2009年7月25日土曜日

非正規戦を念頭に航空兵力編成をすすめるペンタゴン


Pentagon Explores Irregular Warfare Air Units

aviawiontweek.com 7月23日


ペンタゴンで作業中の4年周期の防衛力見直(QDR)では非正規戦闘に備えた航空部隊の創設が検討されており、特殊作戦部隊または通常部隊にこの航空戦力を所属すべきかも検討しているという。

国防次官補マイケル・ヴィッカース(特殊作戦・低密度武力衝突担当)は「軽航空機」部隊を非正規戦闘に投入する考え方の機が熟したと見ている。「QDRでもこの種の戦力に注目しています。しかし、問題はどれだけの機数が必要で、その構成はどうあるべきかです」

任務に特化した軽飛行機が必要なのか、「ポートフォリオ」として既存機種を活用するだけで十分なのかが問題と同次官補は語る。

情報収集・監視・偵察(ISR)用途の航空機はアメリカの関心がアフガニスタンに方向転換したことで、弾みがついており、プレデター/リーパークラスの無人機が一番注目されおり、有人機でもビーチクラフトRC-12の需要が高まっている。「有人・無人機を組み合わせて、絶えず監視できる体制ができていることが我が方の作戦にはきわめて重要なことです」(ヴィッカース次官補)

ただし、「ISRはとても重要ですが、情報収集はISR機だけでは不可能です。地上部隊への情報リンクも重要です。」とし、分析・ネットワーク能力も必要だ。「しかし、ISR機材の増強が必要と決定しておりISR部隊への関心が高くなっています。」 この部隊はゲイツ国防長官が編成したものだ。

同次官補はペンタゴンが現在力を入れている非正規あるいは非対称作戦を弁護する。一部ではこの優先姿勢が近視眼的とか既存の国家間戦争能力を犠牲にしているとの批判がある。「非正規戦の開始後9年になります。長官が明白に優先順位をつけて、兵力を再配分しているのは現在進行中の作戦が戦略的に重要だからです。将来を見越した万能の解決方法が見当たらないからこそ、現在の作戦に勝利をおさめなければなりません。そのためにも適正な均衡を維持しなければなりません」(同次官補)

コメント: ゲイツ国防長官はじめとする「新思考」の国防調達でF-22を「時代にそぐわない」とするのは上の背景もあるのでしょうね。しかし、極東のこの地域ではまだ冷戦構造が実際に続いているのですが。

2009年7月24日金曜日

エンパイヤ演習で試されるISR新技術

Empire Challenge Pushes Precision ISR

aviationweek.com 7月22日

カリフォルニア州チャイナレイク発

情報監視偵察(ISR)のデータを収集・共有し、前線部隊に直接情報を提供する新手法の数々がここカリフォルニアで最終的な実証段階に入っている。この後アフガニスタンはじめ各地の多国籍軍部隊で実用化されるだろう。三週間にわたるエンパイヤチャレンジ‘09演習(EC09)では40種類に及ぶ戦術優位を獲得する方法がここ海軍航空戦術センターウェポンステーションで繰り広げられている。合衆国共用軍司令部(USJFCOM)の指揮の下、「実弾演習」のEC09ではシミュレーションとして待伏せ攻撃、狙撃手攻撃、「射撃-突撃」の激戦、即席爆発物(IED)の製造と配置、拉致、その他の不正規戦闘が再現されている。

【偵察データの高度な利用を目指す】 「重要なISRデータを指揮命令系統の中で将官から前線の二等軍曹に至るまで戦術優位性を確保するために活用することに焦点をあてています」(USJFCOM共用情報局ジョージ・クラキー空軍大佐) 目標とされているのがデータ共用、精密度の向上、各軍間さらに他国部隊との間でもシームレスな情報の流れを実現することだ。EC09ではリアルタイムのISRデータを世界中の1,700名に配信する。その配布先にはアメリカ、オーストラリア、カナダ、英国他NATOがあり、ドイツとフランスもデータを受信している。アメリカ国内では共用情報ラボ(ヴァージニア州サフォーク)、連合航空作戦センター(試行段階。ヴァージニア州ハンプトンのラングレー空軍基地内)、他数箇所の地上海上情報共有(DCGS)のラボが対象。

【機材の紹介】 EC09で使用している機材はDHC-6ツインオッターに搭載したエンジェルファイヤー(広範囲長時間監視システム、高解像度の広角画像アレイ)、ショート360コンスタントホーク・ボーイングF/A-18E/FおよびE/A-18G、スキャンイーグル無人機、ロッキード・マーティンF-16CJ、P-3C(沿岸監視レーダーシステム搭載)、U-21ビーチクラフト・キングエア(L-3/Wescam開発の高解像度ビデオシステム搭載)がデータリンクをしている。これ以外にはエアロスター無人機(UHFとSバンドアップリンクとLバンドダウンリンクを搭載)、RC-135リベットジョイント、ベル407ヘリ(共用多用途電子光学システム(JMMES)搭載、これは陸軍・海軍で今後多用されることが期待されるセンサー)およびU-2(発達型合成開口レーダー/カメラ搭載)がある。ノースロップ・グラマンのRQ-4グローバルホークもMAJIIC(複数センサーによる航空地上共用ISR相互運用性構想)の評価の一端として利用されている。これは米軍と多国籍軍の間のデータ共有を目指したシステムのこと。米空軍が運用するジェネラルアトミックス製プレデターBは海外で実戦に投入されているが税関・国境警備部門が運用するプレデターも演習に参加し、通信情報の相互運用性の実証をする予定。

この演習は2004年にスタートしているが、はじめてSAICが開発したセンサーウェブSensorWebシステムが加わる。これは各種センサーでオープンな標準相互運用を可能とするもの。そのほか今回初登場のものには高解像度ビデオ、無線3G戦術ネットワークでビデオストリーミングを携帯端末に送る、小型SARを搭載したスキャンイーグルがある。

2009年7月22日水曜日

上院決議 F-22生産継続を否決

急にF-22をめぐる情勢があわただしくなってきました。

Senate Backs Obama On F-22 Shutdown aviationweek.com 7月21日

オバマ大統領とゲイツ国防長官の勝利。上院が本日ロッキード・マーティンF-22ラプターの調達を当初の予定通り終了させる決議を採択した。票決は58対40で2010年度国防予算から7機分の計上額17.5億ドルを外す。今回の上院決議は下院の対応とは対照的だが分水嶺となり、同機の追加購入を目指す動きを制することになる。

【決議に感謝するゲイツ国防長官】 「長官は上院の思慮深い決断が国家安全保障に対してなされたことを感謝します。また、F-22調達を187機で終了させることへの支持が超党派で実現したことを賞賛します」(ペンタゴン報道官ジェフ・モレル) 「長官は今回の決議が大変重いものと理解し、F-22はじめ国防ニーズ以上の内容の調達計画は継続できないとするのが国防総省の考え方です。本日の議決はその方向への重要な一歩で長官は来年度予算の審議が今後ある中で議員各位と協同していく所存です」

【推進派のロビー活動】 ラプター生産維持を求める勢力は最後まで精力的にロビー活動を展開した。「潜在敵国が第五世代戦闘機を製造する覚悟があり、米国の制空権に挑戦しようとしている中で、187機でキャップをはめるのは不適正といわざるを得ない」(全米予備役将校協会会長 ポール・ケイ退役海軍少将)

【議場での様子】 議場では午前中に質疑が行われ、賛成派反対派がそれぞれ熱論を繰り広げた。特に、上院軍事委員会委員長カール・レヴィン議員(民主 ミシガン州)および実力派ジョン・マケイン議員(共和 アリゾナ州)から提出の改正案の検討が各議員の関心を集め、マケイン議員が生産継続に反対する論陣を張るとともに、政府支出に規律を求め、無駄を排除するための議員の責任を強調した。

「今ここで生産を停止しないのであれば、いつできるでしょうか」とレヴィン議員は同僚議員に問いかけた。しかしながら推進派議員はサクスビー・チャンブリス議員(共和 ジョージア州)の下に以前の米空軍調査結果等で作戦上は187機では不足だという結論を引用。さらに雇用の確保が大きな価値を持ち、第五世代戦闘機の増備を放棄することが同盟国および敵対国に誤ったメッセージを送ることになると警告していた。

【これで決着ではない】 この問題はこれで完結したわけではない。下院はラプター増備用に計上した独自の予算案を通過させており、上下両院の歳出委員会で今後審議がはじまるからだ。さらに、予算案承認と歳出には上下両院が協議の上最終案を大統領に提出する必要がある。

コメント: 本当にこれで終わりではないのですが、報道各社はもう日本には調達のチャンスはないような悲観的な見方が支配的ですね。要はF-22を古い思想に基づいたシステムと見るのか、現状の延長線上の最高の選択と見るかの違いなのですが、日本を取り巻く環境はまだ冷戦構造を引きずっているのでどうしてもF-22がほしいのでしょう。一方、それを邪魔したい勢力もあるのも事実ですね。

2009年7月21日火曜日

F-22生産続行をめぐる米議会の動き(まとめ)




延々と米国議会内ではF-22をめぐり議論が続いています。以下の記事はそのまとめのようで、目新しい事実はありませんが、事実関係を整理するには最適です。言論の自由と健全な議論が米国では生きていますが、F-22が調達できるのかを気にもむ日本としては単に傍観していられない内容ですね。肝心の日本への輸出の可能性ですが、まず増産が認められないと先には進みません。ということでこの話題でしばらくは進展は少ないのではと思われますが、引き続きウォッチしていきましょう

White House Threatens Veto of Defense Bills with Extra F-22s

aviationweek.com 7月19日

F-22ラプターが何機あれば米空軍の制空権が維持できるのかというホワイトハウスと議会の間で論争が長期化の様相だ。

【大統領拒否権は本当に行使されるか】 オバマ大統領は187機で生産中止で予算化されてきたF-22が増産となる法案には拒否権を行使する構え。一方、議会は安全保障、国内経済、政治面の動機から増産を求めており、このままでは衝突は必至だ。観測筋の中には大統領とゲイツ国防長官が求めてきた防衛予算の変革(例 空中配備レーザー、運動エネルギー応用迎撃手段含むミサイル防衛の縮小)を内容とする国防予算案を自ら拒否するだろうかと懐疑的だ。ただ、ホワイトハウス主席補佐官ラーム・エマニュエルと先週会談した上院多数派指導者ハリー・レイド議員(民主 ネバダ州)は大統領が本気であるという。上院法案内容にラプター増産がもぐりこんでいるのであれば「拒否権を使うでしょう」という。

【上下院の動き】 一方、下院は総額369百万ドルの2010年度国防政策法案を通過させており、F-22生産ラインを維持し、合計12機分の部品調達を開始することを認めている。上院軍事委員会はさらに深く踏み込んでおり、票決13対11で先月に総額17.5億ドルでラプター7機の調達を承認している。ただし、上院の委員長カール・レヴィン議員(民主 ミシガン州)および共和党の長老ジョン・マケイン議員(共和 アリゾナ州)はオバマ大統領の側につき、F-22増産に反対の論陣を張っている。両議員はF-22調達を国防支出法案から削除する改正案を提出した。「ゲイツ長官および軍上層部の決定どおり、同機は必要ないと判断します」と大統領は同改正案を支持する内容の書簡を送付している。マケイン議員によると大統領は「同改正案が国防調達の根幹から改革を行う内容であるので、F-22追加調達には拒否権で対応するだろう」という。

【拒否権の場合のシナリオ】 仮に大統領拒否権が行使されると、議会側は年末までに拒否権を無効にする動きに出るだろうが、上下両院で三分の二以上の議決が必要となる。これに失敗すると、議員から別の法案が提出されるが、F-22の追加があるのかないかは未知だ。

【ラプター増産の反対・推進勢力の顔ぶれ】 ラプター追加調達に反対するのはこのほかに統合参謀本部議長マイク・マレン海軍大将、空軍長官マイケル・ドンリー、空軍参謀長ノートン・シュワルツ大将がある。これに対抗する勢力には空軍協会ならびにF-22生産関連企業が州内にある議員があり、その中にはジョー・リーバーマン(民主 コネチカット州)、パティ・マレイ(民主 ワシントン州)、サクスビー・チャンブリス(共和 ジョージア州)の各上院議員がいる。ロッキード・マーティンのF-22生産契約は全米40州で合計1,000社におよび、議員にはラプター増産に反対することは政治的に困難な情勢だ。

【議論の主眼点】 チャンブリス上院議員はかねてからラプター調達停止の判断に異議を唱えてきた。ラプターの単価は140百万ドルで開発費を含めると300百万ドルを超えるが、同議員にいわせると「予算の観点のみで見ている」というのである。また同議員はF-22の編成を合計187機で止めるのは国家安全保障に有害と主張し、空軍が以前は381機、243機と都度必要機数を変えてきたことに注意を喚起している。これに対しマケイン議員は「雇用の観点で判断すべきでない」と反論している。上下両院の歳出委員会はそれぞれの2010年度国防支出法案の審議をまだ完了していないが、下院小委員会がラプター12機の増産を可決したのは、同じく下院の軍事委員会の審議を反映している。一方、ダニエル・イノウエ上院議員(民主 ハワイ州)は上院歳出委員会と国防小委員会の双方で委員長を務めながらラプター輸出の可能性を模索し、機密技術を取り除いた機体を日本およびおそらくイスラエル向けに販売できないかと考えている。

【上院の改正案の行方が焦点か】 レヴィン-マケイン両議員は改正案を7月13日に上院が6,800億ドルの国防予算案を審議した日に発表した。本会通過に必要な票数が足りないと両議員は認める。民主党が先週提出した憎悪差別犯罪関連改正案により関心がそがれてしまっている。このためF-22関連改正案の審議が一週間以上遅れる可能性がある。

ラプター追加の予算手当てとしてチャンブリス議員は12.5億ドルを人件費、運営費、設備維持費から流用する提案をしている。残る17.5億ドルの一部は国防総省全体で節約を求めて最近成立した国防調達改革法案の成果で可能と同議員は語る。レヴィン-マケイン両議員は同法案成立を支持してきたが,施行初年度の今年はたいした節約額は期待できないと見る。一方、F-15およびF-16の機齢が増加しており、そのうち250機が来年にも退役しようとしている中、F-35共用打撃戦闘機の配備が遅々として進まないため、2035年まで必要機数と配備機数が乖離する見通しだとチャンプリス議員は考える。また、同議員は自らの主張の補強のため、空中戦闘軍団司令官ジョン・コーリー大将および州軍航空部隊司令官ハリー・ワイヤット中将の書簡から、一致して任務達成にはF-22がより多く必要だとしていることを取り上げている。これに対し、マケイン上院議員は187機で「運用上の要求水準には十分だ」と大統領2名、統合参謀本部議長2名が発言していると反論している。

2009年7月19日日曜日

ミサイル防衛 MQ-9リーパーを活用する



Reaper Eyed As Missile Defense Sensor

aviationweek.com 7 月15日


ペンタゴンは無人航空機(UAV)で弾道ミサイルの飛翔初期段階を追跡し、ミサイル防衛庁(MDA)の防衛システムに組み入れることを二年以内に実現させるとMDA長官パトリック・オライリー陸軍中将が発表。すでにMDAはジェネラルアトミックスMQ-9リーパー無人機にレイセオンMTS-B電子光学赤外線センサーを搭載して、ミサイル防衛対象の目標少なくとも一基を「監視する」試行を4月に完了した(同長官)。その際のデータにより搭載センサーでのミサイル追跡は飛翔初期段階では有効と判断された。

2010年度予算要求が議会内で審議される中、MDAは既存の地域防衛の実証テストと信頼性向上のため資金投入を増やしている。地域防衛にはイージス海上配備システムおよび陸上配備で高機動のTHAADがあり、中間段階での迎撃構想は中止となる。MDA長官はUAVを使って軌道追跡をすることで初期段階でのミサイル迎撃が成功する可能性が高まるという。

MDAは空軍と共同でリーパー利用案を練り直しているところ。MDAが目指しているのは既存迎撃手段の性能を最高度に実現することで、その中にはイージス艦搭載のSM-3ブロックIAおよびまもなくテストが開始されるSM-3ブロックIB(動力学的交戦用)がある。一方で、リーパーには全日空域に滞空して特定の地点を監視することが可能なので初期段階の軌道追跡には魅力的な手段となる。「何百キロのかなたでミサイルの発射状況を見る能力が生まれ、追跡し、そのデータを迎撃手段に送ることが可能になります」(オライリー長官) 

プレデターおよびリーパーUAVからのデータは広域監視能力の要求水準から見るとストローのようにか細いと批判を受けているが、ミサイル監視では正しい情報で発射地点が判明している限りでは有効な手段となる。オライリー長官は弾道ミサイルの初期段階データを取得する手段の一つとしてリーパーを位置づけているという。

2009年7月18日土曜日

F-22増産を認めた下院 その他国防関連予算案速報

House Appropriators Add Money For F-22s

aviationweek.com 7月17日


下院国防歳出委員会は大統領拒否権の恐れに屈せずF-22増産分として369百万ドルを2010年度国防支出法案に16日追加した。この措置は下院軍事委員会予算案に呼応したものでまず12機の生産追加相当分。これに対し国防総省とホワイトハウスはラプターは187機で十分と主張しており、オバマ大統領はF-22増産につながる法案にはいずれも「拒否権を行使する」と警告してきた。下院歳出委員会軍事小委員会委員長ジョン・マーサ下院議員(民主 ペンシルバニア州)は記者団に対し大統領はF-22増産を認める法案あるいは支出そのものに拒否権を使う必要なし、と語った。「その可能性はないだろう。これは実現する。大統領と共同作業する】(マーサ委員長)
【F-35関連】 国防小委員会はあわせて560百万ドルをF-35共用打撃戦闘機の代替エンジン開発に支出することを認めることでもホワイトハウスの神経を逆なでした。
【VH-71ヘリ復活を求める】同小委員会はさらにホワイトハウスからの要求額に400百万ドルを上乗せして大統領専用ヘリVH-71を少なくとも5機運用できるように求めている。同ヘリ開発は取り消しとなっている。「この措置で5から7機が運用できるようになると考える。せっかく開発した同ヘリをここで中止したら何も残らない。」(マーサ委員長)
だが、マーサ議員も同時に今回の予算措置では同ヘリの機数が十分でないことを認めている。ゲイツ国防長官は予定を7年送れて、当初予算の130億ドルを70億ドルほど超過しているVH-71開発の取りやめを決めていた。
【KC-X】そのほか同小委員会は440百万ドルを空軍次期空中給油機用に計上した。マーサ議員はボーイングとノースロップ・グラマン-EADSから同時並行調達を求めているが、今回の法案では決定を国防総省にゆだねており、月産一機以上の生産の実現を同省に「努力目標とする」要求をしている。
【DARPAに厳しい】今回の法案では30億ドルを国防高等研究プロジェクト庁に計上している。これはDARPAの概算要求より2億ドル少なくなっているが、「恒常的に同庁の予算執行が予算未達になっている」ためだという。

2009年7月16日木曜日

F-22生産継続をめぐり結論を先送りにした米上院


Senators Shelve F-22 Procurement Debate aviationweek.com 7月15日

上院はF-22の購入機数を187機で打ち止めとする修正法案の採択を暫定的に延期することにした。上院軍事委員会委員長カール・レヴィン議員(民主 ミシガン州)が本日午前、本人提出の2010年度国防予算案修正案を撤回したため。同修正案ではラプター7機以上の追加導入を取りやめる内容になっていた。レヴィン上院議員は今回の一時的な撤回は上院内で採択の時期が未定なほか、この問題が無関係かつ物議をかもす動議を追加させる可能性があるためと説明。

【修正法案の内容】 レヴィン-マケイン修正案は7月13日に提案され、総額6,800億ドルの国防予算の上院での討議開始に合わせるものだった。その中にラプター7機追加購入に伴い発生する関係者訓練、運航、メンテナンス費用として12.5億ドルを削減する内容が盛り込まれているラプター追加購入の総額は17.5億ドルでこのうち5億ドルは国防総省全体の節約分で計上する予定。

【可決すれば拒否権行使】 一方、ホワイトハウスは声明を発表し、ラプター生産継続への拒否権行使の可能性をいっそう強く予告している。行政予算管理局が「最終法案が大統領に提示され、その中に上院軍事委員会修正内容が入っていれば、大統領は同法案を拒否する」と説明。これは同局が通常使う表現「大統領の上級顧問は拒否を進言するだろう」よりも圧倒的に強い表現だ。

【187機の根拠は】 大統領、国防長官、統合参謀本部議長ならびに空軍の最高位にある将官・文民のすべてが上院に書簡を送り、ラプターを予定通り187機で生産終了とするよう求めている。反面、ラプター生産維持を求めるのは空軍協会、サクスビー・チャンブリス上院議員(共和 ジョージア州)で反論を繰り広げている。本日の空軍協会機関誌ではペンタゴンの報道官トップであるジョフ・モレルへの取材で合計187機調達を正当化する調査結果は以前のブリーフィング資料を再利用したもので、二つの既存資料をまぜあわせたものだという。

統合参謀本部副議長ジェームズ・カートライト大将は下院に対して統合参謀本部と空軍とともに187機を提言したが、空軍は以前は243機が最小限必要と発言していたと発言している。同大将からのレヴィン議員に検討内容を公開するとの確約があったが、空軍協会によるとまだ議会に提出されていないという。さらに2007年に要求のあった戦術航空機整備計画で具体的にF-22の必要機数をどうやって決定したのかを説明する資料も未着のままだ。

コメント:果たして日本はF-22を手に入れることができるのか。ワシントンの動向にしばらく敏感になる必要がありますね。その前にF-22の機密を守れるのか、一度失っている日本の信用をどうやってアメリカに回復するのか、F-22を使って何をするのかという戦略作りとともにいろいろ考えるべきこともあります。当面、当ブログではこの話題を追いかけてみたいと思います。

2009年7月15日水曜日

F-22生産終了をめぐり政界で意見対立


Obama Joins Sens. On F-22 Acquisition Halt

aviationweek. com 7月14日

【大統領に同調する】 上院軍事委員会(SASC)の主要メンバーはホワイトハウスによる拒否権の恐れも考慮し、同僚議員にF-22の生産継続審議に反対票を入れるよう働きかけている。SASC委員長カール・レヴィン議員(民主 ミシガン州)と共和党重鎮のジョン・マケイン上院議員(アリゾナ州)が7月13日上院本会場において2010年度国防予算案の改正でラプター7機購入を取り消す案の通過をめざす意気込みを表明した。両議員は先月に委員会内で13対11の僅差でラプター追加生産案の通過をさせてしまっている。両議員が受け取ったオバマ大統領の書簡から大統領がF-22生産継続を求めるのであれば「いかなる法案も拒否する」としている点を引用している。

オバマ大統領の書簡では「これらの機体は不要」としている。本会議場での発言で、レヴィン・マケイン両議員はブッシュ前大統領、国防長官二名、統合参謀本部議長合計3名、現在の空軍長官と参謀総長の全員がF-22組立ラインの閉鎖を支持していると主張。法律上はF-22の海外輸出は先端性能を持つレーダーその他機材を理由として禁止しているが、日本とイスラエルが同機の取得に意欲を見せている。マケイン、レヴィン両議員は米国の装備上最も高性能の同機はイラク、アフガニスタンには一度も投入されていないことに注意を喚起した。これはゲイツ国防長官と同じ主張だ。

【生産継続推進派の勢力は強固】 しかし、ラプターの追加購入を支持する動きはサクスビー・チャンブリス上院議員(共和 ジョージア州)を中心に手ごわい勢力となっており、F-22生産でロッキードが全米40州の合計1,000社に生産を発注していることが大きい。F-22の最終生産はチャンブリス議員の出身州で行われている。

「今の段階では改正法案の通過に必要な票が足りません」とマケインは認める。ラプター増産を求める動きの強さを同議員も認めるものの、非常に高価な同機の生産続行を判断する基準は「雇用に求めるべきではない」という。レヴィン議員は改正案票決を7月14日と見ている。

【下院での動き】 下院では2010年度予算案に合計369百万ドルを追加してラプター12機の取得を始める内容を追加している。下院国防歳出小委員会は来年度予算案の票決を7月16日に予定している。小委員会の委員長ジョン・マーサ下院議員(民主 ペンシルバニア州)はF-22の生産ラインを当面は継続維持するのが望ましいと発言している。上院の国防支出法案はまだ上院歳出委員会内で検討されている。

2009年7月11日土曜日

日本にF-22が必要な理由


Japan Outclassed, ......

aviationweek.com

Posted by David A. Fulghum at 7/9/2009 3:00 PM CDT

日本のF-15J部隊はかつては最新鋭だったが、Su-30MKKのような「中国の新世代機に追い越されている」と前統合参謀本部議長リチャード・マイヤース空軍大将(退役)は本誌に発言している。さらに中国の防空網にはロシア製長距離SA-10、SA-20対空ミサイルが配備されており、これを突破できるのは高速、高高度飛行が出来るステルス機ラプターだけだ。

防衛省はこの問題を十分研究しており、同機の販売が米議会で承認された場合に備え、少なくとも省内ではF-22導入の「十分説得力のある戦術的根拠」を完成させている。マイヤースの見方ではラプターの高度技術を「信じられないほど忠実な同盟国」日本に渡すことに米空軍内に抵抗があるとしても孤立して障壁にはならない。

この議論が切実なものとなっているのは日本の永く延びる島嶼領土で緊張が高まっているため。最も近いところでは中国からわずか125から150マイルしかない。この距離となるとF-15レーダーの有効範囲56マイルでは不十分だが、ラプターの高性能レーダーなら対応可能だ。中国の新世代機にはJ-10があり、レーダーで探知しにくい巡航ミサイルを発射できる。また、仮に島嶼のいずれかが占領された場合には日本にも精密爆撃能力が必要だ。

ラプターが実現する制空権があって米軍の活動が成功することはあきらかだ。また、海外の空軍部隊なかんずく日本へのF-22販売を承認することで好機が訪れる、特に日本は同機に米空軍向け一機あたり価格(142百万ドル)の二倍(290百万ドル)を払ってもよいとしているのだから。おなじくイスラエル空軍関係者もF-22なら一飛行隊分だけでも、どんなに高価で小規模部隊だけに維持管理が大変であっても抑止効果を考えれば費用を出すのは惜しくないと言っている。

2009年7月10日金曜日

北朝鮮によるサイバー攻撃

Cyber Attacks Increasing, Effects Minor

aviationweek.com 7月9日


ワシントンの合衆国政府機関少なくとも三つの省庁のウェブサイトを利用できなくしたサイバー攻撃は北朝鮮によるものと見られる。技術的には今回の攻撃は軽微の影響にとどまるものの、今後の政策立案、経済運営また軍事訓練上に大きな影響を与えそう。

「詳細については触れませんが、今回のサイバー攻撃が個人によるものなのか国家的な策謀なのか重大な懸念をもっております。これまでサイバー防衛に多大の投資をしてきました。今回の事件で軍上層部に共通の課題となりました。」(マイク・マレン統合参謀本部議長)

「この分野の専門技術者を増やす必要があります。2010年度予算では将来に向けて総合的な対策を講じます。そこには非正規戦闘向けの投資に加え、サイバー世界向けもあります。今後はこれに多大の関心を向ける必要があると考えます。」(マレン議長)

今回のサイバー攻撃は韓国と米国政府それぞれのウェブサイトが攻撃の対象となった。サイバー攻撃は一般市民にはまだよく知られていない。今回の攻撃対象サイトが消えたことで、異常に気づいた者はごく少数。サイバー戦の戦略価値は少なく実際の損害の可能性も低いことを意味する。

ただ今回の結果からサイバーテロは脅威ではないので無視していいというわけではない。ウェブサイト、データを保全し、ネットワークを脅威から守ることが重要だが、このためには各サイト、ネットワークの所有者、運営者による整然として継続的な努力が求められる。今回の北朝鮮による攻撃の対象に国防総省は入っていなかったが、「本省はサイバー世界を常に精査しております。警戒態勢を高め、異常事態には適正に反応していきます」(マレン議長)

7月4日独立記念日の週末からシークレットサービス、連邦公正取引委員会、財務省、運輸省のサイトが断続的にダウンし、今週に入ってもサービスが停止している。今回の攻撃の直接の効果は大きいとは見られないが、三日間たっても停止状態が継続しているのはサイバー戦では異例に長いとしていいだろう。

2009年7月9日木曜日

ラクイラサミット関連? イタリアの国防新支出計画あれこれ




Italian Parliament Approving Procurements

aviationweek.com 7月8日


イタリア議会は懸案の防衛装備取得および開発の各案件を承認した。
【軍用ミサイル調達】 AGM-88E発達型対放射線誘導ミサイルとラファエル製スパイク-ER対装甲兵器の取得が認められた。両方にMBDA(ヨーロッパのミサイルメーカー)が関与する。イタリア軍は両方で合計1,000基を購入予定。財政事情のため、アメリカ製AGM-88E購入は今年度より開始し、2020年までを予定しているが、総額は195百万ドル程度と小さなもの。AGM-88Eは空軍の第50飛行隊で運用中のトーネード電子戦闘偵察機型に装備する予定。

【電子装備】 ラファエルとは別に契約の対象となるイスラエルの企業が電子メーカーのエルビットだ。2009年から12年にかけてエルビットとイタリアのエレットロニカの共同開発でELT/572 誘導赤外線妨害装置の開発予算65百万ユーロが承認された。同システムはイタリア軍のエアバスA319CJ VIP専用機ならびにKC-767A空中給油機に装備される予定。

【グローバルホーク配備】 議会はイタリアのNATOによる連合地上監視(AGS)への参加を承認する見込み。承認されれば、シシリア島のシニョレラ基地がAGSの主力となるノースロップ・グラマンRQ-4Bグローバルホーク無人機の集中配備先となる。イタリアの負担額は総額の12%、177百万ユーロとなる。

【画像衛星】 同様に予算がついたのがヨーロッパ多国籍宇宙配備画像システム(Musis)だ。イタリアの分担額は605百万ユーロで、このうち、228百万ユーロが国防省予算で残りはイタリア宇宙局(ASI)予算に計上された。イタリアのハードウェア担当は第二世代コスモ-スカイメド衛星2基の打ち上げで、2014年に打ち上げ予定。ASIが前面に出ているが、Musisの要求内容の原案は国防省によるもの。コスモ-スカイメドの最新版はタレス・アレニア・スペースが開発中で、ベルギー、フランス、ドイツ、ギリシャとスペインがその他のMusisパートナーである。

【イタリアの通信衛星シラクル】 その他として地上管制局合計三箇所をシクラル衛星通信ネットワークの支援用に建設する予算が承認された。テレスパツィオが各局を建設し、シクラルの主管制センター(ローマ郊外のヴィニャ・ディ・ヴァレ)を補完する機能も与えられる。この建設費用は15百万ユーロで2011年に完成予定。

コメント: ちょっとなじみのない語句が続きますが、普段アメリカばかりに目を向けている間にイタリアも得意分野の衛星利用システムでかなりがんばっているようです。勉強になります。(写真は上からMusis コスモ-スカイメド AGM-88E です) 

2009年7月7日火曜日

北朝鮮のミサイル発射の余波は



やはり7月4日に北朝鮮は実行に移しました。唯一の救いは大型のミサイルは発射しなかったことですが、同国は10日までを警告期間としています。

Japan Considering THAAD Missile Defense

aviationweek.com 7月6日

日本が「高高度広域防衛システム」(THAAD)を第三番目のミサイル防衛手段として導入する検討をしているとの公式のリークが7月4日の北朝鮮によるR-17ロケットとノドンロケットの発射に反応したものであるのは明らか。この記事を掲載した毎日新聞はTHAAD配備を3から4群あれば日本の弾道弾防衛には十分と報道している。

ロッキード・マーティン製のTHAADの有効距離は秘密事項であるが、毎日新聞の取材源は「100キロメーター以上」と発言している。これに対し、同じくロッキード・マーティン製のPAC-3は約20Kmでこれが第二番目の防御手段となる。第一番目に配備されるのがレイセオン製SM-3で「こんごう」型護衛艦4隻にイージス弾道ミサイル防衛システムの一部として装備されている。

【スカッドの改良型か】 7月4日の発射合計7発のうち、3基はスカッドER、2基が別型式のR-17で3基がノドンであった。北朝鮮が今回発射したのはソ連時代のR-17(スカッド)ミサイルの長距離改良型だと韓国からの報道がある。通称スカッドERの射程距離は1,000Kmで日本のほとんどに到達可能と朝鮮日報が報じているが、取材源は政府筋と思われる。これまでスカッドERは750から800Km到達可能と思われていたので相当の改良だ。

【新たな脅威に】スカッドERが1,000キロの射程を有するということはノドン以外に北朝鮮が小型で安価な兵器として日本に脅威を与えるものの出現を意味する。北朝鮮の保有する弾道ミサイルはR-17派生型が大部分であり、同ミサイルの生産と運用に同国がどれだけ手馴れているかがわかる。また韓国国防省によると発射精度も向上している。これまでの発射には失敗も見られたが、「今回は改善が相当進んでいる」と同省は見ている。

この結果、北朝鮮は韓国の特定の目標に相当の損害を与えることが出来ると判明し、通常弾頭でも指揮所・滑走路を破壊できると韓国政府関係者は評価していると東亜日報が伝えている。日本にとっても脅威度が高いのは同じだ。