2021年9月6日月曜日

環球時報=CPCは日本政局の混乱をこう見ている。圧倒的な国力の差がない限り日本が屈服しないのでイライラしているようです。

さて、CCPの見解を伝える環球時報英語版からCCPの思考を読み解くという無謀なシリーズです。CCPにとって都合のよい候補、都合の悪い候補がいるはずで、おそらく後者の筆頭が高市さんであることはまちがいないはずです。今後マスメディアからのバッシングが強まりそうですが、その背後にCCPの情報戦も加担してくるはずなので日本側は注意と警戒が必要ですね。自民党総裁選は9月末なので環球時報から次の記事が出てくることも容易に想像できます。

An extra edition of a daily newspaper reporting on Japan's Prime Minister Yoshihide Suga deciding not to run for the Liberal Democratic Party (LDP) presidential election is distributed in Tokyo's Ginza district on Friday. Photo: AFP

菅義偉首相が再選に向かわないの号外が9月3日に東京都内で配布された。Friday. Photo: AFP

 ご注意 この記事は環球時報の社説=CCPの公式見解をそのままお伝えするものです。


義偉首相が与党自由民主党総裁選挙で立候補を断念し、首相の座を降りると金曜日突然発表し、政界に衝撃が走った。菅は安倍晋三の辞職で、首相の座につき、総選挙、自民党総裁選出を完了するはずだった。首相在職は1年2カ月となった。日本では首相が目まぐるしく変わる政治混乱の時代が再び始まるとの見方がひろがっている。

 

 

菅が自民党総裁再選を断念したのは本人が政治力低下を自覚したのが大きい。自民党内の各派閥が本人に再選支持の見込みが極めて低くなった。党人事に手を付けたものの見通しがつかなくなり、総選挙の勝利もおぼつかなくなってきた。そこで断念したというわけである。

 

菅の最大の失策はCOVID-19対策であった。日本国内のCOVID-19一日当たり発症例合計が9月1日に20,031件となり、日本はウイルスの恐怖を欧米より強く感じている。東京オリンピック開催中もこの不安が重苦しくのしかかっていた。

 

COVID-19流行は先が見えず、日本経済にも影響が出たままだ。菅の支持率は低迷し、金曜日の発表につながった。発表直後に日本の株式価格は大幅に上昇した。

 

岸田文雄元外相、高市早苗元総務相、河野太郎行革担当大臣、石破茂元防衛相が今のところ想定される総裁候補で、次の総理大臣の座をねらう。日本には多くの課題があるが、実利につながる動機付けや政治団結力がともに欠如しており、難局の打開が進まない。次期総理大臣は厳しい舵取りを迫られそうだ。日本が再び政治混迷の時代に入るとの予想は根拠のないわけではない。

 

ご注意 この記事は環球時報の社説=CCPの公式見解をそのままお伝えするものです。

 

菅政権での中日関係は今年に入り厳しいものとなり、2018年の「正常路線への復帰」から見れば一気に崖の下に落ちた感がある。自民党総裁がだれになっても、中日関係が大きくUターンするとは思えない。理由として日本国内の対中姿勢が大幅に非友好的になっていることがある。中国を封じ込めようとする米国がが日本に大きく影響しており、日本は国内外で中国姿勢を変える条件ができていない。

 

 

ただし、中日両国の国力比較は歴史的変化を示している。2008年北京オリンピック時点で日本のGDPは中国をうわまわっていたが、2020年の中国GDPは日本の三倍に拡大した。この差は20世紀末の中国本土と台湾島の経済格差に近い。具体的には中国国内の自動車販売台数は日本の4-5倍になっている。中国の高速鉄道路線合計は日本の新幹線の13.7倍だ。日本が中国に厳しい地政学的姿勢をとってきたが、静かに変化しつつある。

 

中日両国の心が接近するのは短中期的にはむずかしいようだ。日本は米国の側についており、原爆投下を受けた憎しみを忘れ、米国に占領された屈辱も今日まで封印してきた。中国が唐時代(AD 618-907年)並みの圧倒的国力の差を日本に示さない限り、日本は中国を尊敬の念で見ず、相互尊敬の気持ちも短期のうちに生まれないだろう。日本の対中姿勢は今後長期にわたりぎこちないままだろう。

 

とはいえ、日本が脅威を中国に与えるのは極めて困難だ。日本が米国の共犯者の役割を長くとっているのはそれがわかっているからだ。日本が新たな体制に代わるのを中国は出発点ととらえるべきだ。日本社会内の対中感を正確に把握し、日本の脅威を客観的に把握し、日本への対処方針を決めるべきだ。

 

中日間の経済貿易協力関係は大規模なもので両国関係の中で最も意味のある要素と理解すべきだ。次期総理大臣がだれになるにせよ、また日本が対中関係でより厳しい姿勢をとったとしても、両国間の経済のつながりは両国にとって利益を生んでおり、貿易面で影響は発生するとは思えない。また日本が中国へ対決姿勢を取る主導役になるのも考えにくい。こうしたことから中国には対日関係の取り扱いを冷静に進める余裕があるといえよう。

 

誰が次期総理大臣となろうと、日本が厳しい対中姿勢を継続しても、中国に課題対処する能力があることに変わりない。中国の国力は日本をうわん割るペースで成長し続ける。二国間関係の悪化で損害を強く受けるのは日本であることに間違いない。■


U-turn in bilateral ties unrealistic regardless of next Japanese PM – until China regains Tang Dynasty

By Global Times

https://www.globaltimes.cn/page/202109/1233287.shtml

Published: Sep 03, 2021 11:15 PM

 

2021年9月5日日曜日

米陸軍が実用化を目指す画期的な新型装備品5種類とは

 





争の形態が変化する中で米軍も装備品技術の革新を進めている。

 

米陸軍は各種新兵器を実用化してきたが、ハイテクのロシアや中国部隊との対決を想定せざるをえないため、さらなる新装備開発に取り組んでいる。

 

今後は冷戦期に生まれたおなじみの装備品が徐々に姿を消していく。エイブラムズ戦車やアパッチヘリコプターのように米軍の象徴のような装備だ。そのあとに新世代兵器がやってくる。

 

実現が有望視される装備品5種を眺めてみよう。

 

1. 次世代戦闘車両:

 

1980年代より米陸軍の装甲部隊の中心はM1エイブラムズ戦車、M2ブラッドレイ歩兵戦闘車だった。ともに性能向上を図り内容を近代化してきたが、このうちエイブラムズ最新型のM1A2はセンサー機能電子装備が1980年代製よりはるかに向上している。とはいえ40年前の設計で、もともとはフルダ渓谷でソ連戦車隊を阻止する構想で生まれた車両だ。戦闘員掃討作戦のような「小規模戦」がここ20年続き、装甲の厚さより歩兵部隊の機動性が重要視されるようになったが、再び米陸軍が「大規模戦闘」をロシア、中国相手に想定する今、改めて戦車へ関心が高まっている。

 

そこで陸軍の目指す次世代戦闘車両構想では21世紀の装甲車両部隊の創設を目指し、新型主力戦車、歩兵輸送戦闘車両、自走砲、さらにロボット戦車の構想がある。防衛産業企業ではすでにBAEのCV90歩兵輸送車両のように採用を狙う動きがある。だが次回採用となる車両にはここ40年の技術革新を反映し大きな変化が生まれるはずだ。アクティブ防御による対戦車ミサイルの阻止、戦術ネットワーク、さらに無人機も車両の一部になるかもしれない。もっとも未来的な形状ではDARPAのX-Vehicle Techologies事業を見てもらいたい。戦車の概念図はまるで砂漠走行バギーのようだ。

 

2. 機動性短距離防空装備(MSHORAD):

 

米空軍の防御の下、さらに対戦相手がずっとローテクのタリバン等であったため米陸軍の防空能y六は冷戦終結後に委縮した。だが無人機の普及やハイテクのロシア、中国の航空機ヘリコプターを意識し、米陸軍にとって空は安全な場所でなくなってきた。そこでつなぎ解決策としてスティンガー対空ミサイルをストライカー軽装甲車両に搭載する。さらに指向性エナジー兵器をストライカーに搭載する構想もある。実現すればミサイルよりも迅速に対応可能となり、電力がある限り弾薬切れも発生しない。

 

3. ロボット戦車: 

 

まるでSF小説の世界だが、米陸軍に有人操縦選択制戦闘車両があり、今後の発展が期待されている。ロボット試験車両はM113装甲兵員輸送車を遠隔操縦式にしたもので今後は運転手なしで前線に補給品を届ける車両となる。

 

4.  将来型垂直離着陸機:

 

冷戦時のM1戦車が姿を消すとアパッチ、ブラックホークの寮へリコプターも同様に退役する。ともに陸軍航空戦力の中心機材だ。将来型垂直離着陸機(FVL)は各種新型ヘリコプターの実現をめざし、攻撃偵察用も含む。

 

5.長距離火砲と極超音速ミサイル: 

 

空軍による潤沢な航空支援に慣れ切ってしまった陸軍の砲兵隊はロシアの後塵を拝するまでになってしまった。ロシアが新型りゅう弾砲を実用化しているが、米陸軍は大口径火砲のM109A6パラディン155mm自走りゅう弾砲が射程20マイルそこそこであるのに対し、一気に1000マイル射程の実現を目指す。長射程の新型砲弾を開発中で、実現すれば攻撃対象地帯を一気に拡げ、敵部隊の活動を妨害できるようになる。■

 

Five Pieces of Future US Military Technology

by Michael Peck

August 31, 2021  Topic: Technology  Region: Americas  Blog Brand: The Reboot  Tags: Defense TechnologyChinaMilitaryTechnologyU.S. Army

 

Michael Peck is a contributing writer for the National Interest. He can be found on Twitter and Facebook. This first appeared earlier and is being reposted due to reader interest.

Image: DARPA


英米間で実証されたF-35B搭載艦・機材の相互活用作戦構想。将来は日米でも実施になるのか。その前に日本に必要となる条件がある。

 

今回実証された作戦構想が日米間でも実行に移される前に集団安全保障をめぐる解釈、さらに自衛隊が軍組織になっていない現状(アフガニスタン邦人退避でもこのための制約がありました)がもう放置できなくなっている事実を直視すべきでしょう。改憲という政治課題に真正面から取り組むと公言する自民党(リベラルデモクラッツという英語名は早く改正してもらいたいですね)の総裁候補はだれなのか、しっかり見ておきましょう。


F-35B Queen Elizabeth

米海兵隊のF-35BがHMSクイーン・エリザベスから発艦した。 August 20, 2021. 米軍機材が他国艦艇からの出撃する相互運用は今回が初めてとなり、両国の協力関係の強化ぶりを印象付けた。1st Lt. Zachary Bodner

 

空母HMSクイーン・エリザベスとUSSアメリカが搭載機材F-35Bを相互運用し、大型空母を使わなくても大きな戦力を実現することを実証した。

 

滑走路を必要としないF-35Bは共同作戦運用でこれまでにない戦術面の優位性を実現する。

 

英米両軍がF-35を運用し、標的データの交換以外に大きな共同運用能力を実現した。

 

なかでも母艦複数による多国間作戦での攻撃効果が増える。空中給油なしで攻撃有効距離を拡大できることに大きな意味がある。

 

例えば英空母を遠方配備したまま、強襲揚陸部隊が接近し、あるいは敵部隊に挑む。F-35はどちらかの艦から発進し別の艦で給油を受け、兵装を再装填して次の出撃に向かう。

 

F-35航空戦力の倍増効果

 

これにより強襲揚陸攻撃を敵沿岸に接近したまま実行でき、空には第五世代F-35を当初の二倍の戦力で展開しながら上陸部隊は水上を移動し上陸作戦を行える。

 

運用機数が増えればF-35の作戦実施範囲が広がり、揚陸作戦は全く違う様相を呈する。具体的には、現行の海軍戦略である分散型運用の実現につながる。無人装備や長距離探知センサー、ネットワーク機能により敵砲火にさらされる脆弱性を減らそうというものだ。

 

多国籍部隊のF-35を多数、かつ共同運用すれば航空優勢を揚陸部隊上空に確立し、作戦の成功確率が高くなる。

 

F-35を介して通信機能強化

 

通信でも優位となる。NATOでは加盟国間の情報共有に向け今もだ多大な努力をしていることを考えるとこの効果は大きい。米英を中心としたF-35運用国が増えればデータ共有の保安性とともに量的拡大が実現する。

 

F-35には共通データリンクがあり、これを多機能高性能データリンク(MADL)と呼び、全F-35機材間にリアルタイムかつシームレスで接続できる。これにより艦隊規模での作戦協調、標的情報の共有、あ新しい情報などが戦闘中に実現する。■

 

 

F-35Bs Massively Scale Amphibious Attack Potency After U.S. & British Sea Exchange

UPDATED:AUG 30, 2021ORIGINAL:AUG 30, 2021

F-35Bs Massively Scale Amphibious Attack Potency: Successful U.S. & British Sea Exchange

 

-- Kris Osborn is the President of Warrior Maven and The Defense Editor of The National Interest --

Kris Osborn is the defense editor for the National Interest. Osborn previously served at the Pentagon as a Highly Qualified Expert with the Office of the Assistant Secretary of the Army—Acquisition, Logistics & Technology. Osborn has also worked as an anchor and on-air military specialist at national TV networks. He has appeared as a guest military expert on Fox News, MSNBC, The Military Channel, and The History Channel. He also has a Master's Degree in Comparative Literature from Columbia University.


2021年9月4日土曜日

日本の令和4年度防衛予算概算要求に対し、CCP見解を代弁する環球時報は米国の要望に呼応したもので、台湾問題へ手を出せば中国の報復対象と恫喝。

 

まるで別世界から見た話のようですが、こうした思考をする中国、というよりCCPを相手にするには外務省任せでは不十分で民間フォーラムも含め「総力戦」で日本の立場を伝えていく必要がありますね。

 

 

本の防衛予算要求が記録的な規模になった。これに対し中国国内専門家は中国に対抗し、今後の軍備拡張に向けた動きであり、台湾海峡をめぐる緊張で米国戦略に呼応する動きと見ている。

 

防衛省が公表した概算要求は5.48兆円(499.3億米ドル)、前年比2.6%増との報道がある。防衛省は南西島しょ部分にミサイルを配備しようとしており、ここは中国の釣魚諸島から近い。

 

これに先立ち日本と台湾島の防衛当局が初の対話を先週を行い、米国のインド太平洋戦略で中国本土封じ込めを目指す動きにさらに加担するとみられる。

 

「日本の防衛支出は年ごとに膨張しており、今年はGDP1%上限に近づく。ここから防衛能力を整備するため中国の脅威を利用することが日本の真意だとわかる」と上海外国大学の日本研究研究者Lian Degui教授が環球時報に述べている。

 

中国外務省報道官Wang Wenbinは9年連続で防衛予算増を図る日本を非難した。事態を事あるごとに利用し日本は軍拡を正当化している、という主張だ。

 

日本の政界では中国本土が「一方的に域内の現状を変えようとしている」と糾弾し、「台湾海峡の安全保障のみならず日本の安全保障にも影響が出ている」と見ていると台湾メディアの報道がある。

 

「中国で騒ぎ立て、台湾問題関連で域内緊張を高めることで日本は軍備拡張を正当化しようとしている。日本の防衛予算は保守政権が続く限り増加する」(Lian)

 

ご注意 この記事は中国共産党の主張を伝える環球時報英語版の記事をもととしています。

 

軍事専門家Song Zhongpingは「日本は常に『中国の脅威』を騒ぎ立て平和憲法改定へ世論盛り上げを図っている」と環球時報に述べている。

 

ロイター報道ではロッキード・マーティンF-35ステルス戦闘機の12機調達に1,300億円を計上とある。1,050億円は初の国産戦闘機に投じる。南西部の石垣島に駐屯地を新設し、対艦対空ミサイル部隊570名を配備するとの報道もある。

 

Songは米国が日本へ従来より大きな役割を域内で求めいるのが防衛予算拡大の背景にあるとする。米国の同盟国として日本は中国への圧力となる駒の役割をしており、米国装備品の購入もその一部だ。

 

米日両国はいわゆる島しょ線包囲網を人民解放軍に対して実現しようとしている。だが、この種の地対空、地対艦ミサイル配備は中国には脅威ではない。武力対決の場合、こうした陣地は完全排除できるとSongは述べている。

 

日本が台湾海峡問題に直接関与すると台湾分離主義者が都合よく考えているが、実際に日本が海峡問題に介入すれば中国本土が猛烈な報復攻撃を加えると中国専門家は口をそろえて警告している。■

 

 

Japan's substantial military budget expansion caters to US request, to meet with China’s retaliation once involving Taiwan island

By Liu Caiyu

https://www.globaltimes.cn/page/202109/1233114.shtml

Published: Sep 01, 2021 11:08 PM

 

2021年9月3日金曜日

いずもでの米海兵隊F-35B運用は11月に。米国が各同盟国との防衛協力で見直しをかける中、日米海軍部隊の連携はさらに深まりそう。

 


海上自衛隊のヘリコプター駆逐艦JSいずも(DDH-183)。マラバール2017演習にて。 US Navy Photo

 

 

海兵隊所属のF-35BライトニングII共用打撃戦闘機が海上自衛隊のいずもから今年11月に運用されることを海兵隊総監デイヴィッド・バーガー大将が8月25日に明らかにした。

 

実現すると英海軍航空母艦HMSクイーン・エリザベスへ配備された海兵隊飛行隊と同様の事業が今後生まれそうだ。

 

「一時的だが米海兵隊所属のF-35部隊が日本艦から運用される」とバーガー大将は述べている。

 

日本政府は2019年に海兵隊に対し、海上自衛隊のJSいずも(DDH-183)、JSかが(DDH-184)の改修作業と並行して航空機の交換事業を提案していた。

 

今回の対象はJSいずもになりそうだ。いずもは第一次改修を7月に完了しF-35運用が可能となった。改修では飛行甲板に線が描かれ、耐熱塗装が施されたとNaval News記事にある。

 

「第二次改修で艦首は現在の台形から四角形に代わり、F-35B運用を楽にし、その他には艦内区画割の変更も予定している」とNaval Newsが伝えている。

 

いずも、かがの改修はF-35B42機調達と並行し進み、自衛隊初のF-35Bは2023年度中に納入される予定だ。

 

日本がF-35の拡充をはかるのは中国の海軍力整備を進めるのに呼応した動きだ。いずも、かがでのF-35運用は防御策とみる向きがある。

 

第31海兵遠征部隊所属のF-35BライトニングII共用打撃戦闘機が前方配備の強襲揚陸艦USSアメリカ(LHA-6)艦上で発艦に備えていた。 Aug, 25, 2021. US Navy Photo

 

 

「海上自衛隊の水上部隊を巡航ミサイル(あるいは極超音速滑空ミサイル)から防御するためいずも級の改修でF-35BSTOVL機の運用が必要となった。F-35Bの行動半径は数百マイルあり、対艦ミサイルを発射できるが、艦搭載の対空ミサイルの有効射程は平均100マイルしかない」と米太平洋艦隊司令官デニス・ブレア大将等が2019年の米海軍協会紀要に投稿していた。

 

「短距離ながら対艦ミサイルを搭載したF-35Bは大量の監視艇あるいは海上民兵を乗せた漁船を同時に投入する戦術に有効に対応可能だ。『島しょ部奪回』シナリオでは日本の新規編成水陸両用団の奪回作戦でF-35Bが局地航空支配を確立し、有益な存在となる」

 

海兵隊のいずも運用はテスト用の短期限定だが、日米両国でF-35Bを運用することで両国のきずながさらに深まる効果が期待される。日本艦での海兵隊機材運用は米国が域内同盟国とのつながりを再定義する一例に過ぎない。

 

大西洋のNATOは多国構成だが、太平洋では一対一での構図となる。バーガー大将は同盟国やクアッド対象国との情報共有が絶えず問題だと認めており、クアッドでは新しい形の協力関係を域内に形成する。

 

「クアッドがゆっくりと静かに発足したことに大きな異議がある」「オーストラリア、日本、南朝鮮、フィリピンとは情報共有の枠組みはすでにあるが、各国と一対一の関係だ。クイーン・エリザベスが展開中だが事態を注視している」とバーガー大将は述べている。■


US Marine F-35Bs to Operate off Largest Japanese Warship Later This Year - USNI News

By: Sam LaGrone

September 1, 2021 2:34 PM


中国戦闘機の弱点は国産エンジン。打開策を画策する中国だが、知的財産権尊重の姿勢はない。欲しいものはカネで買え、という姿勢が問題か。

 

戦闘機エンジン技術をマスターしたいPRCは困難な選択をせまられそうだ。だがこれをしないと戦闘機の性能は引き上げられない。

国の国防産業界は海外技術を「借用」することで悪名高く、特に航空宇宙産業でこの傾向が強い。

 

中国で供用中の戦闘機部隊ではほぼ全数が海外技術を公然と借用あるいはそのままコピーした機材だ。J-10の原型がイスラエルIAIのラヴィであり、さらに元をたどれば米ジェネラルダイナミクスF-16であることは公然の事実だ。J-11はsロシアSu-27のクローン、JF-17はソ連時代のMiG-21を近代化したもの、J-20ではF-22と奇妙な類似性があり、J-31はF-35共用打撃戦闘機の技術を流用していると広く信じられている。中国は研究開発で時間と費用を節約し、PLAAFは本来の負担のわずか数分の一で機材近代化に成功した。

 

ただしこの借用戦略には一つの欠陥がある。そのボトルネックとはテストデータの欠如であり、産業界エコロジーの不在だ。ここに中国が国産エンジンで高品質製品を実現できていない原因がある。

 

技術面で不釣り合いな事態が生まれているのは技術上の秘密事項並びにシステム完成に必要な人材がともに不足していることが理由だ。このため海外技術をコピーは高価かつ長時間作業になっている。泥棒国は製造基盤を一から作る必要がある。最悪の場合、大幅に基準を下回る部品が生まれ、システム全体の機能や信頼性が損なわれてしまう。

 

中国は1990年代から2000年代にかけロシア製ジェットエンジンをリバースエンジニアリングして実際にエンジンが完成したが、極端に短い寿命だありながらロシア製の性能水準に及ばない結果になってしまった。今日でもPLAAF戦闘機ではエンジンは依然として障害のままで、中国製第五世代機の初期型は大きく出力不足だった。問題をさらに深刻にしたのがロシアがエンジン供給に難色を見せたことだ。だが中国にはこれを回避する方法がある。

 

選択肢の一つが国産エンジンの改良だ。2016年の第13次五か年計画で戦略新産業開発方針で国産ジェットエンジンの改良を通じ航空宇宙産業の発展をめざすとの項があった。

 

これはある程度成功したようで、J-20試作機には性能向上型WS-10エンジンが搭載された。だが中国国産エンジンに関する公開情報が欠落しているため、同エンジンの性能は確認できない。WS-10初期型は中国製フランカーに搭載され、ロシア製AL-31の性能に遠く及ばないことを露呈した。民間企業の成都航空宇宙超合金技術公司 (CASTC) でターボファン技術がここにきて大きく進歩しているものの、超高温に耐え効率に優れたエンジンはまだPLAAF第一線機材に届いていない。

 

民間部門が航空宇宙分野の技術上で突破口を開く存在になるのであれば、国営企業も追随するかもしれない。国営航空宇宙企業は政治的に優遇されている。CASTCのような民間企業が優れた成果を出せば、政治への影響力が高まり、既存の国営企業は影響力を減らすか、民間企業との共同体制に向かうかもしれない。いずれにせよ、中国の国防産業界には大きな意味があり、今後のイノベーション体制も大きな影響を受けそうだ。

 

より簡単な方法は高性能エンジンを搭載しあt外国製戦闘機の買い付けだ。PLAAFがSu-35をロシアから購入したのがこの例だ。同機のALS-117エンジンに中国は関心を示し、エンジン単体での購入を持ち掛けたがロシアに拒否され、Su-35の購入になった。ロシアは知財保護の安全策をALS-117に講じており、中国のリバースエンジニアリングを封じている。だが、中国に知的財産権を尊重する姿勢が希薄なことから、ALS-117でもリバースエンジニアリングに走る可能性がある。ただこれは実際には困難だ。ロシア筋はエンジン核心部を入手するにはエンジンを破壊するしかないと述べている。

 

さらにWS-10で懲りた中国は外国製エンジンを入手してもすぐに同様のエンジン国産化につながらないことを承知している。またロシア知財を守るとの誓約を破ればロシア製高性能エンジンの入手は今後困難になる。

 

最後に、ALS-117エンジンの核心技術はエンジンを破壊しなければ入手不可能というロシア側の言い分通りなら、PLAAFには高性能エンジンなしの機材しか残らないことになる。そのため、PRCはALS-117のリバースエンジニアリングで短期的には利点を確保しても、金の卵を産むガチョウを殺すことになりかねない。

 

ただし、ロシア武器産業の見通しが暗いため、中国は別の可能性を試すことになりかねない。ロシアの影響力は減少気味で、中国の産業基盤は拡大中のため、ロシアからの輸入の必要性は減る。中国としては国力の差を意識してロシアを軽視しかねない。が、これを行えば両国関係を損ないかねず、両国は相当の外交努力をこれまで投じてきた。

 

最後に中国は民生航空機部門を利用して軍用用途で一気に進展を図る選択肢がある。これには利点がある。民生航空部門では西側企業との協力関係構築の可能性が高まり、他方で中国航空産業界に輸出機会が生まれる。例としてドイツが中国製タービンブレイド購入に関心を示しており、ドイツ製品より優秀だと注目している。(皮肉な事実は中国はもともとドイツ技術を吸収していることだ)

 

さらに国内ニーズもある。中国は民生機市場の規模で世界最大だ。だが欧米企業は技術移転で厳しい制約で運用を迫られいるため、有益な技術情報の提供もままならない。さらに政治圧力あるいは知財窃盗により西側航空宇宙企業は中国での生産に及び腰になっている。この知財窃盗事案が原因となり米中関係がさらに悪化し、貿易戦争の火種になりかねない。これにより中国の産業基盤そのものに実害が生まれてもおかしくない。

 

こうした障害が残るものの中国は軍事航空分野で今後も進展を示していくはずで、航空機エンジン分野でもいつまでも遅れたままではないはずだ。3Dプリント技術展で試作、開発が加速化するかもしれない。3Dプリント技術はすでに各国で航空機部品の製造に使われているが、軍用仕様のターボファンジェットエンジンはまだ製造できない。ジェットエンジン製造の複雑さを考えると、技術の成熟化には数年が必要となりそうだ。今のところ、PRCは戦闘機エンジン技術を自分のものとし自軍戦闘機機材の戦力の最大化には困難な選択を迫られそうだ。■

 

Why China Struggles to Produce an Indigenous Jet Engine

by Robert Farley

September 2, 2021  Topic: Security  Region: Asia  Blog Brand: The Reboot  Tags: ChinaAir ForceMilitaryTechnologyWorld

 

J. Tyler Lovell is a graduate of the University of Kentucky's Patterson School of Diplomacy and aspiring PhD student. He has been previously published in the popular defense website Foxtrot Alpha and the foreign policy blog Fellow Travelers.

Robert Farley, a frequent contributor to TNI, is a Visiting Professor at the United States Army War College. The views expressed are those of the author and do not necessarily reflect the official policy or position of the Department of the Army, Department of Defense, or the U.S. Government.

This piece first appeared in 2018 and is being republished due to reader's interest