2017年2月6日月曜日

★中国最大の悪夢は日本の核武装、では可能性のある配備案は?



The National Interest


China and North Korea's Greatest Fear: Japan Armed with Lots of Nuclear Weapons


February 3, 2017

日本が陸上配備ミサイル少数に核弾頭を装着させるのは不可能ではない。日本のICBMは北米大陸に到達可能な大型にする必要はなく、中国やロシア、中東まで届けば十分だ。
  1. 中国最大の悪夢は日本の核武装だ。中国の安全保障環境は複雑になるため核兵器運用原則は変更を迫られ、核軍備の拡大につながるだろう。
  2. まずはっきりさせたいが日本に核兵器製造の意思はまったくない。核兵器による都市攻撃を体験した唯一の国日本は核を忌避し、核武装は急激すぎる方針転換で、高価な選択となる。
  3. また日本を核武装に追い込む挑発をしても中国に利益はない。中国の核兵器「先制不使用」方針はある面で日本向けで、中国は核攻撃を受けない限り、核兵器を使用しないとする言葉通りなら日本は核兵器を持っていないので核攻撃を受ける心配はない。ただし「もし」や仮定が重要な意味を有する。
  4. それでも興味深い命題ではある。核恐怖症や差し迫った必要が無いことを無視すれば、世界第三位の経済規模の日本が核兵器開発できない理由はない。
  5. では核抑止力が日本に生まれればどんな形になるだろうか。核抑止力の三本柱である陸上配備弾道ミサイル、戦略爆撃機、弾道ミサイル潜水艦が日本の事情に会うのか検討してみよう。議論のため日本が一本に投資を集中すると仮定する。
  6. 核弾頭は300発程度と仮定する。日本の人口密度が稠密であることを考えると大都市数カ所が破壊されれば人口の多数が消滅あるいは損傷を受ける。中国やロシアへ同程度の損傷を日本が与えるとの想定だ。
陸上配備ミサイルを選択した場合
  1. 日本は陸上配備ミサイルを少数集中整備できるだろう。ミサイルに弾頭複数を装着する。ミサイルは硬化サイロにおさめる米ミニットマンIII方式あるいは移動方式のロシアRS-24ヤルスと同様になる。日本のICBMは小型で十分で北米大陸まで到達する必要はなく、中国やロシア、さらに中東を射程に納めれば十分だ。
  2. 最終的に日本は中距離弾道ミサイル100基程度の整備に乗り出すかもしれない。各ミサイルに100キロトン弾頭3つを搭載する。北海道東部に硬化サイロを配置するまたは移動式発射機を使う。
  3. ただこの案は3案で生存が一番困難だ。日本は中国に近い位置にあり、中国の核攻撃に対し日本は自国核ミサイルの残存のため「警告発射」方式が必要となり、それだけ偶発核戦争の危険性が増える。また早期警戒システムのハード、ソフトいずれかの故障で攻撃を受けていると誤判断する可能性もある。
  4. 地理条件でもこの案は魅力が薄い。人口密度が高い日本でミサイルサイロ100箇所を配置すれば攻撃を受けた際の付随被害も相当な規模になる。移動式発射台は大きすぎ国内の道路網を移動できない。専用道路を作れば話は別だが、位置が知られてしまう。鉄道網利用は別の選択肢となる。
戦略爆撃機
  1. 日本がステルス爆撃機を製造し巡航ミサイルや重力落下式核爆弾を搭載する案が可能だ。爆撃機の任務は敵防空網を突破し、敵の核兵器を破壊し、指揮命令施設他の標的を粉砕することだ。核爆撃機があれば日本の戦略作戦立案に選択肢が増え、飛行途中でも標的を変更したり、複数標的を狙うことも可能になる。
  2. 爆撃機は飛行隊三個体制で各24機合計72機とする。各機はFB-111爆撃機と同じサイズだ。短距離攻撃ミサイル四発に100キロトン弾頭を装着すれば合計288基の核装備となる。
  3. ただしここでも地理的条件のため現実性が低い。爆撃機の基地が電撃攻撃されれば地上で攻撃部隊が全滅する。各機に給油機が必要となれば、給油機を攻撃すれば爆撃機の威力は減る。さらに防空技術の進歩で爆撃機は危険なほど弱体化していくだろう。
  4. 旧米戦略空軍のように爆撃機を常時空中待機させる選択肢もあるが、きわめて多額の予算が必要であり、滞空機数(給油機含む)は相当の数になり、実施は不可能に近い。
弾道ミサイル潜水艦の整備
  1. これが最良の案になる。弾道ミサイル潜水艦は残存性が一番高く、常時一隻を海中に待機させる。日本版「ブーマー」は太平洋中部を遊弋し安全をはかる。中国やロシアが対潜機や艦船を送れば日本の通過が避けられない。
  2. 日本は米国と交渉し潜水艦技術、ミサイル技術の供与を受けるかもしれない。英国の先例がある。核兵器配備の三案のうち、海中配備抑止力なら米国は日本へ協力する可能性が高い。日本がオハイオ級後継艦建造で資金を負担する可能性が特にミサイル部分で出てくるのではないか
  3. 海中配備抑止力の整備では日本は中国、フランス、英国を真似る可能性がある。弾道ミサイル潜水艦5隻を整備し、各艦に16発の核ミサイルを搭載する。ミサイルに100キロトン弾頭4個をつける。潜水艦一隻が常時64発の弾頭を搭載し遊弋する。
  4. ただし欠点もある。弾道ミサイル潜水艦とは有事の際に交信が困難だ。また哨戒中の潜水艦を二隻にしても使える弾頭は128発しかない。
  5. 現状では日本の核武装化が問題外なのは明らかだ。だが仮に構想が検討されれば実現の可能性は十分ある。日本が中国、ロシアともっと関係悪化になれば、もっと悪い状況が生まれる事態を各方面が覚悟しなければならないだろう。
Kyle Mizokami is a defense and national security writer based in San Francisco who has appeared in The Diplomat, Foreign Policy, War is Boring and The Daily Beast. In 2009 he cofounded the defense and security blog Japan Security Watch. You can follow him on Twitter: @KyleMizokami.
This first appeared in October 2015 and is being reposted due to reader interest.

コメント: 議論にはタブーはあってはならないと思います。日本独自の核兵器装備が果たして現実的なのかやや疑問です。その点で、オハイオ級後継艦となるコロンビア級の搭載するトライデント・ミサイルを日本が「部分所有」できれば費用対効果は最大でしょう。ただし国家としての意思が通用するのかは別の問題です。同様に将来の米海軍の空母打撃群の一部を日本が負担、利用する案は考えられないでしょうか。流石に一個まるまる日本だけで整備するのは無理があるので。



2017年2月5日日曜日

レッドフラッグにF-35Aデビュー


レッドフラッグ17-1はすでに始まっており、早速F-35A一機が「撃墜」されています。

Red Flag gives F-35A its toughest test yet


NELLIS AIR FORCE BASE, Nev. — F-35Aが米空軍最大の空対空戦演習のレッドフラッグに投入されたらどうなるだろうか。
  1. 米軍並びに各国関係者は以前より一層難易度が高くなるだろうとし、F-35Aにアグレッサー役を期待する。
  2. レッドフラッグ17-1で空軍のF-35Aが初登場する。ヒル空軍基地(ユタ)から13機が二週間近くに渡り110ソーティーに投入されると第34戦闘機飛行隊司令のジョージ・ワトキンス中佐は説明。
  3. 「従来の敵役より難易度が高まります」とワトキンス中佐は以前のレッドフラッグと比較して述べている。中佐はF-16パイロットとして参加してきた。
  4. 「赤軍飛行隊の機数は増加傾向にあります。アグレッサーですね。また敵役のジャミングも強力になってきており、実際の敵部隊を真似た技能水準も地対空ミサイル脅威もともに高くなってきました」
  5. 今回のレッドフラッグではF-35はアグレッサー部隊に投入されないようだが、第四世代機が演じるアグレッサーの機数が大きな脅威だ。一度に24機ものアグレッサーが飛び、撃墜判定されてもその後三回四回と復活するとワトキンス中佐は説明。
  6. F-35Aのキルレシオは15対1でアグレッサーに勝るが、レッドフラッグはあくまでも演習なのでそこまで全力を挙げる必要はないと中佐は見る。
  7. 「損失が少数にとどまれば難易度は高くなかったことになり、もう一度練習できます。ただ敵の数が多いことと高度な脅威内容を投入してくるのが問題です。したがって演習中に一機か二機の損失は覚悟しなければならないでしょう」
  8. F-35が完全な戦闘能力を獲得すればさらに威力が増すとワトキンス中佐は指摘する。現時点でのミサイル運用な機体内部からの発射しか出来ないが早ければ2018年のブロック3F搭載で外部搭載含む完全武装運用が可能となる。
  9. 他機種パイロットにとって同演習はF-35と一緒に飛ぶ初の体験となる。チャールズ・シュック中佐はF-22パイロットで第27戦闘飛行隊の隊長だが、今年のレッドフラッグがこれまでよりも高性能の敵役を投入していたと振り返る。昨年の演習では海兵隊F-35Bが投入されており、F-22とF-35の補完関係が体感できたと言う。
  10. 「一緒に飛んで空軍のF-35が投入されたらどうなるかがある程度先に理解できるようになった」と中佐は言う。「レッドフラッグ前に有利な立場になりましたね。初日から戸惑うことがないので」
  11. デイヴ・アンジェラス中佐はF-35Aパイロットでヒル空軍基地の予備分遣隊を率いる。各機の特徴を活かして敵を破るためにはミッション準備での検討が重要だと指摘する。
  12. 「(E/A-18グラウラー)の友軍と一緒の場で『敵脅威にどう対抗してどうジャムするのか』と尋ねたとしましょう。『F-35とこうやって一緒に戦う』と説明してくれるでしょう」
  13. 「それでリンク16ネットワークを使ってそれぞれの捕捉した目標を共有して高度脅威(地対空ミサイル)の排除が必要なシナリオではグラウラーと一緒に飛ぶことになります」と中佐は述べる。E/A-18がジャミングや電子攻撃で敵制圧する中で「こちらは前進して除去していく」のだという。
  14. F-35の真価が輝くのは敵が高性能地対空ミサイルを発射した場面だ。コレまでのシナリオではミサイル発射を想定して青軍(友軍)はトマホーク巡航ミサイルなどスタンドオフ兵器を投入して脅威を排除する想定だった。
  15. 今年のレッドフラッグのあるシナリオでは高性能地対空ミサイルが三種類ほど登場している。その場合、サイバー・宇宙・通信各分野の情報収集手段がF-35と連携して目標情報を融合した。その後、F-22が搭載するスタンドオフ兵器で敵を制圧しつつ、F-35がステルス性能を活かして探知されることなく敵ミサイルの射程範囲に侵入し自機の兵装を投下する。
  16. 同じ事をF-16で行い接近すれば危険すぎるとワトキンス中佐は述べる。■

ヘッドラインニュース2月5日(日)


2月5日のヘッドラインニュース:T2

注目記事の要約を掲載しています。時差・掲載時間の関係でその後進展した内容と食い違うことがありますのでご了承ください

米空軍F-15で飛行時間1万時間突破の機体が出現
F-15C(83-3014)が1月25日に飛行時間が1万を超え、数少ない10,000飛行時間クラブの一員となった。該当機はネリス空軍基地でアグレッサー役についている。


U-2では3万飛行時間の機体出現
米中央軍の下でISIS監視活動中のU-2が3万時間を突破した。「ライアン少佐」操縦の同機は南西アジアの某基地を離陸し、ISIS監視でリアルタイムを現地司令部に提供したと第380航空分遣隊が発表。韓国ウサン基地で運用中の別のU-2でも先に3万時間に達した機体がある。機体は製造後48年画経過している。

ミャンマーがJF-17現地生産か
ミャンマーは第三世代戦闘機JF-17をパキスタンから2015年に導入しているが、さらに同機の国内ライセンス生産でパキスタンと交渉中であることが判明した。これとは別にミャンマーはこれもパキスタンからJF-16戦闘機を今年中に16機受領する予定がある。

イランへの反発強まる
米下院軍事委員会でトランプ政権に中東にミサイル防衛網を構築しイランのミサイル脅威に対抗するべきとの意見が高まっている。イランは先週に弾道ミサイル実験を強行し、米政権は新たな制裁策を発表したばかりだでミサイル用部品の調達にあたる法人個人も対象になっている。ホワイトハウス筋によれば制裁は第二弾等と控える。イランはヒズボラの支援など中東の撹乱勢力とみなされている。

CVN-80エンタープライズの事前建造作業はじまる
米海軍は25百万ドルでニューポート・ニューズ造船に新空母エンタープライズの建造作業前段階を開始させた。同社は2018年までに艦橋部分の事前建造を完了する。フォード級三番艦となるエンタープライズは2027年完成予定でUSSドワイト・D・アイゼンハワー(CVN-69)と交替する。なお二番艦ジョン・F・ケネディの建造は進行中。

USSアンティータム横須賀沖事故の追加
横須賀沖で座礁した同艦は乾ドックで修理が必要と判定された。流出したのは油圧系統の油1,100ガロン。可変ピッチプロペラが大きく損傷したことがわかった。プロペラハブの損傷で油が流出したとみられる。米海軍は座礁の原因を公表していないが、強風と波浪で艦の制御が取れなかったとの報道もある。タイコンデロガ級巡洋艦では2009年にUSSポート・ロイヤルがハワイで座礁している。

2017年2月4日土曜日

★★サウジアラビアが導入した最新鋭F-15SAは史上最強のイーグル




賢い買い物だと思います。今後の運用でイスラエルのF-35とどこまで実用性効果で差が生まれるのか見ものですね。

Up close and personal with the first Saudi F-15SA, the most advanced Eagle ever built

Feb 01 2017 - By David Cenciotti

王立サウジ空軍(RSAF)はボーイングF-15SA多用途戦闘機を1月25日正式に受領した。キングファイサル航空大学校創立50周年に合わせた。
同機はAPG-63V3アクティブ電子スキャンアレイ(AESA)レーダー、デジタル式具楽コックピット、JHMCS(共用ヘルメット搭載キューシステム)、デジタル電子戦装備・共通ミサイル警報システム (DEWS/CMWS)、IRST(赤外線探知追跡)装備を搭載し、対空、対地兵器を多数搭載できる。AIM-120C7 AMRAAM(高性能中距離空対空ミサイル)、AIM-9Xサイドワインダー空対空ミサイル、AGM-84 SLAM-ER、AGM-88 HARM(高速対放射線ミサイル)、GBU-39 SDB(小口径爆弾)を合計11箇所の外部ハードポイントに搭載できる。F-15SAはF-15Eの発展形で最も高性能なイーグルになった。
2010年にRSAFは合計84機の新造F-15SAおよび既存F-15Sの性能改修パッケージを要請し、計152機分の事業として海外軍事販売方式で2940億ドルを補給、予備部品、保守点検、兵装すべて含み2011年12月29日に契約がかわされた。
第五世代機のF-35ライトニングIIではなくサウジアラビは4.5世代機で任務複数を担当させる。SEAD/DEAD(敵防空網制圧・破壊)任務やOCA(攻撃型制空)、さらに航空阻止任務がある。
サウジのF-15Sはイエメンでの空爆作戦に2015年3月26日から投入されている。うち一機は空爆作戦開始日にアデン湾で墜落し、パイロット二名は米空軍HH-60G救難隊が無事回収している。当時フーシ、イランともに同機を撃墜したと発表していたが、サウジ及びアラブ連合軍は否定した。
F-15SAの初号機はキングハリッド空軍基地へ2016年12月13日にレイクンヒース英空軍基地経由で到着している。前日にイスラエルがF-35Iの初号機を受領していた。
サウジアラビア国内を飛行するF-15SAの姿をビデオにおさめているので以下鑑賞してもらいたい。楽しいぞ。



2017年2月1日水曜日

ヘッドラインニュース2月2日(木)


2月2日のヘッドラインニュース:T2

注目記事の要約を掲載しています。時差・掲載時間の関係でその後進展した内容と食い違うことがありますのでご了承ください

  USSアンティータムが横須賀軍港で座礁し燃料を海上流出さす
米海軍と海上保安庁が横須賀軍港付近で漏出した燃料による被害を調査中。ミサイル巡洋艦アンティータムは1月31日横須賀港沖の投錨地で座礁し燃料1,100ガロンが艦から海中に流れた。負傷者はない。燃料漏出で艦への弾薬搬入作業は中止されている。


軽量戦闘機の整備案を進める米空軍
ハイエンドとローエンドそれぞれの戦闘機材を揃える必要を痛感する米空軍が既存機種を投入できないか検討していることが明らかになった。空軍はすでにトランプ移行チームに低価格軽攻撃機でISIS攻撃を実施する検討案を提出している。トランプ政権が空軍戦闘機材を1,200機に拡大しようとしている中で構想にはずみがついてきた。


 SBIRS衛星打ち上げに成功
新型ミサイル警戒衛星が1月20日打ち上げられ軌道に乗った。宇宙配備赤外線警戒衛星群のフライト3は地上局との交信を維持している。同衛星は静止軌道に移動し、高度22千マイルから警戒活動を開始する。4号衛星も今年中に打ち上げの予定で、5号6号が製作中。


米政府がイランの弾道ミサイル試射で警告を出す
トランプ政権がイランに最近行った弾道ミサイル発射は国際取り決めに違反すると警告を発した。イランは1月29日にミサイル試射を強行している。これに対し核合意を準備した米議関係者から怒りの声が上がっていた。イラン指導部はミサイル発射は国際公約に違反しないと強弁している。


ヘッドラインニュース2月1日(水)


2月1日のヘッドラインニュース:T2

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T-X競作の様相が変わってきた
米空軍の次期練習機調達T-X事業は160億ドルの大きな商機だが、ノースロップ・グラマンがここに来て参入に微妙な発言を始めたことで、ロッキード・マーティンのT-50とボーイング=SAABのBTXの一騎打ちになる可能性が出てきた。

トランプはF-35コストを6億ドル節約に成功?
大統領が執務室でロッキードが低率初期生産ロット-10で5億ドル以上の値下げをすると報道陣に述べている。ロッキード・マーティンも大統領発言を裏付ける発表をしている。ペンタゴンのJSF推進室はロット10についてまだ最終発表をしていない。推進室はロット10では90機を想定しロット9より機体価格が下がるので削減効果は6億ドルに相当するとすでに発表していた。


GMとホンダの燃料電池合弁事業で軍用途にも恩恵が生まれる
両社が1月30日発表した燃料電池システム製造会社(FCSM)はデトロイトのGMプラント内で製造をする目論見で、すでに燃料電池車の実証を米陸軍と行っている他、米海軍も水中機用の用途で同社に近づいている。米陸軍は燃料電池車の静粛性を評価している。

イエメンで戦死したのはSEALs隊員、損失機は海兵隊MV-22と判明
トランプ大統領のもとで初の戦死者となった。着陸に失敗したMV-22は空爆で破壊された。投入されたSEALsはチーム6でイエメン戦闘員16名を殺した。MV-22は負傷者の搬送用で要請された。不時着で二名が負傷し、ティルトロータが破損したため飛行不能と判定された。

イラクパイロットの米国入国を画策するペンタゴン
国防総省とイラク外交筋が大統領令の例外措置としてイラクパイロットを米国に入国させ予定通りのF-16パイロット訓練の実施を狙っており、例外措置が間もなく認められそうだとの報道がある。

2017年1月31日火曜日

ヘッドラインニュース1月31日(火)


1月31日のヘッドラインニュース:T2

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世界初の原子力空母エンタープライズ除籍へ
USSエンタープライズは2月3日海軍から除籍される。除籍式典は同艦が建造されたニューポート・ニューズで行われるが一般公開はしないが米海軍はフェイスブックで伝える。

Tu-22編隊がロシアから飛びシリアを爆撃
ロシア空軍のツボレフTu-22M3(NATOコード「バックファイヤーC」)がシリアを1月24日空爆していたことが判明した。ロシアのモズデクを離陸し、イラン、イラク領空を通過しシリア国内のISISの司令部、武器集積地を攻撃したとロシア国防省は発表。公表された画像から見る限り投下したのは非誘導方式の通常爆弾のようだ。バックファイヤーの生産は1993年に終了しているが、今回の機材はその後改修を受けた中で最新型のようだ。

イエメンでオスプレイ一機喪失
イエメン中央部でのアルカイダ掃討作戦で、米特殊部隊隊員一名が戦死し、V-22が撤収に向かったが着陸に失敗し機体を損傷した。その後機体は意図的に破壊され残骸を残さないようにした。特殊部隊は携帯電話やノートPC等の貴重な情報源を押収した。
http://www.latimes.com/politics/washington/la-na-trailguide-updates-trump-raid-1485698239-htmlstory.html

台湾がPAC-3を東海岸に配備
台湾は台東県にPAC-3を配備したことをあえて公表した。
https://udn.com/news/story/6656/2257125

2017年1月30日月曜日

もし戦わば⑨ ロシア巡洋戦艦キーロフ対米最新鋭駆逐艦ズムワルト


もし戦わばシリーズです。⑨回目になりました。しかし、これはどうなんでしょう。あくまでも単艦での一騎打ちということなのですが、キーロフの重装備攻撃手段の方がどう見ても有利な気がしますが、望むらくは実戦で両艦の性能を実証する機会が訪れないことを祈りますがどうなるかわかりませんね。


The National Interest


Russia's Super Battlecruiser Kirov vs. America's Stealth Destroyer Zumwalt: Who Wins?

January 27, 2017

ここに来てロシアと西側の関係悪化で水上艦同士の戦闘が再び真剣に想定されている。中東や中央アジアの地上戦の支援に十年以上も回っていた米海軍が敵艦を沈めるという本来の任務に注力しつつある。米海軍は新型誘導ミサイル駆逐艦USSズムワルトも導入しているが、同艦の主任務な地上砲撃の想定だ。
  1. 一方のロシアはキーロフ級巡洋戦艦を今も供用中だ。艦齢ほぼ30年の巨大艦で老朽化も目立つが今でも強力な武装を誇り、主任務たる敵大型艦の撃沈、特に航空母艦を狙う存在だ。
  2. ではこの二艦が直接対決したらどうなるだろうか。
  3. ズムワルト級は米海軍の最新誘導ミサイル駆逐艦で三隻の陣容となる。アドミラル・エルモ・ズムワルト、マイケル・マンソー、リンドン・B・ジョンソンで艦砲射撃に最適化している。海軍で初の「ステルス」艦で独特の艦形はレーダー反射を抑えるための工夫だ。
  4. ズムワルト級は排水量14千トンで米海軍最大の駆逐艦だ。艦の大きさと重量はステルス性と関連があり、ほぼすべての搭載装備を艦内に収容している。全長610フィートのズムワルトはレーダー上では小漁船にしか映らず、最高速度は30ノットだ。
  5. 重量増の原因には搭載兵装とセンサーがある。AN/SPY-3隊機能レーダーで中高度の探索能力が以前より向上しており、スタンダードSM-2対空ミサイルを運用する。垂直発射サイロが80基あり、SM-2や発展型シースパローミサイル、トマホーク対地攻撃ミサイル、ASROC対潜ロケットを発射できる。
  6. ズムワルト単艦では広面積の対空防御はできない(そのためSM-2搭載も決まったようだが)が、個艦防御は十分可能だ。海軍はSM-2AURミサイルを追加発注しており、射程は短いが発展型シースパローミサイル(ESSM)も各サイロに4発搭載し理論上はESSMが320発まで搭載できる。
  7. 米海軍の対艦攻撃能力が減衰していること、21世紀初頭では地上戦が中心になっていることを考えると、ズムワルトが対艦攻撃能力に劣ることは驚くべきことではない。ハープーン対艦ミサイルはサイロに入らないため搭載しておらず、どうしても搭載するなら主甲板上に斜め発射管をつけるしかない。
  8. 155ミリ高性能艦砲二門は最大射程83マイルで一分間10発の射撃が可能で、対空戦にも投入できる他、水上艦を相手に相当の損傷を与えられるはずだ。
  9. ズムワルトの対戦相手は巡洋戦艦キーロフで過去の遺物といってよい。建造は1980年代末で米空母への攻撃を主眼に攻撃力重視の設計だ。同時に相当の対空能力も有している。
  10. キーロフ級は空母以外では戦後最大級の水上艦である。全長826フィートというのは第二次大戦時の戦艦ビスマルクやアイオワに匹敵するが排水量は24千トンしかない。その理由に原子力推進を採用し、ボイラー含む補機を省いたことがある。最高速度は32ノットだ。
  11. 別の理由もある。アイオワ級戦艦の16インチ砲塔は1,075トンだったがキーロフはミサイルを代わりに搭載している。攻撃手段としてキーロフはP-700グラニット対艦ミサイル20発を搭載する。グラニットは全長33フィートで15千ポンドの無人機の格好をしている。
  12. グラニットの射程は300マイルで速度マッハ2.5で1,653ポンドの弾頭を運ぶ。初期目標情報はキーロフ自体、キーロフの艦載ヘリあるいは地上運用のTu-95ベア含む偵察機から入手する。レジェンダ衛星も活用し、標的情報をキーロフ経由でグラニットに入力する。
  13. キーロフは防空能力も考慮し十分な数の対空ミサイルを搭載し、グラニット攻撃ミサイルを打ち尽くすまで艦を防御できる。S-300F長距離対空ミサイルは96発が外側の防御にあたり、3K95短距離ミサイルと4K33短距離ミサイルがそれぞれ192発、40発で内側防御網を形成する.さらに最後の手段としてAK-630近接防御装備が30ミリガトリング砲で待機する。
  14. ではこの2艦が対峙する想定でどちらが勝つだろうか。公海を両艦が航行中で対艦ミサイルの最大射程としてキーロフのグラニットミサイルの300マイル離れた地点にあると想定しよう。これまでのシナリオとは異なり、それぞれ相手の位置は把握していない想定で始めその後に把握するとする。キーロフはレジェンダ衛星を活用できるが、これはレーダー衛星だ。ズムワルトはステルス駆逐艦で小漁船ほどのレーダー反射しかない。
  15. 両艦は必死になって相手を探知しようとし、ヘリコプターで水平線の向こうを探知させる。この状況でステルスのズムワルトは非ステルスながら堂々たる威容を誇るキーロフ巡洋戦艦より大きく有利だ。ズムワルトのヘリコプターがキーロフを先ず発見し、データ送信してくる。キーロフはこのヘリコプターを発見するがズムワルトの正確な位置はわからない。
  16. ズムワルトのステルス性がそのままなら理論上は同艦はキーロフの対艦攻撃射程内に侵入できる。一方でロシア巡洋戦艦は長距離からズムワルトを一掃したいはずだ。キーロフの搭載システムすべてが衛星目標捕捉からミサイル誘導までレーダー誘導方式であることが悲劇だ。キーロフはズムワルトの推定位置にミサイルを発射するが、グラニットのアクティブホーミングレーダーは米艦の小さなレーダー反射を捉える必要があるのだ。
  17. 仮にグラニットがズムワルトを捕捉してもズムワルトの対空装備は十分対抗できる。SM-2中距離対空ミサイルが少なくとも18発あり、それ以外にも高性能シースパロー短距離ミサイルがあり、ズムワルトはおそらくグラニットの大部分は迎撃できるだろう。
  18. ズムワルトが砲撃をする可能性はあるだろうか。状況次第としかいいようがない。最大射程の83マイルから長距離陸上攻撃弾を高性能主砲システム(AGS)から発射すると161.89秒で目標に到達する。ズムワルトがキーロフの正確な位置を把握していても移動する砲弾が移動する巡洋戦艦に到達するのに時間がかかりすぎる。AGSはGPS誘導能力があるが大して役に立たない。キーロフの移動速度が均一で正確な方位がわかっていれば砲弾の微調整は可能だが初弾のみに有効だ。一旦キーロフがジグザグ航行をはじめれば照準を合わせるのは不可能になる。
  19. シナリオの結末はこうだ。互角に終わる。ともに正確な照準を得られない。ズムワルトは目標に接近できず、キーロフはレーダー誘導兵装を運用できず、ともに決着を別の機会につけることになる。将来、新型長距離対艦ミサイルが導入されればズムワルトが有利になる。また155ミリ砲弾へ最終誘導を無人機が与えるのも有益だろう。
This first appeared in August 2016 and is being reposted due to reader interest.

★歴史に残らなかった機体⑤ 不幸なYB-49は早く生まれすぎた機体だがB-2として復活




The National Interest

A Bomber Way Ahead of Its Time (That Looks Just Like the B-2 Spirit): The YB-49 Flying Wing

January 28, 2017

第2次大戦が一歩ずつ近づく中で米国には多くの画期的な機体設計をする余裕があり、予算も十分にあった。戦闘機、戦術攻撃機、長距離爆撃機にそれぞれ割り当てられたが、後者から米航空誌上でも最も興味を引く失敗作が生まれた。ノースロップYB-49「全翼機」爆撃機である。
全翼機
  1. 航空工学では初期段階から「全翼機」設計の可能性に着目していた。胴体を最小化し、尾部を省くことで空力上の制約と決別し、抗力を減らせるからだ。ただし代償として機体の安定性が通常形式の機体より劣る。このことで操縦は難しくなり、とくにフライバイワイヤー技術が実用化していない当時には深刻だった。全翼機は機内に乗員、ペイロード、防御装備の確保も大変で、せっかくの空力特性も台無しになった。
  2. それでも技術者(ドイツとソ連)は大戦間になんとか全翼機を実用化しようと必死になり、輸送機、軍用機を想定していた。この結果、貴重なデータが入手できた。第二次大戦の終結が近づくとドイツはジェット戦闘機で全翼機の開発に成功したが大量生産できなかった。
XB-35からYB-49へ
  1. 第二次大戦の初期に米戦略思想家は米本土からドイツを空爆する必要に迫られる状況を想定した。英国が敗北する可能性があったためだ。米陸軍航空隊の要請によりコンヴェアはB-36を、ノースロップはXB-35をそれぞれ提案した。B-36は比較的通常の設計の機体で当時の大型爆撃機をさらに拡大した外観だったがそれなりに革新的な機構もあった。反面にXB-35は米航空史上初の全翼機でB-36より小さいものの性能面ではほぼ同等になるはずだった。
  2. だが1944年になるとXB-35はB-36よりも遅れが(両機種ともに技術問題が浮上していたが)目立ってくる。また大陸間爆撃機の必要性も消えた。空軍はB-36、XB-35ともに時代遅れとしつつ、後者をキャンセルし、前者を採用した。B-36の問題解決のほうが容易だと評価したためであった。しかし米空軍は全翼機構想への関心を捨てず、XB-35をジェット化する再設計を提案し、ノースロップが未完成のXB-35の機体にジェットエンジンを搭載した。
  3. ジェットエンジンで最高速度は時速493マイルになり、20%の高速化に成功した。実用高度も増えたことはソ連の迎撃機対策に有効と評価された。ただし大量の燃料を消費し、YB-49となった機体は中距離飛行の性能となり長距離用のB-36と差が広がった。速度面ではYB-49はB-36を上回ったもののボーイングの新型B-47ストラトジェット中距離爆撃機より劣った。
サボタージュがあったのか?
  1. YB-49には普通ではありえない不運がついてまわった。試作機の一機は1948年6月に乗員6名を乗せたまま飛行中に機体が分解し墜落している。もう一機はタキシー中に機首車輪が折れて損失している。この直後に空軍は1950年5月にYB-49をキャンセルした。残る試作機は偵察機型で1951年まで飛行し、1953年にスクラップされた。
  2. YB-49支持派は長年に渡り、空軍が意図的に同機開発を妨害し、B-36はじめその後に登場した爆撃機を優遇したのではないかと疑っている。同社を創設したジャック・ノースロップは空軍がYB-49をキャンセルしたのは同社をコンベアに合併させる案に本人が同意しなかったためと信じていた。さらに試作機が相次いで事故にあったのは単なる偶然ではなく、サボタージュの結果だとの黒い噂が業界に流れた。結局裏付けになる証拠はでてこなった。
B-2への影響
  1. ノースロップにとって全翼機の実現はその数十年待つことになった。B-2スピリットは画期的な新技術を採用しながらはるか前にあらわれた機体に著しく似ている。実は両機種は全く同じ翼幅なのだ。ノースロップは全翼機設計をB-2に採用したのは、低レーダー断面積効果が得られるためだった。またフライバイワイヤー技術でB-2の操縦はYB-49よりはるかに容易になっている。今わかっている情報からノースロップ・グラマンのB-21ステルス爆撃機も同様の機体形状と判明しており、西安H-20戦略爆撃機やツポレフのPAK DAも同様だ。
  2. YB-49は結局量産されなかったが、得られた知見が今日の戦略爆撃機の設計で国際的に主流と認められているのは実に興味深いことである。■
Robert Farley, a frequent contributor to TNI, is author of The Battleship Book. He serves as a Senior Lecturer at the Patterson School of Diplomacy and International Commerce at the University of Kentucky. His work includes military doctrine, national security, and maritime affairs. He blogs at Lawyers, Guns and Money and Information Dissemination and The Diplomat.
Image: Northrop YB-49 Flying wing. Wikimedia Commons/Public domain



2017年1月29日日曜日

最新のMiG-35に見るロシアの新軍事思想と海外販売の可能性


なるほどスホイが大型高性能化を進む一方でミグは小型かつ経済価格で新しい思想で設計しているのですね。ロシア空軍での採用よりも資金が潤沢でない各国を取り込む狙いがあるようです。

New MiG-35 “Fulcrum Foxtrot” Demonstrated For Putin and Foreign Market

Jan 27 2017
By Tom Demerly

鳴り物入りのイベントでロシア政府向けに1月28日発表されたのはミコヤン・グレヴィッチ設計局(MiG)の新型MiG-35戦闘機だ。輸出を意識した飛行展示が前日に行われていた。

  1. ウラジミール・プーチン大統領は飛行の様子を悪天候のため現地中継で見ていたと言われる。
  2. 新型MiG-35にはNATO名称「フルクラム・フォックストロット」がついており、原型のMiG-29から大幅に改良されている。主な内容にフライバイワイヤーの全面採用による飛行制御、コックピットの大幅改良、エイビオニクスの改良の他、機体設計思想で以前の機種よりも大幅に自由度が高まっている。また精密誘導用の照準能力で対地攻撃が可能となっているのも以前のロシア機と大きく異る。
MiG-35は2017年1月27日に公表された。

  1. エンジンは大きく性能向上されており、クリモフRD-33OVT双発でスラストヴェクトル変更ノズルをに方向式で装着し、Su-35や米F-22が単軸の垂直方向推力ヴェクトル変更方式を採用するのと異なる。
  2. これでソ連時代を引きずる以前の機体と決別しながらロシア好みの低価格は引き継ぎ、数の優勢で勝敗を決する傾向はロシアの軍事思想に根深く残っている。
  3. ロシアでは個々の機体性能よりも数の優位が重要と考えれてきた。興味を引くのはこの考え方が数と質の組み合わせにやや傾いてきていたことで国内仕様輸出向け双方でも最適解を模索していることだ。新型MiG-35はこの流れの好例だ。
  4. ロシア新鋭機ではセンサーと機体性能が大きく引き上げられているが、とくに輸出向け機材でこの傾向が強い。さらに伝えられるところでは国内向けのMiG-35生産はわずか37機で、ロシアとしてはごく小規模の調達だ。だが輸出向けはもっと多くなる予想でまずエジプトが50機程度の発注をするようだ。
  5. エジプト向け機材には新型高性能標的昇順ポッドPPKが装着され、MiG-35単独で目標へ精密誘導する能力が実現すると米F-15Eストライクイーグル並になるとの報道がある。これまでのロシアの考え方は地上誘導による攻撃に固執していた。
  6. さらに国内仕様のMiG-35にはNPK-SPP OLS-K電子光学方式標的照準装置が搭載される。右エンジンナセル下の機体上に搭載されるが取り外し式のポッドではない。OLS-Kセンサーは移動目標を20キロ先から探知し、海上なら40キロの有効範囲を有する。統合式レーザー測距機は20キロ先までの標的を攻撃する兵装の計算を担当する。またレーザー照準で誘導兵器の運用能力も含む。
OLS-K照準偵察装置がエンジンナセルにつく。

  1. MiG-35によりロシアは海外顧客に精密攻撃能力を安価に提供できることになる。MiG-35はより大型でそれだけ高価なスホイとは対照的な機材だ。仕向国の対地攻撃能力要求が短距離性能で十分ならMiG-35はちょうどよいサイズと価格の選択肢となる。
  2. 中東やアフリカで精密攻撃で付随被害を抑える必要が増えていることを考えれば、ロシアにとっては有望な輸出商品となり、防衛産業の顧客にも歓迎されるだろう。
Image credit: Mikoyan-Gurevich Design Bureau

★★J-20の狙いは何か---米国の思考とは異なる中国のアプローチは要注意



たしかにJ-20は全く違う設計思想の機体で、長距離性能で大型兵装を搭載する意図が見えてきますが、高機動の目標を攻撃するよりも固定目標の攻撃に特化しているようにも見えます。H-6では速度が足りないのでおそらく切り込み隊として先生ク攻撃を加える意図があるのでしょう。その目標に日本の基地が入っているのは確実ですね。
The real purpose behind China’s mysterious J-20 combat jet
By Alex Lockie, Business Insider
Jan 24, 2017 12:20:58 pm
米海兵隊はF-35の日本配備で「F-35Bの到着は日本ならびに太平洋地域の安全保障へのコミットメントの現れ」と堂々と発表している。
  1. 米国、米同盟国と中国の間の緊張はこの数年間で着実に増しており、原因の一つに中国が人工島を建設し、レーダー、ミサイル発射装置を南シナ海に持ち込んだことがある。総額5兆ドルの貿易が毎年行き来する通商路にである。
  2. その米中が間接的にしのぎを削るのが戦闘機の分野だ。
China’s Chengdu J-20. | CDD
  1. 中国は成都J-20をF-22に匹敵すると評しているが、専門家にはJ-20はそもそも戦闘機でもドッグファイト用機材でもなくステルス性もなく、F-22やF-35と全く異なる機種と解説する向きがある。
  2. オーストラリア戦略政策研究所のマルコム・ディビス博士はBusiness Insider誌に「J-20はF-35と根本的に違う機体」と述べている。ディビスがいうのはJ-20は「高速、長距離でもなく中国がステルスを重視していないのは明らか」とし、米軍機との空対空戦は想定していないと断言する。
  3. 反対に「AWACSや給油機を標的にすることを中国は狙い、米軍の機能を奪おうとしているのです。給油機が前方に配置できなければ、F-35他の機材は目標に到達できなくなります」
給油機がなければF-35のような機材は飛行距離が大幅に制限されてしまう。 | US Marine Corps photo by Cpl. Brian Burdett
  1. 退役米空軍中将デイヴィッド・デプチュラも同様にDefense & Aerospace Report誌上で評価を昨年11月にしている。
  2. 「J-20はF-22とは成り立ちが違う機体だ。前面は低視認性になっているが機体全体は異なる。ドッグファイトも想定していない。一番気になるのは長距離兵器を搭載していることだ」
  3. J-20ではステルスとドッグファイト性能を放棄したかわりに防御の弱い標的の攻撃に照準をあわせている。米国が高度ステルス機に注力する一方で中国は全方位ステルス機の知見を確立していない。
  4. デプチュラはJ-20コンセプトを「これまでの延長線で設計するというよりも全く新しい次元に一気に入ろうとしている」と評している。
  5. F-35とF-22双方を操縦した経験があるディヴィッド・バーク中佐も中国の技術開発について疑問を隠そうとしない。Business Insider誌に「第五世代機で本当に有効な性能を持つ機体を開発するのは至難の業」と評している。
  6. バーク中佐はJ-20の脅威を感じるよりも米国の潜在敵国がF-35に代表される米国の新型機に懸命に対抗しようとしているのが現状と見る。
  7. 「もしこちらのF-35やF-22の効果がないのなら、あちらが対抗すべく懸命になっていなかったはずだ」というのだ。■