ジブチでの運用をチェックするために派遣したP-1編隊はその前に米国経由で英国入りし、その後でジブチへ移動し、地球を一周して日本へ帰ってくることになりました。航空ショーでは知名度が低いこともあり、余計に関心を高めたようですが、航空ファン、業界人が多い原記事の読者には日本製の機体としてとくにエンジンに不安を覚える向きが多いようで今回わざと読者の投稿もご紹介することにしました。彼の地のファンの視点がわかりますね。
Kawasaki P-1 Flies At Air Tattoo
Jul 15, 2015 by Tony Osborne in Ares
RAFフェアフォード基地で日本から飛来した川崎重工業P-1を集まった航空ファンが見ている。
海上自衛隊(JMSDF)がロイヤル・インターナショナル・エアタトゥーへ派遣したもので、開催に先駆け展示飛行のリハーサルを行った。
All photos: Tony Osborne/Aviation Week
7月14日に飛来した二機は.厚木基地を7月10日に出発し、米国経由で、オセアナ海軍航空基地(ヴァージニア州)から大西洋をノンストップで横断し英国に到着した。
川崎重工による展示は簡素ながら十分に効果のあるもので、ローパスを数回したが、一回は兵倉庫扉を開放していた。機体はダグラスDC-8に似ており同機をすっきりさせたようで、魅力的な性能で滑走路長4-5,000フィートで離陸急上昇していた。飛行機動性が十分にあることが伺われた。
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川崎P-1は同航空ショー15年の歴史上で一番興味をそそられる機体になった。世界が相互に依存度を高めている現代とはいえ、同機の開発状況はほとんど報道されておらずボーイングのP-8ポセイドンやBAeニムロッドとは対照的だ。ショーではP-1はP-8の横に駐機し、来場者が自由に両機を比較できる。
日本はP-1の輸出へ期待しており、英国では今年後半に海上パトロール機の要求性能が英戦略国防安全保障検討の一部として示される。今後、同機のもっと多くを紹介できるだろう。Aviation Week の記事を待たれたい。エアタトゥーは7月17日から19日に開催される。
この記事への読者の反応(ハンドルネーム等は削除しています)
- P-1とP-8 の燃料満載での飛行時間比較を知りたい。4発機なのか。防御システムはどうなっているのか。同じミッションで飛行時間がどれだけ違うのかが関心。厚木基地には1973年勤務していた。
- .P-1自体が商品競争力がないとしても武器輸出の経験を積むのは日本のためになる。
- 興味深い機体だ。自分なら IHI P7-10エンジンをPW1215Gに換装し、MRJ70/90と共通化するところだ。設計が新しく、同じ機体サイズで燃料消費率が優れていれば飛行距離が伸びるが、各機の歴史を見ると機体重量は供用開始後に増える傾向がある。エンジンが「ユニーク」でなくなればもっと販売の可能性が出てくるだろう。また商用エンジンの基盤も利用可能となる。ハードポイントを使い、自衛手段を講じるべきだろう。そのため第一、第四エンジンの外側にも装着場所を追加したらよい。(編集者:その可能性はないようだ)
- なぜ四発なのか
- 冗長性をもたせているからでは。エンジン一基を失ってもミッションは継続できるだろうが、P-8では直ちに基地に戻る必要があるね。
- 単に日本製エンジンが非力なためではないか
- 日本ではまだ強力なエンジンは作れない。エンジンが二基増える利点は逆に燃料消費の増加で打ち消される。西側の新鋭ターボファンエンジンでは故障発生は驚くほど低くなっている。
- 双発機には単発でも離陸できるよう出力には十分な余裕があるが、四発機だと一基作動しなくても3発で離陸できるようになっている。
- 軍用仕様では年間利用が500時間未満ということもあり燃料消費率の重要性は低い。小型機で大口径のターボファンを主翼下に装着するとファンの直径の大きさが制約される。
- 日本はロールスロイス、GEやPW製エンジン技術より30年遅れているので、日本製エンジン二発では十分な推力が確保できないのだ。
- 日本の航空宇宙産業政策の上ではP-1は日本製エンジンを採用し、国内エンジンの開発促進が求められたので、三菱が4発を提供したのだ。
- そうだろうか。C-2と主翼やシステムを共有しており、C-2ではGEエンジン双発になっているぞ。
- P-1は川崎が同時に開発する二機種のうちエンジン性能については要求水準がひくいので、非力かつ未実証の日本製エンジン搭載となり、C-2には安全かつ実証済みGEエンジンを搭載したのだ。
- このこともあり、P-1の運航費用はP-8より相当高くなっており、燃料消費率が高いこととパーツ類の単価が生産量の少ないことが理由だ。P-8はエンジン含む多くの部品を737から流用しているが、P-1はカスタムマシーンだといえる。
- それは正しいのだが、本当の理由はTRDI/IHIが相当の年数と予算を投入してP7-10 エンジンを開発したことにある。P-1は純国産機との触れ込みで国産エンジンを採用した。ミッション実施には四発が必要なのだ。
- 海上自衛隊がP-3と同様に外側エンジン二基を停止し、燃料消費を節約するミッションプロファイルを持っているのか。P-3でこの策を実施していたものだ。
- それだと停止した二基のエンジンが抗力となる
- RAFのニムロッドはこれを実施していた。また航続距離が伸びるし、いざというときは加速性能を確保できる。
- 主翼下に大口径ターボファンを装着し、双発にするのは滑走路を削る効果に終わる。
- そうだろうか。ボーイングやエアバスの設計を見てほしい。現在の主役は双発機で、かつ各機の主翼は低い配置になっているが、ターボファンエンジンが主翼下についているぞ。
- 海上哨戒機が高度3万フィートを巡航することはない。はるか下を飛行し、エンジン出力を失えばただちに緊急事態になる。ミッションの実施上4発あるほうがすぐれている。それだけシステムが複雑化するだろうが、P-1は最初から哨戒機として作られているのだ。
- P-8なら単発で十分飛行できる。
- 哨戒機はずっと前からあるが、専用機はあっただろうか。ニムロッドはちがう。オライオンもちがう。両機とも旅客機が原型だ。P-8も同様である。
- P-8Aはこれまでの海上哨戒機より高い高度で運用する想定で、目標を探知し、武器を発射できる。
- そもそもエンジン出力は上昇性能の要求から決まるものだ。767やA300 で単発で離陸するのを見たことがあるぞ。
- 上の書き込みは事実と反対だ。双発機で高度2万フィート未満はエンジン一基でも最高性能が引き出せる。高度が低いほど性能は高い。燃料消費の問題ではない。
- なかなかきれいな機体だ。ほしくなる。
- 2013年5月13日のP-1第5号機のテストフライトでIHI F7-1- 10エンジン4基がすべて停止している。ソフトウェアに欠陥があった。乗員は再始動に成功し、無事着陸させている。
- 海上自衛隊はニムロッドやP-8Aの採用は見送ったが、両機とも短距離陸性能がないためと説明していた。
- いいや、P-1開発開始はP-8を米国が開始する以前のことで、海自はP-7採用を認めなかったのだ。P-3のアップグレード版だったためで、自前の機体を求めたのだ。
- 日本はP-1で楽しい時間をすごしているようだが、ボーイングP-8ポセイドンの採用を真剣に考えるべきときがきた。
- ポセイドンは非常に高価な期待だ。日本は国産ASW技術が豊富にあり、機体アレイレーダーまで国産化している。
- いい機体だ。西側競合メーカーをくぎ付けにするはずだ。
- P-8との比較で興味深い機体だ。二機が並んで展示されるのは偶然ではない。英国がニムロッド後継機種を求める中でP-8とP-1が最右翼候補だからだ。
- RAFがP-8を真剣に希望しているのは相互作戦運用が理由だ。英政府がP-1を採用するとしたら国内雇用が理由だろう。英国の国防装備調達ではおなじみの理由だ。
- 英国防省の希望はP-8で、変更になったとの兆候はない。ボーイングの成約は確実だ。
- 川崎と自衛隊はP-1のエンジンをもっと新型に換装しないと輸出できないのではないか。
- 各自愛国心からの技術的な議論はやめよう。「アメリカ製はいつも優秀」というが、航空機大好きな人なら見栄えのいい機体だと認めるはずで、DC-8をすっきりさせた、というのはうまい表現だと思う。
- 海上哨戒機が救難捜索機にも転用される事実をだれも指摘していない。高度3万フィートから船舶を探し出したり、救難ボードを投下することはできない。まして夜間や悪天候ならなおさらだ。両機とも潜望鏡を探知する能力があると見ている。船員の救助は低い高度で低速で行うべきで、失速速度と主翼荷重が大きな要素となる。北大西洋の荒天で高度300フィートで任務を両機がこなせるのだろうか。
- そうだね。ターボプロップが低高度やロイタリングに向いている。C-130だと大きすぎる。P-1,P-3,P-8の各機はちょうどいい大きさだ。双発ターボプロップが理想的なのは海上長距離飛行での信頼性が理由だ。できれば三発ターボプロップがよい。中央線上に配置したエンジンは一定の高度に達すればフェザリングさせればよい。
- P-1がフライバイライト技術を導入した初の量産機なのだろうか。
低空哨戒に4発が必要要件だった。P8は低空哨戒を捨てた(あるいは極短時間に限った運用)
返信削除と言う話はやっぱり説明しないと民生高出力の2発にするべきって意見に押されちゃうようだね
いつにも増して誤字が多すぎるように思う
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