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クレイトスが新型先進ステルスドローンのデザインを公開、米国には一体何機の闇のプロジェクトの機体があるのだろうか。全機が実用化される保証はないのだが.....

 

KRATOS Defense





The War Zoneの記事からです。


クレイトスは、来年までに米空軍から契約を得たいとしている


クレイトスKratosは、タナトスThanatosドローンのレンダリングを初めて公表した。想定する顧客の具体名はないが、構想図に米空軍のロゴが含まれており、空軍が目指すCollaborative Combat Aircraftプログラムまたは他の先進的なドローン・プロジェクトと関連の可能性がある。タナトスとはギリシャ神話に登場する死を象徴する人物だが、同機の情報はまだ限られており、The War Zoneは照会中だ。

 クレイトスの2023年第3四半期決算発表の一部として公開されたもので、2025年に同社の成長につながる可能性のある「新規プログラム」の1つとして名前が挙げられた。

 クレイトスのエリック・デマルコ社長兼最高経営責任者(CEO)はプレスリリースで、「当社は、タナトスを含むクレイトスの戦術ドローンシステムに関して、顧客と協議中であり、来年の契約を望んでいる」と述べた。

 クレイトスによるタナトス開発は2019年から知られていたが、これまで詳細は発表されてこなかった。また、同社のポートフォリオに機密扱いの無人機が複数あることは、よく知られている。2019年にクレイトスが投資家向けに行ったブリーフィングのスライドで、タナトスやその他の機密プロジェクトに言及していた。XQ-58Aを獲得した空軍のLCASD(Low Cost Attritable Strike Demonstrator)プログラムもここで言及されている。

 レンダリングには、ショベルノーズデザイン、深いチャインライン、ブレンドされた凹型インレット、凹型エキゾーストを隠すカモノハシのようなトレーリングエッジの延長など、教科書通りの低視認性(ステルス性)要素を多数備えた無尾翼の無搭乗機が描かれている。このような尾翼デザインは、レーダーステルス機能に加え、赤外線シグネチャーを大幅に低減するのに役立つ。

 タナトスの主翼は菱形で亜音速・超音速で抵抗を低減する。

全体として、タナトスは、試験訓練や研究開発活動に使用するターゲットドローンの製造からスタートしたクレイトスが、これまで公に発表した中で最も先進的なドローンコンセプトである。

 すでに指摘されているように、レンダリングではタナトスがクレイトスのロゴと米空軍のロゴの両方を身につけている。この組み合わせは、同社が過去に空軍に提案した他のドローンのレンダリングでも見られた。このことから、クレイトスが同機の契約を望む顧客は空軍である可能性が非常に高い。

 タナトスがどのプログラムで開発されたかは不明だが、空軍は、協働戦闘機(CCA)プログラムとして、少なくとも当初は、乗員付き戦闘機と緊密に協力して運用することを目的とした、高度な自律性を持つ高度無人機の実用化を積極的に追求している。同軍はこれまでに、有人戦闘機を支援する空対空ミサイルを搭載した武器運搬車としての役割、追加的な感知ノードとしての役割、電子戦能力の提供という3つの主要任務を、CCA無人機で定義している。CCA、あるいはその亜種や派生型は、最終的にその他の任務を担い、B-21レイダー・ステルス爆撃機を含む、広範な有人プラットフォームと連携するか、単独で運用される可能性もある。

 空軍は、CCAの要件と、これらの無搭乗機をどのように使用するかについてのビジョンを練り直しているが、少なくとも1000機は取得したいと述べている。1,000機という数字は、2機のCCAを200機の新型第6世代有人ステルス戦闘機と300機のF-35A統合打撃戦闘機にそれぞれペアで搭載する作戦概念に基づくものだ。CCAの取り組みと第6世代ステルスジェット・プロジェクトは、ともに空軍の大規模な次世代航空支配(NGAD)構想の一部である。

 空軍は、10月1日に始まった2024会計年度で1種以上のCCA設計を選ぶコンペを開始したいとしており、少なくともそれらのドローンの初期バッチに関する作業は2025会計年度に開始される可能性がある。

 ステルス性の外観のタナトスが来年度の機会を狙っており、再来年には財政的に実を結び始める可能性があるというクレイトスのこれまでのコメントとこれらはすべて一致している。CCAプログラム契約をめぐる競争は熾烈を極めると予想され、大小さまざまな企業がすでに独自の提案を準備している。

 同機がCCAの競合機となる可能性は最も高いかもしれないが、タナトスは、過去にCCAの競合機となる可能性が示唆された各機構想より先進的で、コストが高くなる可能性がある。より大きなペイロードを搭載し、CCA以上に独立した運用を想定した、伝統的な無人戦闘機(UCAV)になる可能性もある。

 クレイトスは近年、他の取り組みの一環としてすでに空軍と深く関わっている。これには、クレイトスのXQ-58AヴァルキリーとUTAP-22メイコMakoドローンを高度な自律性開発プロジェクトやその他の試験・評価作業の一部として使用することも含まれる。

 NGADに関することだけでも、その多くは厳重に機密扱いのままであり、他にも空軍の先進的なドローン開発が「闇」の領域にある。

 タナトスのレンダリングには空軍のロゴが描かれているが、米軍で先進的なドローン能力を追求しているのは空軍だけではない。海軍は、新型有人・無人航空機を含む独自のNGAD取り組みを行っており、関連技術について空軍と積極的に調整・協力している。両軍は明確に、将来の作戦中にそれぞれのCCAやその他の無人機の制御を自由に行き来できるようにしたいと考えている。

 米海兵隊は最近、将来の無人機計画を洗練させるためのプロジェクトの一環として、クレイトスXQ-58Aの飛行を開始したばかりだ。

 クレイトスのタナトスへのビジョンがどのようなものであれ、同機のデザインを初めて見ることができた次は、詳細が明らかになってくるかもしれない。■


Thanatos Advanced Stealth Drone Design Breaks Cover | The Drive

BYJOSEPH TREVITHICK|PUBLISHED NOV 3, 2023 3:30 PM EDT


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