2025年9月12日金曜日

衛星画像が捉えたカタール施設へのイスラエル攻撃の余波(TWZ) ― 今回の精密攻撃はハマスを排斥しないアラブ世界へのイスラエルの計算済みの警告だったようです

 

ハマスへの攻撃の実行方法と、米国がいつ情報を把握したかは、現時点でも不明瞭なままだ

New satellite images provided by Planet Labs shows the precision of the Israeli strike on the Hamas Qatar compound.

(写真 © 2025 PLANET LABS INC. 全著作権所有。許可を得て転載)

プラネット・ラボズによる衛星画像は、昨日前例のないイスラエル空軍によるカタール・ドーハのハマス施設への空爆の精度の高さを示している。イスラエル空軍は、テロ組織の交渉担当者が米国政府が提示したガザ停戦提案を検討するために会合していた施設を攻撃した。

画像は、攻撃前後の施設の様子を捉えている。攻撃後の画像からは、被害が5棟の建物群に限定され、周辺構造物への損傷はなかったことがわかる。施設右下隅の建物が最も大きな被害を受けたようだが、施設内の他の区域も明らかに影響を受けている。プール付近にあった小さな構造物が破壊されているのも確認できる。施設に隣接する建物群はほぼ無傷で残っているようだ。


2025年1月24日撮影のカタール・ドーハにあるハマス施設の画像。(PHOTO © 2025 PLANET LABS INC. ALL RIGHTS RESERVED. REPRINTED BY PERMISSION

攻撃後の9月10日に撮影された衛星画像は、5棟の建物に損傷が生じていることを示している。(PHOTO © 2025 PLANET LABS INC. ALL RIGHTS RESERVED. REPRINTED BY PERMISSION)(PHOTO © 2025 PLANET LABS INC. ALL RIGHTS RESERVED. REPRINTED BY PERMISSION)

イスラエル当局者によると、ドーハ攻撃は15機のイスラエル戦闘機が単一目標に対し10発の精密誘導弾を発射して実施されたと、BBCが報じた(イスラエルメディア引用)。現時点で使用された兵器の種類は不明。

カタールとその米国賓客は高度な防空システムとセンサーを保有しており、大半の状況下では攻撃の事前警報が可能である。遠距離から発射されるスタンドオフ兵器が最も可能性の高い攻撃手段であるにもかかわらず、その出所が不明だった場合、なぜこれらの兵器を迎撃しようとしなかったのかは不明だ。F-35の使用も可能性としてあり、イスラエルは数百マイルの射程を持ちピンポイント精度で攻撃可能なF-15およびF-16発射型兵器も保有している。

米軍は、イスラエルのジェット機がペルシャ湾に向かい東へ飛行しているのを発見したが、反応する時間はほとんどなかったと、Axios は報じている。

同誌は、3人の米国当局者を引用して、「米国は説明を求めたが、イスラエルが説明を提供した時点で、ミサイルは発射ずみだった」と報じている。

一方、ドナルド・トランプ米大統領は「軍から差し迫った攻撃について報告を受け、カタール指導部に警告した」と、ホワイトハウスのキャロライン・リービット報道官が火曜日に記者団に語った。

したがって、米国が差し迫った攻撃についていつ、どのような情報を得ていたのか、またカタールはいつその情報を得たのかについては、現時点では依然として議論の余地がある。

カタール当局者は、攻撃後に初めてその事実を知ったと不満を述べた。外務省報道官のマジェド・アル・アンサリは、ドーハで爆発音が聞こえた後に米国から通知があったと述べた。同氏は、自国の防空システムがイスラエルのジェット機を捕捉できなかった理由については言及しなかった。

しかし、カタールのシェイク・モハメッド・ビン・アブドゥルラフマーン・アル・タニ首相は、イスラエルのジェット機はレーダーに捕捉されなかったと述べた。

イランのプレスTVニュースは、「多くの防空システムが存在する」にもかかわらず、なぜ米国は「イスラエルの侵略からカタールを守るために一発も発砲しなかったのか」と疑問を投げかけた。米軍によるペイトリオット迎撃ミサイルの最大規模の発射は、6月にアル・ウデイドで、イランのミサイル攻撃から防衛するために行われた。

今回の攻撃はハマス指導部を狙ったものだったが、実際にはハマス交渉担当の下級幹部 5 人が死亡した。現在、一部のイスラエル当局者はこの攻撃から距離を置こうとしているようだ。

「数ヶ月間イスラエルの停戦交渉を主導してきたロン・デルマー戦略担当相は、米特別使節スティーブ・ウィトコフ氏との前日会談において、具体的な攻撃計画を認識していなかったと米当局者に伝えた」と匿名の当局者を引用しCNNが水曜日に報じた

「停戦協議で重要な役割を果たしてきたモサド長官デイビッド・バルネアは、米・カタール仲介者に対し『攻撃の事前知識はなく、実行中に知った』と説明した」と同局は補足した。「しかし協議に詳しい他のイスラエル関係者2名はCNNに対し、バルネアは計画を認識しており、米国が交渉再開の新たな試みを始めるのと同時期に攻撃を実行する判断に疑問を呈していたと明かした。

CNNが指摘したように、「このような注目を集める攻撃を実行するための計画と意思決定を、いずれの当局者も知らなかった可能性は極めて低い」。

水曜日にCNNとの独占インタビューでアル=サーニは攻撃に激怒を表明し、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は「法の下に裁かれる必要がある」と述べ、アラブ諸国が次に取るべき措置を検討中だと語った。

「地域で対応する」「対応は現在、地域の他のパートナーと協議・検討中だ」とアル=サーニ氏は述べた。アラブ・イスラム首脳会議が数日中にドーハで開催され、参加者が行動方針を決定する予定だ。

アル=サーニはさらに、ネタニヤフ首相がドーハのハマス指導部を攻撃することで「安定の可能性、平和の可能性をすべて損なおうとしている」と付け加えた。こうした一連の事態により、イスラエルとハマス間の交渉の将来は不透明となっている。イスラエルはパレスチナ自治区への全面的な地上攻撃を計画しており、同地域では継続的な爆撃により数万人の民間人が死亡している。これらの攻撃は、10月7日にハマスがイスラエルへ奇襲侵攻した事件を受けてのものだ。この襲撃では1,200人以上が死亡し、数百人が人質として拘束され、一部は今もガザに拘束されている。

一方、カタール攻撃の翌日、イスラエルはイエメンのフーシ派反政府勢力関連目標に対し空爆を実施したと発表した。

「イスラエル空軍(IAF)はイエメンのサナア及びアル・ジャウフ地域において、フーシ派テロ政権の軍事目標を攻撃した」とイスラエル国防軍(IDF)はテレグラムで発表した。「攻撃対象には、テロ組織の工作員が確認された軍事キャンプ、フーシ派軍事広報本部、テロ活動に利用されていた燃料貯蔵施設が含まれる」。

イスラエル国防軍は、この空爆が「フーシ派テロ組織によるイスラエル国家への攻撃(無人機や地対地ミサイルのイスラエル領内への発射を含む)への対応として実施された」と主張した。

イスラエルは攻撃の正当化として、フーシ派広報部門が「メディアを通じたプロパガンダメッセージの配布・拡散を担当し、フーシ派指導者アブド・アル=マリクのスピーチやスポークスマン・ヤヒヤ・サリの発言を流布していた」と説明。戦争中、同本部は「プロパガンダ活動とテロ組織による心理的テロを主導した」と主張した。

攻撃対象となった軍事キャンプは「イスラエル国家に対するテロ攻撃の計画・実行に利用されていた」とイスラエル国防軍は主張。「さらに作戦室や情報室も含まれていた」と述べた。

フーシ側は「攻撃の大半を撃退した」と証拠を示さずに主張している。

「わが方の防空システムは、シオニスト勢力の侵略との対峙中に複数の地対空ミサイルを発射し、一部の戦闘部隊が攻撃を実行する前に撤退を余儀なくさせ、神の御加護により攻撃の大半を阻止した」と、空爆の標的となったフーシ派のヤヒヤ・サリ准将はX(旧Twitter)で述べた。

ソーシャルメディアには、イエメンの首都で爆発が発生し、炎と煙の跡が続く様子を捉えた動画や画像が投稿された。

これは、イランが支援する反政府組織フーシ派がイスラエルに向けてミサイルやドローンを発射したことを受け、イスラエルがフーシ派に対して行った一連の攻撃の最新事例である。フーシ派はガザ地区のハマスとパレスチナ人を支援していると主張しており、日曜日にはドローンを送り込み、イスラエルの誇る多層防空システムを突破して同国南部の空港に激突させた。

イスラエルがカタールで空爆を実行した方法の謎は現時点で未解決だが、今後数日でこの前例のない極めて論争的な作戦の実態が明らかになることを期待したい。■




Aftermath Of Israeli Strike On Qatar Compound Targeting Hamas Seen In New Satellite Imagery

Exactly how Israel pulled off this strike and when the U.S. knew about it remains glaringly unclear at this time.

Howard Altman

Published Sep 10, 2025 4:36 PM EDT

https://www.twz.com/air/aftermath-of-israeli-strike-on-qatar-compound-targeting-hamas-seen-in-new-satellite-imagery

ハワード・アルトマン

シニアスタッフライター

ハワードは『ザ・ウォー・ゾーン』のシニアスタッフライターであり、『ミリタリー・タイムズ』の元シニアマネージングエディター。それ以前は『タンパベイ・タイムズ』のシニアライターとして軍事問題を担当。ハワードの作品は『ヤフーニュース』『リアルクリアディフェンス』『エアフォース・タイムズ』など様々な媒体に掲載されている。



中国の大規模ロケット軍は張り子の虎なのか?(National Security Journal)

 


DF-17ミサイル。画像提供:中国人民解放軍

中国の強大なロケット軍は「張り子の虎」では?

要点と概要 – 巨大な規模と派手なパレードにもかかわらず、中国人民解放軍ロケット軍(PLARF)は実際の紛争で「張り子の虎」になるかもしれない。

PLARFの有効性は、組織に根深い汚職、現代的な戦闘経験の完全な欠如、そして限られたミサイル備蓄によって深刻に損なわれている。

DF-21Dのような「空母キラー」ミサイルを誇示する一方で、移動中の高度に防御された米空母を標的化し撃墜することの困難さは、重大な作戦上の課題となっている。

一方、米国は先進的な対極超音速防衛システムを展開しており、中国の限られた資源を分散させ、ロケット軍の脅威認識を低下させている。

人民解放軍ロケット軍は「張り子の虎」か

白い英字識別記号が塗られた中国のDF-5Cミサイル運搬容器が、その他ミサイルと共に北京の街をパレードし、人民解放軍ロケット軍(PLARF)の力を誇示した。

PLARFは核・通常弾頭を含む約2,500発の弾道ミサイルを保有する世界最大の地上配備ミサイル部隊である。2015年に独立した軍となり、海軍、陸軍、空軍と同等の地位を獲得した。中国の新鋭ミサイルの大半を所有・運用し、中国国家主席習近平が率いる中央軍事委員会の直轄だ。

米軍の最高レベルの司令官たちは懸念していないと表明している。

「重要なのは我々が抑止されていないことだ」と米太平洋空軍司令官のケビン・シュナイダー空軍大将は述べた。同大将によれば、将来配備予定のB-21ステルス爆撃機、F-47戦闘機、連携戦闘機(CCA)などのシステムにより、米国は「潜在的な敵対勢力の行動に先んじて適応できる」という。

ここまで驚異的な増強にもかかわらず、PLARFの能力はその野心に追いついていない可能性がある。

たしかにPLARFは深刻な脅威ではあるものの、腐敗や運用上の問題にも悩まされており、実戦能力は宣伝されているほどには高くない可能性がある。

張り子の虎?

「張り子の虎」と呼ぼう。この表現は毛沢東が1946年のインタビューで初めて用いたもので、1950年代の台湾海峡をめぐる論争で定番となった。ニューヨーク・タイムズが1955年に説明したように、張り子の虎は「勇敢に唸り声を上げるが、結局は戦いを避ける」存在として描かれている。

第一に、中国の最新の戦闘経験は1979年のベトナムとの衝突時である。攻撃下での持続的共同作戦において、PLARFがどれほど有効かを知ることは不可能だ——同軍には実戦経験がない。一方、腐敗問題は「習近平が2027年までに人民解放軍に設定した目標達成に現実的な障害をもたらす可能性がある」と、元国防次官補マイケル・チェイスは戦略国際問題研究所(CSIS)主催のフォーラムで述べた

中国のミサイルの有効性は、自国の戦略によっても損なわれる可能性がある。発射機会の制限、標的捕捉の困難さ、そして米軍からインドの核施設まで広範な標的をカバーする必要性が、PLARFの任務を複雑にしている。

例えば中国は、DF-21DDF-26といった空母キラーミサイルを誇示する。対艦ミサイル型DF-21Dは、1991年から中国で運用されているDF-21を改良し、2006年に配備された。射程は2,150キロメートルで核弾頭を搭載可能だが、主たる弾頭は600キログラムの通常弾頭である。DF-26は二段式固体燃料中距離弾道ミサイルで、射程4,000km、終末誘導にアクティブシーカーを採用する。2020年8月、中国人民解放軍海軍(PLARF)は南シナ海で対艦型DF-26Bを発射した。DF-26は中国の精密打撃射程を第二列島線近くまで延伸させる。

しかし、空母を発見・捕捉・追跡・標的設定・攻撃しようとする場合、PLARFは困難な障壁に直面する。これは容易な標的解決策ではない。空母は放射管理で存在を隠蔽し、米原子力空母は約30分で700平方マイルの領域内を移動可能である。これはあらゆるミサイルの精密発射に重大な課題をもたらす。次に、PLARFミサイルは海上配備型ミサイル防衛網の封鎖を突破しなければならない。ニアミスでは不十分だ。空母ジェラルド・R・フォード(CVN-78)は模擬戦闘環境下での実戦規模衝撃試験において、実弾を用いた4万ポンド級水中爆破を3回経験した。最終爆破は空母から75ヤード(約68メートル)未満の地点で発生した。なお、この爆薬量は重量ベースで中国のDF-21ミサイル30発分の弾頭重量に相当する。

防衛システムの前に戦力が発揮できない

中国の最も危険な新型兵器に対抗するため、米国はキルチェーン全体にわたる極超音速ミサイル防衛システムの開発を加速している。宇宙追跡システムと改良型イージスシステムをSM-6ミサイルと組み合わせることで、極超音速攻撃を撃破する基盤能力を構築中である。

「迎撃ミサイルから、中国の目標捕捉センサーを混乱させ盲目化させる能力まで、あらゆるものを構築する」とロジャー・ウィッカー上院議員(共和党・ミシシッピ州選出)は述べた

ミサイル防衛庁が2025年3月に実施した「ステラー・バンシー」試験では、駆逐艦USSピンクニー(DDG-91)が最新イージスソフトウェアに組み込まれた「海上配備型末端迎撃システム第3段階(TBTI-3)」能力を用い、模擬先進極超音速目標の探知・追跡・迎撃能力を実証した

極超音速・弾道追跡監視システム(HBTSS)は、低軌道に展開された新たな衛星群を活用し、中視野角での運用を前提に、機動中の極超音速兵器を追跡する。米宇宙軍は空中移動目標指示器(AMTI)追跡を行う試作衛星を運用中である。この衛星群が完全なコンステレーションを形成すれば、目標が移動する間も継続的に追跡を引き継ぐことが可能となる。ミサイル防衛局は2025年4月、試験においてHBTSSが期待される性能を満たしていることを確認した

その他の課題の課題がある

ミサイル迎撃率の向上は中国にとって重大な課題となる。PLARFへのミサイル供給は無限ではない。米陸軍によれば、「PLARFは規模が大きいものの、中国のミサイル備蓄保有量には限りがあり、長期紛争ではPLARFの有用性は急速に低下する」という。

撃墜確率が低い標的に対し、PLARF司令官が大量のミサイルを投入する余裕はない。上記の米陸軍研究では「偽標的を攻撃させる欺瞞作戦は極めて有効である。前述の通りPLARFのミサイル備蓄は極めて限られており、無駄に消費されるミサイル1発ごとにPLARFの能力は著しく低下するからだ」と指摘している。

したがって中国は、米軍や同盟国の地対空ミサイル基地など、増加する陸上目標をカバーするためのミサイル優先順位付けと配分に苦慮するだろう。さらに、人民解放軍の文書は、2024年国防総省中国軍事力報告書が表現したように、「将来の紛争時に世界経済の重要拠点を攻撃することで国際的な戦略的効果を達成する」という曖昧ながら脅威的な任務のためにミサイルを温存したい意向を示唆している。

中国の潜在的敵対国は米国のみではない。インドのナレンドラ・モディ首相が最近北京を訪問したにもかかわらず、特に2024年にアグニVミサイルで複数独立目標再突入体システムの試験が実施されたことを踏まえると、PLARFは一部戦力をインド抑止に割り当てている可能性が高い。

PLARFが「張り子の虎」であるかは定かではない。しかし重大な太平洋戦争では、戦力は分散を余儀なくされ、戦闘経験不足に阻まれ、米国の優れたシステムの前に晒されるだろう。■


China’s Massive Missile Forces: A Paper Tiger?

By

Rebecca Grant

https://nationalsecurityjournal.org/chinas-massive-missile-forces-a-paper-tiger/


  • 著者について:レベッカ・グラント博士

  • レベッカ・グラント博士(Xでフォロー:@rebeccagrantdc)は、ワシントンD.C.を拠点とする国防・航空宇宙研究および国家安全保障コンサルティングを専門とする国家安全保障アナリストであり、レキシントン研究所の副所長を務める。国家安全保障に関する数百本の記事を執筆・発表し、数多くのフォーラムで講演。さらに、フォックスニュース、フォックスビジネス、CNN、MSNBCで国家安全保障の専門家として頻繁にテレビ出演し、スミソニアン博物館の『エア・ウォリアーズ』シリーズにレギュラー出演。フォックスニュース・オピニオンでは中国、ロシア、その他の技術・国家安全保障トピックについても執筆。著書に『75人の偉大な航空兵』(クリス・ミラー中将との共著)、『B-2爆撃機の戦場へ』、そして『実戦検証:アフガニスタンとイラクにおける空母』などがある。ウェルズリー大学卒業後、ロンドン大学ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスにて国際関係学の博士号を取得。本記事冒頭では、グラント博士の最新のフォックスニュース出演映像をご覧いただけます。



2025年9月11日木曜日

カタールで安全と思っていたハマス指導部を攻撃したイスラエルはゲームチェンジャー(National Security Journal)―本件でイスラエルを避難する向きが多いのですが、イスラエルがアラブ世界に現実を受け入れるよう求めているのです

 

要点と概要 – イスラエルによる攻撃: 9月9日にイスラエルがカタールのドーハでハマス指導部に行った大胆な空爆は、中東における潜在的な戦略的転換点となった。

-この攻撃は、ハマスが同盟国で享受してきた「安全な避難所」を粉砕した。ハマスはこれまでドーハから暴力行為を指揮してきた。

Israel F-35I Adir Stealth Fighter

イスラエル空軍F-35Iアディールステルス戦闘機。画像提供:IAF。

-これは「戦略的再考」の機会をもたらし、テロ組織を庇護するカタールの政策を放棄させ、ガザ和平への新たな扉を開く可能性がある。

-イスラエルが地域のタブーをあえて破る意思を示したことは、攻撃的な新たな安全保障姿勢の表れである。

カタールへ手を伸ばしハマスを攻撃したイスラエル

9月9日、イスラエルはカタール国内のハマス指導部を標的とした攻撃を実施した。この大胆な昼間襲撃は首都ドーハでガザでの700日以上に及ぶ戦争の後に起こった。この戦争は2023年10月7日のハマスによるイスラエル攻撃で始まった。戦争により900人以上の兵士が死亡し、うち4人は9月8日に戦死した。

ガザ地区のハマス支配下の保健省によれば、ガザでは64,000人以上が死亡している。カタールへの攻撃は、ドーハ、エルサレム、ワシントンなどが機会を捉えれば、中東に新たな時代をもたらす可能性がある。

ホワイトハウスは襲撃後、これが平和への扉を開く可能性があると述べた。そのためには、ハマスが果たす役割とガザ戦争の将来について取り組む必要がある。

広範な紛争

壊滅的で前例のない戦争となっている。イスラエルは複数の戦線で戦い、2024年11月にヒズボラを撃破し、さらに6月の12日間戦争でイランを圧倒した。イスラエル軍はまたイエメンのフーシ反政府勢力政権の大半を排除した。ヒズボラの弱体化は、2024年12月のシリアにおけるアサド政権崩壊にもつながった可能性ある。これらの重要な変化で中東を根本的に再構築した。

中東のような地域は重大な出来事で大きな変化を経験する。例えば1979年のイラン・イスラム革命は地域に多大な変革をもたらした。冷戦の終結とイラクのクウェート侵攻は米国主導の新世界秩序の幕開けとなった。クウェートからサダム・フセインを追放するため軍隊を投入したことで、米国は中東への数十年にわたる関与を始め、現在の戦略的軍事構造が形成された。その戦略の重要な拠点の一つがカタールの米軍アルウデイド基地だ。この基地は、1991年の湾岸戦争後に米国がサウジアラビアから軍を撤退させ、より小規模な湾岸諸国へ移動させた象徴である。米中央軍(CENTCOM)の地域における態勢は、こうした変化の結果である。

ハマス指導部を匿う同盟国

イスラエルによるカタール駐在ハマス指導者への攻撃は、長らく予見されていたものだ。ハマス指導者らは10年以上もドーハに居住していた。ドーハ移住前には、ヨルダン、エジプト、シリア、レバノンに滞在した者もいた。NATO同盟国であるトルコにも渡航していた。ハマスはこの地域で安全を感じていた。

ハマスはますます大胆になり、10月7日の攻撃につながった。ハマスは大規模な戦争を招くと知りながら、壊滅的な虐殺を敢行した。ハマス指導部が米国の同盟国であるドーハに居住し、別の同盟国であるイスラエルで千人もの虐殺に関与していた事実は、今振り返れば極めて奇妙に思える。しかしアフガニスタンで米国と戦っていたタリバンも、政権奪還前の長年にわたりカタールに事務所を置いていた。

こうした矛盾は、この地域における過去数十年の特徴であった。オサマ・ビン・ラディンは米国と緊密な関係を持つ国々から現れた。しかし9.11以降、中東における過激派への宥和政策の時代は変革を迫られていることが明らかになった。その結果、多くの国が過激主義の取り締まりを強化した。この点でハマスは例外だ。米国の同盟国が受け入れ先となったことで穏健化したのではなく、むしろ過激化した。実際、イスラエルメディアYnetによれば、ドーハに拠点を置くハマス指導部が和平交渉を困難にしていた可能性がある。これが事実なら、それは彼らがガザでの過酷な戦闘を目の当たりにしていなかったためだ。ガザの200万の住民は、彼らにとって重大な紛争における駒に過ぎなかった

イスラエル対ハマス:今後どうなるか?

9月9日のドーハにおけるハマスへの攻撃は、ハマスが海外で安全を感じ、戦争を煽りながらもその代償を払わずに済んだ数十年の幕を閉じるものとして認識される可能性がある。これは、ハマスがガザを駒として利用することを再考する必要が生じたことを意味する。カタールもまた、ハマスなどの組織を受け入れる戦略を見直すかもしれない。長年にわたり、ドーハはガザに投資し、復興を支援し、パレスチナ人を援助してきた。ハマスによるイスラエルへの攻撃は、その投資のすべてを台無しにした。おそらく、紛争よりも安定を重視する新しい戦略が、ガザの軌道を変えるだろう。

ホワイトハウスのキャロライン・リービット報道官は 9 月 9 日、米国はカタールを強力な同盟国であり友人であると見なしていると述べた。同時に、ドナルド・トランプ大統領は、ガザでハマスに拘束されている 人質48人の解放を望んでいる。ホワイトハウスは、ドーハにハマスが存在するという問題を理解しているとほのめかしている。しかし、米国やその他の国々は、ドーハが爆撃されたり、その主権が侵害されたりすることは望んでいない。

これは矛盾だ。ハマスを排除し、打ち負かすことで、ガザでの戦争は終結するだろう。この戦争は、この地域全体の不安定化につながっている。戦争終結後、ガザの再建には何年もかかるだろう。つまり、戦争が続くと、戦後の期間も延長されることになる。イスラエルがカタールでハマスを追跡する意思を示していることは、同国がこの地域のタブーを打ち破ろうとする姿勢を継続していることを示した。イスラエルはイラン攻撃でも同じことをした。

何十年もの間、中東は、自らの目的のためにイスラエル・パレスチナ紛争を乗っ取ったグループによって不安定化されてきた。こうした組織の中でも特に重要なのが、イランの代理組織ネットワークだった。ハマスもまた、和平を妨害し、終わりのない戦争を通じてガザに破壊の連鎖を生み出す上で重要な役割を果たしてきた。

対照的に、パレスチナ自治政府はヨルダン川西岸地区におけるイスラエルへの脅威を減らすよう努めてきた。今こそハマスに関する戦略的見直しを行う機会だ。一部の国々は、ハマスを支援することで紛争における影響力を得ようとしてきた。こうした判断の有効性は今や、地域全体に跳ね返っている。大半の国々は過去数十年の戦争に終止符を打とうとしている。シリアとレバノンは、イスラエルとの戦争に利用される状態から解放されつつある二つの例だ。ハマスを支援した国々は損をした。このテロ組織は見えない費用となり、ドーハや他国がそのように認識し、9月9日の空爆から新たな方向へ進むことに価値がある。■


The Treaty

Israel’s Strike on Hamas in Qatar is a Game-Changer

By

Seth Frantzman