2019年3月6日水曜日

新型機登場 ボーイングが有人機と共同運用が前提のATSをオーストラリア開発機として発表

なるほど今回発表の無人機では機体性能はともかく、オーストラリアで設計開発し民生モデルで今後グローバル営業して言うことに意味があるようです。ISRやEW任務以外にどこまでミッションが広がるのか、機体に拡張性がどのくらいあるのかに関心が行きがちですが、もっとビジネスモデルに注目しないといけませんね。
Aviation Week & Space Technology

Boeing Unveils 'Loyal Wingman' UAV Developed In Australia

ボーイングが「忠実なるウィングマン」UAVをオーストラリアで発表
Feb 26, 2019Graham Warwick | Aviation Week & Space Technology
UAVs



ーイングがはじめてグローバル市場売り込みを狙う機材の国外開発に踏み切った。オーストラリアで技術開発した空軍力合同化システムAirpower Teaming System (ATS) は一見戦闘機のような形状の無人機で有人戦闘機や偵察機と一緒に運用する構想だ。
実寸大のモックアップATSがオーストラリア国際航空ショーで発表された。機体はボーイングオートノマスシステムズとファントムワークスのオーストラリア事業所が開発したもので実証機は来年に初飛行の予定。
ボーイングが自社開発した形だがオーストラリア空軍(RAAF)の予算も使っており、現地サプライヤーも参加しているATSはオーストラリアで生産し世界各国に売り込む構想だ。
ATSの狙いは有人機を補完しつつ費用は数分の一兎する経済性で将来の脅威に対抗することにある。だが海外開発のため米国仕様専用とせずに各国のニーズに柔軟対応することもできる。
実証機は「忠実なるウィングマン」高機能開発事業Loyal Wingman Advanced Development Programとして40百万豪ドル(28.5百万ドル)を4年間にわたりオーストラリア政府から得ており、ボーイングも62百万豪ドルを研究開発に投入している。
全長38フィートの機体はステルスを意識し、ラムダ型式の主翼、尖った空気取り入れ口、バタフライ状の尾翼があり、民生ターボファンエンジンを搭載する。型式は不明だが小型ビジネスジェット用のエンジンだろう。ATSは単独でも有人機と連携しても運用可能で人工知能で安全な距離を維持できる。
性能データは少ない。航続距離は2,000カイリで一緒に飛ぶ他の機材に追随出来る速力があり、オーストラリア空軍にはF/A-18E/Fスーパーホーネット戦闘機、EA-18Gグラウラー電子攻撃機、早期警戒機E-7Aウェッジテイル、P-8Aポセイドン哨戒機と全てボーイング製機材だ。
同無人機は低コスト、モジュラー構造で柔軟対応が可能で各種ミッション用に簡単に調整できる「スナップオン、スナップオフ」式のペイロードを特徴とするとボーイングオートノマスシステムズ副社長クリスティン・ロバートソンが説明している。まず情報収集監視偵察任務と電子戦任務を想定した機材とするという。
ATS設計のもととなったのは品質と数量のバランス、急速に変化する脅威への対応、有人機の高価格が各国の国防予算で圧力となっている顧客との話し合いだったという。「世界市場を見ると少ない費用で多くの性能を求めるのが普通です」(ロバートソン)
「世界各国は戦力効果の最大化と拡大を目指しています。自律運用装備と関連技術で一気に低価格と品質が実現し既存機材を補完する手段が実現します」とロバートソンは述べた。ボーイングは低コストの機体、装備を有人機と組ませて運用すると大きな優位性が生まれるとATSの利点を強調する。
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ボーイングは2月27日、オーストラリア国際航空ショーでATSの実寸大模型を公開した。Credit: Boeing


「世界各国を見回して見ると民生製品と同じ方法での対応が必要とわかりました。オーストラリアとの連携に注目し、結果としてユニークな手法が実現したと思います』(ロバートソン)
ATSはオートノマスシステムズの商品の一部で同様にボーイング傘下のインスティチュの小型戦術無人機、リクイドロボティクスのウェイブグライダー無人海面機、ボーイング自体のエコーヴォイジャー大型潜航艇も他にある。さらにX-37B再使用可能宇宙機もあり、ファントムエキスプレス再使用可能打ち上げ機はDARPA向けに製造が進んでいる。ボーイングではQF-16標的機を米空軍向けに改装しMQ-25艦載無人給油機を米海軍向けに開発中だ。
ファントムワークスも類似機材の製造を手がけており、26.5フィート全長のX-45A無人戦闘航空機を2002年にDARPA・米空軍向けに飛行させており、制空任務の自律運航を実証している。さらに全翼機形状のX-45C/X-46Aがその後DARPA・米海軍向けに企画されたが2007年に中止となった。ボーイングは自社費用でファントム・レイ実証機を完成し2011年に初飛行させた。
ATSはこうした機材との類似性もある。またマクダネル・ダグラス提案の共用打撃戦闘機案にも似ているが、ボーイングは偶然の一致としている。技術関連はすべてオーストラリアで進められ、現在の形状に決まる前に案複数を検討したという。
「グローバルに対応する事が重要なのです。世界各地の知見を応用して自律運用装備が実現します』とロバートソンは述べ、「オーストラリアと組んでボーイングのATS設計を主導し、現地産業界の支援を受けました」という。サプライヤーにはBAEシステムズ・オーストラリアフェラエンジニアリングRUAGオーストラリアがある。
米国外ではオーストラリア事業がボーイングで最大規模で同国内の航空機製造関連企業大手の殆どを手中に入れている。旧国営航空機製造工場やホーカー・デ・ハビランドなどだ。「ボーイングで米国以外で新製品を開発するのは初めてのこと」とファントムワークスインターナショナル役員のシェーン・アーノットも認める。
ウェッジテイル早期警戒統制機はボーイング737を原型にRAAFと共同開発したものでその後韓国やトルコにも販路を広げ、英国も導入を有望視されている。共用直接攻撃爆弾の翼部分もボーイングがオーストラリア国防科学技術開発機構と共同開発したものだ。
「ATSは初めての新規設計開発案件」とアーノットは述べ、「なぜオーストラリアなのかですが、その一部にオーストラリア空軍との提携関係があります。また同国に当社がこれまで行った投資もあり、イノベーション熱が高まっている同国の状況も重要な要素です」という


Boeing ATS

アーノットはRAAFのジェリコプランに触れている。高度技術かつ急展開する外的脅威からオーストラリア防衛を図る構想だ。「ジェリコでは組織の変革を前提としておりATSもその一部になります」(アーノット) 構想の中心は「人が機械を操作して他の人と協力する体制から人と機械が協同作業する環境に変えること」とRAAFは述べている。
アーノットはオーストラリアの国防産業力整備計画にも触れており、オーストラリアの国防ニーズに産業界が対応可能にするのが目的だ。ここに国防輸出戦略が絡み、国内防衛需要だけでは維持できない産業力の活用を促す。その中に官民連携で輸出成約をめざすこともあり、国際競争力を強化しながら国内の防衛ニーズに応えることも目指す。ATSはこの中で技術革新を目指すニーズに答えながら政府が求める産業力強化にもつながる存在だ。
仮想戦闘実験室を使い、オーストラ要ら、英国、米国の軍と共同作業するなかでボーイングには「空中海洋両面で今後の大きな課題」が見え始めたとアーノットは認める。「将来の脅威が開発サイクルで意識されています」という。これから出てくる要求を待つのではなく、ATSのように開発の加速化により将来の脅威に今から対応するのだ。「RAAFやその他顧客から受けた刺激にボーイングは大きな関心を有しており一緒に実現に向かっていきます」(アーノット)
「オーストラリアとは経済的なR&Dを進める貴重な機会となりました」とロバートソンも言う。「量と質のバランス、低価格でより多くの性能を実現し、高度の脅威環境に対応することを自律機能で実現することにグローバル市場での将来が開けます」
面積は大きいが人口が少ないオーストラリアには広大な空域が広がりRAAFや各国は「飛行テストで試行錯誤しすばやく結果を学ぶ」機会がATS試作機で協同運用構想を試す中で生まれるとアーノットは見ている。「早く信頼しながら製品化を進められる利点が生まれます。自律運用性能が重要です」
「RAAFにとっては技術革新の機会となり単なる新型機ではありません」(アーノット)実験の機会でありオーストラリアには有人無人機の同時稼働の経験となる。「導入前に試すことになりますが意味のある機会となるでしょう。当社には次の目標があり、各国のニーズを満足できる製品に仕上げることです」
ATS試作機はオーストラリア国内で飛行し、有人機との同時運用で無人機と組ませる効果を実証すべく各種有人機を投入する。
「同じ基地から運用し他の機材の迷惑にならない速度で飛びます」とロバートソンは述べる。自律運用性能は「どの機材と組ませるかで変わります」とロバートソンは説明。「その一部に人が絡み、地上からの操作や随行機からの指示がでてきます。自律性とはアクションを前提とした知性と定義しています」
協同体制はテスト段階にとどまらない。「民生需要でもビジネスモデルにつながります」とロバートソンは見ている。「需要の兆しは世界各地に見つかります」とし、ATSを民間向けにオーストラリアで開発すれば米国が適用する武器輸出制限に抵触するリスクを回避できる。「柔軟対応で仕向地ごとに販売できればグローバル規模で成功できるはずです」(ロバートソン)
技術開発をオーストラリア現地で進めることでサプライヤーも大部分を現地化となっています」とアーノットは説明。「開かれた対応をしており、設計開発はグローバル企業としての当社の経験を利用しています。輸出面の要求内容についてはかねてから詳しいですから今後につながる事業の管理を正しく進められます」
ATS開発を国外で民生事業として行うことでボーイングには輸出案件で柔軟性を発揮できることになり、仕向地向け特化や「各国の事情に対応することが業績拡大につながることの実証」になるとロバートソンは見ている。「グローバル企業として当社は国造りの重要性は十分認識しています」という。
民生製品式のアプローチと現地プレゼンスを組み合わせることはオーストラリアに限定されたことではなく、その他製品も海外で完成させ輸出につなげることができるはずとロバートソンは先を見ている。「民生商品と同じアプローチを取り、ボーイングとして各国でこのモデルを使えばグローバルで規模拡大が可能です」ATSはボーイングとして初のグローバル開発の軍事装備品になりそうだ。■

Editor’s note: This article was updated to clarify the funding for the Loyal Wingman Advanced Development Program.

2019年3月5日火曜日

ニュージーランドにC-2売り込みを狙う川崎重工

日本製装備はみんなそうですが実績がないため躊躇される傾向がありますが、思い出してもらいたいのは日本製の乗用車だって最初はそうですよね。防衛装備品の輸出を真剣に狙うのなら多少の失敗にめげず、地道な活動を展開するしかありません。川崎重工は立派な会社ですがマーケティングでは知見の豊かな別会社と組んだほうがいいのではないでしょうか。


Japan pitches C-2 for New Zealand transport fleet 
日本がニュージーランドにC-2輸送機売り込みをねらう


By: Nigel Pittaway 


川崎重工はC-2をニュージーランド次期輸送機事業で採用を目指す。(Nigel Pittaway/Staff)

崎重工業がC-2輸送機をニュージーランドの次期輸送機に売り込みをめざしている。同社関係者が2月26日に確認した。
ニュージーランドは現有のロッキード・マーティンC-130Hハーキュリーズとボーイング757-200Cの後継機を次期航空機動能力FAMCとして戦略、戦術両面の輸送機として二機種または一機種の導入をめざしている。
2019年アヴァロン航空ショー会場で川崎重工業KHIはニュージーランド空軍とここ数年にわたり次期輸送機の要求性能を協議していることを認めた。
「C-2のマーケティング活動は始まったばかりですが、今後短くても10年は生産する予定です」(同社関係者)
ショーでは航空自衛隊第三輸送航空隊のC-2一機が地上展示されているが、ニュージーランドには2017年に実機が飛来している。
C-2は航空自衛隊仕様で戦略、戦術両用の輸送ニーズに応える機体で、既存の川崎C-1の後継機を目指した。これまで量産型7機と試験機2機が納入されており、最終的には20機から30機が引き渡される。航空自衛隊には2017年3月に就役しており、7号機の引き渡しが最近あったと同社は述べている。
同社関係者はC-2販売で「他数カ国」と商談をしているとするが国名は明かさなかった。また輸出承認では防衛省、経済産業省とも協議しているという。■

ではC-2の売り込み対象国はどこでしょうか。大胆に推理すれば①C-17導入国を除き、 ②A400Mも同様 ③戦略輸送能力を必要としている国 では。①にはインド、オーストラリア、カナダ、英国、カタール、アラブ首長国連邦、クウェートがあり、②はドイツ、フランス、英国、スペイン、トルコ、ベルギー、ルクセンブルグ、南アフリカ、マレーシア の各国です。これ以外で③となるとニュージーランドは当然ですがその他としてサウジアラビア、イスラエル、シンガポール、インドネシア、ブラジルが考えられますね。推理が正しいかは時間が教えてくれるでしょう。

マレーシア空軍がA400M運用実績をオーストラリア航空ショーで披露

航空ショーは同時に機材売り込みの機会でもあり、この記事の言わんとしているのはエアバスがニュージーランドへの売り込みを図っていることです。実は川崎重工もC-2売り込みをねらっており、二機種が激突ですね。ただし、運行実績をこうやって自慢することでエアバスは採用を期待しているのでしょうが川崎重工はどう切り込むのでしょうか。C-2の記事はこの後お伝えします。


Malaysian pilot details A400M missions, midair refueling experience

マレーシア軍パイロットが空中給油含むA400M運用の詳細を語る

By: Mike Yeo    2 days ago

マレーシアの A400M (Airbus Defence and Space)


レーシアがエアバスA400M軍用輸送機の運用体験をDefense Newsに伝えてきた。インドネシア地震での災害救難任務では不完全な滑走路で運用に成功し、戦闘機向けの空中給油能力の認証も得たという。
アヴァロン航空ショー(オーストラリア)の会場で王立マレーシア空軍(RMAF)所属のA400Mが地上展示されている。A400Mパイロットのハサン少佐は20年にわたる空軍勤務で各種機材を操縦してきたがA400Mが「今まで最高の機材」という。
救難ミッションでA400Mは小型機で対応不可能な量の貨物を運び、大型機では運航不可能な滑走路での離着陸をこなし22トンの重機を運搬した他、救援物資21トンを搭載したという。
ハサン少佐は被災地に近いパルの滑走路は通常は70トン未満の機体でないと運用できないが、地震の被害を受けさらに制約が厳しくなったと指摘。A400Mは貨物搭載時に120トン近くになりインドネシア当局は同空港での運用に懸念を示したという。
しかしRMAFはA400Mの12輪の降着装置の間に貨物を適正配置すればタイヤも厳しい条件にも耐える仕様になっており、滑走路舗装区分36版でもA400Mなら対応可能と示し、当局にA400M運航を認めさせた。舗装区分番号とは国際民間航空機関の標準で滑走路、誘導路、エプロン・ランプの強度を示す

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Went flying on board this at #AvalonAirshow2019 today. Good fun! Thanks .@AirbusDefence and .@airforcenextgen!

ハサン少佐からはA400Mによる空中給油の説明もあった。RMAFは2018年5月より給油実証をボーイングF/A-18Dホーネット、スホイSu-30MKMやBAEシステムズのホーク練習機との間ではじめた。
実証には各種装置を使い、飛行条件も変えて行ったが、NATO標準の空中給油手順実施が認証されたとハサン少佐は言いロシア製機材がA400Mとは互換性がないとの噂を一蹴した。
Embedded video
Short video clip from today's .@AirbusDefence media flight on board the .@airforcenextgen #a400m at #AvalonAirshow2019

マレーシアはA400M一機をF/A-18D編隊と北部オーストラリアに昨年8月に派遣し国際空中戦闘演習ピッチブラックに参加させた。演習では空中給油も行ったという。
マレーシアはA400M4機を運用中で所属する第22飛行隊は首都クアラルンプールにあるスバン空港に展開している。エアバスはA400Mのニュージーランドへの売り込みを図っており、ロッキード・マーティンC-130Hハーキュリーズ、ボーイング757の両輸送機の更新機材としての採用を期待する。今年後半に同国は機種選定の予定。■

2019年3月4日月曜日

インド-パキスタンは平穏化の様子、米政府がF-16投入の事実をパキスタンに確認へ

このまま両国が落ち着けばいいのですが、偶発的な事件はすぐにでも発生しそうです。パキスタンがどんな説明をするか見ものですが、契約を守れない国家は米国から相手にされなくなるでしょうね。

Washington wants to know if Pakistan used U.S.-built jets to down Indian warplane パキスタンが米製機材でインド軍用機を撃墜したか米国が実態調査へ


United States Air Force [Public domain], via Wikimedia Commons

政府はパキスタンが米国製F-16でインド軍用機を撃墜したのかを突き止めるとの意向を3月3日示し、米国との合意事項の違反の有無を確認する。核武装したインド、パキスタン両国は緊張緩和に向かっているようだ
両国は空軍機を作戦投入し、2月27日にはインド側一機がカシミールで撃墜され世界を驚かせ、戦火拡大の恐れが広がった。
パキスタン軍報道官はパキスタンがF-16を投入したとのインド発表を同日中に否定した。
パキスタンは勾留したインドパイロットを3月1日に返還し、「平和のジェスチャ」と大々的に宣伝し、緊張緩和の姿勢を示したが両軍は警戒態勢を解いていない。
管理線(LoC)が事実上の両国国境となっているカシミールではこの24時間は比較的平穏だったがインド治安維持部隊によれば戦闘員対策としての作戦は続いており二名の戦闘員を殺害したという。
在イスラマバードの米大使館からはパキスタンがF-16でインド機を撃墜したとの報告に注目し、米国からの軍事装備品販売合意でパキスタンに機材仕様の条件を定めている内容に違反している可能性を精査するとの発表が3月3日に出た。
「より多くの情報を集めているところで、防衛装備品の誤用についてはすべての状況をチェックする」と米大使館が発表。
パキスタンはF-16をドッグファイトに投入していないとするが、MiG-21を撃墜した機材の種類についての説明はない。同国は中国設計のJF-17を国内生産している。
パキスタンは長く米製軍事装備品を導入しており、とくに米主導の対テロ戦でパキスタンが中核的強力国の扱いを受けた2001年以降はその傾向が強い。
その一環でロッキード・マーティンF-16を数次にわたり購入したが、その後米国との関係が悪化し2016年をもってワシントンからの補助は打ち切られた。
パキスタンを制約する「エンドユーザー合意事項」の内容は正確には不明だ。「米政府は今回の事案の性質を鑑みていかなる論評も確認もしない」と米大使館は述べている。
2月28日にはインド政府が記者団に空対空ミサイルとするものの一部を公開し、発射可能なのはF-16のみとし、全日にパキスタンが同機を投入した証拠だとした。
一方でパキスタン軍広報はインド側標的を「ロックし」パキスタン軍の攻撃能力を誇示したが被害を発生させないよう空き地を攻撃したと報道陣に水曜日発表した。
パキスタン側は同日の作戦はインドが前日に領空侵犯したことへの報復とし、インドはバラコット市街地北部の森林を空爆していた。
インドは戦闘員訓練施設を攻撃したと述べていたがパキスタンはそのような施設そのものが存在しないと否定している。ロイターは現地調査したが現地民も否定していた。
今回の軍事衝突でパキスタン7名、インド4名が死亡したが、3月3日はカシミールは比較的平穏だ。同地方は英国からの1947年独立以降三度にわたり両国間の衝突の原因となってきた。
インドが実効支配する側のカシミールでは部隊が日曜日に戦闘員二名を射殺したが部隊にも一名の犠牲者が発生し、この二週間で25名が死亡している。14.最新の作戦はカシミールでパキスタン領内に本拠地を置く戦闘員集団が自爆攻撃でインド治安部隊40名を殺害した2月14日の事件が契機だった。■
Additional reporting by Abu Arqam Naqash in MUZAFFARABAD; Writing by Krishna N. Das and Drazen Jorgic; Editing by Christopher Cushing and Susan Fenton

★KC-46の受領を米空軍が停止中---その理由とは

製造工程で異物が残ったまま、なんて昔のデトロイトのクルマ製造ラインの逸話みたいです。もちろん見つかったのはコーラの瓶ではないはずですが。これでボーイングはさらに自社費用による解決が必要となり、経費がふくらむため日本向け機材の価格は当然高くなるでしょうが工程が安定し品質が良くなった機体が日本にやってくればそれはそれで良い結果と言えるのかも知れません。

US Air Force suspends KC-46 tanker deliveries

米空軍はKC-46受領を中止中

By: Valerie Insinna


製造中の KC-46 (2019年1月24日撮影)、ワシントン州エヴァレットで。,(Valerie Insinna/Staff)

ーイングKC-46給油機の米空軍向け納入が一時停止している。異物混入問題を空軍が調査しているためと3月1日に空軍調達部門が説明している。
ウィル・ローパー調達技術補給担当次官補は報道陣に同機受領の再開は時間がかかると説明している。
「担当部門からのデータでKC-46生産ラインで異物が見つかっている。どこまで被害が広がり生産ラインに影響が出るかはまだわからない」.
「製造工程や社内のしくみや管理に行きつく。このままではボーイングに行きDD250再承認が必要となる」とし、機材受領の国防総省用語に触れた。
ローパー次官補は機体内部に工具や異物が残ったままとの懸念から空軍は同機の飛行をほぼ一週間にわたり停止中と報道陣に述べ、安全上の懸念を示した。この問題はSeattle Timesが最初に報じた。
ただし空軍の現地視察チームの初期報告は肯定的で2機の納入は2月28日夜にも了承されるとローパー次官補は述べた。
3月1日にローパーはその時点で国防契約管理庁(DCMA)や航空機動軍団他関係者には今後の対応について話していないとしながら検討の結果で納入を遅らせることになったと述べている。
Seattle Times紙が入手したメモでは異物の数々について触れている。FODの略号で作業員が機内に工具を置き忘れた事例、生産ライン上で見つかった8件、空軍納入後に発見された事例2件があるという。
.ローパーはボーイングのエヴァレット工場(ワシントン州)でのFOD管理が低下している証拠があるとは言っていないものの空軍は根本原因の解消に取り組み問題の全体像の把握につとめているとする。
「FOD問題の過去事例をひもとくと深刻化したケースも有る。逆に取るに足らない問題に終止した例もある」とし、「今回は根本原因がまだはっきりしない。まだ確実でないなら安全を考え慎重にすすむべきだ。このため十分解明するまで機体受領を止めている」
「解決方法は詳しく説明できないが、機体受領を進めるべきでない理由は明確だ」
空軍とDCMAは製造工程の改良について13点をボーイングに求める意向で、本日中に改善策を決定すると3月1日にローパー次官補は述べた。改善費用はボーイングが負担し実行に責任を果たすが、同社は納入済み機体の点検を申し出ている。
ボーイングはKC-46の初納入を1月に完了し、今まで6機がマッコーネル空軍基地(カンザス州)とアルタス空軍基地(オクラホマ州)で受領している。しかし技術問題で事業進捗が遅れ初号機の納入は予定の二年近く後だった。
「問題はコストではありません。今回はこちらには追加経費は派生しない。訓練不足が問題だ。パイロット、オペレータの訓練が必要だ」(ローバー)

ボーイング広報は空軍と協力し給油機納入を予定通り進めたいとのコメントが出ている。■

F-35誕生の背景と今後の展望 

Jointとは三軍共通の意味なので当ブログでは一環して共用と訳しています。同じ発想でF-111が以前ありましたが構想どおりにならず、F-35でなぜ再び同じ道をたどるのかわからなかったわけです。(逆に海軍用機材に空軍が目をつけたF-4、構想だけに終わりましたがF-15を海軍用に改造する話もあり、共通機材の概念が間違っているわけではないようです)西側防衛をこの機体に任せていいのか、というのが当ブログの一環した疑問点です。みなさんはどう思いますか。ヤコブレフの基礎研究をうまくロッキードが利用したというのは本当かも知れませんね。

The Crazy Story of How the Stealth F-35 Fighter Was Born ステルスF-35誕生の不思議な経緯

Development and procurement of roughly 2,400 F-35s through 2037 is now estimated cost over $400 billion, roughly eight times the annual defense spending of Russia. 約2,400機のF-35の開発調達が2037年まで続き、総額4,000億ドル事業となる試算があり、これはロシア国防予算の8年分に相当する。
February 24, 2019  Topic: Security  Blog Brand: The Buzz  Tags: F-35Yak-38RussiaStealth FighterU.S. Air Force

2019年に初の完全戦闘対応F-35ライトニングがブロックIIIFソフトウェアを搭載し就役する。構想から27年、350機超が引き渡された後での達成だ。ペンタゴン官僚組織の中で構想が生まれた直後から人類史上最高額の兵器体系になるまでの経緯をたどってみよう。
1980年代にペンタゴンは第4世代機の後継機はステルスと決めた。空軍の高性能戦術戦闘機競作から航空優勢戦闘機として十分な能力を有するF-22ラプターが生まれたが、海軍・海兵隊は独自のステルス機を求め、空軍は単発F-16多任務戦闘機を大量供用中だったが、ラプターは高額すぎ後継機になり得なかった。
こうして1992年に海軍と空軍はそれぞれのCALFとJASTを共用打撃戦闘機事業に統一した。目標は安価かつ単発で攻撃に主眼を置くステルス戦闘機として三軍で共用しコストを節約しつつ米同盟国へも輸出を目指すというものだった。この点でF-22と異なる機体をめざした。さらにJSFでは最先端デジタル技術と素材技術で効率を引き上げるねらいもあった。
三軍が使用する共通設計のため要求内容は当初から重荷となった。たとえば海軍向け「C」型は空母運用のため主翼が大型で降着装置が強化される。海兵隊はハリアー後継機のジャンプジェットを求め小型揚陸空母から運用可能な垂直離着陸能力VTOLを必要とした。
だがVTOL能力により機体は大型となりハリアーやYak-38のようなそれ以前のVTOL機は速度、ペイロード、航続距離いずれも通常型より劣っていた。さらにJSFとして共通性を求めるあまりその他のJSF各型も抗力を生むずんぐり形になってしまった。
ここでF-35の源をたどる物語はエリツィン時代のロシアへ奇怪な寄り道をする。ソ連崩壊で資金不足となったヤコヴレフは共同開発からYak-141ジャンプジェットの開発資金の確保に必死だった。同機はリフトファンを別個に設けながら超音速を狙っていた。1991年にロッキードはYak-141の3機と貴重なテストデータを総額4億ドル程度で入手した。
1996年にペンタゴンはボーイングロッキードにそれぞれ7.5億ドルで試作機を2機ずつ製作させ5年後にテスト飛行させた。ボーイングのXF-32は不格好でずんぐりとしたデルタ翼機で排気口を傾けて偏向推力を確保し垂直飛行を目指した。一方X-35はYak-141同様にリフトファンを用いながらリフトファンの回転軸は別に確保する技術的に複雑ながら高度な内容だった。
2001年、空軍はJSF選定で完成度が高いとしてF-35を採択すると発表した。国防総省は開発費用として調達が期待される各国、オーストラリア、カナダ、イスラエル、イタリア、日本、オランダ、ノルウェイ、韓国、トルコ、英国からも資金を確保した。F-35事業協力国には莫大な部品製造や整備作業の一部が与えられ、国産ミサイル統合等の特権が与えられた。
だが「完全新型」機の設計は簡単な部分でペンタゴンはライトニングに未完成かつ最先端技術を採用しようとしていた。モジュラーパネルにレーダー吸収素材を焼き込み機体表面としたのは一つの進歩だった。
新技術にヘルメット装着画像表示システム、オープン・アーキテクチャのミッションコンピュータでアップグレード対応を可能としたもの、高性能防御装置と多面的センサー(分散型開口システム)の組み合わせ、ステルス性のあるデータリンクで機体とセンサーデータをネットワークで結ぶこと、低探知性のAPG-81レーダーがある。地上では複座練習型を作らずフライトシミュレーターを使い、補給活動では整備記録を蓄積し予備部品調達を迅速にする狙いもあった。
新技術は実証ずみの基本設計に取り入れるのが妥当である。だがペンタゴはF-35のエイビオニクス、ソフトウェア、機体を並行開発させようとした。つまり「基本型」のF-35はなく、つねに進化していくことになる。このため一つの部門の遅延が他部門にも影響し新型技術の取り入れが遅れるとコストも超過した。
ライトニングの機体重量は2千ポンドも増え航続距離が犠牲になった。とくにF-35Bでこの影響が顕著となった。このため再設計で重量を削ろうとしたため構造問題がF-35B初期生産機材で見つかっている。
米会計検査院は早くも2006年に警鐘を鳴らし始めた。2009年になると費用超過の大きさからロバート・ゲイツ国防長官(当時)の厳しい目にさらされF-35事業の仕切り直しを図り事業中止の可能性も話題に登った。だがライトニングは中止できないほど大きな事業になっており、予算と開発力を他の事業から奪い取っていた。ゲイツはハイエンド機材のF-22を当初の500機生産から180機で終了させている。
F-35開発日程が5年程度遅れる中でペンタゴンは追加予算で旧型機の供用期間延長を図る必要に迫られた。一方で省内の試験評価部門は数百にのぼる不具合点を見つけ、酸素供給装置の不良、機関砲の射撃方向のずれ、突然のコンピュータ終了などだった。カナダがまずF-35発注を取り消した。
海兵隊が2015年に「初期作戦能力」を認定し、空軍が2016年にこれに続いたが要求性能を水増ししていた。海軍のF-35Cは2019年にIOC獲得の予定。
低率初期生産で機体価格は200百万ドルになった機体には重要な性能がついておらず、テスト機材として活用されてきた。こうした機体を実戦にまわすと高額の性能改修が必要となる。
では三型式運用で費用節約はどうなったか。実は三型式の共有部品は2割程度しかない。
2013年にF-35は再び批判にさらされた。航続距離が足りず速力も劣り、上昇限度が低く、操縦性、機内兵装搭載量がいずれも旧型機水準に達しないというのだ。F-35支持派はライトニングのステルス性能、長距離センサー能力、ミサイル発射性能に比べればこうした点は取るに足らないとした。理屈の上ではF-35パイロットは長距離で敵探知し短距離での空中戦闘を回避できる。
2,400機ものF-35を開発調達すると2037年までに推定4,000億ドルとなり、ロシア国防予算の8年分に相当する。2070年まで運用すれば1.1兆ドルが別に必要となるとの試算もある。
不良、遅延、低稼働率が更に加わったF-35だが2018年は一定の進歩を示した。F-35Aの機体単価は89百万ドルに下がり、イスラエルのF-35Iと海兵隊F-35Bが戦闘デビューした。ライトニングは空戦演習で強い性能を発揮している。ベルギーとシンガポールがF-35導入を決め、さらにギリシャ、インド、ポーランド、ルーマニア、スペインでの採用が期待視される。F-35Bジャンプジェットはイタリア、英国の空母でも供用中で、日本が空母航空戦力を再構築するきっかけになった。
同機を好きか嫌いかは別としても辛い開発過程から参考になる教訓や反面教師の側面もあるのは確かで、F-35がいまやしっかりとその存在を示しているのは確かだ。同機が成功するか、あるいはペンタゴンが求める航空戦の新しい姿の実現に失敗するかが数十年にわたり厳しく問われていくだろう。■
Sébastien Roblin holds a master’s degree in conflict resolution from Georgetown University and served as a university instructor for the Peace Corps in China. He has also worked in education, editing, and refugee resettlement in France and the United States. He currently writes on security and military history for War Is Boring.

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