2026年1月22日木曜日

中東情勢を意識した米軍部隊の動き

 

中東への米軍部隊の増強が続く

イスラエルがイラン政権打倒のため大規模ミサイル攻撃を容認する意向と報じられる中、さらに多くの米軍資産が中東へ向かっている模様だ

TWZ

ハワード・アルトマン

2026年1月20日 午後9時2分(米国東部時間) 公開

U.S. President Donald Trump says a strike against Iran is not off the table.(USCENTCOM)

ナルド・トランプ米大統領は、4週間にわたって激化する反体制デモに対するテヘランの厳しい弾圧に対する軍事対応を引き続き検討している。火曜日のホワイトハウス記者会見で、米国大統領は、アヤトラ・アリ・ハメネイと彼の政府に対する武力行使の可能性を排除しなかった。トランプ大統領がどのような道を選ぶにせよ、攻撃に備えた中東における米軍の増強は続いている。空母「エイブラハム・リンカン」打撃群(CSG)は、追加の戦術戦闘機、輸送機、空中給油機が東へ飛行する中、この地域へ進路を続けている。

「軍事的な選択肢は排除されているのか?いいえ」と、トランプ大統領はイランに対する自身の計画に関する質問に対して答えた。

質問に答える前に、トランプ大統領はテヘランが抗議者の処刑を差し控えているとの自身の主張を繰り返した。

「イランは837人を処刑する予定だった」とトランプ大統領は説明した。「我々は彼らに、もしそれが起これば彼らにとって非常に悪い日になると伝えた。そして彼らはそれを実行しないことを決めた。処刑は行われなかった」「将来何が起きるかは言えないが、おそらく彼らはその選択肢を撤回した」と付け加えた。「しかし先週、彼らは木曜日か水曜日に処刑する予定だった。837人を処刑するつもりだったと思うが、結局誰も処刑しなかった。だからイランの動向を見守るしかない」

トランプは、数千人の死者を出した抗議活動への残虐な対応をめぐり、繰り返し体制を脅迫してきた。また街頭に出た人々に対し、支援が差し迫っていると約束した。しかし殺害が停止すると伝えられた後、態度を軟化させ、先週イランへの攻撃を中止したと報じられている

一方、ソーシャルメディアには政権による自国民への暴力行為を示す新たな画像や動画が流出した。イラン市民は12月28日、物価高騰、通貨価値の暴落(リアルが実質無価値に急落)、壊滅的な干ばつ政府による残忍な弾圧を理由に政権への抗議を開始した。

現在イランでは政府によるインターネット・電話通信の遮断が続いており、状況の把握が困難である。

米国による対イラン軍事行動は発生していないものの、両国間の緊張は高まったままである。テヘランは火曜日、トランプ大統領に対しハメネイ師へのいかなる行動も控えるよう警告した。

「トランプ氏は理解しているはずだ。我々の指導者に向けられたいかなる侵略の手も、我々は切り落とすだけでなく、その世界を焼き尽くすだろう」と、イラン軍報道官アボルファズル・シェカルチ将軍は述べた。

シェカルチ将軍のこの発言は、トランプ大統領が土曜日に体制変更を呼びかけたことを受けたものだ。

「イランでは新指導者を探す時が来た」とトランプ大統領はポリティコ誌に語った。

その4日前、イラン国営テレビはトランプ大統領に対する直接的な脅迫を放送し、ペンシルベニア州バトラーで2024年7月に起きた暗殺未遂事件後のトランプ大統領の画像を流した。その画像には「今回は弾丸は外さない」というペルシャ語のメッセージが添えられていた。

こうした威嚇の中、リンカン空母打撃群はマラッカ海峡を通過し、ベンガル湾へ西進。MarineTraffic.comの最新情報によれば、中央軍(CENTCOM)管轄地域へ向かっているとみられる。ただし同艦はトランスポンダーを停止し、現在は「暗航」状態にある。

オンラインのフライトトラッカーによると、F-15Eストライクイーグル戦闘機がKC-135ストラトタンカー空中給油機と共に、英国RAFレイクンヒース基地から中東に向けて東進している。

F-15E(特にRAFレイクンヒース所属機)は中東における主力機であり、約10年にわたりヨルダンにほぼ常駐している。また先鋒部隊としてイランのドローンや巡航ミサイルによるイスラエルへの度重なる攻撃を防御する役割を担ってきた。現在ではこれまで以上にその任務を遂行できる能力を備えている。中東への展開は、現在の不安定な情勢と威嚇行為を考慮すればほぼ予想どおりだ。攻撃能力に加え、イランがイスラエルや同地域の米資産に対し、先制攻撃もしくは報復攻撃を仕掛けた場合、F-15Eはこれらの攻撃を防御する上で重要な役割を担う。

中東地域の現行部隊状況について繰り返しコメントを控えてきた中央軍司令部(CENTCOM)だが、火曜日には中東に着陸するF-15Eの画像を公開した。

また、この地域に向かう C-17 グローブマスター III 輸送機の数も増加している。イランに対するいかなる行動も、防空システム、物資、軍隊の流入を必要とし、輸送手段の使用が必要になる。

米国はより多くの防空システムを必要とする可能性が高いが、この地域には、CENTCOM が最近の X 投稿で紹介した電子式先進地上発射システムなど、すでに防空システムが導入されている。

米空軍も M1 エイブラムス戦車および M2 ブラッドリー戦闘車両をこの地域へ空輸したが、それがイランに関する作戦と関連があるかどうかは不明である。

これまで指摘してきたように、米国は、この地域に戦術航空機、6隻の艦艇、約 3 万人の軍隊を配備しているにもかかわらず、イランに対する大規模な持続的作戦、あるいはそれに続くミサイルやドローンの集中攻撃に備える準備は整っていないようだ。この軍備増強が、イランに対する新たな攻撃のためなのか、あるいはいかなる攻撃からも防衛するためなのかは、現時点では不明だ。

米軍の地域展開が拡大する中、イスラエルは宿敵イランへの攻撃、および同国からの攻撃に備えている。両国が最後に対峙したのは6月の12日間戦争である。

ベンヤミン・ネタニヤフ首相は月曜日、「エルサレムはイランがこれまで経験したことのない強さで行動する」と述べた。

「我々はイランで起きている事態を注視している」とネタニヤフ首相はクネセトで発言し、ニューヨーク・ポスト紙が報じた。「我々は皆、自由と福祉と正義を求めて戦うイラン国民の英雄的な闘いを驚嘆の念をもって見守っている。イランの支配者たちが命じた虐殺の残虐行為を目の当たりにしている」

「イランの明日を予測できる者はいないが、一つだけ確かなことがある。何が起ころうと、イランはかつての姿には戻らない」とイスラエル指導者は警告した。

エルサレムの当局者は、新たな政権が誕生するならば、イランによる大規模な攻撃を甘受する用意があると表明している。

「イランから700発のミサイルが発射されるという極端なシナリオ(『ライジング・ライオン作戦』では約500発が発射された)においても、エルサレムにおける戦略的な費用対効果の評価は基本的に変わらない」とイスラエルのYNETニュースメディアが報じた。「イスラエルの意思決定者らの見解では、軍事作戦がイラン体制の崩壊につながるなら、その代償は許容できるだけでなく価値がある。特に最近の紛争で能力が限界まで押し上げられた現状ではなおさらだ」

イスラエルの迎撃ミサイル備蓄状況は不明確であり、特に高度で極めて高価なアロー弾道ミサイル防衛迎撃ミサイルに関してはそうだ。報道によれば、イスラエルは6月の戦争直後という時期に、こうした備蓄への懸念から、イランによる持続的な連続攻撃を再び成功裏に防ぐ準備が整っていないという。米国がどの程度不足分を補えるかも不明だ。戦争中、米国は既にイランの弾道ミサイルからイスラエル防衛に深く関与していた。一方、イランは戦争終結後、弾道ミサイル生産を急ピッチで推進している。双方が保有する兵器で攻防をより成功させる方法について、戦争から重要な教訓を得たことも同様だ。

いずれにせよ、最近の報道が事実ならば、イスラエルは必要な迎撃システムを保有しているか、あるいはテヘラン政権を打倒するためなら甚大な損害を甘受する覚悟があることが明らかだ。

現時点では、1月の砲門は装填されたまま固く閉ざされているが、まだ誰も最初の発砲をしていない。本誌はこの緊迫した状況を注視し、必要に応じて最新情報を提供する。■

ハワード・アルトマン

シニアスタッフライター

ハワードは『The War Zone』のシニアスタッフライターであり、『Military Times』の元シニアマネージングエディターである。それ以前は『Tampa Bay Times』のシニアライターとして軍事問題を担当した。ハワードの作品は『Yahoo News』『RealClearDefense』『Air Force Times』など様々な媒体に掲載されている。


U.S. Military Buildup In The Middle East Grinds On

More U.S. assets appear to be headed to Middle East as Israel is reportedly willing to wither a major missile barrage to end the regime in Iran.

Howard Altman

Published Jan 20, 2026 9:02 PM EST

https://www.twz.com/news-features/u-s-military-buildup-in-the-middle-east-grinds-on



1 件のコメント:

  1. ぼたんのちから2026年1月23日 8:41

    イラン国民の神権政治に対する抗議行動のさらなる高まりがあり、ハメネイの亡命か、IRGCの国民殺戮があれば、トランプは、イスラエルと共に軍事行動を起こすだろう。目標は、ハメネイ周辺、IRGC幹部、及び施設、それに対地ミサイル発射基地になる。
    イランに政変があれば、「北京枢軸」に野合する「ならず者国家」がまた一つなくなることになる。その後、中東は「平和評議会」が取り仕切ろうとするだろう。
    イラン神権政治崩壊のドミノは、次にキューバに向かい、その次は、希望的予測だが、ロシアやCCP中国にも大きく波及するだろう。既にロシアの衰弱は著しく、CCP中国経済は自転車操業状態にあり、衰退から解体へと向かっているように見える。
    プーチンは、地位にしがみつくプーチキンとなり、僅かな実績しかないウクライナ戦争を止められず、習もクーデタを恐れて習鶏となり、PLA幹部粛清を止められないようだ。
    トランプの、この1年余りの影響力は凄まじい。この結果が平安をもたらすものならば歓迎するが、どうも大国間の小突き合いは、ますます激しさを増すようだ。

    返信削除

コメントをどうぞ。