ海、東シナ海に向かっている。
英国、日本に米国が加わり中国の影響力拡大阻止の必要で意見が一致している。アジアとヨーロッパその他各国を結ぶ重要なシーレーンは中国の思い通りにさせてはならないとの思いで共通している。
その中で英海軍がプレゼンスを増やしており両国の海軍演習の機会も増えるとの期待がある。
アーガイルとかが及び随行する護衛艦いなずまが波静かなインド洋で隊列を組んだのは商用航路付近でコンテナ船、タンカーの往来が忙しい海域だ。日本空母から発進したヘリコプター三機が上空から演習の様子を見守った。
アーガイルが加わる前に強襲揚陸艦アルビオンが中国が主張する領有権に挑戦している。同艦は日本からヴィエトナムへの移動中にパラセル諸島の中国軍機地付近を航行し航行の自由作戦(FONOP)を展開した。
中国は艦船一隻、ヘリコプター複数を発進箚せ英国のプレゼンスに対抗しつつロンドンにたいして今後このような対応をすれば英国がEU脱退後に必要とする中国との貿易交渉そのものができなくなるとまでロンドンを脅かしてきた。
27日には中国国防省報道官から日本の活動を中止しているとの談話が出ており、域外国が南シナ海問題に関わることに反対の姿勢が表明された。
かがの動きについて質問が出て、同上報道官は「日本外気内の平和安定でより多くの恩恵を受け、南シナ海に関し発言行動は慎重に行うよう期待する」と発言している。
中国はあくまでも平和を希求していると主張し、南シナ海の大部分を自国領海としているが、同地区を年間3兆ドル相当の貿易が行き来しており、マレーシア、ヴィエトナム、フィリピン、ブルネイもそれぞれ同海域で領有権を主張している。
日本は東シナ海で中国との領有権争いに直面しており、南シナ海ではFONOPは未実施だ。
ただし防衛省が今月、潜水艦が紛糾する輸送路で演習を行ったと異例な形で発表。同時に駆逐艦二隻とかががインド太平洋で二ヶ月に渡る演習航海をしていることを認めた。
アーガイルは南シナ海を横断し日本近海に進出する予定で、国連決議に基づく北朝鮮制裁の実施にも加わると英政府筋が述べている。
アジア海域に進出する英海軍艦艇はアーガイルで三隻目で、アルビオンのほか別のフリゲート艦が先に航行していた。
「通常は該当国と共同演習の実施前に詳細な打ち合わせを行うものだが、英国とはその必要がなく、難なく共同訓練ができる」とかが集団で作戦立案を担当する幹部が述べている。

Reporting by Tim Kelly; Additional reporting by Ben Blanchard in BEIJING; Editing by Clarence Fernandez

2018年9月27日木曜日

米軍F-35の初陣迫る

The US military is reportedly preparing to take its F-35 stealth fighters into combat for the first time 米軍がF-35を初の実戦投入に準備に入った


An F-35B Lightning II, attached to the “Avengers” of Marine Fighter Attack Squadron (VMFA) 211, launches from the flight deck of Wasp-class amphibious assault ship USS Essex (LHD 2) during a regularly scheduled deployment of the Essex Amphibious Ready Group (ARG) and 13th Marine Expeditionary Unit (MEU)
F-35BライトニングII(海兵戦闘攻撃飛行隊VMFA 211「アヴェンジャーズ」所属)がワスプ級揚陸強襲艦USSエセックス (LHD 2)から離陸。U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist Seaman Sabyn L. Marrs

  • 米軍がF-35を初の戦闘任務に投入する準備に入ったとCNNが伝えている。
  • 強襲揚陸艦USSエセックス搭載のF-35BライトニングII共用打撃戦闘機が今月始め中等地区に展開しておりアフガニスタン空爆に投入される可能性がある。
  • The first reported F-35 combat mission was conducted by Israel in May.F-35で初の実戦投入をしたのはイスラエルで今年5月のことだった。

2018年9月26日水曜日

新たな歴史の1ページ:無人機同士の空戦で撃墜に成功

我々が知らない間に新たな歴史が作られていたようです。無人機に無人機をさしむけることから、次は無人機が有人機を狩る時代が来るでしょう。現在は遠隔操縦機ですがそのうちに自律運用の完全ロボット機が出現するのでは。


Heat-Seeking Missile-Armed MQ-9 Reaper Shot Down Target Drone During Exercise MQ-9リーパーがミサイルで無人機標的の撃墜に成功

The late 2017 drill was another step toward giving the unmanned aircraft their own air-to-air capabilities. 2017年末実施の演習は無人機の空対空性能が新たな一歩を刻んだ

BY JOSEPH TREVITHICKSEPTEMBER 19, 2018
USN


空軍関係者からMQ-9リーパー無人機が空対空戦演習で初の撃墜記録を達成したと明らかにした。ほぼ一年前の出来事だ。空軍は無人機に空中の脅威に対応させる案を検討中と先に述べていた。
Military.comがジュリアン・チーター大佐(432飛行隊司令、ネヴァダ州クリーチ空軍基地駐留)への取材でこれを真っ先に伝えていた。War Zoneでもタイラー・ロゴウェイが同じ概略を2018年3月に伝えていたが、空軍ライフサイクル管理センター(オハイオ州ライト・パターソン空軍基地内)がジェネラルアトミックスにMQ-9にリーパー空対空ミサイル (RAAM) 搭載能力を付与する契約交付を発表した時点のことだった。
チーター大佐は「機密解除されたが2017年11月に空対空ミサイルを標的に発射し直撃した」とMilitary.comに語り、「MQ-9が熱追尾指揮空対空ミサイルを試験発射し、無人機に直撃した」と述べていた。
チーター大佐は演習名を明らかにしておらず標的機の機種、リーパーが発射した兵器名も不明だ。「熱追尾式空対空ミサイル」がAIM-9Xサイドワインダーだった可能性が高い。MQ-9の通常の搭載装備は精密誘導空対地ミサイルや爆弾、燃料タンクやセンサーポッドだ。
USN
AIM-9Xサイドワインダー空対空ミサイルを搭載した MQ-9

2016年11月に米海軍のジェイムズ・ストーンマン大佐(空対空ミサイル開発事業室)が公表したのが上の写真でMQ-9がAIM-9Xを搭載しているのがわかる。サイドワインダー開発は海軍が中心となっている。
報道によれば空軍は空対空装備の追加をリーパーに2003年の時点で検討していた。当時の空軍は今は退役したMQ-1プレデターに熱追尾式スティンガーミサイルを搭載しイラク軍ジェット機からの防御を狙っていた。
「戦術を作り、技術や手順を整備して機体残存を目指し、正しく整備すれば通常機材でも生き残りが可能となります」とチーターはMilitary.comに説明している。「世界各地でハイブリッド戦の様相を示しており...MQ-9リーパーが大きな役割を期待されています。そこで同機に正しい装備を与えれば残存性を十分期待できます」
USAF
米空軍MQ-9リーパーがAGM-114ヘルファイア空対地ミサイルや燃料タンクを搭載している

スティンガー搭載のプレデターとAIM-9X搭載のリーパーを比較すれば性能の違いは歴然だ。このサイドワインダーは相当の威力があり、特に最新ブロックII仕様ではデータリンクを使い発射後のロックオン機能が実現した。
リーパーが搭載するLink 16データリンクと組み合わせればサードパーティ製の標的情報を遠隔操縦にあたる地上パイロットに送り、ミサイルにも送れる。無人機クルーの状況把握能力が高まり、空対空戦では裸眼で認識できる距離を超えた範囲に対応できる装備になる。
さらにレーダー波受信警告機ほかのセンサー類で接近する脅威を探知し、感知回避技術で付近を飛行するその他機体を見つけることも可能で無人機パイロットの大きな助けとなり敵探知と交戦が円滑になる。AIM-9Xは地上や水上目標との交戦は限定されるが、低空を飛ぶ巡航ミサイルへの対応も限定付きながら実現するといわれる。そうなればMQ-9で多様な任務をこなせるようになるかもしれない。
USN
米海軍ジェイムズ・ストーンマン大佐が2016年に使ったスライドではAIM-9X搭載の各種機体で可能な交戦形態が示されていた。

もちろんこれでリーパーが高度の脅威空域で安全に運用できるようになるわけではない。だが低リスク空域なら運用可能で突然現れる脅威にも対応しながらミッションを実施できるのではないか。こうした状況をハイブリッド環境あるいは「グレイゾーン」と呼ぶ。
シリアでこの状況が生まれるのではとの見解は前からあり、現にロシア軍用機が偵察飛行中のリーパーにつきまとう事態が発生している。ロシア機が米有人機にシリア各地でいやがらせしていることもあり、このままでは誤解から危険な状況に繋がりかねない。
イランもペルシア湾上空の国際空域で米無人機の妨害を目指しており、空軍は有人機を随行させざるを得なくなっている。イランは自国無人機の運用を拡大しており空中あるいは海上の米軍を脅かしている。
リーパーにAIM-9Xを搭載すれば敵勢力への抑止効果が生まれる。攻撃側は無人機から反撃されるとなればこれまでのやり方を変更せざるを得なくなる。
リーパーがAIM-9Xを搭載すれば敵有人機や無人機で米国あるいは同盟国を遠隔地で脅かす存在を撃破できる。2017年に米空軍のF-15Eストライクイーグルが別々の機械でイラン軍無人機を撃墜したが、無人機は米軍ほかの拠点を攻撃してきた。空対空ミサイル搭載のMQ-9をこうした拠点上空に待機させ短距離防空任務につかせるのだ。
将来特にハイエンド戦でロシアや中国を想定した戦いでリーパーが作戦中に突如として脅威空域に突入する場合も発生するはずだ。空軍にはMQ-9を戦闘空域に迅速展開する構想があり各機の自衛能力の確保にも迫られれている。
「大陸をまたがって運用することも可能」とチーター大佐はMilitary.comに語っている。「最近も9機をある作戦空域から別の空域に移動させ機動性を発揮しています。柔軟でもあり、現地司令官に選択の幅が生まれます」
AIM-9Xをリーパーの武装に加えることでその柔軟性が更に広がり無人機でも十分に機動力が発揮できること、高リスク空域でも同様だと証明できるはずだ。■
Contact the author: jtrevithickpr@gmail.com

2018年9月22日土曜日

☆F-16生産はインドにも移転するロッキード・マーティンのねらいは400機超の製造販売



America's F-16 Fighter: Made in India?Well, at least some of it. F-16戦闘機はインド製になるのか。一部はそうなる。

September 18, 2018  
ランプ大統領は製造業を米国内に呼び戻したいとする。
だがそこには米国の精鋭戦闘機の一型式F-16ブロック70は含まれない。ファイティングファルコンでも最先端の性能を有する機種でインドでの製造が実現しそうだ。ロッキード・マーティンはインドのタタ・アドバンストシステムズと提携し、ハイデラバードでの製造を狙う。
技術的にはこうなっても米国内雇用に影響はない。というのはF-16主翼は現在イスラエルでイスラエル航空宇宙工業が製造しているからだ。他方で他国に委託中の製造を米国内に呼びもどしたいトランプにとってとても勝利とは言い難い。
「タタ・アドバンストシステムズ(TASL)が今後は主翼製造を受け持つ」とロッキード・マーティンは発表。「戦略的見地でのビジネス方針でありインドとの提携関係の意義を反映しながら当社がタタにどれだけ信頼しているかの現れだ」
今回の動きがインド空軍にF-16導入を迫るためとの観測に対しロッキード・マーティンは「現地でのF-16主翼部分の製造はインド政府が同国空軍用にF-16を採用することを求めることと無関係」と弁明している。
同社広報はNational Interestに「タタが製造能力を実証し正式ににロッキード認証サプライヤーとなるのにおよそ二年を要する。主翼生産はこの後始まるので2020年末から2021年早々に開始となる」と述べてくれた。
.F-16ブロック70およびエンジンをジェネレラルエレクトリックからプラット&ホイットニーに乾燥したブロック72ではほかにも変更点がある。ロッキード・マーティンは機体組み立てをテキサス州フォートワースからサウスカロライナ州グリーンヴィルへ変更の途中だ。
「ブロック70及びブロック72共に高性能エイビオニクス、APG-83アクティブ電子スキャンアレイ(AESA)方式のレーダー、コックピット周りの近代化改修、高性能兵装の運用、一体型燃料タンク、自動地上衝突回避システム、高性能エンジン、12千時間まで延長した業界随一の機体寿命が特徴だ。
F-16ブロック70は今年6月に初めてバーレーン向けが成約し、16機を11億ドルで販売する。その後スロヴァキアが14機発注し、スウェーでのSaabグリペンを打ち破った。
「当社はF-16ブロック70をブルガリア空軍向けに提案中で、さらにその他数カ国とも新造F-16やF-16V(ヴァイパー)改修を売り込み中だ」(ロッキード・マーティン広報)「F-16ではさらに400機超の生産を見込み、内インド空軍にはF-16ブロック70の採用を期待している」
ロッキード・マーティン、米国共に朗報はかつてはロシア製装備を一貫して導入してきたブルガリアやインドが米国製航空機材を採用してMiG各機の後継機種にしようとしていることであり、インド経済にも好影響を生みそうだ。
F-16以外にも外国製部品素材を採用する機体があるが、Tealグループの航空産業アナリストであるリチャード・アブラフィアはボーイングF-15でも海外製部品多数を使っており、イスラエル製ラダーや各種扉、日本や韓国製部品で組み立てた機材が各国に使われていると指摘。
米国航空機メーカーが海外販売を進めるためには自由貿易体制が必要でトランプ大統領の路線と真っ向から衝突する。「各航空宇宙産業企業各社で共通するのは市場の規模拡大とともにグローバル化の産業として生き抜くことであり、自国中心の視点しかない政権が航空宇宙字ビジネスの本質を理解していないことを明らかにしていくことだ」とアブラフィアは述べてくれた。■
Michael Peck is a contributing writer for the National Interest. He can be found on Twitter andFacebook .