米陸軍のペイトリオットPAC-3。クレジット:米陸軍
ロッキード、ボーイング両社がペイトリオットを増産中(Aviation Week)
需要が根強いペイトリオットPAC-3ミサイルセグメント強化型迎撃ミサイルでは、生産能力を継続的に高めている。ただし、現在進行中の政府機関閉鎖が影響を及ぼす可能性がある。
ボーイングは10月14日、2030年まで年間最大750基のペースで3,000基以上のPAC-3 MSEシーカーを供給する27億ドル契約を受注したと発表した。同社は6,000基目のシーカーを最近納入し、年末までに最大700基の納入を目標としている。
ボーイング統合防空ミサイル防衛部門のジム・ブライアン執行役員は、アラバマ州ハンツビルに新設した生産施設をはじめ同社が生産能力を拡大中だと述べた。同施設は今後数ヶ月以内に稼働開始予定だ。ペイトリオットは近年、特にウクライナや中東でその能力を発揮し、需要の継続的な増加を牽引している。
「陸軍の統合防空・ミサイル防衛能力において、これと同等の能力と成功を収めている兵器システムは他にない」と、ブライアンは米国陸軍協会会議の席上で述べた。
ペイトリオットの主要契約業者であるロッキード・マーティンは、生産台数を 650 台に増強しており、さらに大幅に上回る計画だと、同社副社長兼統合防空・ミサイル防衛部門長のジェイソン・レイノルズは述べている。
しかし、進行中の政府機関閉鎖が影響を与える可能性があると彼は言う。陸軍契約司令部は、PAC-3 プログラムに携わる従業員のほとんどを一時帰休させ、生産増に対応する未確定契約措置(UCA)に基づく一部の作業を中断させている。陸軍は「これまで」は迅速に対応してきたが、政府職員の不足でその取り組みは遅れている。
「UCA契約で資金枠組みは整っており、資材調達を進められる。ただ価格と契約条件が確定していないだけだ」と彼は説明する。「近い将来に決着する見込みだったが、少し時間がかかるだろう」。
現時点で資材の在庫は十分にある。しかし、政府機関の閉鎖が「長期間に及ぶ場合、悪影響が出る可能性がある」とレイノルズは述べた。
各社は、生産増に対応するため、PAC-3 MSE のほとんどの部品について、二次調達先を確保している。ロッキード・マーティンとミサイル防衛庁は現在、二次調達先を考慮して設計されていなかった高高度防衛ミサイル(THAAD)システムの二次調達先を探している。レイノルズによれば、ロッキード・マーティンは、不良率が高い部品や品質問題が発生している部品を優先的に調達しているが、具体的な部品名は明らかにしていない。■
Lockheed, Boeing Continue Patriot Production Increase
Brian Everstine October 14, 2025
ブライアン・エバースタインは、ワシントン D.C. を拠点とする「Aviation Week」誌の国防総省担当編集者である。
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