2017年10月2日月曜日

★ドイツがF-15(F/A-18)導入の構えを示し、思わず経済効果を期待するセントルイス地元紙報道をご覧ください。



さすが地元紙ですね。ちゃっかりボーイング受注で予測される経済効果にそろばんをはじいています。そういえばこれまでドイツがF-35に食指を動かさなかった理由があるのでしょう。ユーロファイター・タイフーンが運用に面倒な機材になっている分だけしっかり稼働するF-15などが魅力的に見えるのでしょうか。F-15やF/A-18E/Fにもまだまだチャンスがあるということですね。それにしてもヨーロッパは結構面倒な市場ですね。

Germany asks for Boeing fighter data as weighs order options

発注検討中のドイツがボーイングに戦闘機データ開示を請求
By Andrea Shalal Reuters
Sep 29, 2017
Boeing-made F-15 fighter
ボーイングF-15はセントルイス製だ。ボーイングの防衛部門に陽光の兆しが見えてきたのか。(Boeing Corp. photo)






  1. BERLIN •ドイツ政府が米軍にボーイング製戦闘機二機種の機密情報開示を請求した。ドイツはトーネード後継機を検討中で成約となればカナダ、英国との紛糾で動きが取れない同社に大きな商機となる。
  2. ドイツ国防省の企画計画部の書簡はロイターによればボーイングのF-15とF/A-18E/Fをトーネード後継機として想定している。ともにセントルイスが生産拠点だ。
  3. 機密情報の開示は11月にも行われる見込みで、同様に7月には米側がF-35戦闘機の情報開示を行っている。
  4. 同省によれば同様にヨーロッパの大手エアバスにもユーロファイター・タイフーンの情報開示を求めている。
  5. この案件はボーイングにとってはカナダ、英国と揉めている同社にとっては大きな追い風になる。同社の訴えで米国政府はボンバルディア製Cシリーズに220パーセント関税をかけるようになった。
  6. ボーイングは米国政府と連携しドイツが請求中の情報開示に向け作業を開始している。
  7. ドイツは2018年中にトーネード後継機の決定をする予定で、7月にフランスと共同で戦闘機を生産する構想を発表している。だがこの新型機が稼働開始するのは2025年以降と見られ、それまでトーネード戦闘機は用途廃止を迎えてしまう。
  8. 内部に詳しい筋によればドイツは二段構えで既存機種をトーネード後継機として導入する一方でフランスと共同で新型ヨーロッパ製戦闘機をユーロファイター後継機として調達する方針だという。
  9. 専門家によればトーネード後継機発注の規模は数百億ドル規模になるが、ドイツはまだ導入機数と導入予定を決定していない。
  10. 書簡は正式な情報開示請求の形で価格とともに米国製戦闘機三機種の調達可能背について9月末時点の情報を求めている。
  11. 英国からボーイングに今週に将来の防衛契約で暗雲となる通告が届いている。これはカナダのボンバルディアとの貿易問題に端を発しており、米国による関税適用により英国の北アイルランドで4,200名分の雇用が危機に瀕していることを特記している。北アイルランドではCシリーズの炭素繊維主翼の生産が実施されている。
  12. カナダ首相ジャスティン・トルドー Justin Trudeau からも紛糾が解決しない限りボーイングF/A-18スーパーホーネット18機の調達は凍結すると発言があった。
  13. そこでドイツが米国製戦闘機導入に動けばエアバス労働組合からの強い反対は必至で、ドイツ国防省が米国製ヘリコプター二機種を大型ヘリコプター調達の選定対象としたことで同労組からは疑義が出ている。
  14. 英国、オランダ、ノルウェー、トルコ、イタリアといったドイツの主要同盟国でNATO加盟国はすでにF-35導入で現行機の交替を予定しており、ほかにもスイス、ベルギー、フィンランドからも第五世代機への関心が表明されているのはロシアとの緊張が今までになく高まっている中の傾向だ。
  15. 軍事筋によれば米製戦闘機を導入すればユーロファイターの技術問題に直面するドイツにとって理にかなった選択になるという。■

韓国が原子力潜水艦運用を開始する日が来るのか


著者の一人は現役韓国海軍潜水艦乗り組み士官です。果たして実現の可能性はあるのでしょうか。虫の良い主張にも聞こえる反面、展開されている効果も実現の可能性はあるように思えます。日本との微妙な関係に配慮した文脈になっていますが、独島と竹島を併記する一方原文では東海となっていますのでやはり韓国だなという感じは残りました。皆さんはどう思いますか。


Should South Korea Start Building Nuclear Submarines?

韓国は原子力潜水艦建造を開始すべきか

September 26, 2017

  1. 北朝鮮が潜水艦発射式弾道ミサイル(SLBM)開発に取り組む中、韓国は米国支援を得て原子力推進式潜水艦(SSNs)の取得に近づいている。国連本部訪問時の協議で韓国大統領文在寅はドナルド・トランプ大統領と韓国が長年目指すSSN建造を議題にした可能性がある。
  2. 韓国国防筋はすでに国産SSN建造費と効果を試算しているが、米国でこの話題はほとんど議題になっていない。米国防政策筋が米韓同盟に韓国SSNsが実現した場合の結果を真剣に検討することこそ重要である。一方で米国支援で韓国がSSNを実現した場合の同盟関係への潜在リスクを検討してみる。
4Dの強化
  1. 韓国国産SSNの一つの効果は同盟軍による「4D」作戦構想の実現が強まることだ。この構想は北朝鮮核ミサイルの「探知、妨害、防衛、破壊」detect, disrupt, defend against, and destroyを行う内容でいわゆる「キルチェーン」の一部として北朝鮮内部深くを攻撃する能力で北朝鮮ミサイルの発射前にこれを排除する構想が4D構想の中心だ。北朝鮮がSLBM開発に進んでいるため、現在のキルチェーンの有効性に疑問が生まれている。同盟側も対潜戦(ASW)能力を向上しないと北朝鮮潜水艦が4D構想そのものを揺るがしかねない。
  2. そこで韓国製SSNsが決定的な役割を果たす。SSNは騒音も大で韓国が供用中の孫元一Son Won-I級およびl張保皐Chang Bogo級ディーゼル電気推進潜水艦(SSKs)より艦体も大きくなるが航続性能や推進力の増加、センサーの能力向上、水中速力の増加で有利だ。米海軍が指摘するようにSSNsは水中無人機(UUVs)の運用、充電が可能で偵察用途に投入できる。
  3. そうなるとSSNは4Dのうち「探知」と「破壊」で威力を発揮する。また海中配備センサーやP-3オライオン哨戒機を補完するほか、同盟国のASW機能にもそのステルス性を生かし北朝鮮沿岸に前方展開することで効果を発揮する。北朝鮮港湾部を監視し、ミサイル潜水艦を追尾する中でUUVsやセンサーの威力をいかんなく発揮できるはずだ。SSKsではバッテリー充電で居場所を露呈してしまうがその心配はない。また必要ならSSNsの高速と武装を生かして北朝鮮ミサイル潜水艦を事前に排除できるので「水中キルチェーン」の基盤にもなれる。
  4. だがそれなら米海軍がSSNsを定期的に黄海や日本海に配備すればすむのではないかという疑問が出るだろう。残念ながら米海軍は世界各地での展開とくに中国ロシアへの対応で潜水艦展開に余裕がない。さらに水中キルチェーン実施の任務を与えれば米潜水艦隊には一層の負担となる。そのため韓国が小規模のSSNs部隊を編成し4D任務を韓国近海で実施できれば米海軍機能の補強戦力になる。
支配力と抑止力
  1. 韓国版SSN部隊には北朝鮮相手の力による交渉力を強化する効果も期待できる。韓米同盟側が4D実施能力を高める中で韓国の北朝鮮核兵器に対しSSNsは「拒否による抑止」の手段となる。北朝鮮がSLBMを投入する可能性を減らすだけでなくSSNsにより北朝鮮はSLBMで有頂天になれなくなる。言い換えれば同盟側の4D機能が充実し効果を上げれば、北は報復を恐れるあまりSLBMでの強硬挑発策に躊躇するはずだ。
  2. 米国による技術移転ならびに韓国の大規模支出を実施するかで同盟側の決意が試される。米韓両国は追加負担を受け入れれば北朝鮮の挑戦に果敢と立ち向かい抑止効果の機能をさらに高められる。
同盟間の結合
  1. 米国支援のもと韓国がSSNs開発に走れば韓米同盟の結合にも好影響が出る。同盟間でたえず付きまとう恐怖が韓国の「放棄」である。この懸念は北が米本土直撃能力を整備するにつれて一層現実のものとなっており、もし北朝鮮が米本土を核攻撃する構えを示せば米国は韓国防衛に向かわないのではとの心配が韓国側に根強い。ただし米国が海軍用原子力利用の支援をおこなえば、米国が韓国防衛にただならぬ決意をしている証となり、韓国も同盟関係への信頼を高めるだろう。
  2. 同時に韓国に防衛上の責任を強化することとなれば韓米同盟関係も好転するはずだ。ワシントンがソウルに負担増加を求めているのは財政、人的資源両面で半島および域内の安全保障上の役割拡大を望んでいるためだ。トランプ大統領は韓国は自国防衛の能力がありそうすべきと繰り返し発言してきた。SSNs小部隊が整備されれば韓国はこの実現に大きく近づく。米海軍SSNsに依存せずに北朝鮮SLBM脅威への負担分担として韓国は自国軍の強化をはかるべきだ。
遠距離運用能力
  1. 韓国SSNsの二番目の戦略意義として韓米同盟の適用範囲を地域からグローバル両面へ拡大する効果が見込まれる。近年の同盟協力関係では安全保障協力範囲を拡大する傾向が大で「グローバルパートナーシップ」を強調しがちだ。しかるに韓国の軍事力投射能力は限定されたままである。韓国ではこれに対して迅速展開部隊の整備として独島級強襲揚陸艦を中心とした装備を企画しているが、展開部隊の護衛には鈍足で航続距離が短いSSKsを充てるしか選択の余地がない。韓国SSNsははるかに高機能の護衛となり、高速かつ遠距離に展開可能となる。
  2. 能力拡大により韓米同盟は域内およびグローバルな安全保障への貢献を朝鮮半島を超えて実現できるようになる。かつてマイク・マレン提督が呼んだ「1,000隻海軍」つまり志を共有する各国海軍の集合で海洋の安全安定を守る構想が有効だ。韓国の迅速展開部隊は核拡散防止構想、シーレーン防衛、海賊対策、人道救難活動の海外展開に有益だ。
水中軍拡の恐れ
  1. 韓国版SSNs整備で別のリスクも発生する。韓国の隣国である日本、中国が韓国の新規能力の整備に警戒する可能性がある。各国との関係が悪化したり韓国の意図を誤解しての軍拡競争につながりかねない。
  2. 特に中国が同盟国の4D機能整備でこれまでも悪い反応を示している。同盟国による高高度採取段階地域防衛(THAAD)の展開に敏感に反応して中国は韓国への自国民旅行を停止させ独自に長距離レーダーの稼働を内蒙古で開始した。
  3. 日本はそこまで過敏な反応はしめさないはずで、北朝鮮ミサイル脅威への懸念を共有していることに加え米韓含む三カ国体制でも利害を共有しているためであるが、もし韓国が独島(竹島)を舞台とした韓日対立にSSNsを展開する事態になれば日本の計算も変わるはずだ。
  4. 水中戦力整備は東南アジアですでにはじまっている。中国の潜水艦部隊の整備が1990年代以来進んだことで各国も独自の潜水艦部隊整備に乗り出している。シンガポール国防省の予測では2025年までに各国保有の潜水艦は合計200隻ないし250隻になる。韓国SSNsの整備が軍拡競争を一層激しくしないよう慎重に事業を進める必要があろう。
核拡散の潜在性
  1. 一方で韓国SSNsは一歩間違えば深刻な核拡散問題を引き起こしかねない。海軍用原子炉には濃縮ウラニウムが必要で使用済み核燃料は貯蔵あるいは再処理が必要となる。このため原子力推進技術でその国の核燃料サイクル技術理解が進み核利用の潜在力が高まる効果が生まれる。問題となるのは海軍用原子炉では高濃縮ウラニウム(HEU)が必要となり、ウラニウム235を90パーセント程度まで高めた燃料を使うが、これは武器にも転用できることだ。実際にイランはSSN開発を言い訳としてHEU製造を過去に行っている。
  2. もし韓国がSSNを利用して核兵器開発に向かっていると周囲国や世界から見られれば、域内の安全保障のみならず世界規模の非拡散方針に重大な影響を及ぼしてしまう。またこれまで北朝鮮に核兵器開発を放棄させようとしてきた努力を無駄にしてしまいかねず、他国も独自核兵器開発に向かいかねない。同盟各国はこの懸念が現実にならないよう十分な配慮して韓国版SSNs推進を理解する必要がある。
リスク緩和と効果の増大をめざせ
  1. トランプ-文間で米韓協力体制でSSN建造が合意できれば、リスクを慎重に避しつつ前に述べたような効果を最大限に実現する方法を模索すべきだろう。韓米同盟も韓国SSNsが実現した場合の効果を最大限に発揮できると強調すべきだ。米国には技術面で韓国を全面的に支援してもらう必要があり、その他人員面や作戦構想面でも韓国が効果的に各艦を運用できるよう支援を期待したい。
  2. 韓米同盟は外交面でも協調して信頼醸成と軍同士の接触を中国とさらに三カ国体制として日本とも確立して軍拡競争に陥らないようにすべきだ。同時に各国は堂々とSSN整備で北朝鮮SLBMを無力化でき、北朝鮮が半島の安全と安定を損なう行動に出るのは許さないとの決意を強調すべきだ。
  3. 韓米同盟は核拡散への懸念の打ち消しにも努力すべきだ。特に米国は韓国に米保有の濃縮ウラニウム購入を許しSSNs燃料とさせるべきで、韓国独自の濃縮化は許すべきでない。さらに米国は今後も韓国とともに使用済み核燃料貯蔵の課題解決に向けた努力をすべきだ。特にドライキャスク方式の核燃料保存技術が再利用に代わる手段として脚光を集めており、核拡散の懸念を生まない技術になっている。■


Jihoon Yu (LCDR) is a submarine officer in the ROK Navy. He earned his PhD in Political Science at the Maxwell School of Syracuse University and MA in National Security Affairs at the U.S. Naval Postgraduate School. He can be contacted at yjhnavy3@hanmail.net.
Erik French is a PhD Candidate in Political Science at the Maxwell School of Syracuse University, an adjunct instructor at American University’s School of International Service, and a young leader with Pacific Forum CSIS. He can be contacted at edfrench@syr.edu. Twitter: @Erik_D_French.
Image: The Ohio-class ballistic missile submarine USS Tennessee returns to Naval Submarine Base Kings Bay, Georgia in this February 6, 2013 handout photo. REUTERS/Mass Communication Specialist 1st Class James Kimber/U.S. Navy/Handout via Reuters

2017年10月1日日曜日

KC-46の開発最新状況:フライトテストで課題解決を目指す


あれやこれやと色々問題が発生し思ったように進展しないKC-46A開発ですが、ボーイングも黙っているわけにいかず積極的な解決策に向け努力しているということでしょうか。もちろん自社負担分は同機導入を決めている日本向け機材に盛り込んで一部回収を図るのでしょうから高い買い物を日本は覚悟せねばならないでしょう。しかし日本の発表では3機導入というのは寂しいですね。

Aerospace Daily & Defense Report

Upcoming KC-46 Tests To Focus On Key Deficiencies

10月のKC-46飛行テストは重要欠陥の解決を主眼に

Sep 23, 2017James Drew | Aerospace Daily & Defense Report

ボーイングKC-46のフライトテストでは判明している給油機能関連欠陥三点のデータ収集が主眼か。
Boeing

  1. KC-46ペガサス給油機では10月のフライトテストで米空軍・ボーイングは欠陥三点の対処方針を決める。
  2. 固定価格開発は予定から遅れており、費用超過した分はボーイング負担となっている。空軍は給油業務で欠陥三点を指摘しており運用開始に先立ち解決を求めている。
  3. 喫緊の課題は二点で、給油相手機と接続解除するとブームが勝手に伸び燃料が流出すること、ならびに操作員が相手機の受け入れ口にブームが外れているか判断できず機体塗装に損傷を与えてしかねない点だ。
  4. この二点が認識されたのは今年早々だが、高周波(HF)通信機関連の問題が2016年末に見つかっている。
  5. HF通信では機体表皮をアンテナとして使うだがスパークやアーク電流の発生が見つかっている。空軍は通信が確実に作動し、かつ火災の恐れがあるため給油中は発信はできない構造にしたいと考えている。
  6. 各問題の解決は容易で安価に実現でき事業進展の支障につながらないはずだ。しかし米政府側は10月から11月のフライトテストでデータ収集が必要で最適解決策の決定はその後だとする。
  7. 空軍で給油機開発主査のドナ・シプトン准将Brig. Gen. Donna Shiptonおよびペガサス事業総括のジョン・ニューベリー大佐 Col. John Newberryからは各問題を注意深く監視しており、事業経費や日程への影響も間もなく把握できると発言した。
  8. 両名は9月22日に報道陣に対しボーイングが機体型式証明・引き渡しの前に各問題を解決する義務があると述べた。同社はすでに20億ドル超の追加負担が2014年以降に発生しているとの報道がある。原契約は2011年2月交付で仕様を実現するため必要な追加改修は全部同社負担となっている。
  9. 「システム検証を引き渡し前に行い、仕様を満たしているか確認します」とニューベリー大佐は述べた。「製造済み機体の後付け改修は全額同社負担となります」
  10. ただし問題点が当初のウェポンシステム仕様書で想定されていない場合は空軍予算で変更すべきか決定することになる。
  11. 政府支出増になりそうなのは「給油口以外での未探知コンタクト」 undetected contacts outside receptacle (UCOTR)の問題だ。この解決には高性能遠隔カメラの設置が必要となる。空軍報道官は9月20日にボーイングがカメラ費用を負担すると述べていたが、空軍は今は「フライトテスト完了後に仕様書準拠の決定を下す」としている。
  12. 空軍は過去の空中給油型式証明データを洗い出して給油口以外の箇所に接触した事例がよく発生しているのかを把握し、KC-46事例と比較しようとしている。空中給油テストが10月に再開されるとこの問題を精査することになりそうだ。
  13. この問題は特にステルス機の場合でリスクとなる。B-2、F-22、F-35の表皮が損傷すれば、敵レーダーに探知されてしまう。ペガサスはC-17、A-10、F-16、F/A-18へ給油したが、ステルス機への給油は未実施。
  14. シプトン、ニューベリー両名はボーイングが機体の型式証明取得に向け進展中と認めるが、政府想定の引き渡し開始は2018年春季で変更がない。
  15. ニューベリー大佐はKC-46開発は比較的「低リスク」事業とするが、いろいろ障害があり、遅延発生でボーイング負担が増えた。空軍の義務は49億ドル上限のままで、ボーイングが認めた固定価格契約の効果が生まれている。
  16. 大佐はボーイングは767-2C型を改装して軍用仕様KC-46としての型式証明取得を各問題を安易に考えすぎていたと述べている。
  17. 「複雑かつ広範囲の作業を低く見積もった結果で今同社は代償を支払っています。大局では進展がありますが、予定より遅いペースで進んでいます」
  18. ボーイングはまず34機を納入する契約に取り組んでおり、次の15機分の契約は来年1月に成立する見込みだ。最終的にKC-46は179機を空軍に納入する。■

気になる北朝鮮ミサイルの移動


North Korea reportedly seen moving its missiles from development center

北朝鮮がミサイル複数を開発拠点から搬送したとの報道
Reuters
north korea slbm missile parade金日成広場をパレードする潜水艦用ミサイル、April 15, 2017.AP Photo/Wong Maye-E
SEOUL (Reuters) - 北朝鮮のミサイル複数が平壌のロケット施設から搬出されていると韓国KBSが29日遅く報道しており、北が更なる挑発行動の準備に入っているのではとの観測が生まれている。
報道では匿名の情報筋から韓国米国の情報機関がミサイル複数が平壌北部のSanum-dongにあるミサイル研究開発施設から搬送されるのを探知したとある。ただし報道は搬送の日時および目的地の言及はない。
ミサイルは中距離弾道弾火星-12あるいは大陸間弾道弾火星-14のいずれかの可能性があると記事にあるが、Sanum-dongは大陸間弾道ミサイル製造専用の施設だ。
韓国国防省筋によれば報道の詳細について確認できず、また記事で言及した地域でとくに異常な動きはないという。
韓国関係筋は北朝鮮が労働党創設記念日の10月10日ないし中国共産党人民代表会議の開催される10月18日に何らかの挑発行為に出ることを懸念している。■
(Reporting by Heekyong Yang; Editing by Simon Cameron-Moore)

2017年9月30日土曜日

★★ロッキードが極超音速技術の完成に近づいている模様、SR-72との関連へ注目



Aerospace Daily & Defense Report

Amid SR-72 Rumors, Skunk Works Ramps Up Hypersonics

SR-72の噂と関連か、スカンクワークスの極超音速技術が加速中

Sep 27, 2017Guy Norris | Aerospace Daily & Defense Report

SR-72: Lockheed Martin
FORT WORTH, Texas—ロッキード・マーティンが極超音速技術開発を加速化しており、初の実証機を目撃したとの報告もあり、スカンクワークスが進めるSR-72高速機開発との連関が注目される。
  1. 「詳細は言えませんが、スカンクワークスのあるカリフォーニア州パームデールで超高速飛行実現の動きを倍増しています」とロッキード・マーティンで航空力学執行副社長オーランド・カバルホOrlando CarvalhoがSAE 国際航空技術学会で語っている。「端的に申し上げれば米国は極超音速革命まであと一歩まで来ています」
  2. Darpaと米空軍研究実験部門が共同で進める推進滑空兵器および極超音速空気取り入れ式兵器コンセプト研究に言及して、カバルホは「この十年で研究は大幅に進み、極超音速技術で状況が一変する意味があることが明らかになってきました。今後も研究テストを進め、極超音速飛行の実現にDarpaとのプロジェクト二件を活用します。国家安全保障ではスピードが肝心です」
  3. SR-72への言及はなかったが、同社が極超音速機として退役済みの高速SR-71ブラックバードの後継機を提案中であることは広く知られており、カバルホの前向きな発言はロブ・ワイスRob Weiss(ロッキード・マーティンの高性能開発事業体執行副社長兼総支配人)の発言に重なる。6月にワイスはAviation Weekに選択的に有人操縦となるSR-72の前身となる飛行研究用機体(FRV)が予定通り進行中と暗に述べていた。
  4. スカンクワークスはFRV開発を来年から始めるといわれ、初飛行予定は2020年だ。FRVはF-22ほどの機体サイズで推進力はフルスケールのコンバインドサイクルエンジン一基だ。しかし実証機に先立ち、ロッキードは各種技術の地上・飛行テスト中と見られる。
  5. Aviation Weekによればそのうち一つの実証では小型無人機を使い、米空軍パームデール基地の第42工場での飛行が目撃されている。同地にスカンクワークスも本拠を置いている。この機体は7月末某日早朝に着陸しT-38二機がエスコートしていたという。ロッキード・マーティンはこの目撃報告に対するコメントを拒否している。
  6. 同社はこれまでも次の段階としてフルスケール双発のSR-72を開発すると述べていた。SR-71より機体が長くなる同機は2020年代後半のフライトテスト開始を目指している。
  7. 「極超音速はステルスと似ています。根本を一変する技術となり、ブラックバードの二倍三倍の速力が各種機材で実現します」とカバルホは述べている。「作戦上の残存性と威力が究極の抑止力となります。保安上の理由により今回はスピードはマッハ5を超えるとだけ述べておきます」■

実はこちらの方が怖い:崩壊後の北朝鮮をどうするか



北朝鮮の現体制が永続するはずなく、考えられる事態を想定してあらかじめ対処方法を考えておくということですか。日本ではミサイルが飛翔するだけでもうてんやわんやでとても先を見通せない反応が出ていますが、冷静な思考(反射反応ではありません)が必要ですね。しかしどっちに転んでも大変な負担が必要となる北朝鮮はガンのようなもので迅速に対処したほうがいいのでしょうね。体制崩壊には軟着陸はないとすれば、強硬策が必要なのではないでしょうか。洗脳されている国民を解放する方法がないとISIS以上に危険な戦闘員になりそうです。また核武装した韓国を出現させないためにも北朝鮮の核兵器、製造能力はすべて撤去しなければなりません。

 

What is Worse Than a War with North Korea? A Sudden Collapse

北朝鮮との開戦より怖いのは同国が突如崩壊することだ
September 29, 2017


北朝鮮で言及されていない恐怖がある。民主人民共和国(DPRK)と自称する同国は究極のパンドラの箱であり、歴代の米大統領の悪夢でもある。核兵器、化学兵器、生物兵器にさらに米本土まで狙うミサイルが加わった。平壌は毎回新しい段階に入ることを心得ているようでおかげで北東アジアでは緊張が高まっている。

だが北朝鮮が核兵器で威嚇する中、もっと大きな話題を世界は見逃している。北朝鮮が民衆蜂起、経済崩壊あるいは戦闘で解体されたらどうなるのか。肥満不良少年ともいうべき金正恩が首脳となる同国が崩壊すれば数兆ドル単位が正常復帰に必要となるが、洗脳、飢餓、奴隷扱いを受けた数百万名はここに入っていない。
RANDコーポレーションが2013年に優れた研究成果を発表されており、図書並みのボリュームでこの問題に取り組んでおり、上記が現実となった場合の背筋の凍る内容を紹介している。バラバラになったピースを元通りにできるのか、ワシントンはじめ同盟諸国はどんな準備をすべきなのかを展開している。この報告書から論点五つを抽出し、北朝鮮問題の本質に触れたい。

1.「崩壊の種類」とは

「金正恩体制はどんな状況で崩壊するのか。以下の二つのいずれかだろう。政権が崩壊すると金一族はその座を追われ、新たな指導者が北朝鮮の統治者となる。おそらく軍部出身者だろう。この場合は全国統治組織はほとんど無傷だが、金正恩放逐で一時的に機能が停止するはずだ。新指導者は旧政府の上層部大部分を粛清し、忠実な部下を登用する」

次のシナリオはもっと怖い。
「別の形の崩壊は政府の崩壊だ。この場合は金一族の支配が機能を失しなうか放逐され、その後を引き継ぐ人物あるいは集団があらわれない。可能性が一番高いのは派閥が生まれ、それぞれ支配権獲得を目指すが、成功しても全国統治には及ばず、中央政府機能は失われる。
「政権崩壊は政府機能崩壊につながることに注意が必要だ。崩壊は過程であり結果でもある。北朝鮮は政権崩壊を経験していないが、崩壊過程はすでにはじまっている。金正恩体制は『専制統治の失敗例』として記憶されることになろう」

2. 内戦勃発の可能性
「北朝鮮国内の内戦がWMD投入まで進めばROK(韓国)にも深刻な被害が及ぶ。生き残れないと悟れば派閥勢力が意図的に韓国を攻撃する可能性がある。ROK都市への弾道ミサイル攻撃に核弾頭、生物化学兵器を併用すれば韓国全域が被害を受ける。物理的な損害以外ににROKの社会経済が大損害に直面する。ROKの視点から見れば、最悪の可能性は朝鮮半島全域の不安定化で、ROK自体も巻き込まれ、治安が崩壊するとROKも封じ込め対策は実施不可能となる」

3.もっと悪いのは中国の介入
「さらに中国の介入の可能性がある。実施されれば朝鮮統一を中国が否定することになる。韓国軍、米軍、中国軍が前進すると米韓連合軍と中国軍で武力衝突が発生する可能性が生まれる。つまり中国が統一を阻害するだけでなく戦闘を発生させ統一はさらに遠のく」

4. 大規模な飢餓

「北朝鮮は今でさえ国民への食糧供給に苦労しているので、政府崩壊で全国的飢餓に一気に突入するはずだ。崩壊後の国内で資金に余裕ある層は金の力で食料確保に走るが食品価格はうなぎのぼりとなるはずだ。食料品は姿を消し、軍など武力で食料強奪に出る勢力が発生すれば一層食料在庫は厳しくなる。人道援助団体も北朝鮮向け活動を減少せざるを得なくなるほど治安状態は悪化する。崩壊後の食糧供給は飢餓水準をさらに下回る」

5. 南との統一、国土再建費用はとてつもない規模へ
「朝鮮半島統一の費用は高くなるとわかっているが、金融面では数兆ドルとなり、かつ大部分は崩壊から5年以内に必要となるが、その後数十年単位でも費用が発生する」
報告書ではさらに詳細に触れている。
「費用を積算すると韓国政府予算で毎年2,500億ドル必要となる。統一に2兆ドル(うち軍事作戦で5,000億ドル、ROK国内の戦災復興に5,000億ドル、北の経済開発に1兆ドル)かかり、ROK政府の年間予算の8倍に相当する。統一費用を10年間継続負担すると同国政府予算が飛躍的に増えるため税負担率を二倍にしないと対応できず、ROK市民に歓迎されないだろう」
北朝鮮が核兵器以外でも危険であるのは明らかだ。北朝鮮崩壊あるいは南との統合は米国のみならずアジア内の同盟諸国にとり難題だがいずれ避けて通れなくなるのは過去を見れば明らかだ。独裁体制は永遠に続かない。DPRKの核実験に代表されるニュース見出しに踊らされることなく、この報告書に目を通した方がよい。■
This first appeared in early 2016.
Image: Reuters.


★中国ステルス機J-20の正式配備を発表



J-20が本当に威力のある機体なのか色々疑問が出ていますが、大きければいいというのが中国の価値感なのでエンジンの性能不足を補うための巨大化も正当化できるのでしょう。CSBAあたりが提唱している戦闘機の大型機材化の先陣を切る機体なのかもしれません。あるいは言われるような米軍支援機材の攻撃にくわえ、ミサイルで第一撃を加えた後に侵入して巡航ミサイルを発射して離脱するプラットフォームなのかもしれません。西側と用兵思想が違うので類推は危険だと思います。

China’s J-20 stealth fighter jet is in service

By: Mike Yeo    1 day ago

中国人民解放軍空軍のKJ-2000早期警戒機が成都J-10多用途戦闘機と天安門上空を軍事パレードの一環で飛行した。2015年9月3日。中国国防省はJ-20ステルス戦闘機の配備を正式発表した。(Greg Baker/AFP/Getty Images)

MELBOURNE, Australia — 成都J-20を正式に空軍に就役させたと中国国防省が発表した。
国防省報道官Wu Qianが9月28日発表したものでフライトテストも計画通り実施中という。低率生産段階中で、人民解放軍空軍(PLAAF)に6機が引き渡し済みで2016年末から甘粛省定西空軍基地Dingxin Airbaseの第176航空旅団で運用テストを行っている。
J-20はPLAAF内では第四世代機(西側の第五世代にほぼ相当)とされ、中長距離戦闘機としてステルス性能を備えるが、ステルスは前面に限定される。
J-20のレーダー断面積(RCS)を台湾の中山科学研究院の電子システム研究部が行っており、上記評価と同じ結果が出ている。だが評価はJ-20の基本形状についてのみが対象で、レーダー波吸収材などその他のRCS削減策の考察は含まれていない。
PLAAFのJ-20パイロットから同機のセンサー融合機能に触れる発言が出ているが詳細は不明だ。ステルス性の確保のため装備は機内に格納されるが、PL-12長距離空対空ミサイルを最大6発の他、機体左右の小型兵装庫にも短距離空対空ミサイル各1発を搭載する。■


2017年9月28日木曜日

次期エアフォースワンに空中給油能力は本当に必要なのか


これはいけません。途中で仕様が変われば価格が上昇し納期も遅れます。政治が介入すると話がややこしくなります。本当に危機状態になれば現在ならE-4Bを使うのではないでしょうか。(同機も耐用年数が切れつつありますが)なんとか現行機とスムーズに交代してもらいたいものです。なお、日本政府向け次期政府専用機777は素手完成してワシントン州で飛行テストしているようです。

Congress Questions Air Force One’s Lack of Refueling Capability 次期エアフォースワンに空中給油能力の欠如を議会が疑問視

Air Force One is taxied into position on the flight line at Offutt Air Force Base, Neb., Jan. 13, 2015. (USSTRATCOM photo by U.S. Air Force Staff Sgt. Jonathan Lovelady)
POSTED BY: ORIANA PAWLYK SEPTEMBER 26, 2017


  1. 次期エアフォースワンの設計陣は再度製図台に戻ることになるかもしれない。議員連が9月26日に同機に空中給油装備がないことを問題にしたからだ。
  2. トム・コットン上院議員Sen. Tom Cotton(共、アーカンソー)がジョセフ・ダンフォード統合参謀本部議長に空軍が空中給油能力の導入を断念した理由を問いただし、核戦争の場合には長距離飛行能力が必須だと疑問を呈した。
  3. 「理解に苦しむのは空軍が次期エアフォースワンに空中給油能力がないと発表したことだ。一体どうしてなのか」コットン議員はダンフォード大将に質問を乗員軍事委員会で問いただした。
  4. 「決定を下したのは空軍ではなく、ホワイトハウスと思います。その背景には予算上の配慮があったのだと思います」とダンフォード大将は答えている。
  5. さらに「たしかに制約条件になりますがそれに応じた計画立案をするしかありません」と加えた。
  6. 次期エアフォースワン、別名大統領専用機更新事業Presidential Aircraft Recapitalization program(PAR)に空中給油装備がついてないと初めて報じたのはDefenseOneで今月初めのことだった。関係者では空中給油能力について意見が分かれている、たしかに有益であるが費用が追加されるからだ。さらに大統領が搭乗して実際に使った実績はない。ジョージ・W・ブッシュ前大統領でさえも9月11日のテロ攻撃後、8時間にわたり空中待機していたが使っていない。
  7. PAR関連の最新コメントは空軍がボーイングに総額600百万ドルで契約交付した直後に出ている。
  8. 8月に空軍は民間向け747-8二機をボーイングから買い上げることで案をかためた。二機は倒産したロシアのエアライン、トランスアエロ向けの機材だとこれもDefenseOneが報じていた。
  9. 空軍はボーイングの要請により二機の価格を公表していない。将来の747販売に悪影響がでるためだと同社は説明している。
  10. ボーイングは2016年1月から新エアフォースワンのリスク低減検討を開始しており、2015年1月の基本契約交付から初めて大きな進展があることをうかがわせていた。
  11. 次期エアフォースワンは昨年12月に大統領選に勝利したドナルド・トランプから金額規模が高すぎると批判を受けていた。
  12. 昨年12月6日のツィートでトランプは「はっちゅを取り消せ」と述べていた。12月16日にもペンシルヴェイニアのスピーチで取り上げている。
  13. 「42億ドルの値段の機体には飛んでもらいたくない。実現しては困る。発注したのは私ではないことを忘れてないでほしい」と述べ、「だがボーイングとかけあって値下げをさせる...ずっとずっと低く」とも述べていた。.
  14. ボーイングはこれまで170百万ドルを開発費用として受け取っており、技術検討をしてきた。
  15. コットン議員は空中給油装備の採用を再検討すべきと訴えた。■

2017年9月27日水曜日

★北朝鮮に米軍機を撃墜する能力はあるのか....どうもありそうだ、要注意



報道機関に何度言ってもわかってもらえないようですが再び書きます。機体名称は正しく表記してください。B1Bという機体は存在しません。B-1Bです。同様にF35やF15という表記もアウトです。記事にあるようにB61だと核爆弾になります。わかっていてそう書くのであれば確信犯ですね。また報道しない自由のように勝手に表記を変えることが許されるとマスメディアは思っているのでしょうか。今回の危機をきっかけに正しく機材名称を伝える努力をしてもらいたいものです。


Could North Korea Really Shoot Down a U.S. F-15 or B-1 Bomber?

北朝鮮は本当に米F-15やB-1爆撃機を撃墜する能力があるのか


September 25, 2017


  1. 北朝鮮はドナルド・トランプ大統領のツイッターを平壌への宣戦布告と受け取っている。そこで金正恩政権は報復に乗り出すとし、朝鮮半島周辺の国際空域を飛行する米空軍爆撃機を攻撃するとまで述べている。
  2. 「全世界は我が国に宣戦布告したのは米国の側だと明瞭に認識しているはずだ」と北朝鮮外相リ・ヨンホがニューヨークで報道陣に語っている。「米国が宣戦布告した以上、こちらには対抗策の権利があり、米戦略爆撃機がたとえ我が国領空を侵害しなくてもこれを撃破できる」
  3. リ外相は9月23日のトランプのツィートを言及しており、北朝鮮が近い将来に存在しなくなると述べていた。「北朝鮮外相がU.N.で演説するのを聞いた。リトル・ロケットマンの発言と重なり、両者とも長く生きれれないだろう」とトランプは述べていた。
  4. 平壌が米爆撃機が朝鮮半島付近を飛行するのを斬首攻撃の前触れと受け止める可能性はある。実際に先週末に米国はロックウェルインターナショナルB-1Bランサー戦略爆撃機を北朝鮮東海岸国際空域内でで飛行させている。
  5. 「軍事境界線からここまで北に飛んだ軍用機は21世紀で初のことでDPRKの無謀な行動を当方が真剣に受け止めていることの裏付けだ」とペンタゴン主任報道官デイナ・ホワイトDana Whiteが述べている。「今回のミッションは米国の決意のあらわれであり大統領には軍事オプション多数があり脅威に打ち勝てることの明白なメッセージだ。北朝鮮の軍事兵器開発は深刻な脅威とアジア太平洋に受け止められており、国際社会全般でも同様だ。軍事力を広範に投入してでも米本土と同盟国を防衛する準備ができている」
  6. 国務省とホワイトハウスはトランプのツィートは宣戦布告ではないと述べている。「北朝鮮に宣戦布告した事実はない」とホワイトハウス報道官サラ・サンダースSarah Sandersが報道陣に述べている。「正直に言ってそのような主張は馬鹿げている」
  7. それでもトランプの発言は平壌が真剣に受け止め、金政権が米爆撃機あるいは偵察機を撃墜する試みに出る可能性が指摘されエチル。だが、実は平壌にはその手段はごく限られている。
  8. 北朝鮮空軍には近代的な機体はごく少数しかなく、それでもソ連時代のミコヤンMiG-29フルクラム、MiG-23フロッガーの初期型だけが米軍用機の脅威になるとみられる。両機種ともB-1B、ボーイングB-52あるいはノースロップ・グラマンB-2スピリットステルス爆撃機の付近に近寄る前に米戦闘機により撃破されるだろう。北朝鮮空軍にとって唯一の撃墜可能性は米あるいは同盟国戦闘機の援護がないときだけである。
  9. 地対空ミサイルなら撃墜のチャンスは高いだろう。もし米軍機が接近した場合に限られる。北朝鮮防空網の装備品の大半は旧ソ連時代のものであるが一部驚くほど高性能の国産兵器も投入している。
  10. 「ソ連時代のSAMとしてS-75、S-125、S-200それにクヴァダットがあります」とワシリ・カシンVasily Kashin(高等経済研究院付属欧州国際問題研究総合センター主任研究員)がThe National Interestに今年早々語っていた。「S-75を国産化し、一部で大規模性能向上を実施しています。さらに2010年代から国産新鋭SAMシステムとしてKN-06と米韓で呼ぶ装備を実戦配備しています」
  11. KN-06SAM部隊の編制規模は不明だが、同装備はロシアS-300の初期型と同等の性能があるという驚くべき存在だ。「同ミサイルが何発整備されているのかは誰も知りません。KN-06にはフェイズドアレイレーダーがつきミサイル誘導装置経由で標的を追跡する性能があり、S-300Pと同等の性能があるはずですが射程が延長されています」
  12. カシンはアジア問題の専門家として韓国でKN-06のテスト成功の記事が出ていると指摘した。同ミサイルの射程は150kmと推定されている。KN-06が無視されがちな理由として情報はあるのだが西側アナリストが総じて北朝鮮工業力を低評価していることがある。
  13. だが北朝鮮の脅かしを無視してはならない。平壌は米軍機を撃墜した実績がある。1969年4月15日、ニクソン政権の時代に米海軍のロッキードEC-121ウォーニングスター偵察機が撃墜され31名の乗員が命を奪われた。ニクソン大統領は報復しなかったが一時核攻撃で北朝鮮の挑発に応えようかと検討していた。
  14. 「大佐からEC-121が100マイル沖合で撃墜されたと聞いて、大佐は攻撃の準備をするよう命令した」と当時米空軍マクダネル・ダグラスF-4ファントムIIのパイロットでクンサン基地に一次的に派遣されていたブルース・チャールズBruce Charlesが当時を回想する。乗機のF-4には330キロトンのB61千宿熱核爆弾一発が搭載され離陸準備を整えていた。「警戒体制を解く命令が来たのは夕方ごろだったがは大佐は今日はないようだが明日はわからないと述べていた」
  15. 1994年12月18日に北朝鮮は非武装の米陸軍所属OH-58カイオワ偵察ヘリコプターを非武装境界線上空で撃墜し、パイロット一名が死亡、もう一名が捕虜となった。クリントン政権は報復でよい選択肢がないとわかり、自制を選んだ。
  16. だが北朝鮮は米海軍艦船にも攻撃をしかけている。1968年1月23日、米海軍の観測船USSプエブロを拿捕し、水兵1名を殺害し83名を捕虜とした。同艦は今も北朝鮮国内に残るが乗員は同年12月23日に釈放された。リンドン・B・ジョンソン大統領は報復措置も検討し、核攻撃もその一つだったが最終的に引き下がった。
  17. 現政権がどんな反応を示すか不明だが状況は一層不安定になってきているようだ。■
Dave Majumdar is the defense editor for The National Interest. You can follow him on Twitter: @davemajumdar.