ロシアのMsta砲。 画像出典:クリエイティブ・コモンズ
相互の消耗や強い外部強制力(現在の欧州には不可能)がなければ、ウクライナで敵対行為が停止しても、再軍備に向けた一時的な休戦にすぎず、戦闘が一時停止しても、キーウへの西側の支援は継続の必要がある
ウクライナに平和はない:30年戦争、百年戦争、半世紀続いた冷戦など、歴史は長い戦争でいっぱいだ。ナポレオン戦争では、フランスと敵対連合との間で散発的な戦争が起こり、その間に1802年の英仏間のアミアン条約のような不穏な平和の時期が挟まれた。イスラエルは1948年以来、アラブ諸国と何度も戦争をしており、レバノンやシリアとはいまだに休戦状態にある。しかし、アラブ・イスラエル紛争の戦場での局面(軍隊が戦闘を行う局面)は、数週間も続かない傾向にある。
ウクライナの課題は和平だが容易ではない
では、トランプやプーチンのような指導者がウクライナの「平和」や「停戦」を口にするとき、彼らは本当に平和について話しているのだろうか?
問題は、平和が必ずしも暴力の終結を意味しないことだ。かつての敵同士が、友好国にはならなくても争いをやめることはある。例えば、イスラエルとエジプトは1978年のキャンプ・デービッド合意以来、貿易や観光を制限したまま冷え切った平和を保っている。とはいえ改善されている。 両国の軍隊は戦闘を行っていないし、イスラエルとエジプトはテロ集団のスポンサーになるなど、相手の安全保障を破壊する行為はしていない。
キャンプ・デービッドへの道のりは、特に数十年にわたりユダヤ国家の存在を受け入れようとしなかったエジプトにとって、考え方の激変を必要とした。イスラエルにとって和平条約は、かつて対イスラエル・アラブ連合を支配していたエジプトに対する緩衝材としてシナイ半島を手放すだけの信頼を得ることを意味した。しかし、さまざまな疑念にもかかわらず、かつて敵対していた2国間の平和は続いている。
歴史は戦えと言う
その意味で、現在の状況でウクライナに交渉による恒久的な和平が実現する可能性は低い。 プーチン、あるいは志を同じくする後継者たちは、独立したウクライナの存在を受け入れざるをえない。モスクワがウクライナを侵略した目的が、ウクライナがNATOに加盟しないようにすること、あるいはウクライナをソビエト帝国に無理やり組み入れることだったとすれば、ウクライナとその西側同盟国が受け入れられる和平はロシアには耐え難いものになるだろう。
加えて、プーチンが勝利を宣言したとしても、クリミアと東欧の一角を併合したことが犠牲者100万人を出す価値があったのかという疑問が生じるのは必至だ。ウクライナ側としては、ロシアに奪われた領土を取り戻したいという感情があるに違いない。このような状況下では、1945年以降の西ヨーロッパのような平和(厳重に要塞化された国境が消滅した)は遠い夢のように思える。
停戦となるのか?
トランプ大統領が要求している恒久的停戦にはどうだろうか。そのような取り決めは、1949年以来のカシミールをめぐるインドとパキスタンの間の停戦に似ているかもしれない。 しかし、カシミールは、インドとパキスタンのジェット機空戦を含む、国境紛争を何度も引き起こし、核武装した両国を戦争の瀬戸際まで追い込んできた。ゴラン高原では、国連が監視する停戦によって、イスラエルはシリア領内からレバノンのヒズボラへのイランの武器流入を阻止するため、シリア空爆を繰り返さなかった。
ロシアがまだウクライナを独立国家として消滅させることに執念を燃やしているのなら、停戦を破棄しなくてもウクライナを攻撃する方法はいくらでもある。モスクワは、ウクライナ国内の反乱分子やテロリスト集団を支援することも、ウクライナ軍に "偶然 "発砲することも、国境侵犯の疑いに対してウクライナの都市を攻撃することもできる。
平和条約や停戦協定は、それだけではただの紙切れだ。イスラエルとエジプトのように、国家が互いに疲弊して守ることもある。あるいは、アメリカがベトナムで行ったように、一方が疲弊してしまう。しかし、疲弊しているとはいえウクライナ国民はロシアに抵抗する決意を固めている。あるいは、第二次世界大戦後にアメリカが西ヨーロッパで行ったように、強い国がルールを施行する。 理論的には、欧州の平和維持軍がウクライナに駐留することで、これを達成することができる--欧州にロシアと戦う可能性のある軍事的資源と政治的意志さえあれば。
今のところ、ウクライナとロシアの間の敵対行為の停止は、双方が休息し、次のラウンドまでに再武装する間の休戦に過ぎないようだ。
ヨーロッパ、そしてアメリカも、トランプ政権の気分次第ではあるが、ウクライナへの支援継続への覚悟が必要だ。■
There Won’t Be No Peace In Ukraine. Just A Truce
Without mutual exhaustion or strong external enforcement (which Europe currently lacks capacity for), any cessation of hostilities in Ukraine would likely be merely a temporary truce for rearmament, necessitating continued Western support for Kyiv even if fighting pauses.
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著者について マイケル・ペック
Business Insider』『Forbes』『Defense News』『Foreign Policy』誌などに寄稿する防衛ライター。 ラトガース大学で政治学の修士号を取得。
とんちんかんな記事ですね。
返信削除ロシアの勝利は既に確定しています。
ウクライナの勝利条件であった侵攻の阻止・奪われた領土の奪還は何れも不可能です。
この時点でロシアに負けはありません。
そしてロシアの勝利条件は東部4州とかの枝葉末節を切り捨てれば、安全保障つまりNATOの操り人形と化したウクライナの繰り糸を切ることです。
『尊厳の革命(東側風に表現するとマイダン・クーデター)』が示すように、ウクライナを操りロシアと噛み合わせたのはアメリカです。
そのアメリカで民主党が選挙で負け、トランプが「中立の立場で和平を仲介する」というポジションを取った時点でロシアは事実上、勝利したと言える。
もともとアメリカは中立ではなかったわけですから、要するにサレンダーしたということなので。
だから猟師に捕まったイノシシがどんな風に解体されるか、どんな調理法で食べられるのか、あるいは家畜になる(待遇は家畜の態度次第、賢い犬ならいい生活ができる)のか……今はもう、そういうフェーズなのです。
戦いを続けてもウクライナが得るものはありません。
既にウクライナは3000〜3500万人あった総人口が、2000〜2500万人の国になってしまっています。
国が保たない時がきている。
それでも戦争の継続を主張するのならば、そのように主張する人が戦地へ行って戦うべきです。
このコメントもロシア諜報戦の賜物だよなぁ。ロシアの都合良い情報を世界中に発信し、ロシア国内の都合が悪い情報は規制して、情報をコントロールできるには、さすがプーチンと言うべきか、共和党も騙せたし、自分は思うに今のトランプ政権はプーチン氏から情報戦で学ぶ事は多い、来年は中間選挙もあるし、早く情報戦で新しく作らなければ、民主党に負ける。
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