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イスラエルによるガザ市街地破壊を非難するのは勝手だが、イスラム国の事案では黙ったままだったのになぜここに来て声を上げているのか。ダブルスタンダードではないのか。

 

イスラエルによる市街戦を批判するアメリカと国連の偽善について

スラム国を擁護する人はほとんどいない。このグループは残酷だった。少数民族を奴隷にし、女性をレイプし、子供や男性を拷問した。同性愛者と疑われた者を高層ビルから投げ落とし、タバコを吸ったとかサッカーの試合を見たとかいう些細な違反で若者を処刑した。

それでも、彼らとの戦いは容易ではなかった。2014年、同グループはサンディエゴと同じ大きさの都市モスルを掌握した。そしてマイアミと同じ大きさのシリアの都市ラッカを首都とした。

それから5年後、筆者は両都市を訪れた。ともに2年以上にわたるイスラム国の災禍から解放されていたが、部分がまだ廃墟だった。ラッカに行くには、かつてアパートだった建物の空っぽの殻を何キロも通り過ぎる必要があった。数ブロックごとに、錆びついた車の山が10台近く積み重なっていた。

イスラム国がラッカを破壊したのではなく、アメリカの砲撃が破壊したのだ。クルド人たちは米軍とともに戦い、町から「イスラム国」を排除するためにブロックごとに進んでいった。

彼らの犠牲のおかげで、ラッカには生活が戻り始めていた。ほんの数年前までイスラム国が刑務所や拷問センターとして使っていたスタジアムでは、少年サッカーチームがスクリメージを行った。市場には、ファラフェルや果物、ウェディングドレス、おもちゃ、学用品などを売る店がいくつか開店していた。

モスルもひどい状態だった。繰り返すが、街を破壊したのはイスラム国ではなく、むしろ街を解放するため必要な市街戦だった。空爆、砲撃、戸別戦闘によって、13万戸以上の家屋が破壊された。イスラム国は冷酷だった。いくつかの家屋には自爆テロの痕跡があった。

ラッカとモスルの戦いの最中、両都市に閉じ込められた市民は苦しんだ。食料も水も不足していた。薬もほとんどなかった。電気は何日も止まっていた。住民も国際社会も、シリアのクルド人、イラク軍、アメリカのパートナーに対して、国際機関が人道的回廊を設置できるようにするための撤退を要求しなかった。勢いが重要だった。トルコに緊急物資の輸送を許可することは、イスラム国が恐怖に陥れた市民を犠牲にして、イスラム国を助けることを意味する。停戦すれば、イスラム国が再編成し、人間の盾を確保することを許すことになる。住民は苦しんだが、テロ集団を根絶する戦いに中間地点がないことも理解していた。蜂の巣に直面したとき、最悪の選択肢は、棒で叩いてからスズメバチが逃げるのを待つことだ。

ここでガザの話だ。イスラム国が公言する神学とハマスの神学にはほとんど違いがない。イスラム国が国境を否定していることと、ハマスがパレスチナ民族運動と自らを結びつけるレトリックを掲げていることは、わずかに目標が異なるかもしれないが、神学が異なるわけではない。どちらのグループもムスリム同胞団のより凶暴で極端な一派から発展した。イスラム国がシーア派とエジディ派を特別扱いし、ハマスがユダヤ人を非難する一方で、日常的に最も苦しんでいるのは、それぞれの支配下にあるスンニ派住民である。

アメリカの政治家、自称人権活動家、平和活動家、あるいはアントニオ・グテーレス国連事務総長が停戦を呼びかけるとき、彼らがイラクとシリアをイスラム国の恐怖から解放しようとしている人々に同じ要求をしたかどうかを説明しなければならない。米国務省の中堅外交官が、停戦を要求する電話やリークで米軍を危険にさらしていいのか?グテーレスについては、モスルの戦いのさなか、そしてラッカの最終決戦の前に事務総長に就任した。ガザより大きな都市で、はるかに精度が低く、破壊的な作戦を展開している国々にはそのような要求をしなかったのに、なぜイスラエルに撤退を要求するのか、説明できるのか?

戦争は地獄であり、市街戦はなおさらだ。とはいえ、イスラム国を打ち負かす努力には国際的な同情を示したのに、イスラエルが同じ行動をとることを認めないとは、驚くべき偽善と言わざるを得ない。


The Hypocrisy of America and the UN on Criticism of Israel’s Urban Warfare - 19FortyFive

By

Michael Rubin


Now a 19FortyFive Contributing Editor, Dr. Michael Rubin is a Senior Fellow at the American Enterprise Institute (AEI). Dr. Rubin is the author, coauthor, and coeditor of several books exploring diplomacy, Iranian history, Arab culture, Kurdish studies, and Shi’ite politics, including “Seven Pillars: What Really Causes Instability in the Middle East?” (AEI Press, 2019); “Kurdistan Rising” (AEI Press, 2016); “Dancing with the Devil: The Perils of Engaging Rogue Regimes” (Encounter Books, 2014); and “Eternal Iran: Continuity and Chaos” (Palgrave, 2005).


コメント

  1. ぼたんのちから2023年11月14日 9:16

    やっと現実的な意見を見たような気がします。
    おかしなパレスチナ住民やハマス擁護の多くのメディアやグループは、先ずハマスとISの差異を見つめるべきだ。パレスチナ住民の名の下で、ハマスは潜み、生きながらえようとしている。そして次の無差別テロを行うことになる。
    ハマスはパレスチナ住民の支持を得ているであろうか。過去の選挙で支持は3分の1であり、その後の独裁的な住民の恐怖支配で支持は増えることはない。ハマスのような組織は根絶すべきかもしれない。しかし、それを行うのはパレスチナ住民であるべきである。
    ところでイスラム世界で、ISやハマス等が主張する原理主義へのイスラム宗教界からの批判や意見を聞いたことが無い。偏向メディアが報道しないからかもしれないが、イスラム社会が原理主義とその運動を擁護していると思えなくもない。これでは第2、第3のISやハマスが生まれてもおかしなことでない。
    また、イスラム教は、他者に不寛容な一神教であり、イスラエルも一神教であるユダヤ教、そして欧米も一神教であるキリスト教であることを考えると、究極的には和解などあり得るはずもなく、対立は終わるはずもないのかもしれない。
    さらにパレスチナ住民保護の美名の下に、ハマスを擁護しようとするメディアやグループの主張は、「北京枢軸」のプロパガンダ筋が関わっているように見え、注意すべきであろう。また、ハマスの軍事指導者の一部はCCP中国で訓練を受けたとの裏の取れない未確認情報もあり、気になるところである。

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