2023年11月12日日曜日

11月10日、B-21レイダーが初飛行。Aviation Week, The War Zoneのレポートをご紹介。

B-21レイダーが11月10日に初飛行に成功しました。

まず、Aviation Weekのレポートを御覧ください。




米空軍の次世代爆撃機B-21レイダーが初飛行

ースロップ・グラマンのB-21レイダーは11月10日、カリフォーニア州パームデールにある同社のプラント42上空を飛行した。ソーシャルメディアに流れた飛行の動画には、爆撃機と追跡機がフライトラインの上空を飛行する様子が映っている。

「B-21レイダーは飛行試験中です」。空軍のスポークスマン、アン・ステファネクはAerospace DAILYに語った。「飛行試験は、アメリカ、同盟国、パートナーに対する侵略と戦略的攻撃を抑止するたに、生存可能な長距離、貫通攻撃能力を提供するため、空軍試験センターと第412試験飛行隊のB-21複合試験部隊によって管理される試験キャンペーンの重要なステップだ」。

今回の飛行テストは、B-21がパームデールで昼間にタクシーテストを行うのが目撃されて1ヶ月も経たないうちに行われた。初号機は今後、開発試験のためカリフォーニア州エドワーズ基地に移動する。

ビデオでは、全翼機の後縁がシンプルなW字型であることが確認され、極めてクリーンなデザインであるのが明らかになった。B-2に比べてセンターボディが深く、メインギアとノーズギアの間の下面は基本的に平らであることがわかる。キャンバー加工されたリーディングエッジも、外側のスプリット・サーフェス・ドラッグ・ラダーを含むトレーリングエッジのコントロールサーフェスと同様に明らかだ。

同機プログラムはエンジニアリングと製造開発の段階にあり、2020年代半ばにサウスダコタ州エルスワース基地に航空機を納入する予定であると空軍は述べている。現在6機が生産中だ。試験機は、量産機と同じ工具を使い、同じ生産ラインで製造される。

初飛行は、空軍がノースロップ・グラマンに初回の少量生産契約を与えるために必要だ。

「飛行試験キャンペーンは、ノースロップ・グラマンと空軍で構成される合同試験部隊が実施し、当社のデジタルモデルを検証し、運用能力達成にまた一歩近づくことになる」と同社は声明で述べた。■

B-21 Takes To The Sky For The First Time As Flight Testing Begins | Aviation Week Network


Brian Everstine November 10, 2023


次に、The War Zoneが機体の特徴、想定性能を推察していますので、詳細なレポートを御覧ください。

B-21 first flightContributor

ケルベロスの愛称を持つB-21レイダー初号機を初めて上空で、そして多くの新しい角度から分析してみた

B-21の初飛行は、ノースロップ・グラマンと米空軍にとって大きなマイルストーンとなり、世界で最も先進的な航空機の姿を見せてくれた。レイダーの最初の完全なお披露目から、重要なポイントを紹介する。

まずは名称だ。そう、B-21レイダーだが、最初の機体には特別なニックネームがあり、ギアのドアに ケルベロスとある。

ケルベロスとは、ギリシャ神話の用語で死者が逃げ出さないよう冥界の門を守る黄泉の国の猟犬。つまり、B-21の最初の機体には非常に暗く不吉な名前がついた。間違いなく最も破壊的な飛行機械にふさわしい。

B-21が離陸時に後ろに曳いていた長いワイヤーと空中線について質問が出ている。その存在は、初期飛行テストで通常の備品であるため、驚くにはあたらない。これは、航空機に乱されることのない「きれいな」静的空気測定を行うための空気データ「トレーリングコーン」である。このセンサーは、ジェット機の前方左側下部に設置された長い飛行試験用エアデータプローブに追加される。これらは、B-21の初期飛行試験活動のため正確なデータを収集する重要な機器であり、機体の周囲に設置された多数の標準センサーや機内の特殊な試験機器に加えて使用される。

<em>Contributor</em>

Contributor

B-21の構造と特徴に話を移そう。まず、B-21の平面形状だ。B-2の初期型がより高く飛ぶはずだった構想と同じだ。B-21が、B-2スピリットとなった先進技術爆撃機プログラムのシニア・アイス・デザインと直接つながっていることは、6年前の特集で明らかにしていた。

エンペナージを含むB-21のタキシング写真は数週間前から出回っていたが、B-21の中央胴体(この場合はハンプ)の両脇にある奇妙な「角」は、補助吸気ドアであることが今、はっきり言える。追加エア・データ・センサー、あるいはレーダー・リフレクターのためのポストではないかとの憶測もあったが、そうではなかった。

<em>Andrew Kanei</em>

Andrew Kanei

<em>Mike Henry</em>

Mike Henry

B-21のコンフォーマル・インレットは、この計画で最もエキゾチックな(既知の)特徴のひとつで、開発中に大きな難題であったことが公に記録されている。低観測性のインレットは、ステルス機にとって最も重要な特性のひとつだ。乱流境界層の空気を分離し、航空機のエンジンを飢えさせないためにエンジン・ファン面(反射率が高い)を隠すために使う蛇行ダクトに十分な空気を通すことは、大きなハードルである。加えて、巡航中には問題にならないことでも、迎角が増加すると大きな問題になることがある。

The B-2's far more prominent serrated intakes can be seen here, including the splitter plate between the fuselage and the intake opening that separates turbulent boundary layer air from the stable air entering the intake. (U.S. Air Force photo by Senior Airman Christopher Bush/Released)

The B-2's far more prominent serrated intakes can be seen here, including the splitter plate between the fuselage and the intake opening that separates turbulent boundary layer air from the stable air entering the intake. (U.S. Air Force photo by Senior Airman Christopher Bush/Released)

B-2は下縁に沿った鋸歯状のスプリッターを持つインテークが特徴だ。それでも、B-2ではエンジンが内翼の奥深くに埋まっているため、蛇行ダクトに給気する。離着陸時に十分な空気を得るには、ブレンドされたインテーク/ナセルの中間部分の上部に開く「バタフライ」またはスクープ状の補助吸気ドアを経由する。


A B-2 taxiing out with its auxiliary air inlets popped open. (U.S. Air Force photo/Senior Airman Kenny Holston)

A B-2 taxiing out with its auxiliary air inlets popped open. (U.S. Air Force photo/Senior Airman Kenny Holston)

Another shot of the B-2's scoop-like auxiliary air inlets in use. (U.S. Air Force photo by Senior Airman Josshua Strang)

Another shot of the B-2's scoop-like auxiliary air inlets in use. (U.S. Air Force photo by Senior Airman Josshua Strang)

B-21はこれと同じことを、B-2のドアと同じように、吸気口から垂直に後ろに開く比較的大きな三角形のドアで実現している。これにより、レイダーの(量も型式も)まだ不明なエンジンに直接空気が供給される。地上でのタキシング時や離着陸時に、独特の「角の生えた」、あるいは悪魔のような外観が得られる。

B-21のプロフィールは、角度のついたサイドウィンドウが不吉な「怒り」の表情を与えている。この角度から見ると、B-21はB-2よりも小柄であることがわかる。その巨大な棚のような「ダックビル」前縁/機首は非常に見やすく、低視野角からのB-2の胴体上部への視線を制限する、他の利点の中でも特に低視認性の主要な属性である。B-2がその他航空機よりも高高度を飛行する可能性が高く、防空体制が回避すべき最も重要な脅威であることを考えると、これは重要な特性である。また、低視認性航空機の設計には長い歴史があり、B-21レイダーの祖父であるノースロップのタシット・ブルー実証機で特に顕著だった。

また、B-21のエンジンナセルと胴体中央のハンプの間の黒い部分が、機体後部に見える。なぜこの部分がその色調になっているのか、正確な理由はまだ不明だが、エンジンが近くに搭載されていることと関係があるかもしれない。

全体として、B-21の横顔は驚くほどなめらかで、横から見た吸気口とエンジンの「こぶ」はB-2よりはるかに目立たない。

B-21の腹部は、今日の初飛行で見た機体で最も興味をそそる部分だ。プライマリー・ウェポン・ベイ(プライマリー・ウェポン・ベイについては後ほど)がはっきり見える。B-2より小さいが、B-2の武器搭載量の半分以下である可能性が高いため、そうなるとわかっていた。質量兵器貫通装置(MOP)をB-2が2発搭載できる代わりに、B-21には1発しか搭載できないだろう。また、B-21の混合エンジンナセルと機体後部の胴体中央のこぶの間に黒い部分が見える。なぜこの部分がこのような色調になっているのか正確な理由はまだ不明だが、エンジンがその近くに搭載されていることと関係があるかもしれない。

全体として、B-21の横顔は驚くほどなめらかで、横から見たときの吸気口とエンジンの「こぶ」はB-2よりはるかに目立たない。

B-21の腹部は、おそらく今日の初飛行で見た機体の中で最も興味をそそる部分だろう。プライマリー・ウェポン・ベイ(プライマリー・ウェポン・ベイについては後ほど)がはっきりと見える。B-2よりはるかに小さいが、B-2の武器搭載量の半分以下である可能性が高いため、そうなることはわかっていた。質量兵器貫通装置(MOP)を2つ搭載できる代わりに、B-21には1つしか搭載できないだろう。MOPを搭載するにはベイが小さすぎるため、新たに小型の深部貫通兵器が搭載される可能性もあるが、現時点ではその可能性は低いと思われる。

<em>Andrew Kanei</em>

Andrew Kanei

このベイは、おそらく前任機よりも「スマート」で、さまざまな武器の配置に簡単に再構成可能であり、航空機のオープン・アーキテクチャ・システムを活用し、新しい武器、デコイ、空中発射ドローンをより簡単に統合することができるはずだ。

<em>(Contributor)</em>

(Contributor)

残る大きな疑問は、B-21に小型の副兵器室もあるのかということだ。B-21で拡大された役割と新兵器を活用するため存在する可能性がある(あるいは少なくとも存在すべき)と筆者が仮定したものである。これには、自己防衛のための先進的な空対空ミサイルや、高度に保護された場所での戦闘や自己防衛用のスタンドイン・アタック・ウェポン(SiAW)が含まれる。

これらの兵器に大型プライマリー・ロータリー・ランチャーを使うのはやや問題があるように思える。プライマリー・ウェポン・ベイの横にハッチのようなものがあり、これがエンジン・アクセスを含むメンテナンス・アクセス用なのか、それとも武器格納用なのかは不明だ。B-2にも同様のパネルがあるため、判断は難しいが、プライマリーベイ横のインナーパネルが興味をそそる。

B-21の装備は、B-2のように2つのトラックではなく、1つのトラックを使っているが、内側に閉まる1つの大きなドアの下で前方にヒンジで固定され、同じように収納されているようだ。

最後に後部。ステルス機の排気は、無線周波数(RF)と赤外線(IR)スペクトルの両方で、このタイプの低観測能力にとって非常に重要である。この場合、B-2の排気口と非常によく似ているが、エンジンが非常に深く埋まっており、小さくなっている。また、平面的なヒートディフューザーの後縁にシェブロンがない。再び、B-21が双発機なのか四発機なのかという疑問が生じる。しかし、もしB-21が4基のエンジンを搭載していれば、エンジンは比較的小型のはずだ。

B-21は、後縁頂点の胴体「ハンプ」から伸びる顕著な棚状の延長があり、前任機の可変形状の「ビーバーテール」がないように見える。これは、B-2のオリジナル・デザインとの類似性を考えれば納得がいく。B-2には低高度での侵入要件がもともと欠けていたため、B-21の鋸歯状の後縁と「突風を避ける」ビーバー尾翼が生まれたのだ。

<em>Mike Henry</em>

Mike Henry

<em>Mike Henry</em>

Mike Henry

塗装色はライトグレーのままであり、この機体が昼夜を問わない運航を意図していることを示している。これは変更される可能性があるが、理にかなっており、ロールアウト前に我々がそうなる可能性があると考えていたとおりだ。

サイズ的には、B-2の全幅が172フィートであるのに対し、B-21は135-155フィートと推定される。また、B-2を真正面から見ると、F-15のような大きさになる。

最後に、機体周囲の開口部だ。B-2の大きなデュアルレーダーアレイがない。AESA技術の進歩により、B-21では大型アレイに依存しない可能性が高い。一方、コンフォーマル耐荷重アンテナ構造(CLAS)は、B-21の構造体に組み込まれた大型アレイを隠すことができる。ほぼ360度のセンシング、通信、電子戦のために航空機の周囲に配置される小型の一般的なAESAも、かなり可能性が高い。

Northrop Grumman's Electronically-Scanned Multifunction Reconfigurable Integrated Sensor&nbsp;(EMRIS) is a great example of a scalable, wideband, multi-mode array that can provide major advantages in many different types of installations that add up to far more than the sum of its functions. These placed around the B-21 could provide sensing, some networking communications, and electronic warfare capabilities. (Northrop Grumman)


ノースロップ・グラマンのEMRIS(Electrically-Scanned Multifunction Reconfigurable Integrated Sensor)は、スケーラブルな広帯域マルチモードアレイの好例。B-21の周囲に設置することで、センシング、ネットワーク通信、電子戦能力を提供することができる。(ノースロップ・グラマン)


また、B-21はシステム・ファミリーで構築されており、一部機能は他の航空機で処理され、安全なネットワークを通じてB-21に送信されることも注目に値する。これには、いわゆるRQ-180のようなステルス性の高いレーダーを搭載した機体も含まれる可能性が高い(おそらく含まれる)。言い換えれば、B-2の機能も他のプラットフォームにオフセットされている可能性がある。そしてもちろん、この機体はプロトタイプである。特定のシステムやエイビオニクスは、後に追加される可能性があり(そしておそらく)、現在製造中の後続機に搭載される。B-21はまた、スパイラル開発を念頭に構想されたため、B-2よりも遥かに容易に、新しい能力が出現したり必要となれば挿入されることになる。外見はストーリーの一部しか語らない。


航空界における歴史的な日、そして米空軍とノースロップ・グラマンのB-21レイダー・プログラムにとって大きな成果である。現在、B-21レイダーは、このプログラムをサポートするために特別にアップグレードされたエドワーズ空軍基地で、テスターたちの手中にある。


そのようなわけで、そう遠くない将来、空軍の誇りと喜びの詳細を徐々に知ることになるはずだ。■



B-21 Raider's First Flight: What We Learned | The Drive

B-21 Raider’s First Flight: What We Learned

BYTYLER ROGOWAY|PUBLISHED NOV 10, 2023 6:43 PM EST

THE WAR ZONE


2023年11月9日木曜日

AUKUS協定でオーストラリアは米国からヴァージニア級SSN合計3隻を受け取ることが明らかに。2隻は現在稼働中、1隻は完全新建造の艦。ただし、弱体化シている米国内の建造力でこれが無理なく実現できるのだろうか。

 

AUKUSの目玉である原子力潜水艦のオーストラリアへの大工程表が米海軍高官の口から明らかになりました。Breaking Defense からのご紹介です。



オーストラリアへのヴァージニア級潜水艦は2032年、2035年に就役中の艦を、そして新たに建造される艦が2038年に売却される

海軍高官によると、AUKUS安全保障条約の最適な道筋は、米国がヴァージニア級潜水艦3隻を2032年、2035年、2038年にオーストラリアに売却することだという。

 潜水艦部隊司令官であるビル・ヒューストン中将は火曜日、海軍潜水艦連盟で記者団に対し、2032年と2035年の売却は就役中の潜水艦を予定しており、2038年の売却は米国の生産ラインからの新造艦を予定していると語った。

 新造艦はブロックVII仕様で、ミサイル搭載能力を高める中間胴体部分のヴァージニア・ペイロード・モジュールは装備されないとヒューストンは述べた。

 AUKUSの安全保障協定で目玉となる原子力潜水艦の供与は3月に大々的に発表されたが、それ以来、この野心的なプロジェクトの実行可能なスケジュールは断片的にしか明らかになっていなかった。 SSN-AUKUSと呼ばれるクリーンシート設計の原子力潜水艦は、ヴァージニア級に続いて建造される予定だ。

 ヒューストンは売却の予備的なスケジュールを示したが、ホワイトハウスも国防総省も、オーストラリアの海軍と産業基盤の準備が整うまでは取引が行われないと強調している。

 米国、英国、豪州3カ国による安全保障協定のAUKUSは、連邦議会では超党派の支持を得ているが、議員たちはこの協定が米国の潜水艦産業基盤に与える影響について懸念を示している。

 ヴァージニア級潜水艦の最近の生産量は、年間2隻という米海軍の目標に対し、年平均1.2~1.3隻となっている。ヴァージニア級潜水艦2隻とコロンビア級潜水艦1隻を合わせて、海軍は "1+2 "と呼んでいる。

 海軍首脳は10月25日の議会証言で、「1+2方式を実現するための再資本化プロセスは、2028年までに米国(の潜水艦産業基盤)に対する需要を "仕事量に相当する "5倍に増加させる」と述べている。

 その上、豪州の米国産業への投資は、海軍のヴァージニア級潜水艦の生産要件を年間2.0隻から2.33隻に引き上げるのに役立つと期待されている。

 海軍と国防総省のコスト評価・プログラム評価局は最近、潜水艦産業基盤の調査を完了し、海軍は、海軍の潜水艦艦隊、造船所インフラ、関連産業基盤のための34億ドルを含む大統領の最近の補正予算要求と、次期2025会計年度予算要求に影響を与えたと述べた。

 国防総省の報道官パット・ライダー准将は火曜日、この調査結果は議員に説明されるものの、「調達に関する機密事項であり、一般には公表されない」と述べた。

 CAPEに協力した主要部署を監督する海軍の上級文官マット・サーモンは、今日、海軍潜水艦連盟で、海軍が1+2建造を達成するのを "妨げている "重要な問題の一つは、労働力であると述べた。

 「主要な技術職、エンジニアリング、プロジェクト管理、リーダーシップの人材を確保し、1+2+維持+パートナーシップを実現することは困難です」と記者団に語った。「だからこそ、国民とのつながり、魅力、採用、訓練、維持に重点を置くことが、我々の基本的な項目だ」と述べた。■


US Navy sub boss reveals new details on AUKUS Virginia class sub sales to Australia

By   JUSTIN KATZ

on November 08, 2023 at 1:12 PM


https://breakingdefense.com/2023/11/us-navy-sub-boss-reveals-new-details-on-aukus-virginia-class-sub-sales-to-australia/?_ga=2.83145683.491571522.1699478841-597485026.1697798023


2023年11月8日水曜日

フィリピンのFA-50がF-22を「撃墜」した最近の米比演習での真実はこうだ......

 

Wikimedia Commons



フィリピン空軍のかわいい軽戦闘機FA-50が米空軍の獰猛なF-22を演習で仕留めたとの報道が出ていますが、真相は....The Nationa lnterest記事からのご紹介です。



ィリピン空軍(PAF)は、7月に行われた空戦演習で、FA-50軽攻撃機の1機が、アメリカの制空権チャンピオンF-22ラプターを想定外のキルに成功したと発表した。この発表は、FA-50のガンカメラが捉えた画像とともに発表されたもので、パイロットが赤外線誘導(ヒートシーキング)ミサイルでステルス機をロックオンした際、フィリピンの戦闘機の照準にラプターが映っていた。

 「この事件は、軍事史に重大な展開をもたらした。フィリピンの主力戦闘機は、ルソン島上空でコープ・サンダー演習の一環として行われた模擬空戦で、第5世代戦闘機に勝利した」とPAFの声明には書かれている。

 しかし、この快挙は確かにフィリピン空軍にとって祝福に値するが、画像をよく見ると、3800万ドルの練習機から攻撃機になった航空機が、なぜ3億5000万ドル以上のラプターに勝つことができたのか、多くの価値あるヒントが得られる。

 そして、ここでネタバレがある: この種の演習ではよくあることだが、F-22は片翼を後ろ手に縛って飛んでいるように見える。

 フィリピンとアメリカの戦闘機の模擬交戦は、7月2日から21日にかけてフィリピンで行われた一連の二国間戦闘機訓練と専門家交流であるコープ・サンダー23-2で行われた。米空軍は、F-16とF-22を中心とする15機の航空機と500人以上の航空兵を派遣し、地上攻撃型のFA-50、A-29、AS-211を運用する同数のフィリピン空軍要員とともに訓練に参加した。

 しかし、約3週間にわたって何十機もの航空機が何十回もの出撃をしたにもかかわらず、この訓練で世界の注目を集めたのは、空軍のパイロットが無線で「フォックス2!右旋回でラプターを1機撃墜!」と伝え得てきたときだった。


戦闘訓練はフェアな戦いではない

コープサンダー23-2のような戦闘演習は、それを報道するメディアによってしばしば誤解される(誤解は報道機関の偏った姿勢に起因することもある)。たとえば、航空機同士の交戦は、あたかも2機のジェット機が単に空中で無差別級ケージマッチを行ったかのように、脈絡なく紹介されることが多いが、現実はそうではない。

 このような演習の目的は、勝利を確保することではなく、学習しやすい状況を作り出すことである。すべてのパイロットとサポートクルーがこれらの高価な努力から最大限の成果を得られるように、訓練のルール(一般に交戦規則またはROEとして知られている)は、単に競技場を均等にするだけでなく、多くの場合、より能力の高いユニットやプラットフォームが明らかに不利になるように意図的に設定されているのだ。

 F-22ラプターの場合、そのステルス性、センサーフュージョン能力、AIM-120高性能中距離空対空ミサイル(AMRAAM)は、空軍が言うところの "ファースト・キルチャンス"をパイロットに与えるためのものだ。言い換えれば、戦闘機とその搭載システムはすべて、ラプターが探知されることなく敵の空域を潜り抜け、目視範囲外から敵戦闘機と交戦することを可能にするものである。

 たとえ至近距離での戦闘を強いられたとしても、ラプターのパイロットは、戦闘が始まる前に最も有利な位置に身を置くまで空域を潜り抜けることで、交戦の性質を決定することができる。

 しかし、空戦演習でF-22にそのような飛行をさせるとしたら......演習指揮官が "Go "と言った瞬間に、F-22は60マイル離れたところから競争相手を一掃してしまう。そして、誰も訓練から多くを得ることはできないだろう。

 その代わりに、ラプターの長所を損ない、より劣る戦闘機が優位に立てるようにROEを設定するのが、このような演習では一般的なやり方だ。例えば、目視範囲外からの交戦を禁止することで、F-22のステルスの優位性を排除している(ステルスは眼球には効かないし、より射程の短い赤外線誘導兵器の方がロックオンできる可能性が高い)。

 他のルール、例えばラプターのパイロットに燃料の多いドロップタンクを翼下につけて飛行させることで、航空機の曲技飛行の機動性を劇的に低下させることができる。また、演習開始時に航空機を意図的に配置する、例えば能力の低いジェット機をF-22の真後ろに配置することで、ラプターのドライバーにとって非常に困難な状況を作り出すことができる。

空の王者:F-22ラプター

実際のところ、F-22に挑むFA-50は現代のダビデとゴリアテだ。 ロッキード・マーチンのF-22ラプターは、ステルス、センサーフュージョン、そしてF-15のような冷戦時代の戦闘機にしかないホットロッド性能のユニークな組み合わせのおかげで、これまで飛んだ中で最も支配的な航空優勢戦闘機だと広く考えられている。SR-71ブラックバードに搭載されたJ58ターボラムジェットを上回る出力をアフターバーナーで発生させる、プラット&ホイットニー製のF119-PW-100ターボファンエンジンを搭載したラプターは、マッハ2.25の最高速度と、マッハ1.5以上の速度でスーパークルーズ(アフターバーナーを使用せずに超音速で飛行すること)が可能である。

 最高速度では戦いに勝てないかもしれないが、F119の驚異的なパワーは、ラプターに1.25から1.37対1という間違いなく世界最高の推力重量比を与えている。言い換えれば、この戦闘機のエンジンは、標準的な戦闘負荷で機体の重量1ポンドに対して1.25ポンドから1.37ポンドの推力を生み出し、このステルス戦闘機を地球上で最も速く加速・上昇する戦術ジェット機のひとつにしている。同エンジンは、パイロットが機体から独立して推力の流出を方向付けることを可能にする2方向推力ベクトル制御ノズルで飾られており、高い迎え角で飛行している間(ジェット機の機首と武器を相手に向かって下向きにするときなど)、より優れた制御を可能にするだけでなく、非常に高い機動性を発揮する。

 しかし、ラプターは生のパワー以上のものを持っている。地球上で最初で最古の第5世代戦闘機であるにもかかわらず、最もステルス性が高く、正面レーダー断面積はわずか0.0001~0.0002平方メートルと推定されている。そのため、ラプターはF-117ナイトホークの30倍、ロシアの競合機るSu-57の最も楽観的な見積もりよりも1,000倍もステルス性が高い可能性がある。この極めて低い観測性は、F-22の強力なアップグレードAN/APG-77(V1)アクティブ電子スキャン・アレイ・レーダーによって強化されており、その性能はF-35のより近代的なAN/APG-81(戦闘機に搭載されたレーダーの中で最も強力なレーダー)を空対空任務で凌ぐほどだと言われている。

 F-22は、最大6発のAIM-120高性能中距離空対空ミサイル(AMRAAM)、2発のAIM-9サイドワインダー赤外線誘導ミサイル、M61A2 20ミリガトリング砲を搭載して戦う。


ザ・アンダードッグ FA-50

FA-50は、韓国航空宇宙産業(KAI)の超音速練習機T-50ゴールデンイーグルの軽戦闘バージョンで、当初は韓国の老朽化したノースロップF-5EとセスナA-37ドラゴンフライを置き換えるため設計された。

 F-22が費用を惜しまず、地球上で最高の戦闘機を凌駕するように設計されたのに対し、FA-50は手頃な価格と効率を前面に押し出して設計された。ジェネラル・エレクトリックF404-GE-102アフターバーニング・ターボファン・エンジン1基を搭載し、約17,700ポンドの推力を発揮する同機は2人乗りで、マッハ1.5に達することができ、推力重量比は0.96対1である。

 FA-50は、ジェネラル・ダイナミクスA-50 3バレル20mmロータリー・キャノンと、AIM-9サイドワインダーを含む武器を搭載するための7つのハードポイント、そして攻撃任務のための空対地弾薬の長いリストを装備している。空と地上両方の作戦の照準は、イスラエルのEL/M-2032パルス・ドップラー火器管制レーダーを改良したもので、韓国のKF-16が活用しているアメリカ製のAPG-68(V)7マルチモードレーダーと性能が似ていると噂されている。

 FA-50は経済的な性能で、多くの記録を塗り替えることはないだろうが、破たんすることもないだろう。では......いったいどうやって、空で最も強力な戦闘機相手にキルを取ることができたのだろうか?


この写真がF-50対F-22の交戦について教えてくれること

この演習でこれらの航空機がどのような交戦規則に従ったのかはわからないが、画像からすぐに読み取れることがいくつかある。

ひとつは、この交戦が明らかに目視範囲内で行われているということだ。F-22ラプターが目視外から交戦を支配することはほぼ確実であるため、この演習のROEは、ステルス性でも状況認識でもラプターの利点があまり役に立たない接近戦に2機を追い込んだと考えるのが妥当だ。

 しかし、F-22のシルエットに見られるいくつかの小さなディテールが、それをさらに物語っている。画像をよく見ると、この交戦中、ラプターの燃料入りドロップタンクらしきものがまだ翼の下にあるのがはっきり見える。

 戦闘中でないとき、あるいはステルス性を必要としないミッションを飛行しているとき、F-22ラプターは翼下に2つの巨大な600ガロン外部燃料タンクを搭載して飛行しているのをよく見かける。外部燃料タンクは戦闘機の性能に深刻な悪影響を及ぼすため、ほとんどのパイロットが相手と対決する前に最初に投下する。

 このドロップタンクは、各翼の下に搭載される重量を劇的に増加させ、戦闘機の失速速度(または、ジェット機が空気力学的失速を防ぐために維持しなければならない速度)を上げると同時に、各翼の慣性を劇的に増加させ、戦闘機のロールやタイトターンの能力を制限する。また、空気抵抗も増加するため、戦闘機はあらゆる操縦でよりハードな作業を強いられ、上昇率や加速も低下する。

 つまり、ラプターのパイロットがドロップタンクを持って合流に向かうことは、戦闘機のパフォーマンスを抑制し、より劣勢なジェット機に有利なチャンスを与えるために、演習の交戦規則で義務付けられていない限りありえない。

 だから、今回の戦闘演習の状況についてこれ以上の文脈がなくても、ここでの意図は、すべての関係者に最大の訓練効果を提供することであり、ラプターの優位性についてクリニックを開くことではなかったことは明らかである。このように、強力なF-22に不利になるように条件を積み重ねたのである。■


Think the F-22 Is the Sky’s Top Dog? The Filipino FA-50 Proved You Wrong | The National Interest

by Alex Hollings

November 4, 2023  Topic: F-22  Region: Americas  Blog Brand: The 


2023年11月7日火曜日

米経済の行方に黄色信号、FRBの政策はインフレ抑制のため厳しいハードランディングに導くものだ。

 



FRBはデータに依存した後ろ向き政策に固執しており、政策方針を変える気配はない。このためFRBはインフレ抑制でより厳しい経済的ハードランディングに我々を追い込む危険を冒している


ョン・メイナード・ケインズは「事実が変われば、私なら考えを変える。あなたはどうしますか?」と尋ねていた。

 経済的事実が急速に悪い方向へ変化している今、連邦準備制度理事会(FRB)はケインズの見解を参考にしてよい。そうすれば、インフレを抑えるため金利を高く維持する必要がある、という現在のマントラから素早く手を引くだろう。こうした新事実にもかかわらず、FRBがタカ派的な金融政策スタンスに固執すれば、経済のハードランディングを覚悟する必要がある。

 さらに気がかりな新事実は、米国債長期債に対する投資家の意欲が国内外で急速に失われていることだ。投資家は、完全雇用に近い時期に財政赤字がGDP比8%に向かっていることに懸念を強めている。

 また、ワシントンの政治的機能不全を考えると、財政赤字がすぐに削減される見込みはほとんどないと懸念される。

 投資家の疑問は、政府の長期借入ニーズに誰が、いくらで資金を提供するのか、ということだ。この疑問は、FRBが満期を迎える国債や住宅ローン担保証券を繰り越さないことで、毎月950億ドルずつ残高を減らし続けている現在、より切実なものとなっている。

 また、中国と日本がともに米国債保有残高を減らしていることも、切実な問題である。

 このような投資家心理の変化がもたらした正味の結果は、2ヶ月という短期間に、国内外の多くの金利の指標となる重要な国債利回りが、4%未満から4.75%前後、つまり過去16年間で最も高い利回りに急騰していることだ。この急騰により、30年物の住宅ローン金利はすでに8%近くまで跳ね上がり、アメリカの一般家庭にとって住宅はますます手の届かなくなっている。米国の住宅市場と自動車市場がこのような高金利に耐えられるかどうかは不明だ。

 FRBが留意すべきもうひとつの大きな変化は、銀行システムに亀裂が生じつつあることだ。年明け早々、シリコンバレー銀行とファースト・リパブリック銀行が破綻し、米国史上2番目と3番目に大きな銀行破綻が発生した。この2行が破綻した主原因は、金利上昇が長期債とクレジットのポートフォリオに与えたダメージだった。長期金利がさらに上昇している現在、銀行システムは債券価格の下落でバランスシートに再び大きな打撃を受けるに違いない。

 また、商業用不動産ローンの破綻が来年に相次ぐであろうことも、もはや明らかだ。不動産開発業者は、コロナ後の世界で異常に高い空室率に苦しんでいるまさにその時に、5,000億ドルのローンを著しく高い金利でロールオーバーしなければならなくなる。これは、商業用不動産融資へのエクスポージャーが20%近い地方銀行にとっては大きな打撃となる可能性がある。

元FRB議長アラン・グリーンスパンは、高度に統合された今日の世界経済では、どの国も自分たちだけの島ではないと述べている。だからこそFRBは、世界経済の見通しが急速に悪化していることに注意を払うべきなのだ。世界第2位の経済大国の中国は、巨大な住宅バブルと信用市場バブルの崩壊を受け、ここ数十年で経済成長がもっとも鈍化している。

 一方、ドイツはロシアが引き起こしたエネルギー・ショックと中国経済減速の複合的な影響に苦しんでおり、すでに3四半期連続でマイナス成長を経験している。欧州中央銀行(ECB)が景気低迷時に金利を引き上げたため、欧州経済が景気後退に陥るのは時間の問題だ。

 こうしたことから、FRBの金利政策決定では、将来を見据え、米国経済が取り組まなければならないであろう国内外の主要なネガティブショックを考慮すべきであることがわかる。しかし残念なことに、FRBはデータに依存した後ろ向き政策に固執しており、すぐに政策方針を変更する気配はない。そうすることで、FRBはインフレ抑制で必要となるより厳しい経済的ハードランディングに我々を追い込む危険を冒している。■


The U.S. Economy Is Headed for a "Hard Landing" | The National Interest

by Desmond Lachman

October 6, 2023  Topic: U.S. Economy  Tags: FedFederal ReserveU.S. EconomyEconomy


American Enterprise Institute senior fellow Desmond Lachman was a deputy director in the International Monetary Fund’s Policy Development and Review Department and the chief emerging-market economic strategist at Salomon Smith Barney.


世界の安全保障は転換期を迎えているのか?----ホームズ教授の考え方に耳を傾けてください。

 



以下は2023年9月22日、コネチカット州ハートフォードで開催された「グローバル・セキュリティ・フォーラム'23」におけるジェームス・ホームズ博士の講演。

主催者の質問はこうだ:台湾は世界の安全保障の転換点となるか?では、ティッピング・ポイントとは何なのか?

辞書の定義をいろいろ調べてみると、いくつか共通項がある。転換点は常に状態の変化を伴う。常に因果関係がある。時間とは、ある状態から別の状態への相転移の間に消費される。ある定義では、転換点での変化は劇的であり、転換点を過ぎると不可逆的であると付け加えている。私はそのような主張に必ずしも賛同できない。大がかりな変化であっても、それが起こったときに知覚するのは難しいかもしれないし、状態の変化は多くの場合、可逆的である。

私はボイラー、エンジン、発電機を扱う船舶技師としてスタートを切ったので、転換点を "沸点 "と定義するマルコム・グラッドウェルに傾倒している。ある状態から別の状態への変化というイメージを鮮明に伝えてくれるし、他の定義にはない人間的な要素を含んでいるからだ。

沸点とはもちろん、物質がある物理的状態から別の状態へと変化し始める温度のことで、例えばボイラー内で液体の水から蒸気に変化することを指す。ボイラーテンダーが火をつけ、水を沸点まで上昇させ、水から蒸気への相変化を開始する。沸騰プロセスが完了すると、蒸気を "過熱 "し、機械のタービンを回すのに便利な乾燥蒸気になるまで温度を上げる。しかし、蒸気からエネルギーを取り出した後に蒸気を凝縮させることができるため、この変化は不可逆的なものではない。蒸気を熱交換器に送ると水に戻り、再びボイラーに送り込んで蒸気のサイクルをくり直す。

つまり、下からも上からも沸点に近づくことができ、技術者は日常的にそうしている。人間は状態の変化を調節することができる。

沸点の比喩はまた、システムに熱エネルギー、つまり熱を注入する速度が沸騰プロセスをどのように起こすかに影響し、システムそのものに影響を与える点からも啓発的である。プラントにダメージを与えないようにするには、ゆっくり均一に温度を上げればいい。機械は急激な過渡現象を嫌うので、運転前に温めておくわけだ。あるいは、突然、急速に温度を上げることもできる。その場合、位相シフトの発生とペースが早まるだけでなく、機械に大きなストレスを与えることになる。

沸点は、物理科学から外交や戦略の領域まで、驚くほど明快に類推させてくれる。刺激とは、あるシステムに対してゆっくりと徐々に加えられるものである。今日の目的では、そのシステムとは、第二次世界大戦後に整備されたルールに基づく国際秩序であり、ここアメリカ大陸の半球防衛システムである。限られた規模の緩やかな刺激は、システムの管理者が大胆かつ断固とした政治的・軍事的対応をとるためのきっかけとしては弱い。それは、生ぬるい反応を呼び起こす傾向がある。科学と同様、政治においても、転換点は必然的なものでも、取り返しのつかないものでもない。人々は、システムの擁護者であると同時に反対者にもなる。

弱い刺激から中程度の刺激が弱い反応から中程度の反応を引き起こす傾向があるとすれば、身の毛もよだつような突然の刺激は、抗しがたい行動のきっかけを与える傾向がある。このパターンは、今日の太平洋戦争に対する米国の軍の備えを考える上で、私がよく使う歴史的アナロジーに見られる。すなわち、1940年のドイツ軍によるフランス陥落である。このトラウマが米国を全面的な軍備増強へと駆り立てた。

1940年以前、議会とフランクリン・ローズベルト政権は、ヨーロッパとアジアに嵐が吹き荒れる中、戦間期に低迷していた米海軍を徐々に再建していた。1930年代のナチズム、イタリア・ファシズム、日本軍国主義の台頭は、想像上の発電所に徐々に熱を注入していくのと同じことだった。脅威が遠のいて抽象的に見える限り、ワシントンDCは法律制定や造船などの面で漸進的な反応を示した。

それが一変したのは、ヨーロッパ随一の軍事大国であり、全体主義に対する防波堤とみなされていたフランスが、ドイツ軍の猛攻を受け数週間で崩壊したときだった。その崩壊は、想像上のボイラーのバーナーを突然赤くしてしまうようなもので、突然の激しい過渡現象がもたらすハードウェアへのあらゆるストレスを伴うものだった。ヨーロッパの出来事は、ワシントンの古い考え方を打ち砕いた。ドイツの勝利は米国の議員や政策立案者たちを怯えさせ、1940年に二大海洋海軍法を可決させた。二大海洋海軍が1943年に始動すると、アメリカは歴史上初めて各海岸に独立した海軍を配備できる数の艦船を保有することになった。

ヨーロッパでの大変動は、アメリカ政府、軍、社会を、戦争がはるか彼方の仮想的なものに思えた時代と、アメリカ人とその近隣諸国が長い間享受してきた半球の安全地帯を崩壊させかねない、西半球に戦争が迫っているように思えた時代との間の転換点を通過させた。ヨーロッパでの衝撃と、それが促した政治的・軍事的行動は、第二次世界大戦中、大西洋と太平洋の両戦場で共和国を有利に立たせた。

では、なぜロシアのウクライナ戦争が私たちを転換点に追い込み、戦争準備の大規模な取り組みに駆り立てていないのだろうか?そう思うだろう。私たちが支配する世界秩序は攻撃を受けている。またしてもヨーロッパ主要国が略奪的な隣国から攻撃を受け、同時に太平洋を支配する大国が戦争の太鼓を毎日鳴らしている。しかし、1940年の夏に意思決定者たちが示したような切迫感は感じられない。なぜウクライナが当時のフランスのように体制を揺り動かさないのか、その理由を3つ挙げてみよう。中国が台湾を攻撃した場合の影響を、暗いガラス越しに垣間見るのに役立つかもしれない。

-第一に: フランスと違って、ウクライナは陥落していない。1940年にフランスが1914年と同じようにドイツの侵攻を部分的にやり過ごしていたら、当時の衝撃は弱かっただろう。アメリカは第一次世界大戦に介入するのに1917年までかかり、実際、1916年の大統領選挙の勝者はヨーロッパの戦争から手を引くことを公約に掲げていた。今日では、1940年よりも1914年の方が多いようだ。

-第2に、プーチンはNATOの分裂を望んでいるが、ヒトラーと違ってヨーロッパ全土を征服しようと躍起になっているようには見えない。ロシアの狙いが限定的であるため、米国やその同盟国、パートナーの全面的な対応への刺激が弱まる。

-第3に、太平洋の侵略者である共産中国は、1931年に日本帝国が満州に侵攻したときのように、近隣諸国に対して公然と戦争を仕掛けてはいない。中国の侵略は低級な侵略である。中国は、善意からではなく、戦略的な理由から、意図的に忍耐を選択している。北京が「グレーゾーン」での競争を好むのは、まさに、地域秩序と世界秩序の守護者たちによる大規模な同盟構築と軍事的準備のきっかけになることを避けるためである。東アジアをグローバルなルールに基づく秩序から中国の地域支配の時代へと転換させることを望んでいるようだ。その意味で、中国共産党の監督者は、ゆっくりと着実にプラントを沸騰点まで加熱する船舶技師のようなものである。前にも言ったように、ドラマをほとんど起こさずに転換点を通過することは可能だ。そして実際、それはシステムの敵を喜ばせることになる。

では、私たちは世界の安全保障の転換点に立っているのだろうか?東欧や西太平洋で、侵略者たちが地域秩序の擁護者に反抗し、安全保障上の約束を果たそうとしている。侵略者たちが地域レベルで成功すれば、世界秩序全体が空洞化し、私たちは暗黒の世界に投げ込まれることになるだろう。

Do We Stand At a 'Tipping Point' in Global Security? - 19FortyFive

By

James Holmes



About the Author 

James Holmes is J. C. Wylie Chair of Maritime Strategy at the Naval War College and a Nonresident Fellow at the University of Georgia School of Public and International Affairs. The views voiced here are his alone.


2023年11月6日月曜日

クレイトスが新型先進ステルスドローンのデザインを公開、米国には一体何機の闇のプロジェクトの機体があるのだろうか。全機が実用化される保証はないのだが.....

 

KRATOS Defense





The War Zoneの記事からです。


クレイトスは、来年までに米空軍から契約を得たいとしている


クレイトスKratosは、タナトスThanatosドローンのレンダリングを初めて公表した。想定する顧客の具体名はないが、構想図に米空軍のロゴが含まれており、空軍が目指すCollaborative Combat Aircraftプログラムまたは他の先進的なドローン・プロジェクトと関連の可能性がある。タナトスとはギリシャ神話に登場する死を象徴する人物だが、同機の情報はまだ限られており、The War Zoneは照会中だ。

 クレイトスの2023年第3四半期決算発表の一部として公開されたもので、2025年に同社の成長につながる可能性のある「新規プログラム」の1つとして名前が挙げられた。

 クレイトスのエリック・デマルコ社長兼最高経営責任者(CEO)はプレスリリースで、「当社は、タナトスを含むクレイトスの戦術ドローンシステムに関して、顧客と協議中であり、来年の契約を望んでいる」と述べた。

 クレイトスによるタナトス開発は2019年から知られていたが、これまで詳細は発表されてこなかった。また、同社のポートフォリオに機密扱いの無人機が複数あることは、よく知られている。2019年にクレイトスが投資家向けに行ったブリーフィングのスライドで、タナトスやその他の機密プロジェクトに言及していた。XQ-58Aを獲得した空軍のLCASD(Low Cost Attritable Strike Demonstrator)プログラムもここで言及されている。

 レンダリングには、ショベルノーズデザイン、深いチャインライン、ブレンドされた凹型インレット、凹型エキゾーストを隠すカモノハシのようなトレーリングエッジの延長など、教科書通りの低視認性(ステルス性)要素を多数備えた無尾翼の無搭乗機が描かれている。このような尾翼デザインは、レーダーステルス機能に加え、赤外線シグネチャーを大幅に低減するのに役立つ。

 タナトスの主翼は菱形で亜音速・超音速で抵抗を低減する。

全体として、タナトスは、試験訓練や研究開発活動に使用するターゲットドローンの製造からスタートしたクレイトスが、これまで公に発表した中で最も先進的なドローンコンセプトである。

 すでに指摘されているように、レンダリングではタナトスがクレイトスのロゴと米空軍のロゴの両方を身につけている。この組み合わせは、同社が過去に空軍に提案した他のドローンのレンダリングでも見られた。このことから、クレイトスが同機の契約を望む顧客は空軍である可能性が非常に高い。

 タナトスがどのプログラムで開発されたかは不明だが、空軍は、協働戦闘機(CCA)プログラムとして、少なくとも当初は、乗員付き戦闘機と緊密に協力して運用することを目的とした、高度な自律性を持つ高度無人機の実用化を積極的に追求している。同軍はこれまでに、有人戦闘機を支援する空対空ミサイルを搭載した武器運搬車としての役割、追加的な感知ノードとしての役割、電子戦能力の提供という3つの主要任務を、CCA無人機で定義している。CCA、あるいはその亜種や派生型は、最終的にその他の任務を担い、B-21レイダー・ステルス爆撃機を含む、広範な有人プラットフォームと連携するか、単独で運用される可能性もある。

 空軍は、CCAの要件と、これらの無搭乗機をどのように使用するかについてのビジョンを練り直しているが、少なくとも1000機は取得したいと述べている。1,000機という数字は、2機のCCAを200機の新型第6世代有人ステルス戦闘機と300機のF-35A統合打撃戦闘機にそれぞれペアで搭載する作戦概念に基づくものだ。CCAの取り組みと第6世代ステルスジェット・プロジェクトは、ともに空軍の大規模な次世代航空支配(NGAD)構想の一部である。

 空軍は、10月1日に始まった2024会計年度で1種以上のCCA設計を選ぶコンペを開始したいとしており、少なくともそれらのドローンの初期バッチに関する作業は2025会計年度に開始される可能性がある。

 ステルス性の外観のタナトスが来年度の機会を狙っており、再来年には財政的に実を結び始める可能性があるというクレイトスのこれまでのコメントとこれらはすべて一致している。CCAプログラム契約をめぐる競争は熾烈を極めると予想され、大小さまざまな企業がすでに独自の提案を準備している。

 同機がCCAの競合機となる可能性は最も高いかもしれないが、タナトスは、過去にCCAの競合機となる可能性が示唆された各機構想より先進的で、コストが高くなる可能性がある。より大きなペイロードを搭載し、CCA以上に独立した運用を想定した、伝統的な無人戦闘機(UCAV)になる可能性もある。

 クレイトスは近年、他の取り組みの一環としてすでに空軍と深く関わっている。これには、クレイトスのXQ-58AヴァルキリーとUTAP-22メイコMakoドローンを高度な自律性開発プロジェクトやその他の試験・評価作業の一部として使用することも含まれる。

 NGADに関することだけでも、その多くは厳重に機密扱いのままであり、他にも空軍の先進的なドローン開発が「闇」の領域にある。

 タナトスのレンダリングには空軍のロゴが描かれているが、米軍で先進的なドローン能力を追求しているのは空軍だけではない。海軍は、新型有人・無人航空機を含む独自のNGAD取り組みを行っており、関連技術について空軍と積極的に調整・協力している。両軍は明確に、将来の作戦中にそれぞれのCCAやその他の無人機の制御を自由に行き来できるようにしたいと考えている。

 米海兵隊は最近、将来の無人機計画を洗練させるためのプロジェクトの一環として、クレイトスXQ-58Aの飛行を開始したばかりだ。

 クレイトスのタナトスへのビジョンがどのようなものであれ、同機のデザインを初めて見ることができた次は、詳細が明らかになってくるかもしれない。■


Thanatos Advanced Stealth Drone Design Breaks Cover | The Drive

BYJOSEPH TREVITHICK|PUBLISHED NOV 3, 2023 3:30 PM EDT