2017年4月15日土曜日

★第二次朝鮮戦争になればどうなるか



これまでの米国の動きは北朝鮮が見抜いていたようで挑発行為も瀬戸際で止まっていたのですが、トランプの心の中は読み取れないのではないでしょうか。金正恩も同じで、世界は不安の中でこれから過ごすことになりそうです。

The National Interest Armageddon: The Devastating Consequences of a Second Korean War 第二次朝鮮戦争の壊滅的効果を予測する


April 14, 2017

  1. 北朝鮮をマルクスレーニン主義国家、あるいは毛沢東の文化大革命の影響を受けた国家と見れば本質を見誤る。北朝鮮は王朝支配の専制国家であり、半ば神格化された金一族が絶対的な権限をチューダーあるいはシーザーのごとく国民にふりかざす国家だ。
  2. 北朝鮮国民が指導者へ狂信的に献身信奉する姿はうわべだけではない。北朝鮮へ行き一般国民と話して金一族への献身ぶりがよくわかった。主体思想のためなら命を犠牲にする、偉大なる指導者やその血族のためでも同様だ。北朝鮮は40年近く日本帝国の支配下にある間に、天皇のため命を犠牲にするのを厭わない神風精神を吸収したようだ。
  3. 北朝鮮はイラクとも異なる。北朝鮮特殊部隊エリート隊員3万人は簡単に粉砕されたサダムの共和国防衛隊とは大違いだ。特殊部隊は地下トンネルから韓国一般市民を奇襲攻撃で狙う。また自称「核大国」の北朝鮮は核弾頭20発を保有している。また化学兵器の備蓄があり、1万発あると言われる火砲で投射できる。DMZ付近に巧みに構築された陣地からソウル首都圏はわずか35マイル先であり、大被害をもたらすはずだ。この大規模化学攻撃態勢はシリアのアサドからすればうらやましいかぎりだろう。ソウルの人口は10百万人超で首都圏全体では25百万人が暮らす。
  4. 韓国の2016年度版白書では北朝鮮は1980年から化学兵器開発に乗り出し、今や化学兵器2,500トンから5,000トンのを備蓄しており、生物兵器も含め各種にわたり、炭疽菌、天然痘、ペストまであるという。CNNは4月13日に安倍首相が「北朝鮮はサリン神経ガスを搭載したミサイルを発射する能力がある」と公に発言したと報道。
  5. 金正恩は公然とトランプ大統領を軽蔑し、第六回目の核実験を4月15日の金日成誕生日近辺で実施するようだ。米大統領がレッドラインと警告する中で金正恩は計算づくでトランプはまさか第二次朝鮮戦争に火をつけるはずはないと見ているのだ。
  6. 祖父金日成は当時の米大統領をなんらちゅうちょせず挑発している。米情報収集艦USSプエブロを国際公海上で拿捕したのは1968年1月のことで、同艦は今日でも返還されず、乗組員82名(一名は襲撃時に死亡)は一年近く抑留された。リンドン・B・ジョンソン大統領はヴィエトナム戦争の泥沼に足を取られており、平壌への報復攻撃を控えた。翌年4月に米偵察機が日本海上空で北朝鮮MiG-21に撃墜され31名の乗員は全員死亡した。これは冷戦時の米航空乗員被害では最大だ。平壌はたくみに計算しヴィエトナム戦争のエスカレーションを恐れワシントンは激しい行動を取らないと見ていた。
  7. さらに1976年夏に前年のジェラルド・R・フォード大統領のヴィエトナム完全撤兵を受けて、平壌はDMZで米軍を襲撃し、米陸軍将校二名が死亡した。有名な「斧殺人事件」で平壌は戦争に疲れたワシントンがアジアで再び大規模戦に巻き込まれたくないと思っているはずと見たのだ。瀬戸際政策は北朝鮮の普通の戦略方法論なのだ。
  8. 最近では2010年に韓国海軍艦艇を魚雷攻撃し、46名を死亡させながら同年に韓国離島を砲撃し、韓国海兵隊員2名一般市民2名を殺害している。ここでも平壌は挑発行為をしかけながらたくみに事態を収束させているのは、同盟国の中国が国連による対応を阻止したためだ。
  9. 金正恩は攻撃を仕掛けるだろうか。直近の脱北高官によれば可能性はあるという。ロンドンで大使次長だったThae Yong-hoが金正恩の心の中を語り「金正恩を過小評価してはいけない」と2月17日CBSで述べている。「アメリカだけでなく韓国や世界に被害を与えようとしている。金正恩はICBMが手に入れば、アメリカは簡単に怖じ気出すと信じている」とBBCに語り、追い詰められればロサンジェルスを核攻撃すると発言した。「自らの権力と一族が追い詰められればボタンを押すはず」
  10. 現時点で北朝鮮に米本土まで到達可能なICBMはないとみられるが、あと数年で実現する可能性がある。ただし短距離中距離ミサイルは韓国、日本、グアムの米軍基地を射程に入れている。日本政府の懸念は北朝鮮が日本統治時代から続く反日、反帝国主義の主張から日本国内に化学兵器の雨を降らすことだ。
  11. 在韓米軍は28千名が駐留し開戦となれば即出撃する態勢をとっている。さらに軍属家族が数千名韓国にある。非戦闘員退避作戦で米国や同盟国の民間人数千名を韓国から退避させるが2つの問題が未解決だ。まず、これだけの民間人がソウル首都圏にいる中で突如として化学攻撃を受ければ国外避難が円滑にできるのか。二番目に危機が迫る中でワシントンが米軍属の退避命令を出せば、パニック状況が生まれ大量の市民が朝鮮半島南部へ逃げ出すだろう。空港は言うに及ばず、首都機能は麻痺し、韓国株式市場は大幅安になる。
  12. もう一つ第二次朝鮮戦争勃発の場合に危惧されるのが国際貿易だ。1950年の東アジアと違い、東アジアは世界経済のエンジンになっている。ミサイルがグアム以遠まで飛び交う太平洋になれば、中国製やその他アジア各国製品がウォルマート店舗から消えるだろう。海上貨物輸送も戦火に巻き込まれるリスクは避ける中で米軍人員物資の輸送が最優先のはずだ。
  13. 米軍が北朝鮮核施設ミサイル施設をピンポイント空爆することで第二次朝鮮戦争が勃発すれば、また北京が北朝鮮との防衛条約を履行すれば、世界経済は壊滅的影響を受ける。中国は1950年に自国の中核的権益が脅かされていると感じ軍事介入してきた。
  14. 2000年のペンタゴン資料では当時の米軍死傷者数は33,651名とあり、さらに「その他」として疾病事故死があるとする。朝鮮戦争記念館の死傷者は54,246名と記録している。中国は132千名から400千名を喪失している。英、トルコ、カナダ、オーストラリア、フランス他の連合国で3-4千名が戦死している。韓国一般市民は2百万人が死亡している。戦争により米国では200億ドル、中国は25億ドルの損失が生まれた。
  15. 第二次朝鮮戦争となれば被害規模はさらにふくれあがる。今回も韓国で2百万人以上が死亡するだろう。米軍は50千人超となりアジア地上戦で一般国民が動員される事態となる。韓国国内のインフラが破壊されれば「漢江の奇跡」は再び振り出しに戻る。米軍の太平地区の基地、韓国、日本の都市部に化学攻撃があるだろう。太平洋地区の株式市場は大幅安となり、世界貿易は壊滅的影響を受ける。中国介入の可能性がある。また恐ろしいのは核兵器が戦闘で初めて投入される可能性だ。
  16. そうなると次の疑問が生まれる。ピンポイント攻撃を敢行してこれだけのリスクを覚悟できるのだろうか。
Dennis Halpin, a former adviser on Asian issues to the House Foreign Affairs Committee, is currently a visiting scholar at the U.S.-Korea Institute at SAIS (Johns Hopkins) and a consultant at the Poblete Analysis Group.


2017年4月14日金曜日

アフガニスタンに投下されたGBU-43はバンカーバスターではない




What you need to know about the 'Mother of All Bombs'

「全ての爆弾の母」と呼ばれるMOAB、GBU-43
By: Valerie Insinna, April 13, 2017 (Photo Credit: US Air Force)
WASHINGTON — 米軍がGBU-43/B別名「全爆弾の母」をISISのトンネル施設にアフガニスタンで投下し、同装備が初めて戦闘に投入された。
  1. この名称は正式名称の大規模航空爆発弾の頭文字MOABからのもので非核兵器としては最大規模だ。だがもっと大きな威力を持つ兵器がある。
  2. MOABは空中炸裂弾で非強化地上目標物を広範囲に破壊することを目的に開発された装備だと空軍関係者がDefesnse Newsに説明してくれた。貫通効果はないが、洞窟や渓谷あるいは炭鉱のような目標物にも最大効果を発揮する。
  3. これが今週木曜日に投下された。MC-130で空軍特殊部隊が重量21,600ポンドGPS誘導の同兵器をアフガニスタンのナンガーター県アチン地区に投下したと中央軍が発表した。
  4. 「ISIS-Kは敗北を重ねており、IED即席爆発物を使い、退避壕やトンネルで防御態勢を強化している」とアフガニスタン駐留軍トップ、ジョン・W・ニコルソン大将は述べ、「障害物と関係なくISIS-Kへの攻勢を強めるのに最適な兵器だ」
  5. MOAB投入の利点は他の精密兵器と違い、強力な爆発物で地表広くに爆風効果を生むことにある。爆風発生で多くの爆発物も誘爆させる効果があるという。
  6. つまりIED等を一気に片付ける効果が生まれ、ISIS戦闘員にも多大な被害が生まれると専門家は見る。深い地点や防御された洞窟は攻撃対象ではないが、これだけの規模の爆風が発生すれば通常の洞窟や地下施設なら落盤が崩れる効果があるという。
  7. GBU-43の詳細は謎のままで、単価や空軍の保有数は不明だ。空軍は同兵器を何発購入しているのかは話せないとしている。
  8. ただしその開発過程は知られている。MOABはサダム・フセイン政権に圧力をかけるべく開発された。空軍研究所が短時間にカイアhつしたもので、最終テストは2003年3月11日と開発着手から一年で完成させている。ただしイラク戦では結局投下されていない。MOPは空軍研究所が開発し、ボーイングが製造している。全長30フィートに及ぶ巨体のため爆撃機では運用できない。
  9. ではGBU-43より大きい兵器があるのか。GBU-57A/B貫通弾MOPがその答えのようで、30千ポンド超の「バンカーバスター」として地下深くに貫通し地下壕等施設を破壊する効果がある。■

ロシア大型戦略爆撃機Tu-160の新型M2の生産準備が進行中


古い機材をやりくりして使うロシア軍ですが、なかなか更新機材が出てきません。PAK-DAは絵に書いた餅で、基礎ができているTu-160の改修型を作るほうが現実的というのがロシアの判断なのでしょうか。総合的にロシア航空産業の実力は相当下がってきている気がします。

The National Interest


Russia’s Tu-160M2 Blackjack Supersonic Bomber: A Cruise Missile Carrier? ロシアのTu-160M2超音速爆撃機は巡航ミサイル運用を狙う機体になるのか

April 12, 2017

  1. ロシアのTu-160M2ブラックジャック超音速戦略爆撃機の生産は2022年に始まる予定だ。ロシア航空宇宙軍は同機を30機ないし50機発注すると見られる。Tu-160はソ連最後の戦略爆撃機として1991年のソ連崩壊前に登場した。
  2. 「2021年にR&Dを完了し、量産を2022年から開始したい」と合同航空機企業を率いるユーリ・スリューサルがロシア国内テレビの取材で答えているTASS通信が伝えている。「発注元と金額交渉中で30機から50機になると見ている」
  3. 同機は年間2機ないし3機のペースでカザンで生産されるようだ。ロシアの国防装備案件では珍しいがTu-160M2はきわめて現実的かつ高性能機材だ。「改修により性能を高めた機体になる」とマイケル・コフマン(ウッドロー・ウィルソン国際センターのケナン研究所主任研究員、ロシア軍装備専門家)はThe National Insterestに述べている。「PAK-DA(ステルス爆撃機)が実は夢の存在で現実的な解決策はTu-160の近代化だということです。またロシアが核運用の三本柱を維持する姿勢を見せつけるものです」
  4. ロシア筋もコフマンの評価と同意見だ。ワシリー・カシン(モスクワ高等経済学研究所内総合欧州国際研究センター上席研究員)が新型ブラックジャックの準備が進行中と述べている。「この機体は実際に製造されます」とThe National Interestに語っている。「実作業が行われており、50機生産になるでしょう」
  5. Tu-160初期型と同じく新型もマッハ2.0超の飛行速度を誇り、新型ブラックジャックは巡航ミサイル母機としてスタンドオフで核兵器を運用する。新型ではエイビオニクスを一新し、推進系や機体構造にも手を入れる。そうなると精密爆弾の運用は二次的になる。「まず巡航ミサイル母機で二次的に精密爆撃を実施するはず。相当の機体近代化を受けるだろう」(カシン)
  6. 新型Tu-160M2はロシアの国防装備更新事業の一環であり、戦略装備重視の具現化である。ロシア国防省は航空宇宙防衛に重点的に予算を計上しており、戦略核部隊、ハイテク兵器や無人機に注力しており、2018年から2025年まで実施される。
  7. Tu-160M2はクレムリンの軍事装備に強力な切り札になりそうだ。生産されるかではなく、いつ生産されるかの問題だ。■
Dave Majumdar is the defense editor for The National Interest. You can follow him on Twitter: @davemajumdar.
Image Credit: Creative Commons.

2017年4月13日木曜日

米空軍F-16の供用期間延長はF-15早期退役の布石なのか


F-16でF-15の役割を果たせるのか、米空軍が本当にそう考えていれば危険な状況になりませんかね。PCAがどうなるのかまだまったくわからないままで2020年代は戦闘機には厳しい時代になりそうです。

Aerospace Daily & Defense Report

With Structural Mods, F-16 Will Fly Through 2048 機体改修でF-16供用期間は2048年まで延長

Apr 12, 2017Lara Seligman | Aerospace Daily & Defense Report

F-16 SLEP: Lockheed Martin
  1. 米空軍がロッキード・マーティンF-16の耐用期間を現在の8千時間から12千時間に延長する事業を承認したことから、F-15C/Dイーグル退役への第一歩になるのかとの疑問が生まれている。
  2. 機体構造の強化はF-16Cブロック40-52の300機が対象で2048年まで十分使用できるとロッキードは広報資料で述べている。
  3. F-16が2048年まで飛ぶ反面、空軍は200機あるF-15C/Dを予定より20年早く2020年代中に退役させる検討中。予算が厳しい中、空軍にはF-15多数を第五世代機やさらに第六世代機と並行して運用する余裕がない。さらにB-21ステルス爆撃機があり、新型侵攻制空機(PCA)が将来型戦闘機として登場するはずと航空戦闘軍団司令官マイク・ホームズ大将が述べている。
  4. 空軍提案ではF-15退役で生まれる穴をF-16改修型で埋めるべく、アクティブ電子スキャンアレイ(AESA)レーダーも機体構造強化と平行し行う。AESAレーダー追加装備でF-16は現在州軍航空隊がF-15C/Dで担う防空任務が実施可能となるとマーク・ナウランド中将(作戦担当参謀次長)は述べる。
  5. ただし専門家にはF-16では高性能ロシア、中国機材に対応できないと指摘する向きがある。AESAを装備しようにもF-16のレーダーアンテナはF-15よりかなり小さい。一方でF-16は最大でも6発とミサイル搭載量が少なく、速度、操縦性でF-15を下回る。
  6. ナウランド中将はこれに対して航空優勢が確立出来ていない戦闘状況で第四世代機の残存は困難で、これはF-15、F-16でも同じだ、空軍は第五世代機、第六世代機への移行を加速化する必要があるという。
  7. 「接近阻止領域拒否をというとドームを心に描く人がいるが、ドームではなくスイスチーズだ。つまり穴が必ず存在する」とナウランドは述べている。「第五世代機はこの穴を利用して相手の領空に侵入できる。それで第四世代機も活動できるようになる」
  8. ほぼ互角の実力を有する相手が高性能レーダーや地対空ミサイルの導入で第四世代機を脅かす中、ホームズ大将は新鋭機を多数導入したいはずだ。少なくとも年間100機は必要だろう。ここにF-35の増産も勘定に入るが、第六世代航空優勢戦闘機をPCA事業として前倒しででも調達する必要がある。空軍参謀総長ディヴィッド・ゴールドファイン大将はF-15C/Dの早期退役は空軍予算検討時の選択肢の一つにすぎないと強調している。
  9. 「予算が実現しないと編成もできません。F-15では何ら決定はしていません」と記者団を前にワシントンで語っている。■

★金正恩暗殺が本当に実施されたら



なるほど金正恩暗殺には法的な問題も事後の問題もありますね。筆者のいうように中国を米国が受け入れられる形で関与させる企みの一環なのでしょうか。一方でオサマ・ビン・ラディン殺害を実施したのも米国ですが(死体は信奉者が出るのを防ぐため海中に投棄)北朝鮮で強固に守られて怯えて暮らす北朝鮮指導者はバンカーバスターを投入してもを一人殺害できるのかもわかりません。

The National Interest

What If America Assassinated Kim Jong-un?アメリカが金正恩を暗殺したらどうなるか。

Nobody knows whether cooler heads in North Korea would prevail after Kim Jong-un's death. 冷静な後継者が現れるのか不明だ

April 10, 2017


  1. サリンガス攻撃の様子がホワイトハウスの緊急事態対策室に流れると、ドナルド・トランプ大統領は国家安全保障会議NSCに翌日までに具体的対策案を出せと求めた。国防長官ジェイムズ・マティス、安全保障担当補佐官H・R・マクマスター、統合参謀本部議長ジョセフ・ダンフォードはその通り行動し、トランプ大統領は米海軍に巡航ミサイル59発の発射を命じ、ガス攻撃の出撃基地攻撃を狙った。
  2. 同時にNSCは北朝鮮政策見直しも検討している。シリアとちがい、大統領は安全保障専門職に長い時間を与え、より柔軟に対応策を検討させた。これに先立つ3月にウォール・ストリート・ジャーナルが「正当派から外れる選択肢も検討」せよとの国家安全保障補佐官補K・T・マクファーランドの指示が出ていたと報じている。
  3. その際の選択肢がいかに異例の内容だったが今はわかっている。韓国への核兵器再展開、金正恩および司令部上層部の殺害もその一部だ。「この20年間外交と制裁を繰り返した結果は失敗で北朝鮮の動きを止められなかった」と情報機関高官がNBCニュースに語っている。その言葉の真意を読めば、トランプ政権のメッセージが見える。北朝鮮は長年に渡る問題国であり、今こそ同国指導体制を崩し別の可能性を探る時期だ。
  4. 外国指導者の暗殺が米安全保障政策上で重要要素だった時代がある。冷戦中は米国の政策目標への支持が不十分な指導者またはソ連と親しい指導者はいずれも排除対象だった。キューバのフィデル・カストロ、コンゴのパトリス・ルムンバ、ドミニカ共和国のラファエル・トルヒーヨ、グアテマラのジャコボ・アルベンスの面々はCIAの暗殺リストにあり、リビアのムアマル・エルカダフィは国際テロ支援のため何度も攻撃対象となった。1986年にロナルド・レーガン大統領はカダフィの居住地への空爆を命令し、本人が屋内にいるよう祈った。国家安全保障の官僚層の取材でニューヨーク・タイムズは「リビア空爆の主目標はカダフィ暗殺だった」と突き止めた。
  5. ただし冷戦が終結して25年になる。外国指導層の殺害は今や人気のない選択肢であり実施できる状態ではない。事実、ジェラルド・フォード大統領の時代から米国が絡むと疑われる暗殺の企てはできなくなっている。フォードの大統領令はきわめて簡潔だ。「合衆国職員はだれも政治的暗殺への関与、謀議に与してはならない」 これに対しレーガン大統領は独自に大統領令12333で「合衆国政府に雇用されるあるいは代理で動くいかなるものも暗殺への関与あるいは関与しようと謀議することは許されない」と再定義、これは拡大解釈の余地を残したともされる。
  6. したがって金正恩暗殺および北朝鮮指導部の斬首を狙う政策は41年間続いた米政策の大転換となる。もちろん政策や大統領令、行政命令は変更修正されたり書き換えられたりできる。また合衆国大統領が外国指導者を殺害する命令を出すことを禁じる制約はない。米国法典第18部1116条により米市民が外国指導者殺害を試みれば訴追対象となるが、これは殺人が米国内で実施された場合または該当指導者が「自国外」で殺害標的となった場合である。トランプ大統領が以前の大統領令を修正するつもりなら、同政権は金正恩殺害を決行しても刑事訴追の対象にならない。
  7. もっと重要な問題は金正恩や核・ミサイル開発に関与した将軍連を抹殺するのが果たして賢明な政策なのかという点だ。トップを排除すれば残る悪者も怯え心を入れ替え新政権は一夜にして人権を守る民主国家に変身すると信じがちだ。前例がある。イラク軍事作戦開始の数字前にワシントンはサダムに巡航ミサイルを発射し、イラク政権はこれで大規模開戦は避けられると見ていた。サダムは攻撃を生き延び、バース党政権が連合軍に降伏したが、戦闘は終わらなかった。
  8. 北朝鮮は2003年のイラクとは全く異なる状況で、金正恩の権力基盤は盤石であり政権のじゃまものはすべて粛清し(叔父および異母兄弟含む)脅威度が低くても例外としていない。イラク軍は1991年の湾岸戦争とその後の制裁措置で士気戦力ともに低下していたが、北朝鮮は核兵器保有国であり、弾道ミサイルもあり、韓国を圧倒し、米軍基地も狙う戦力を有している。金を殺害すれば政権が変わると考えるのは未実証仮説だ。70年間に渡り保持してきた体制を簡単に手放すだろうか。北朝鮮は人的諜報活動でブラックホールであり、金正恩の後継者になりうる人物が誰なのか簡単に推察できないが、金正恩同様に腹黒い予測不可能な人物ではない保証はない。国家指導者の暗殺は戦争行為そのものと解釈され、平壌にもう少し冷静な人物が現れ、報復行為の主張を押しとどめる可能性があるのか誰にもわからない。
  9. 金正恩殺害は国家安全保障会議がトランプ大統領に提出する唯一の選択肢だが、いかにも通常の選択肢から外れ、大統領補佐官も大統領に断念させようとするかもしれない。北京の反応は迅速で主張を曲げないだろう。韓国、日本両国は北朝鮮が予測できる国になることを期待したいところだ。両国としてもトップ層排除で期待通りの結果が得られるとは思っていないはずだ。
  10. この話題は中国を米国寄りの協力姿勢に追い込むための政治ゲームであると期待したいところでありそれ以上の何者でもない。
Daniel DePetris is a fellow at Defense Priorities.
Image: A U.S. Air Force B-2 Spirit bomber aircraft approaches the rear of a KC-135 Stratotanker aircraft before refueling during a training mission over the Midwest in August 2013.​ Flickr / U.S. Department of Defense / Airman 1st Class John Linzmeier​.


2017年4月12日水曜日

★WC-135スニファーも沖縄に移動済み 着々と体制を整える日米



Nikkei Asian Review

Americans deploy nuclear sniffer plane to Okinawa

Japan, US forces prepare for possible North Korean test
April 12, 2017 12:35 am JST

オファット空軍基地に着陸するコンスタント・フェニックス U.S. Air Force picture, 2009
TOKYO -- 日米が北朝鮮への防御体制を固める中で金正恩政権の核兵器実験に備え、特殊観測機が沖縄に展開中と日本政府高官が述べた。
米空軍WC-135コンスタント・フェニックスは核爆発で大気中に漏れた放射性物質を微量でも探知できる。同機は嘉手納空軍基地に今月始めに移動してきたと同高官は述べた。航空自衛隊も独自の監視情報収集活動を強化している。.
USSカール・ヴィンソン中心とする空母打撃群が朝鮮半島近海に向け移動中で、日本もイージス搭載艦船を待機させ、北朝鮮のミサイル発射に備えている。自衛隊への昨年8月破壊命令はまだ有効であり、迎撃に常時備えていると日本政府は説明。
北朝鮮が新たな挑発に出る前に兆候をつかもうと同盟各国は情報を共有中だ。次の日曜日は北朝鮮の開祖金日成の生誕105年にあたり、4月25日が朝鮮人民軍創設85周年になる。この2つの日に北朝鮮が核実験またはミサイル発射の可能性がある。■

★グローバルホーク5機がグアムから横田へ「臨時配備」、真意は?



果たして公式説明にあるような天候条件だけが理由なのでしょうか。背景にはISRを戦略的に行う必要があるとの判断があるのでは。一部の国内勢力は見慣れない無人機を危険だとして反対の声を上げるのでしょうか。あれだけ国会を舞台に騒いでいた人たちが国際情勢の急展開についていけず沈黙しているのは実におかしなことです

Guam-based surveillance drones, 105-member crew to relocate グアム配備の無人偵察機部隊が支援要員とともに運行基地を移動

Apr 11, 2017 Updated 12 hrs ago
Guam-based surveillance drones, 105-member crew to relocate
アンダーセン基地所属のRQ-4グローバルホークが三沢基地で曳航されている。2014年5月撮影。一時的に同機は三沢基地に派遣されたのはグアムの夏季悪天候が理由とされた。 Staff Sgt. Tong Duong/U.S. Air Force

グアム配備のRQ-4グローバルホーク5機が105名の運用支援要員とに一時的に横田基地に移動する。
臨時措置は5月から10月の予定でグアムの悪天候が理由と空軍司令部は4月8日発表している。
グローバルホークの夏季運行は台風などで著しく制約を受けていると空軍は述べている。ただし、グアムに壊滅的被害をもたらすような大型台風はこの数年間上陸していない。
グローバルホークの一時移動は同時に「日本の安全保障並びに域内の安定に対する我が国の姿勢の現れ」とも述べている。
2014年にも同様の事情でグアムから一時的に三沢基地に移動させたことがある。■

★★★F/A-18E/FブロックIIIは何が「スーパー」なのか




Boeing Wants to Build a ‘Super’ F/A-18E/F Super Hornet

ボーイングがめざすF/A-18E/Fスーパーホーネット改良型は航続距離とセンサー能力が向上する

New hardware boosts range and sensors


Boeing Wants to Build a ‘Super’ F/A-18E/F Super Hornet
WIB AIR April 6, 2017 Dave Majumdar


  1. ボーイングが開発中のブロックIII型のF/A-18E/Fスーパーホーネットはロッキード・マーティンF-35共用打撃戦闘機を補完する存在となる。
  2. 高性能版スーパーホーネット構想ではステルスF-35並の性能がある機体としていたが、今回の改良版はそこまでの高望みはせずJSFと共同運用し、NIFC-CA海軍統合火器管制防空ネットワークと親和性が高い機体とする。
  3. 「海軍と協力し、空母航空隊のニーズを総合的にとらえ、F-35、EA-18Gグラウラー、E-2DとブロックIII機材がその答えだと考えています」とダン・ジリアン(ボーイング、F/A-18E/F 事業責任者)がNational Interestに語っている。「ブロックIIIは補完機材になります」
  4. ボーイングは前回2013年提案で取り上げたステルスを重視していないが、低視認性機能など前回の提言内容も残っている。「ステルスも結構ですがすべての場面で必要とは限りません」
An F/A-18E Super Hornet. U.S. Navy photo
  1. 新型版の大きな特徴として2013年版から変わらない内容に一体化型燃料タンクがある。3,500ポンドの燃料搭載で航続距離が伸びる。
  2. ブロックIIIではコンピュータも更新し、コックピット内ディスプレイも大画面化し、広帯域戦術標的ネットワーク技術(TTNT)データリンク、新型長波赤外線捜索追尾システム(IRST)および新型統合防御電子対抗措置のブロックIV装備を導入する。さらにブロックIIIでは機体寿命を9,000時間に延長する。
  3. このうち重要度が高いのは長距離IRST装備で、ステルス対抗センサーを組み込むとジリアンは述べる。海軍は新型ステルス機中国のJ-20やロシアPAK-FAへの対抗策として必要な装備ととらえている。ジリアンからはボーイングと海軍は赤外線センサーで従来からあった問題を解決したと述べているが詳細に触れていない。同社関係者は新型IRSTは距離データを正確に入手でき、武器使用には十分だという。
  4. ジリアンによればブロックIII機材には高性能装備がつくが、旧型機にも稼働期間延長の作業中に後付で装着可能だという。ブロックIIIの生産開始は2020年代になり、稼働中機材への後付け装備はその後になるだろう。「既存機もブロックIIIなみの性能に迅速に引き上げます」とジリアンは述べた。
  5. 海軍はブロックIIIの調達規模を決めていないが、同社は比較的迅速に増産できるという。「2020年代中頃には各空母に一個飛行隊分の新型機材を展開できるでしょう」(ジリアン)

2017年4月11日火曜日

★4月7日シリアミサイル攻撃の決定過程、浮かび上がった問題点のまとめ



ペンタゴンによる背景説明としてはよくまとまっていますが、ロシアの関与以外に北朝鮮が現地に人員を送っており何らかの関与があったのでは、北朝鮮へのメッセージだったまでは触れていませんね。記事にはありませんが、駆逐艦艦長二名にはエアフォースワン搭乗中の大統領から直接電話が入ったそうです。

How the U.S. Planned and Executed the Tomahawk Strike Against Syria シリアミサイル攻撃はこのように立案、実施された

April 7, 2017 3:59 PM • Updated: April 9, 2017 12:06 PM

USSポーター(DDG-78)が地中海からミサイル攻撃を実施。April 7, 2017. US Navy Photo

THE PENTAGON —国防総省高官からアルシャリアート飛行場へのトマホーク攻撃作戦の立案および実施の説明が報道陣にあった。
米攻撃は4月4日の化学攻撃がハンシホーンKhan Sheikhoun市街地に向けられ多数の幼児女性含む死者が発生したことに呼応したもの。サリンガスが投入されたとみられる。
以下は化学攻撃の発生した4月4日以降を時系列で辿り、米最高指導部の意思決定がどのように木曜日の攻撃につながったかをまとめたものである。

攻撃発生

  • 攻撃の翌日、大統領は国防長官に軍事対応策の選択肢検討を命じた。その結果は提言にまとめられ、国家安全保障会議にまわされた他、関係省庁が検討し、翌6日にまとめられた提言策が大統領に提出された。

USSロス(DDG 71)がスペイン・ロタに寄港中。同艦は前方配備として同地に2017年3月より配備US Navy Photo

  • 国防総省高官によれば大統領向け提言策はそのまま米中央軍司令部および駆逐艦USSポーター(DDG-78)とUSSロス(DDG-71)に送られた。

USSポーター(DDG 78) が補給艦USNS メドガー・エヴァースMedgar Evers (T-AKE 13) より海上補給を受ける。April 15, 2015. US Navy Photo

  • 「立案段階で該当駆逐艦二隻の投入も選択肢のひとつで、駆逐艦には大統領自らの選択と伝えられたことで実施は迅速に行えた」と同高官は説明。「あらかじめ二隻は予定地点に待機させてあり、命令あり次第実施できる体制だった。大統領が選択肢を受け取った段階から作戦実施できる状態だったことになる」

トマホークBLK IV巡航ミサイル US Navy Photo

  • 4月6日、トランプ大統領はトマホーク陸地攻撃ミサイル(TLAMs)による攻撃案を選択。これについて軍当局は「相応の内容」でスタンドオフ攻撃なので「最小限リスクの攻撃」と解説していた。シリア国内のロシア軍に高性能防空装備があるため軍は有人戦闘機を危険な状況に送り込みたくなかった。だだしロシアはTLAMsを迎撃しなかった。
  • 「大統領はアルシャリアート飛行場攻撃に決めた。6日午後に安全保障会議でこの選択が決定された」と高官は報道陣に説明。「同6日午後4時30分ごろに大統領命令を受けている。大統領命令は国防長官経由で中央軍司令部に伝わり、作戦実施となった。受領4時間後にTLAM59発が発射された。東部標準時で昨日8:40ごろのことだ」

アルシャリアート飛行場の全体像。Image courtesy of the Defense Department.

  • 「化学攻撃に相応する選択肢を編成し大統領に示しており、攻撃直後の被害状況写真では丸で囲んだ軍事目標に強化航空機掩体壕、航空機、燃料施設、弾薬他が軍事目標の対象となった」
  • 「ロス、ポーターは59発を発射した。ミサイル全弾が目標に命中している」
  • 目標にシリア政府の軍事力が含まれる一方でロシア軍装備は対象から外された。すなわち回転翼機、20ないし100名のロシア軍関係者向け施設である。
  • 「同基地は相当広い施設で、滑走路は10千フィート長で滑走路端に強化掩体壕がある。また原油、燃料の貯蔵地区がある。化学兵器貯蔵庫と見られる施設もある。また地対空ミサイルが基地周囲に展開している」

米攻撃後の同基地。Image via DoD

  • また国防総省関係者は直後損害評価で目標59点に命中が確認されたと述べたが、強化掩体壕内の航空機すべてが破壊されたかは不明だと付け加えた。関係者は「約20機」が損傷を受けたとし、全てロシア製でシリアが運用する固定翼機で4月4日の化学攻撃に投入された機材も含む。滑走路は標的とされなかった。TLAMによる滑走路破壊は限定的で標的に選んでも「無駄」と高官は述べた。
  • 攻撃時刻は現地時間午前3時で意図的に設定されている。民間人死傷者を最小限に抑える狙いがあり、基地周辺には住居はないという。関係者はさらに現時点では民間人、軍人の死傷者の情報はないと述べている。

なぜ駆逐艦発射のトマホークが選択されたのか
今月始めに米戦略軍トップが米海軍水上艦艇部隊が紛争時に通常弾薬をまず使う傾向があるのを称賛している。空軍大将ジョン・配転は水上艦艇からの攻撃は潜水艦や爆撃機と比べて、軍事力行使の際にはっきりしたメッセージを米国が選択したと示せる利点があるという。「水上艦艇には他の手段にはない選択肢だ」
「必要な場所に艦艇を配置できる」
USSロス(DDG-71)およびUSSポーター(DDG-78)からの攻撃は2011年のオデッセイ・ドーン作戦以来最大規模の艦艇からのミサイル発射になった。両艦とも弾道ミサイル防衛が主任務であるが短時間で攻撃能力の実施が準備でき、両艦それぞれ90門の垂直発射管があり、対空ミサイル、BMD迎撃弾と使い分けができる。
「各艦の性能から指導部に正確かつ効果的な攻撃の選択肢が実現しており、それこそ各艦の真価だ」とポール・ステイダー大佐(USSフエシテイ(CG-66)およびUSSロス(DDG-71)艦長を歴任)はUSNI News に金曜日語っている。「トマホークはきわめて短時間で効果を発揮できる。またここ数年間で相当の進歩をしており、必要なときに非常に効果のある選択肢となる」–Sam LaGrone

情報機関


二番目に現れた高官からは空爆の背景事情の説明があった。米政府はシリア政権が自国民への化学関連攻撃をこの数週間で拡大しているのを監視していた。反乱勢力がホマの軍用飛行場占拠を匂わせていた。
  • 「シリア政権は激しいプレッシャーに置かれていた。ホマ地方で反乱勢力が大攻勢をかけて、反乱拠点はホマ県からイドリブ県にかけ不穏な動きを示していた」と高官は説明。「そのため政権はホマ飛行基地を喪失する危険にあり、回転翼機の重要拠点である同基地は樽爆弾の製造拠点とも疑われており、政権は死守を迫られている。今回の化学攻撃には前線での自暴自棄な決定で反乱勢力の動きを鈍らせる動機があったと見ている」.
  • 3月25日、シリア政権は塩素化学成分をホマに投下。
  • 3月30日、同政権は未確認の化学成分をホマに投下し現地NGO団体は神経ガスだったと述べている。

シリアのSu-22. Sputnik Photo

  • 4月1日に同政権はサリン爆弾をハン・シーホウン(イドリブ県)に投下し、2013年以来最悪の化学兵器攻撃となった。米軍はシリア軍機がアルシャイラート飛行場からハン・シーホウンに飛ぶのを監視していた。同日午前7時前のことでサリンによる死傷者の報告が入り始めた時間と符号する。
  • 「該当機の飛行経路はわかっている。該当機が攻撃時間に現地上空にいたのもわかっている。攻撃時間は同日早朝で0650または0655ごろと見ている。神経ガスに触れた住民の死亡は0700とただちに発生しており、神経ガスと即座にわかった」と同関係者は説明し、「化学爆弾を投下したのはSu-22だった可能性が濃厚」としている。シリア運用のロシア製軍用機だ。

  • 「化学攻撃の拡大傾向に大きく憂慮せざるをえず、罪のない一般市民が多数被害を受けることは看過できない」と同関係者は述べ、「サリンに代表される神経ガスがハン・シーホウンで使われたのは疑う余地がない。被害者の症状は神経ガス使用の場合と一致している」
  • 化学攻撃の直後に「一般市民が病院を一斉に目指すと、UAV一機が上空に視認され、小さなUAVでシリア政権あるいはロシアのもので、病院上空を飛んでいた。病院では救急活動に忙しく、攻撃後5時間が経過して同じUAVが戻ってくると、病院は(固定翼機から)攻撃された。爆撃の理由も実行者も不明だが、同病院を意図的に狙ったのは化学攻撃の証拠を消すためだったのだろう。この点に当方は非常に関心を引かれている」と同関係者は述べ、病院を爆撃した機材はロシア製だが、ロシアあるいはシリアのいずれの所属か不明だという。両陣営は同じような機材を運用している。また病院関係の情報を収集していたUAVの所属も米側は掴んでいない。

ペンタゴンがシリアによる化学兵器投下だと信じる空中写真。DoD Image

  • ロシア政府は反乱勢力がハン・シーホウンに化学工場を運営しており、これが爆撃を受けたと主張。だが説明に当たった国防関係者は爆弾投下爆発による大きなクレイターが道路真ん中にあり、建物のそばではないとするオープンソースの映像、衛星画像を見せた。同関係者は爆弾が民間人のそばに投下され、中にサリンガスが入っており、今回の攻撃が神経ガスだったのかという議論は事実の前に意味がない。シリア政権側の空爆が化学成分の元だったという以外に可能性がなく、多数のシリア一般住民が死亡しているのだと説明。
  • 米軍はサリンガス攻撃にどこまでロシアが関与していたかを突き止めようとしている。「化学攻撃の実施方法は解明できた。政権側が化学製品を投入した化学攻撃の実績、化学工業力の水準はわかっている。先例があり、技術があるのはわかっている。さらに外部から援助を得ていたのではと疑っている」と同上関係者は述べ、「何が起こったのか、どこで起こったのか、誰が起こしたのかもわかっている。同時に誰が支援していたかもわかっている。明らかにロシアはシリア政府を押さえきれていない。結果として、再度シリア一般住民が死亡した。ロシアに化学兵器取り扱いの知識があるのはわかっている。今回の場合におけるシリアとロシアの絡み合いは現時点では説明できないが、注意深く情報を分析しロシアが今回の攻撃を事前に承知していた、あるいは支援で関与していたことを示していく」
  • はたしてロシアが4月4日の攻撃を事前に知っていたのか、支援したのかとは別に2013年にロシアはシリア国内の化学兵器全部は廃棄ずみと保証していた。同上関係者は当時の米国はロシアの言い分を認めて化学兵器は全て同国からなくなったと見ていたが、今回の攻撃を受けて米情報機関はさらに注意深くこれまでの化学攻撃の対象地からシリアの化学兵器水準を把握する痕跡を見つけるという。■

2017年4月10日月曜日

★次回シリア(北朝鮮)作戦に投入される米軍装備はこれだ


このリストはそのまま北朝鮮にもあてはまりそうですね。


The National Interest

Top 5 U.S. Weapons of War Donald Trump Could Use to Attack Syria (Again) 次回シリア攻撃に投入されそうな米装備トップ5点はこれだ


April 9, 2017


米国はシャリアート空軍基地を巡航ミサイルで攻撃しアサド政権が自国民に化学兵器を使用したのに対応した。今回の攻撃が一度きりの懲罰的攻撃なのか空爆作戦が今後拡大するのかはっきりしない。仮に米国が戦闘拡の決定をすれば、シリア国内の航空基地をことごとく破壊する作戦になるはずだ。その際に投入されそうな兵装の種類を見てみよう
トマホーク巡航ミサイル:
今回明らかになったようにトマホーク巡航ミサイルは重装備の防空体制下の標的に選択されることが多い。特に航空機乗員の生命を危険に晒したくない場合に好まれる。米海軍のトマホークは有効射程が900カイリから1,350カイリと型式で異なるが、開戦初日に投入される兵器だ。水上艦、潜水艦双方から数波にわけ発射され敵防空網を破壊し戦略重要目標を攻撃できる。作戦立案では巡航ミサイルを多数投入して敵防空網を圧倒し、その他航空機向けの飛行回廊を作る案がある。

B-2スピリット爆撃機:
長距離かつステルスのB-2戦略爆撃機は高密度防空体制を突破し精密誘導爆弾を投下するのが役割だ。米空軍にはB-2はわずか20機しかないが、米航空作戦の第一波に投入されるのは確実だ。巡航ミサイル同様にB-2は防空体制下の最重要目標の攻撃に投入する想定だ。イラク、リビアの各作戦でも第一波に使われており、米本土から離陸し目標を爆撃している。
F-22ラプター:
ステルスで高速飛行可能なロッキード・マーティンF-22ラプターは当初は航空優勢戦闘機の設計だった。しかし空軍はラプターの開発が遅れる間に高性能ロシア製地対空防空網の突破に同機が有効と気づく。そこで機体に地対空ミサイルの排除の能力も追加されている。シリアにはSu-35はじめロシア製高性能防空装備があるが、空軍は万一にそなえラプターを空域に送るはずだ。
アーレイ・バーク級駆逐艦:
米海軍アーレイ・バーク級駆逐艦は戦闘部隊の屋台骨だ。ミサイル発射管96基を搭載し各種兵装を運用できるバーク級は多任務艦として航空母艦など重要艦船の防御のみならずトマホーク巡航ミサイルで陸上攻撃も可能。今回の攻撃にはUSSポーター(DDG-78)とUSSロス(DDG-71)が効果を実証した。
潜水艦:
駆逐艦から巡航ミサイルの発射が可能だが、奇襲効果を最大限にする場合には攻撃型潜水艦や誘導ミサイル潜水艦をトマホークの発射手段にできる。2011年リビア作戦の場合はUSSフロリダ(SSGN-728)が投入され巡航ミサイル93発をカダフィ政権に打ち込んだ。フロリダは4隻あるオハイオ級弾道ミサイル潜水艦を改造し、トマホーク・ミサイルを160発搭載している。小型のヴァージニア級攻撃潜水艦もトマホークを12発を垂直発射管に搭載し、その他38発を魚雷発射管から運用する。ブロックVのヴァージニア級潜水艦は艦体拡大で垂直発射管からのトマホーク運用が40発に増える。
Dave Majumdar is the defense editor for the National Interest. You can follow him on Twitter: @davemajumdar.