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イスラエルがこの装備品を導入すればイランは手も足も出せなくなる

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How to Make Israel Unbeattable In a War with Iran: Give Them F-22s and B-52s イスラエルがF-22やB-52を入手すれば対イラン戦で無敵になる

August 8, 2019  Topic: Security  Blog Brand: The Buzz  Tags: F-22IranIsraelAmericaB-52IDF 


くわずかな例外が有るものの、イスラエルは欲しい物はなんでも米国から買え、しかも米援助制度により非常に有利な条件で入手できる。とはいえ支出には熟考が必要だ。そのためイスラエルといえどもすべて希望通りの購入には至っていないが、米国政府や米防衛産業と良好な関係を保っている。以下イスラエルが活用できる米製軍事装備品のリストを掲げる。
沿海域戦闘艦 :
イスラエル国防軍(IDF)の海軍部隊は海防艦を上回る大きさの艦艇の導入を検討してきた。イスラエルは海洋安全保障へ関心度を高めてきており、(ガザの海上封鎖の必要や、沖合のエナジー鉱床の保全も必要だ、大型艦の必要を痛感している。
そこでIDFは米沿海域戦闘艦を大幅に改装する可能性を検討してきた。紙の上では高速、ネットワーク戦闘艦は大きな意味があり、IDFの作戦構想に合致する。ただし改装費用により艦艇単価が上がり、イスラエルの想定予算を超過してしまう。市場動向やイスラエルの構想に変化が生まれれば可能性は上がるだろう。

F-22ラプター: 
.F-22ラプターはオベイ改正法で輸出が禁じられているが、もともとF-22開発ではイスラエルも念頭に設計が進められた経緯がある。イスラエルから高性能装備品がロシアや中国の手に渡る懸念から米国はイスラエルがラプターを調達しても機微技術の防護が必要と覚悟していた。
同機運用はUSAFのみとなっているがイスラエルは戦闘爆撃機で航空優勢を確保しtつつ攻撃ミッションをこなす構想を好む傾向がある。ただしIDFはF-15では航空優勢確保を念頭に導入した経緯があり、その後改修により強力な爆撃機能を実現した。F-22はイスラエルの求める航空優勢確保には理想的で、同様に発展する可能性はある。

長距離打撃爆撃機:
イスラエルがB-52を調達したらどうなるとの戯言が繰り返し出ているがイランに対しては長距離スタンドオフ攻撃が有効でイスラエルも長距離攻撃の可能性を検討しているはうだ。イスラエルのF-15、F-16は空中給油を受ければイラン国内の目標へ到達可能だが、なんといっても長距離となり防空体制の突破では不利となる。この点で米空軍が開発中のB-21長距離打撃爆撃機は有望な存在に写っているはずだ。
イスラエルが戦略爆撃機運用で未経験なわけではない。1950年代までB-17フライングフォートレス数機を運用していた。とはいえイラン防空網を突破し大規模ペイロードを投下するのに戦闘爆撃機頼みでいいのかIDFは検討しているはずだ。米国がB-21輸出を許可するとしても核兵器運用に関連した各種法規制をクリアの必要があり、全く別の話になる。

大型貫通爆弾:
機体があっても投下する爆弾がなければ意味がない。イスラエル国内の噂では35千ポンド精密誘導爆弾の投入が近づいており、米議会でも同型兵器の供与構想があり、大型爆弾搭載用の機体も同時に提供するという。
米国は大型爆弾供与には及び腰だが可能性が皆無なわけではない。だがIDFに運搬手段がないことが問題だ。オバマ政権がイスラエルにイラン攻撃の手段を与えていいのか懸念したのは域内バランスを崩す可能性を憂慮したからだ。だが地政学で変化が生まれれば、あるいは米国内で政治地図が変われば、こうした懸念も根拠を失いそうだ。

弾道ミサイル潜水艦: 
イスラエルの潜水艦部隊は頼りになる抑止戦力だ。IDF所属の各艦は優れた効果を示してきた。ただし、ディーゼル電気推進式の各艦に長距離巡航ミサイルを搭載しても原子力潜水艦の性能、長時間航行性能、安心感にはどうしても勝てない。
だからといってイスラエルにオハイオ級弾道ミサイル潜水艦が必要なわけではない。ミサイル搭載量は少なめでミサイルの有効射程を抑えてもイスラエルの二次攻撃能力は相当に向上する。同型艦4隻そろえばほぼ無敵の報復能力が実現する。

イスラエルは希望する装備をほぼ全部米国から入手してきており、一部装備品の性能は米軍装備を上回る。だが一方でイスラエルは米国製装備品が有する技術を活用する余地もあり、戦略面での必要度と財政上の現実の双方を見比べれれば意味のある結果が生まれる。イスラエル経済の活力を見れば、IDFが上記リストの一部を入手する可能性は十分あるといえる。■


r College. The views expressed are those of the author and do not necessarily reflect the official policy or position of the Department of the Army, Department of Defense, or the U.S. Government.




コメント:近年になり日本にも北朝鮮や中国の脅威が身近に感じられるようになりましたが、イスラエルは建国以来70年にわたり敵国に包囲され、しかも最大の仇敵イランがイスラエルの抹殺を公言しているため、対応が現実のものとなっているなど生存のための戦いを繰り広げている国です。そのイスラエルにとって有益な装備品であれば日本にとっても同様に検討対象としてもいい装備品ばかりですね。沿海域戦闘艦は除きますが。

コメント

  1. ぼたんのちから2019年8月10日 21:17

    イスラエルは既に周辺の全てのイスラム国家を核攻撃できる能力を持っている。核兵器の運搬手段も複数ある。また、通常兵器の軍事力についても圧倒的である。これ以上何を望むのか?
    Farley先生のこの記事の仮定は、イスラエルに、中東のイスラム国家に対し、より「絶対的」な優位性を持たせることに他ならない。
    もし、この記事の仮定のように、長距離打撃爆撃機や弾道ミサイル潜水艦をイスラエルが保有するとどうなるか。核保有国となりたいイランのみならず、イスラエルに対し圧倒的に劣勢となるサウジ、トルコ、エジプトも核武装しようとするだろう。これは極めて危険な状態となる。
    イスラエルは、かつての中東戦争時と異なり、ユダヤ原理主義とも言うべきユダヤ至上主義へと傾斜する危険な国家になりつつある。今やイスラエルは建国の精神を忘れ、イスラエル国内のアラブ人は二級国民に成り下がり、ユダヤ人のみが国家統治者となった。このような傾向は今後も続き、頑なな姿勢はより強まるかもしれない。
    他方、イスラエルは、対イランにおいて、サウジを初めとする湾岸諸国、エジプト、及びトルコとも連携している。このことは中東でのイスラエルの地位を安定化すると見えるかもしれない。しかし、この「野合」連携は、イランが脅威である時のみである。
    イスラエルの強大な軍事力は、米国の一貫した援助によるものである。しかし、米国の支持は、今後、変わるかもしれない。米国政治に大きな影響力を持ち、イスラエルの守護神となっていたキッシンジャーとそのグループはその力が収縮している。キッシンジャーが「2022年にはイスラエルは存在しなくなる」と言ったとの話があるが、これはキッシンジャーの危機感の表れでなかろうか。
    いずれにしてもFarley先生のこの記事の仮定は、イスラエルを不安定化するものに見え、仮定としても軽々しく扱うべきでないと考える。

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