2018年2月7日水曜日

★この装備はなぜ実現しなかったのか、配備されていたらどうなっていたか

The Navy Had a Plan to Build a Mini 'B-2 Bomber' To Fly from An Aircraft Carrier




February 1, 2018


兵器体系が消えるのにはいろいろな理由がある。登場時期が悪いこともあり、予算が厳しい状況とか取り扱い人員に難がある場合もある。あるいはペンタゴンの官僚主義の犠牲になったり、各軍の対立にまきこまれることもある。また発想そのものに難があり日の目を見ないこともある。同様に実は低性能の防衛装備が追及を受けずにそのまま居座ることもあれば、隙間の存在になり生き残ることもある。
この記事では正式採用されなかった装備五種類に脚光を当てるが、生き残っていれば相当に変身していたかもしれない装備もある。変身ぶりで戦争そのものの様相は変わらなかっただろうが(勝敗は技術だけで決まらない)、波及効果が国防産業全般に広がっていた可能性は考えられるし、米軍の戦闘の仕方や調達方法でも変化を生んでいたかもしれない。ただし以下のすべての装備が優れていたわけではなく、取り消しにはそれなりの理由が見つかる。


AH-56シャイアン:
1960年代はじめ、米陸軍はヘリコプター部隊の真価に気づき始めた。第二次大戦末期にヘリコプターは投入されていたが、朝鮮戦争で偵察や傷病兵搬送に広く使われはじめられた。機体技術が次第に発展すると高性能ヘリコプターで広範なミッションをめざした。
その花形になるはずだったのがAH-56シャイアンで画期的な設計で高速飛行と攻撃力の両立をめざした。シャイアンで輸送ヘリコプターの援護にあて、地上攻撃支援や単独攻撃を想定した。とくに推進機構がすぐれ時速275マイルをめざした。
だがそのシャイアンは自らの目標に倒れてしまった。技術が未成熟で初期試作型は問題の山に直面、墜落もした。空軍はシャイアン構想が気に入らず、陸軍が近接航空支援任務を奪うと疑った。空軍は固定翼攻撃機を提案しこれがA-10になったが、シャイアンをつぶすためだった。ヴィエトナム戦争で国防予算が厳しくなり、予算は戦闘継続に流用された。
シャイアンは制式化されなかったが、数年後に陸軍はAH-64アパッチを求めてきた。このためシャイアン取り消しは高性能攻撃ヘリコプター出現を遅らせる効果になっただけだが、アパッチは通常型機構の採用でシャイアンよりはるかに安全度が高い装備となったが、逆に陸軍航空戦力の発展性にブレーキをかける効果になった。


B-70 ヴァルキリー:
B-70ヴァルキリーにはオペラのような展開が似合う。当初B-52ストラトフォートレス、B-58ハスラーの後継機として想定されたB-70は高高度マッハ3でソ連防空網を突破する機体として企画された。先の大戦中の爆撃機攻勢を経験した「爆撃機マフィア」のお気に入りのB-70こそ空軍の将来像の象徴だった。
B-70は美しい機体で、むしろ宇宙船のような姿だ。試作機がデイトンの米空軍博物館に残る。


だがヴァルキリーはとても高価な機体でその値段が命取りとなった。まずアイゼンハワー大統領が、その後マクナマラ国防長官がICBMでソ連本国に核兵器を届ける性能が向上する中でこれだけの出費で重爆撃機を作っていいのかと疑問を呈した。ソ連の迎撃装備の性能向上さらに地対空ミサイルの登場でB-70の任務遂行は当初より危険になっていった。


わずか二機しか製造されず、しかも一機をPR撮影中に喪失し、空軍は生産を終了した。15年後にB-1Bが就役したが同機の特徴を残している。


B-70が空軍にどんな影響を与えていただろうか。極めて悪い影響しか思いつかない。戦略爆撃機を一種類増やして予算を使えば戦術航空機材やミサイル部隊にしわ寄せが行っていただろう。B-70をラインバッカーI、II作戦で北ヴィエトナム空爆させていたかもしれないが、B-52以上の戦果はあげられなかったはずだ。B-52とB-1Bがともに驚くべき柔軟性をミッション実施や改修で示したのは乗員がそれぞれ4名、5名と多いのも理由だが、ヴァルキリーは2名運用前提だった。実施していれば三十年間の深い穴を生んでいたはずの調達を取り消すことでマクナマラは空軍を救ったと言える。


A-12アヴェンジャー:
空母運用のステルス攻撃爆撃機があればどうなっていたか。1980年代中ごろに米海軍は愛されながらも脆弱性が目立ってきたA-6イントルーダー後継機種を模索していた。ステルス技術をもとにマクダネル・ダグラスはA-12アヴェンジャーを作った。亜音速「全翼機」爆撃機はまさにB-2スピリットの縮小版の趣だった。ステルスと空母運用に必要な柔軟性を組み合わせたA-12は他に例のない長距離攻撃能力を実現するはずだった。空軍もA-12に関心を示し、F-111アードヴァークの後継機に検討したほどだった。


ただし問題があった。初期ステルス効果への期待は楽観的すぎた。また改修で機体重量が増えた。出費もどんどん増えたが機体は一向に飛ばなかった。だが最大の問題はアヴェンジャーの設計製造サイクルが冷戦終結時になったことだ。国防予算緊縮で国防長官ディック・チェイニーはA-12を中止し低リスク事業を優先させた。


中止の影響は今も残る。高性能ステルス攻撃機のかわりに海軍はスーパーホーネットで手を打ち、改修を加えつつ供用中だ。ステルス機の必要からF-35Cが生まれたが、F-35事業は「大災難」と「歴史的大災難」の中間を漂っている。かりにF-35Cが使い物になっても、スーパーホーネット採用で長距離攻撃能力を断念してしまったことに変わりない。空軍はA-12と類似点の多い次世代爆撃機を開発中だ。A-12を葬って米海軍空母航空隊の能力は変質し、その影響はこれからも続く


将来型戦闘システムズ:
21世紀初頭に軍事革命(RMA)理論から陸軍n「将来型戦闘システムズ」が生まれた。ひとことでいえばRMA理論を近代戦に応用して精密誘導砲弾、高速情報処理、リアルタイム交信、全般的センサー性能を組み合わせて陸軍の戦闘方法そのものを変貌させようとした。将来型戦闘システムズは兵器、車両、センサーを組み合わせてあらゆる戦闘場面で殺傷力を決定的に高めようとした。陸軍はこのシステムでセンサーと砲を組み合わせたり、攻撃力を増進しながら被探知性を減らそうとした。陸軍は軽量ながら足腰の強い旅団が生まれるとFCSに期待した。
だがブッシュ政権が米陸軍をイラク戦に投入した。イラクではFCS開発に深刻な影響が生まれた。知的資源は戦闘にどう勝利するかよりFCSコンセプトを極限まで考えることに費やされた。戦闘から各種システムが生まれたがどれもFCSコンセプトに合う存在にならなかった。おそらく一番重要だったのは戦闘の進展でRMA理論に疑問が生まれたことで、非正規戦闘員が最先端技術を駆使する米軍に多大な損失を与えたことだ。


FCSはゆっくりと死に向かった。システムにシステムで対応する考え方は戦場で必要な装備を一つずつ整備するニーズに勝てなかった。陸軍はイラク、アフガニスタン戦で新旧装備取り混ぜて戦い、そこには将来の展望の入る余地はなかった。FCS構想の個別構成部品はまだ残っているが、構想は予算と軍の現実の前に屈服した格好だ。


制海艦:

超巨大空母数隻の代わりに海軍が小型空母の大量の建造に乗り出していたらどうなっていたか。第二次大戦中に英海軍、米海軍は護衛空母を大量投入し、対潜戦や上陸作戦の支援にあてていた。


1970年代初頭にエルモ・ズムワルト海軍大将が制海艦(SCS)構想を提唱し、小型空母で海上交通路をソ連の長距離攻撃機や潜水艦から守うろとした。超大型空母の建造費高騰と長年活躍してきたエセックス級空母の退役を受けてズムワルトは低コスト解決策として大型空母群の航空運用能力を一部割愛した形を想定した。護衛空母は大西洋の戦いで有益な働きを示し、制海艦も同様にNATO対ワルシャワ同盟の戦いで効果を上げると期待したのだ。


米海軍は構想をヘリコプター空母USSグアムで実証しようとしハリヤー戦闘機まで加えた。最終的に海軍は新型艦建造費と超大型空母建造へのリスクが出ることを勘案して構想を退けた。


ただしタラワ級ワスプ級の大型揚陸艦が制海任務に代わる存在になる。名称こそ強襲揚陸艦だが米海軍は制海艦を取得しており、もっと広い範囲の任務を与えているのだ。また他国に小型空母を建造させてSCSが想定した任務を任せればよい。英国、スペイン、イタリア、日本が本質的にSCS任務を果たすことになる。


制海艦を追い求めると海軍戦力構造の変更につながり、海軍航空兵力でも変化が生まれる。最大の違いは用兵思想で、制海艦で海軍航空部隊が国際安全保障に与える役割が変わっていただろう。小型空母で多様な任務に効果を生む能力でマハン流の大海軍から自由になれるかもしれない。また最新CVNの建造費が膨大になっていることから、SCS構想で海軍兵力投射の在り方も違ってくるかもしれない。


結論:
技術は疑いなく重要だが、個別の技術結果が戦術効果で決定的に有利になることはまれだ。むしろ、技術革新や技術要素の選択で軍事組織や広義の軍産複合体は戦争への対応が決定される。それぞれのシステムで画期的な組織上の役割や優先順の見直しがあってしかるべきだ。また各装備の取り消しで性能に大きな穴が開き、その穴を埋めるべく画期的な手段が必要となることが続いている。


選外:
USSユナイテッドステーツ級空母、USSモンタナ級戦艦、USSレキシントン級巡洋戦艦、B-49、F-23「ブラックウィドウ」、F-20タイガーシャーク。

Robert Farley is a senior lecturer at the Patterson School of Diplomacy and International Commerce. His work includes military doctrine, national security, and maritime affairs. He blogs at Lawyers, Guns and Money and Information Dissemination and The Diplomat. Follow him on Twitter:@drfarls.

2018年2月6日火曜日

1月29日中国貴州、陝西Y-8GX-3、12名死亡

先回お伝えした記事を訂正します。

Date:Monday 29 January 2018
Type:Silhouette image of generic AN12 model; specific model in this crash may look slightly different
Shaanxi Y-8GX-3
Operator:People's Liberation Army - Air Force - PLAAF
Registration:30513
C/n / msn:
First flight:
Crew:Fatalities: 5 / Occupants: 5
Passengers:Fatalities: 7 / Occupants: 7
Total:Fatalities: 12 / Occupants: 12
Airplane damage:Destroyed
Airplane fate:Written off (damaged beyond repair)
Location:Zhengchang, Suiyang County, Guizhou Province (   China)
Phase:En route (ENR)
Nature:Military
Departure airport:?
Destination airport:?
Narrative:

中国人民解放軍空軍(PLAAF)所属の輸送機(機機種未確認)が貴州省綏陽近くで山地に墜落した。
中国国防筋は情報提供をほとんどしておらず、機種は明らかではなかったが、現地映像で尾翼の登録番号が判明した。それによれば陝西Y-8GX-3の30513機である。Y-8GX-3は空中指揮命令所として投入中のY-8輸送機のECM装備搭載機で、原型はアントノフAn-12である。

中国筋によれば乗員5名と軍関係者7名が同機に搭乗していた。生存者はない。


シリアで化学兵器投入の兆候、ふたたびシリア懲罰攻撃が話題に上るのか

気になるニュースです。シリアで化学兵器が投入されているようです。昨年、懲罰的に米海軍がトマホークミサイルを撃ち込んだのですが、平気でうそをつく政権には何も答えていなかったようです。ロイター記事をビジネスインサイダーが掲載しています。



Disturbing video shows what Syrian rescue workers say is another chlorine gas attack

シリアで塩素ガス攻撃が再度実施された模様
Reuters
Chlorine gas Idlib Syria
シリアのイドリブ地方で塩素攻撃を受けた被害者。 Screenshot/Twitter via White Helmets
  • 救援スタッフや医師団によれば少なくとも9名がイドリブ地方のサラケブに投下された塩素ガスで負傷した。
  • 救援スタッフ、医師団は政府軍が塩素ガスを首都ダマスカス近郊ゴウタの反乱勢力拠点にも投入したと非難。1月に三回投下された。
  • ドイツ政府がイドリブ、東ゴウタでの化学兵器投入の完全調査を求めている。
リア北西部で化学薬品が空中投下され住民少なくとも9名が呼吸困難を訴えている。救援スタッフ、医師団が2月5日に発表した。
シリアアメリカ医療学会(SAMS)はシリア国内の病院運営を援助する慈善団体で所属医師団がイドリブで患者11名で「塩素使用を示す症状」ガ見つけたと発表。
ホワイトヘルメッツ民間防衛団体の化学兵器チームはロイターに9名中3名で「呼吸困難障害」が見つかったと伝えている。
化学ガスを封印したドラム缶二個が4日夜にヘリコプターから投下されたとも言っている。
シリア政府は化学兵器の投入を一貫して否定し、今年で8年目になる。
日曜日夜にシリアのイドリブ地方で反乱勢力が占拠する市町村で空襲が激化したが、前日に反乱勢力がロシア軍用機を撃墜しパイロットを殺害していた。
シリア大統領バシャール・アサドはロシア空軍力とイラン支援を受けた武装勢力に助けられシリア全土の統治奪回を目指している。シリア政府と支援勢力が北西部の反乱勢力支配地区に進軍を強めている。
英国に本拠を置くシリア人権監視団によればヘリコプター攻撃後に呼吸困難症状数件が見つかっている。
救援チームと医師団は政府軍が塩素ガスを首都ダマスカス近郊東ゴウタ地区の反乱勢力に投下したと非難しており、先月は三回の攻撃があったという。
シリアは2013年に化学兵器放棄で合意していた。国連と化学兵器禁止機関(OPCW)の共同調査はシリア政府が神経ガスサリンを使用し、塩素も兵器として数回使用したと二年前に突き止めた。イスラム国集団も硫黄マスタードを使用している。
ドイツ政府は5日にシリアがイドリブ、東ゴウタで化学兵器を使った事実を完全調査するよう求めた。「シリア政府が再度化学兵器を投入したと判明した。嫌悪すべき行為であり、道義上も化学兵器禁止義務違反として言語道断」とドイツ外務省が発表した。
国防長官ジム・マティスはシリア政府が繰り返し塩素を兵器使用しており、米政府はサリンガスの投入可能性を懸念していると先週発言した。■

これはまずい。シリア政府は昨年の米国の突然の攻撃から何も学んでいないのでしょうか。そもそも約束を守らないこと自体が信義上問題なのですが、世界には約束を約束として守らなくてもいい風潮があるのでしょうか。日本にはシリアは遠い世界の話と理解されがちですが、米ロがにらみ合い、イランの影が見え隠れする看過できない問題であることはあきらかです。多様な視点を維持しておきたいものです。

F-35Aが初の三沢基地展開、しかし生産のおひざ元には不安が残る

航空自衛隊三沢基地にF-35Aが到着しましたが、国内生産では思わぬ苦労もあるようです....


Japan base welcomes 1st deployed F-35A, but industry hiccups delay fighter’s supplies 日本基地に初のF-35A配備、しかし産業界は部品供給に苦しむ







1月26日、航空自衛隊のF-35A配備一号機が三沢基地に到着し、歓迎式典が開かれた。. (Staff Sgt. Deana Heitzman/U.S. Air Force)

By: Mike Yeo 
MELBOURNE, Australia — 日本がF-35AライトニングII共用打撃戦闘機を北方の国内基地に初配備した。
機体は青森県三沢基地に先週金曜日到着し、航空自衛隊が歓迎式典を開いた。式典では第三航空団司令鮫島建一空将補が「F-35Aにより防空力が向上し、平和と安全の確保に大きく貢献する」と述べた。
三沢基地には米空軍第35戦闘航空団も駐留しており、F-16ファイティングファルコン多用途戦闘機を運用する。航空団指令R・スコット・ジョウブ大佐Col. R. Scott JobeはF-35は「戦闘能力での大きな技術進歩のみならず米日関係でも大きな進展を意味する」とのべ、配下の部隊は「JASDFとの訓練で日本の安全保障をさらに確実にする」ことを期待すると述べた。
日本でF-35Aをはじめて運用するのは航空自衛隊第302飛行隊で現在はマクダネルダグラスF-4EJファントムIIを百里基地で運用中だ。同隊は三沢に移駐しF-35運用部隊となる。
日本はF-35Aを計42機発注しており、最初の4機はロッキード・マーティンのフォートワース工場で、残りの38機は三菱重工業の名古屋FACO(最終組み立て点検施設)で完成させる。FACOでの完成初号機は2017年6月に完成しており、同FACOは北アジア太平洋地区での重整備修理点検改修施設に認定されている。
日本産業界はすでに日本向けF-35の最終組み立て以外に各種部品製造に参加している。
ただし、日本製部品が実際には使用されていないとの報道があり、IHIはエンジン試作品で品質合格認証を受けなかった。米国協力企業からの素材提供が遅れず、三菱電機も協力企業との問題に遭遇したという。
会計検査院によれば日本側協力企業の製造工程に不完全な部分があることを防錆装備庁が見つけており、同庁に対して米政府と協力してF-35製造に必要な部品が納期通りに利用できるよう努力する旨伝えているという。■

民生部品とは全く異なる世界で苦労も多いと思うのですが、初期に苦労したほうが必ずいい結果に繋がりますので各社には奮闘をお願いしたいところですね。部品点数、機能、品質要求などMRJの比ではないと思います。

2018年2月5日月曜日

★中国のレイルガン(?)詳細写真と米海軍で広がるレイルガンへの冷めた目

This Is Our Best View Yet Of China's Ship-Mounted Railgun Prototype中国の艦載レイルガン試作品の詳細写真を入手The experimental gun system is impressive looking to say the least. 試験砲は少なくとも外観は立派だ 

CHINESE INTERNET
BY TYLER ROGOWAY FEBRUARY 1, 2018


国の072III型揚陸艦海南山に電磁レイルガン試作品らしきものが搭載されているとのニュースはいち早くお知らせしたが、新たに入手した写真で砲の詳細がわかるので再びお伝えする。
 最初に写真が出て一日たち、対象はレイルガンまたは何らかのハイブリッド試作砲であると意見がほぼ一致している。写真での砲体の大きさが既存兵装と一致せず、特に砲身が異常に太い。一番近いのが055型駆逐艦のH/PJ38 130mm主砲またはPLZ05 155mm 自走砲だがともに海南山艦上の装備とは相当異なる。
 他の可能性として大口径艦上臼砲があるが、砲塔の大きさ、砲身やその他付随装備の様子からあり得ない。とはいえ結論として自信をもってまだお伝え出来ない。
このレールガンに対する元PLA海軍装備開発関係者の見解
1.レールガン(中国語では電磁砲、レールガンとコイルガン両方含む)は海軍主導に開発されている、5,6年前に本格開発を開始
2.909型試験艦を使ってない理由は恐らく電力供給の問題、909型の発電量が不足で、試験の為に改修する工事量が多い pic.twitter.com/9DACPAux7q
3.072型揚陸艦を使う理由は、上記の2と同じ。072型の甲板は大きいで、幾つの発電設備を設置することも余裕、加之内部も大きいな格納庫を持っているからもっと多種の設備も設置可能。
写真に映る部品:甲板の左から制御装置、発電装置。艦橋の上に試験を観測するため新な観測室と設備を設置した。 pic.twitter.com/ysGYBzYnYT
(ツイッター翻訳。072型揚陸艦を利用する理由として上記2.の同艦の甲板が大きいことがあり、発電関連装備も配置できることがあげられる。また艦内に大きな格納庫があることも理由。写真でマークをつけているのは左から発電機、新設監視室及びブリッジの監視所)
 本当にレイルガンだったr中国がこの技術を海上運用できるまでになったのは実験としてもペンタゴンには警鐘だろう。ペンタゴンはかねてから中国の兵器開発や導入能力を過小評価してきたからだ。
 実験だとしても重要だ。米海軍はEMレイルガン開発に十年かけても実用化は今でものるかそるかの状態で、実用運用への成熟化の道は険しい。一回だけ海上試験を行っただけだ。
 2014年にレイルガンをスピアヘッド級高速補給艦で試験を2017年に行う決定が下されたが当時の海軍上層部は海上試験段階を省略したがっていた。当時水上戦総監だったピート・ファンタ大将はDefense Newsに2016年こう語っていた。
「実証のための実証は省略して早く実用装備を手に入れたい」
 最先端技術でありこの趣旨に疑問がつく。ペンタゴンは「並列」式の開発、テスト、生産に最近はまりこんでおり、レイルガンも同様の方法で実用化できると考えているとしたら笑止千万だ。
 上層部の期待と未成熟技術の現実を海軍は昨年体験したようだ。海軍レイルガン事業については2017年3月に本誌は以下伝えた。
 進展がこれだけしかないのに海軍は電磁推進主砲が実用化日程を2015年から変更していないと議会調査部は指摘している。海軍は2025年までに実用化できると期待している。さらに困難な要素が増える傾向があるが国会議員は成果を生まない事業には関心を示さないだろう。
 海軍は一定の進展を示したが、開発課題はまだ残ったまま、と言うのが議会調査局の所見だ。「課題克服には数年間かかり追加開発作業が必要で最終的に成功の保証はない」とある。
 技術課題の克服でめどがたたないため米海軍がレイルガンの夢から距離を置きはじめているとの報道がある。当方も海軍研究本部に真偽を確かめようと問い合わせたが返答がない。もし海軍がレイルガン開発を断念すれば海外での研究の進捗に大きく遅れを取りかねない。また別の疑問が生まれる。米情報機関は中国がレイルガン技術で突破口を開きそうと把握しているのだろうか。
 本件はペンタゴンに照会しているので返答あればお伝えする。■

だんだん風向きが厳しくなってきたレイルガンですがどうしても技術上の課題を突破できないのでしょうか。文字通り絵に描いた餅になるのか。では中国は何をしているのでしょうか。また米国以外の国が実用化し低島ったら大変なことになるのですが....

★なぜイスラエル空軍はF-35よりF-15新型機導入に傾くのか

Israeli Air Force Leaning Toward Upgraded F-15 Over F-35 for Next Fighter Jet Acquisition

イスラエル空軍が次期戦闘機取得でF-35よりF-15に傾く
The rapid aging of the IAF’s current fleet makes the new purchases necessary
IAF現用機材の老朽化で新規購入は待ったなしだ
Amos Harel Jan 29, 2018 8:07 AM


イスラエル空軍のF-15I https://www.airplane-pictures.net/photo/948831/267-israel-defence-force-mcdonnell-douglas-f-15i-ra-am


スラエル空軍(IAF)は数か月のうちにF-35追加調達かF-15Iの調達かを選択する。F-15Iは性能で劣るとはいえ長所も多い。
調達には参謀本部さらに省内委員会の承認が必要だが、空軍当局の提言がそのまま通るのが通例だ。
IAF司令官アミカム・ノーキン少将はF-15選択に傾いているといわれ、5月に提言がまとまる。
イスラエルとは米国とF-35の2個飛行隊用として50機購入で昨年合意しており、ロッキー・マーティンから2024年までに調達する。
うち、9機が納入されており、IAFは初期作戦能力獲得を宣言した。
IAF戦闘機部隊で老朽化が進んでおり、新規調達が必要だ。空軍は1970年代末導入の機材も供用中で改修を重ねてきたが用途廃止は避けられない。
ダボス世界経済会議でベンジャミン・ネタニヤフ首相がクロアチア首相アンドレジ・プレンコヴィッチにIAF保有のF-16をクロアチア空軍へ売却すると伝えた。イスラエルはF-16A/Bで最後まで残った飛行隊を昨年解隊しており、F-16C/Dでも買い手を探している。F-15もゆくゆく同様の対応になりそうだ。
第五世代戦闘機のF-35はIAFの次期主力戦闘機となる。
IAF上層部は同機の性能をべた褒めで、特にステルス性能を重視している。
だがステルスを発揮するためには爆弾は機内に搭載する必要があり、そのため搭載量が制約を受ける。機体外に搭載すればステルス機能が損なわれるためだ。
これにたいしてF-15は旧式だがF-35に対する利点が二つある。飛行距離が長く兵装搭載量が大きいことがあり、さらに運用機種を複数にできることだ。
F-15IはF-35より運航経費が低いが、ボーイングが性能改修を行っており購入価格は今後上昇すると見られる。そのためF-35と同等の価格水準になる可能性がある。
空軍内部の議論はF-35の第三飛行隊が必要なのかというより今すぐ必要なのかが中心だ。
F-15推進派はF-35第三飛行隊分調達を2020年代末まで遅らせるよう求めている。
イスラエルの決定は米メーカー側にも重要な意味をもつ。ロッキード・マーティン、ボーイングには30億ドル規模の商談だ。ボーイングはF-15製造ライン閉鎖を検討していたが、イスラエル発注が入ればラインを維持できる。またイスラエルが購入すれば同機へのお墨付きとなりその他国への販売に拍車がかかる。

期機材の次期複数年度事業調達は、現事業が終了する2020年以降に発効する。機体は米海外軍事援助制度を使い購入する。米国とイスラエルは2016年に10年間の援助合意に調印済みで来年から発効する。■

確かにF-35だけを戦闘機部隊に配備することはバランスが悪い話でもともとF-22導入を希望しながら売ってもらえなかったイスラエルの事情は日本とも似通ったところがあり、イスラエルが本当にF-15新規発注に動けば日本にも影響を与えそうですね。しかし一番喜ぶのはボーイングでしょう。

2018年2月4日日曜日

歴史のIF(4) 朝鮮戦争が北朝鮮勝利で終わっていたら

歴史のIF(4)は北朝鮮が朝鮮戦争で勝利を収めた世界です。日本は当然反共の砦として今より早く強力な軍事態勢を整備していたでしょう。そのため経済成長が遅れたかもしれません。現実の金日成は米軍侵攻に恐れて逃げ回り中国義勇軍に失望を与えていたといいますからそもそも勝利を収める資質はなかったのでしょうね。



What If North Korea Had Won the Korean War?

北朝鮮が朝鮮戦争の勝者になっていたらどうなっていたか



February 2, 2018


1950年の夏、朝鮮人民軍(KPA)が朝鮮半島で国連軍敗退の一歩手前までいった。だが釜山防衛線が辛うじて守られ、北朝鮮(DPRK)の完全勝利は実現できず、マッカーサーによる戦況を一変させるインチョン上陸作戦が続いた。もし北朝鮮軍が優勢のままだったらどうなっていたか。朝鮮半島はどうなっていただろうか。
北朝鮮はこうしたら勝利できた
 北朝鮮勝利は次の三つのいずれかの場合だ。まず米国が不介入決定していれば、KPAは韓国軍を打ち破り釜山を陥落させただろう。これで戦争は終わったはずだ。二番目に米軍国連軍が展開後、KPAが釜山防衛線を破り防衛体制が崩壊したら米国は厳しい選択を迫られ、インチョン上陸作戦の実施が問われただろう。三番目に1950年11月の中国参戦で前進中の国連軍は大打撃を受けた。中国攻勢が国連軍を敗退させPLAが半島を征服した可能性だ。
 いずれの場合も平壌が朝鮮半島を支配していただろう。米軍が釜山で敗退していればDPRKと米国に遺恨が残り、中国介入が功を奏していれば平壌は中国依存度を高めていたはずだ。ただここでは同じ扱いとしDPRKの政治経済面でのその後の進展を仮定する。
政治面
 平壌主導で朝鮮半島が統一されたら今日どんな様相になっているだろうか。今日の韓国、北朝鮮のいずれとも異なっていたはずだ。
 統一朝鮮は国際経済参入を中国やヴィエトナムより有利に行えていたはずだ。日本統治下で朝鮮に産業化が始まり、インフラ整備も進んだ。平壌が短期間で戦勝していれば、北は米空爆から無傷だったはずだ。DPRKは社会主義ブロックの一員として経済開発を有利に開始できUSSRやPRCの支援を受けていたはずだ。
 だが統一社会主義朝鮮は冷戦末期の中国やヴィエトナムのように国際経済に参入できたか疑問が生じる。金一族はもともと独裁者の血筋だが中国、ヴィエトナムもかつては頑迷で変化は無理と思われていた。ただし両国は経済の自由を受け入れある程度まで政治的寛容さも受け入れたがDPRK人民はこの自由を享受することはなかっただろう。
 中国、ヴィエトナムにも独裁者が居座っていたが金一族にはない自由がある程度まであった。両国とも内戦の勝者で統一後は外敵にすぐ侵攻される恐れはなかった。両国は長期計画でグローバル経済への参画を検討する中で国内の経済統制を緩めた。ここから経済高成長が生まれたが、DPRKにはこの経験はない。
 DPRKは内向きの独裁体制になっていただろう。金日成も戦勝していれば中国やヴィエトナム並みに未来を見通した政策を柔軟にとっただろうが、そのためにはイデオロギー上の柔軟性と想像力が必要でいずれも本人に欠落していた。金日成が国際貿易・投資から自国を完全に閉ざしていた事態は十分考えられる。
国際社会への影響
 統一朝鮮は社会主義圏各国の軍事援助をあてにしていたはずだ。現実の北朝鮮は武器輸出大国だが金日成が統一に成功していたら現在以上の輸出国になっていただろう。ソ連圏との関係で金一族は戦勝をモスクワと北京に感謝してもモスクワへの恩義の方を強く感じていたはずだ。中国と近いことで金日成は逆にソ連傾斜を強めた。ただ中朝関係は中国-ヴィエトナムほど悪化しなかっただろう。
 平壌にはいつも敵が必要で、植民地化された歴史のある日本は近い位置にあり、米国支配下の日本はうってつけの敵国で自らの統治を正当化できたはずだ。DPRKによる日本侵攻はありそうもなかったが、冷戦時の行動様式でスパイ活動、小規模襲撃や拉致は頻発しただろう。
米国への影響
 米国に敗戦は簡単に受け入れられない。中国内戦で毛沢東が勝利するとマッカーシーが米政治面で大きな影響を与えた。ヴィエトナム戦争で勝利できそうもないと分かると社会不安が広がった。韓国消滅を防げなかった場合、米国への影響は甚大だっただろう。
 国内では1950年代はじめの反共ヒステリアが悪化しただろう。トルーマンは共和党から共産主義に「弱腰」すぎると攻撃されていたはずだ。アイゼンハワーは戦争が終結して共和党内で自らのアピールがなくなり、もっと過激な候補が選挙に勝利していれば冷戦は現実より危険な様相になっていただろう。
朝鮮敗戦で米国は東アジアで防衛困難地点で対応強化に向かっただろう。ヴィエトナムが例だ。米国はフランス支援を強め、場合によってはディエンビエンフーへ部隊を送っていたかもしれない。また台湾の蒋介石支援を強め、中国のチベット支配へも積極策をとっていただろう。
結論
 南朝鮮は1953年の休戦後に困難な道をたどり、独裁政治を数十年経験する苦労の末に経済繁栄を勝ち取った。今日の大韓民国は強い経済に裏付けされた民主政体で国際社会の一員だ。平壌が戦勝しても韓国の業績をそのまま実現できなかったはずだ。米国でも朝鮮戦争敗退は面倒な結果になっていたはずで、波及効果はアジア全体に広がっただろう。結局、朝鮮戦争は手詰まりのまま終了したが国連軍が金日成の勝利を阻んだことで世界がより良い場所になったのは疑う余地がない。
Robert Farley is a senior lecturer at the Patterson School of Diplomacy and International Commerce. His work includes military doctrine, national security, and maritime affairs. He blogs at Lawyers, Guns and Money and Information Dissemination and The Diplomat. Follow him on Twitter:@drfarls.

Image: Reuters

主張:ICBMミサイル防衛は期待通りに機能していない。どうするか

US ballistic missile defense just doesn't work — but we keep spending billions and billions on it

米弾道ミサイル防衛は機能しない。でも巨額の予算をつぎ込んでいる
  • A man and a child watch as the Ground-based Midcourse Defense (GMD) element of the U.S. ballistic missile defense system launches during a flight test from Vandenberg Air Force Base, California, U.S., May 30, 2017. REUTERS/Lucy Nicholson   米弾道ミサイル防衛の地上配備中間段階防衛(GMD)が発射される様子を見つめる親子 Thomson Reuters
  • 水曜日のミサイル迎撃実験は失敗したが、直後に65億ドルを迎撃ミサイルに追加支出する発表があった
  • 米国は15年間でミサイル防衛に400億ドルをつぎ込んだが、信頼度の高い性能は実現していない
  • 弾道ミサイル防衛が核抑止力体制で複雑な要素で、防衛能力を認める意見もあるが実証は不可能


今週水曜日に米海軍のSM-3ミサイル迎撃実験が失敗したと発表があった。同ミサイルはレイセオンが開発した。
同日にペンタゴンは65億ドルで地上配備中間段階防衛システム(GMD)の迎撃ミサイル20発を調達すると発表した。これは米本土を北兆円やロシアのミサイル攻撃から守るのが目的だ。
だがGMDの実績は芳しくない。最近の成功で北朝鮮との核対決の恐怖が下がる効果が生まれたがテスト実績を見ると非現実的な内容が盛り込まれているという。
弾道ミサイル問題に詳しい憂慮する科学者連盟所属のローラ・グレゴとデイヴィッド・ライトの二名による論文ではGMDでICBMを撃破できたというが実際より遅い速度で想定軌道上でのことで実際の北朝鮮ミサイルがここまで望ましい条件で飛翔することはないと指摘。結論として現時点で信頼できる弾道ミサイルへの本土防衛体制はないとしている。
これは米国がこれまで15年にわたり400億ドル超を投入しての成果だ。
この期間にボーイング、レイセオン、ロッキード・マーティンの各社がBMDに関係し巨額の利益を享受したが、今もペンタゴンから契約を得ている。
まず、米国は短期ミサイルなら防衛能力がある。イージス搭載弾道ミサイル防衛駆逐艦は海上で追尾実績があり、防衛能力があるが、ICBMが対象では話が別だ。ペイトリオットミサイルが単距離ミサイルを迎撃して人命を救った実績があるが、話は誇張されて伝わりがちであり、虚偽の話も混じっている。

BMDは理論上の話だが400億ドルの価値があるのか。

hwasong 15 launcher
北朝鮮の弾道ミサイルの方が米ミサイル迎撃手段よりはるかに安価だ。 KCNA
ミサイル防衛は核抑止力の理論の中で複雑な役割を演じている。北朝鮮のような敵が相手なら、米国は10パーセント未満の確率で迎撃できるはずで、相手側に攻撃を断念させおうとしている。
だがもっと可能性が高いのは北朝鮮が米国を攻撃すれば10倍もの反撃を受けるため、北朝鮮が攻撃に踏み切っていないことである。
ただしBMDでこれまで抑止効果が生まれたのかでは全く不明で断言できる専門家もいない。確かなのは国防企業が潤ったことだ。
数十億ドルを負担してきた米国納税者はこの間に世界最大級の国防企業に富を与えてきたわけだが、今こそ問いかけをすべきだろう。いつになったら性能が実現するのか。またどうして今機能していないのか。■

This is an opinion column. The thoughts expressed are those of the author.