次はキューバか?
19fortyfive
ロバート・ファーリー
概要:米国によるヴェネズエラのニコラス・マドゥロ大統領の拘束を受け、アナリスト陣には次に倒れるドミノはキューバと見る向きがある。
ハバナ政権は存亡の危機に直面している。米国がヴェネズエラ産原油と財政支援の遮断に乗り出したことで、既に4%縮小した経済がさらに悪化しているためだ。
カストロの遺産崩壊を外交政策上の「戦利品」とトランプ政権が捉えていることから、米国は脆弱な島国キューバへ経済的圧力と不安定化策を強化すると予想される。
外交政策上の「戦利品」:トランプがマドゥロを掌握した後、キューバ政権を標的にする可能性がある理由
キューバは次に倒れるドミノになるのか?
ヴェネズエラのニコラス・マドゥロ大統領の拘束は、この地域に引き続き混乱をもたらしている。
マドゥロの後継者(デルシー・ロドリゲス副大統領)は短期的には権力を掌握したようだが、米国政府はヴェネズエラの経済・通商政策の将来に関する条件を引き続き打ち出している。
条件の一つは、ほぼ間違いなく、キューバ共和国への援助の停止または大幅な削減である。
1990年代のソ連援助停止(ソ連崩壊により終結)以降、ハバナはヴェネズエラに財政支援と安価なエナジー供給を依存してきた。
その見返りとして、キューバは国内外でチャベス・マドゥロ政権の野心を支援し、経済・安全保障分野で援助を提供してきた。
キューバ人警護隊がマドゥロ大統領を保護していたが、今回の襲撃で多数が死亡した。
キューバ経済は異常な圧力下にある。トランプ政権による強硬な貿易・金融制裁と、数十年にわたる経済誤管理に苦しんでいる。
経済は過去1年で4%縮小し、エナジーと食料の深刻な不足に直面している。
キューバへの観光業はパンデミックで甚大な打撃を受け、回復していない。同時に追加の金融制裁がハバナの国際金融市場へのアクセスを締め上げている。
第28空軍遠征航空団(EW)所属のB-1Bランサー爆撃機が、爆撃任務中に給油を受けるため機動する様子。これは「不朽の自由作戦」を支援するものである。
ヴェネズエラによるハバナ支援の終結は、こうした状況をさらに悪化させるだけである。
キューバの軍事力は取るに足らない。冷戦期には強大だったが、1990年代に急速に衰退し、回復しないままだ。
推定では、キューバの現役戦闘機は24機未満で、全て旧式である。現金不足と国内優先事項への資金配分の必要性から武器輸入は縮小し、国内産業による代替もなかった。
つまり、キューバは米国の介入に対する軍事的な脅威はヴェネズエラよりも、少ないといえる。
キューバに関するトランプの見解
トランプ政権は、一貫してハバナ政府に敵対的な姿勢を示している。
2017年、トランプは、ハバナに対する圧力を緩和したオバマ大統領の決定を覆し、強力な制裁と旅行規制を再開した。
現政権では、マルコ・ルビオ国務長官(キューバ系アメリカ人)が、上院議員時代から一貫してハバナ政権に敵意を示している。
トランプ大統領の西半球支配への執着、移民や麻薬取引への注目も、キューバを標的にする一因だ。フロリダのキューバ系アメリカ人コミュニティは共和党寄りであるにもかかわらず、トランプ大統領はキューバ人の米国への移住にさらなる制限を課している。
国際的な麻薬密輸におけるキューバの役割は比較的些細であり、深刻な関与の疑惑は大部分が虚偽だとはいえ、キューバのギャング団が米国への違法薬物の密輸にある程度関与してきたことは事実だ。
キューバはケネディ政権以来、米国の目の上のたんこぶであり続けてきた目障りな存在でトランプが好む問題でもある。
トランプが外交規範や慣行に敵意を抱いていることは、米国がキューバを封じ込めるために用いてきた伝統的な手段に頼る可能性が低いことを意味する。
トランプがハバナを外交政策の成功の最高の戦利品と見なすことは疑いようがなく、トランプの同盟者たちがすでにハバナ政権の終焉の可能性を喧伝しているのも驚くに当たらない。
今後の道筋
米国がニコラス・マドゥロを掌握するため用いたのと同じ軍事的資産が、キューバのミゲル・ディアス=カネル大統領を掌握するために用いられる可能性があることは、ハバナも十分に認識している。ディアス=カネルは米国で起訴されていないが、本人と側近の大半は渡航・金融制裁の対象となっている。
しかしトランプ政権は、経済的圧力を強化しつつ、目立たない形で政権不安定化や社会混乱を誘導する可能性が高い。
もちろん、圧力をかけても必ずしも成果が上がるわけではなく、ハバナ政権が耐え抜く可能性もあり、(あるいは)米国の利益を損なう形で崩壊する可能性もある。
いずれにせよ、時計は刻々と進み、キューバが頼れる友は皆無に近い。
トランプがカストロ政権の遺産崩壊を歓迎するのは疑いない。たとえそれがトランプ・ハバナ・ホテル&カジノの形で現れなくとしても。ケネディ政権以来の米国目標であるハバナへの資本と影響力の回帰は、トランプ自身の心の中でその遺産を確固たるものにするだろう。■
著者について:ロバート・ファーリー博士
ロバート・ファーリー博士は2005年よりパターソン・スクールで安全保障・外交学を教授。1997年にオレゴン大学で理学士号、2004年にワシントン大学で博士号を取得。著書に『地上に縛られて:米国空軍廃止論』(ケンタッキー大学出版、2014年)、『戦艦図鑑』(ワイルドサイド社、2016年)、『特許による軍事力:知的財産法と軍事技術の拡散』(シカゴ大学出版、2020年)、そして最新刊『金で戦争を遂行する: 国家安全保障と金融領域の変遷(リン・リナー社、2023年)を著している。また『ナショナル・インタレスト』『ザ・ディプロマット:APAC』『ワールド・ポリティクス・レビュー』『アメリカン・プロスペクト』など多数の学術誌・雑誌に寄稿。さらに『Lawyers, Guns and Money』の創設者兼シニアエディターを務める。
Is Cuba Next?
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https://www.19fortyfive.com/2026/01/is-cuba-next/
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