中国が米国主導の国際秩序に公然と挑戦する姿勢を隠そうともしないため、各国の包囲網さらに米国による貿易戦争を招いています。中国経済が弱点を露呈するのは時間の問題とはいえ、錬金術のような予算拡大で建造した潜水艦部隊が忽然と消えるわけではなく、潜水艦部隊は悪夢になります。ではどうしたらよいでしょう。対潜能力は日本の能力が卓越しているため、中国は日本の対潜アセットの排除に必死になるはずですね。P-1やP-3Cを守るのが航空自衛隊の役目、島しょ部の艦船通過を阻むのが陸上自衛隊の任務で、海自潜水艦は阻止任務、水上艦はASWに専念できるようにすべきでは。
US submarines are better than China's 'by far,' but in a war that may not matter 米潜水艦は中国艦より「相当」優位だが有事には解決にならない
Sep. 11, 2018, 5:56 PM
- 中国が20年にわたり潜水艦開発に多大な予算を投じてきたが米潜水艦の優越性は変わらない
- だが中国が数の面や場所、場面で米国の優越性を脅かす可能性はある
- 中国は「グレイゾーン状況」で優位で開戦一歩手前まで緊張を高めるだろう
米国ほか太平洋周辺国が危惧しつつ見守るのは中国の潜水艦部隊の増強でこの二十年間にわたり新型かつ柔軟運用可能な潜水艦の全隻数は米国を上回るまでになった。
米潜水艦は中国艦より高性能とはいえ、有事の際は隻数と地理条件で中国に有利で米国や同盟国の優位性を脅かす可能性がある。
海軍近代化は中国がめざす「海洋権益重視」のあらわれと国防総省は年次報告「中国の軍事力」で開設している。
人民解放軍海軍への作戦要求は高まっており、潜水艦に高優先順位がつき、米海軍の海洋支配への対抗が期待されている。
現在の勢力は56隻でうちミサイル原潜4隻、攻撃型原潜5隻、ディーゼル動力攻撃型潜水艦47隻だが2020年には69隻から78隻になるとペンタゴンは見ている。
中国はこの15年間で原子力潜水艦10隻を建造し、うち普級ミサイル潜水艦は「中国初の信頼性を備えた海洋配備核抑止力」とペンタゴン報告書は述べている。
だが原潜は可能性が一番高い有事シナリオでは使い勝手が悪いと指摘するのがブライアン・クラーク(予算戦略評価センター主任研究員)だ。
「騒音が比較的高く、追尾は容易で、対地巡航ミサイルを除けば大した戦力でなく隻数も多くありません。もっと遠隔地の標的のグアムやハワイの攻撃手段でしょう」(クラーク)
クラークは通常型潜水艦のほうが「重要な潜水艦戦力」とし、とくに対艦ミサイル発射可能な艦や大気非依存型推進方式(AIP)搭載艦に注意を促している。後者はディーゼル電気推進方式の欠点を克服している。
1990年代中頃以降の中国は宋級ディーゼル電気推進攻撃型潜水艦13隻を建造し、さらにロシア製キロ級12隻を調達し、うち8隻が対艦巡航ミサイル発射可能だ。
キロ級は通常型ディーゼル潜水艦で定期的に浮上する必要がある。
「それでも優秀かつ頑丈で信頼性高い潜水艦で長距離対艦ミサイルを搭載しています」とクラークは評する。短距離運用でキロ級は「スノーケルを使わず接近し長距離戦を行うとの懸念が米側にあります」
さらに元級ディーゼル電気方式大気非依存型攻撃潜水艦を17隻建造し、2020年までに20隻になるとペンタゴンは見ている。
「元級AIP潜水艦はとても優秀」とクラーク(元米海軍潜水艦士官)は述べる。「通常任務は二三週間でAIPを使えばスノーケル浮上は不要です。日米両国の心配のたねとなるでしょう」
元級各艦は魚雷と対艦ミサイルで水上艦部隊に脅威となる。
クラークは「元級が一番の懸念になるのは米艦船の攻撃能力がありながら追尾探知が難しく攻撃機会は皆無に近いからです」
だが中国のディーゼル電気推進潜水艦に不利な点もある。
静かとはいえ米原子力潜水艦が最大限に静粛運行した際の静粛度に及ばない。また米潜水艦並の航海日数はなく、定期浮上の必要もある。中国の潜水艦乗員に米海軍乗員が有する経験の深さはない。
「そうなると中国潜水艦は米国水準に達していないことになります」(クラーク)
中国潜水艦はインド洋まで遠征し対海賊運用を東アフリカでおこなったが第一列島線周辺での運用が大半である。フィリピン海に展開すれば米艦船攻撃も可能とクラークは見る。
第一列島線の大部分は中国の陸上運用機材・ミサイルの行動半径内で中国の目指す接近阻止領域拒否戦略の一環となる。その同じ地域で米国および同盟国の優位性が脅かされている。
「中国は数の上で優位で、作戦投入可能な潜水艦を多数保有していますが、同時に作戦海域も狭くてすむので有利なのです」(クラーク
対潜能力で米国や関係国に制約がある。
米潜水艦には対地攻撃や監視偵察など各種任務があり、対中国潜水艦攻撃に特化できず対潜作戦は水上、航空部隊に任されるが中国空軍機やミサイルの標的になる。
「ASW装備は中国の接近阻止戦術の前に脆弱度が最高に大きく、中国沿岸に近い海域で展開になるためこれは当然でしょう。そうなると動きが取れず進出前の中国潜水艦との交戦もままなりません」(クラーク)
数とともに地理条件で中国は「グレイゾーン」対決で有利となる。これは開戦一歩手前の状況で米海軍もこの状況に備える必要を認めている。
「中国とのグレイゾーン対決ならどうなるか。中国は第一列島線を通過して潜水艦多数を出動させ大洋に展開しようとすれば封じ込めは失敗」となり米側には大きな課題だとクラークは指摘。
「グレイゾーン事態でも武器は発射できず、かといって全隻の追尾は不可能なので所在不明の元級がフィリピン海に遊弋していれば事態がエスカレートしかねません。元級から巡航ミサイルが発射される心配につきまとわれるでしょう」「中国はホームチームでテンポと進展を自分でコントロールできるというわけです」(クラーク)
だが米国および関係国はこの状況にすでに直面している。
中国は沿岸警備隊を展開し南シナ海での海洋権益を執行して(国際法廷でこの主張は却下されているが)、人工島を構築し軍事拠点として固持する構えを示している。
こうした沿岸警備艦船が米海軍艦船と遭遇すると中国は米国を侵略者と非難している。
中国沿岸沖合や人工島周辺の海域では「自国領海であり人口島のミサイルやレーダーで守られる安心感からやりたい放題だ」とクラークは指摘。「中国側は緊張を自由自在に高めたり下げられる」
武力衝突の可能性が高まる状況で中国潜水艦が優位となるが戦闘が長引けば欠点があらわになる。
「AIPでも連続使用時間は限られる酸素や推進力を失う、スノーケル浮上する必要が出てくる。
「そこで時間要素が関係する。もし米国と日本が中国潜水艦をしのげば元級はそのうちスノーケル浮上あるいは帰港を迫られる事態になり、それだけ脆弱になるのです」(クラーク)■
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