This Is How the U.S. Military Wants to Shoot Down Russian or Chinese Hypersonic Missiles 米軍は中露の極超音速ミサイルをこう撃墜する
Kill a bullet with a bullet—hypersonic style. 弾丸で弾丸を撃ち落とす---しかも極超音速で
September 15, 2018
by Michael Peck
極超音速ミサイルが米国のミサイル防衛網を突破する可能性が出てきた中、米ミサイル防衛庁(MDA)が極超音速(マッハ5超)迎撃ロケットを求めるのは当然だ。
MDAは迎撃体で極超音速での高G飛翔制御を可能とする装備開発の研究提案を求めようとしている。
MDAによれば「飛翔制御は最大にしつつ運動エネルギー損失を最小限にして極超音速での飛翔を制御する」方法が必要だとする。
「提案ではマッハ5以上の速度域、高度50キロ以上を想定してもらいたい。迎撃体は1メートル未満あるいは5メートル以上の大きさを想定する」
実に明確に聞こえるが実は違う。極超音速ミサイルが大気圏にマッハ5プラスで突入する様子を想像してもらいたい。(DARPAがマッハ20の飛翔体をテストしたが焼えつきてしまったといわれる)そこにマッハ5プラスの迎撃体が接近する。両者合わせた速度は相当の難題となる。
興味深いことにMDAから「政府はこれまで各種システムに相当の支出を続けてきた」との発言が出ており、飛翔方向を制御するスラスターのことを指しているようだ。
極超音速ミサイルの出現は米国には嬉しくない事態で、現在のミサイル防衛は冷戦時代からつづくICBMや戦域規模の弾道ミサイルへの対応が中心だからだ。ICBMは上昇後は宇宙空間を巡航してから分離した弾頭がマッハ23で大気圏に再突入する。このため宇宙での迎撃が最も望ましい。だが、極超音速ミサイルは大気圏内を高速飛翔しながら回避行動をとり、一定の弾道コースを飛ばないのだ。MDAは2019年度予算で極超音速兵器対策に120.4百万ドルを要求している。
「MDAは現行の迎撃手段では制御可能な極超音速ミサイルへ対応できないと公に認めている。今後は極超音速ミサイルに最適化した手段の開発が必要と認めている」とジェイムズ・アクトン(カーネギー平和財団核政策研究部門)が本誌に語ってくれた。「今回の要望を見ると明らかにその方向に向かっているようだ」「現行の迎撃手段の一部も極超音速飛翔できるだろうが今以上の飛翔制御能力がないと標的を直撃できないのだろう」
ここから生まれる嫌な問題は極超音速迎撃が実現すれば国際軍備管理が不安定となり軍拡競争が生まれるのではないかという点だ。アクトンは迎撃体が非戦略ミサイルを相手にするなら受け入れ可能と見る。「米THAAD(終末高高度広域防衛)は短距離、中距離の弾道ミサイルへ十分効果がある手段であり、こうした弾道ミサイルは同じ距離なら極超音速兵器より高速飛翔する。そうなると極超音速ミサイル相手の局所防衛は十分可能と思うし、それが実現したからと言って不安定化を招くことはないだろう」
ただしICBM相手に極超音速迎撃体を使うと事態は変わる。「広域防衛に極超音速手段を使えば不安定化を招く。ロシアや中国の第二次攻撃能力を危うくするからだ。それでも実施可能だと思う」(アクトン)
一方でDARPAがグ極超音速兵器に対応するライドブレイカーGlide Breaker防衛構想を募集中だ。「グライドブレイカーの目的は超音速、極超音速の脅威全体に有効な米防衛体制を高めることにある」とDARPAが説明している。■
Michael Peck is a contributing writer for the National Interest. He can be found on Twitter andFacebook .
コメント
コメントを投稿
コメントをどうぞ。