2020年10月29日木曜日

今度はPAK DA 戦略爆撃機の話題。どうやらステルスのスタンドオフ攻撃の機材になるらしいが、本当に実現するのか。

 


ロシアの軍事筋の発言では新型ステルス爆撃機の航続距離は12,000キロで最大ペイロードが25-30トンで亜音速飛行するとある。本当に実現するのだろうか。

 

シア航空業界が次世代爆撃機PAK DAの実現に向け尽力している。ロシアはステルス爆撃機技術でNATO加盟国に差をつけたいとする。

 

ロシア国防副大臣アレクセイ・クリヴォルチコがクラスナイアズヴェズダ紙にPAK DAは研究開発段階に入っていると昨年末述べていた。

 

今夏初めに国防産業筋がロシア報道機関タスに対し、PAK DA設計が完成したと述べている。「機体関連部品の製造は合同航空機会社(UAC)の工場で行う。製造設計の文書化が完成し、素材の搬送が始まった」

 

UACはPAK DA試作機製作にとりかかっている。2021年までに部材を発注し、小型部品の一次組立が完了するとタスは伝えている。さらに最近の報道ではコックピット部分の製造が進んでいるという。

 

 

またゴルブノフカザン航空工場が試作機のテストに使われる。同工場はTu-160M2の生産拠点でもある。ユーリ・ボリソフ副首相によればPAK DAは初飛行を2025年ないし20226年に行い、量産を2028年ないし2029年に開始するという。

 

大規模軍用装備品ではよくあることだが、試作段階で深刻な問題が出現し、試作型の製造日程が大きく変わることがある。ロシア長距離空軍司令のセルゲイ・コビラシュも無人型爆撃機を2040年までに調達したいとし、PAK DAを原型とするとした。

 

一方でソ連崩壊後のロシア機材の多くで近代化改装が進んでおり、実証済みのソ連時代の設計に兵装やエイビオニクスの新型が導入されているが、PAK DAは完全新設計の機体となるとロシア国防関係者は述べている。

 

PAK DAの詳細は謎のままだが、量産に入れば変更が生じるだろう。現時点でロシア軍事筋は同機の作戦行動半径を約12千キロ、最大ペイロードを25から30トンとし、速力は亜音速だという。ロシア航空宇宙軍(VKS)の司令官ヴィクトール・ボンダレフは2017年記者会見でPAK DA設計の重要なヒントを明かしていた。「ミサイル搭載爆撃機をレーダーに映らなくさせながら超音速飛行させるのは不可能だ。そこでステルス性能を重視した。PAK DAはAI誘導式ミサイルを搭載し、7千キロ先から発射できる。このミサイルは飛行中にレーダー周波数を解析し、方向を自ら決め、高度、速力を調整する。同ミサイルの実現に向け努力中だ」

 

PAK DAは戦略爆撃機としてペイロードとならび標的捕捉システム、兵装運用システムさらに敵地奥深くへの侵攻能力を重視し、速力や機敏な操縦性は二の次とする。「AI誘導式ミサイル」の詳細はまったくわからないが、射程7千キロで飛翔中に標的を偏向し、飛翔経路も変更できレーダー探知を逃れる。PAK DAは1950年代から供用中のTu-95大陸間爆撃機の後継機とされるが、Tu-160M2やTu-22M3M爆撃機の近代化改修とどう共存させるかも興味深い点である。

 

この記事は以下を再構成したものです。

PAK-DA: Russia's New Stealth Bomber Is Coming

October 28, 2020  Topic: PAK-DA  Blog Brand: The Buzz  Tags: PAK-DARussiaMilitaryTechnologyBomberStealthB-2

by Mark Episkopos

 

Mark Episkopos is the new national security reporter for the National Interest. 

Image: YouTube Screenshot. 


2020年10月28日水曜日

PAK-DPことMiG-41の開発を進めるロシア、性能が本当なら亜宇宙戦闘機としてミサイル防衛の要になるのか。

 

ッハ5級の戦闘機というとすごいが、設計図のまま終わるかもしれない。Su-57が量産に入ろうとする中、ロシアが次世代戦闘機の基礎技術作業に向かっている

第六世代ステルス迎撃機との触れ込みのPAK-DP別名MiG-41は現行のMiG-31「フォックスバウンド」迎撃機の後継機に期待されている。ミコヤン設計局長のイリヤ・タラセンコがロシア報道陣に2018年語ったところではMiG-41事業は「試験設計段階」に入っており、完成まであと10年とのことだった。もちろん「完成」と量産は異なる。PAK-DPの生産規模は不明だし、どこまで迅速に実現するかも不明だ。

 

最終設計は2019年末に決定し、PAK-DPはMiG-31のコンセプトをもとに製造するとタラセンコは2020年夏に述べていた。実現すれば相当の性能向上となり一気に30年分の技術が進展する。MiG-31は最高速度マッハ2.8だが巡航時は2.3がやっとだが、MiG-41は最高マッハ4から4.3、巡航速度がマッハ3と圧倒的な水準となる。最高速度はマッハ5になるとの見方もロシアにある。

 

MiG-41は超高度飛行を実現するといわれるが、詳細は不明だ。ロシア国防分野の専門家はPAK-DPは大気圏の末端を飛行すると見るが、タラセンコがロシア通信社のRIAノーボスチに同機に大気圏外飛行性能があると述べたのが原因のようだ。

 

 

以前の報道でミコヤンは無人機型PAK-DPの実現を目指すとあったが、実現の可能性は今のところないと見てよい。軍事技術に詳しいサミュエル・ベンデットは「既存有人機を無人機に改装するには技術課題が多く、投入すべき資源も多大となる。ロシアの高性能UAV技術はまだ十分ではない水準だ」とNational Interestに述べていた。

 

PAK-DPの装備品も不明だ。ロシア航空宇宙軍司令を務めたヴィクトール・ボンダレフが今年初めに記者団にMiG-41にR-37長距離空対空ミサイルはじめ、「完全新型ミサイル」も搭載すると述べていた。R-37は初期構想が1980年代で一線配備開始は2019年と長期の研究開発期間を経ている。MiG-41が量産に入る時点でR-37は旧式化しているはずだ。より近代的かつ極超音速の「R-37M」が開発中だが、MiG-41に搭載できるのか注目される。

 

ロシア紙イズべスティアによれば、MiG-41は「多機能長距離迎撃ミサイルシステムで極超音速ミサイルを撃破する」とあるが、このコンセプトでロシア地上レーダーあるいは早期警戒網で敵極超音速飛翔体を探知すれば、MiG-41が迎撃ミサイルを遠距離地点から発射するとある。このミサイルはその後二つの小型ミサイルに分離し、目標に正面から衝突して撃破する構想だ。ロシアの国防専門家ディミトリ・コレネフはこの装備で敵の極超音速兵器発射装置を先に攻撃するのだという。MiG-41の迎撃装備があればロシアのミサイル防衛体制が安泰となるが、そもそも同機でICBMを狙えるのか、それとも戦術極超音速ミサイルを対象にするのか不明だ。

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PAK-DPはロシアの戦闘機の頂点に立つ存在となるのか。しかし、その他ロシア製軍事装備品の例にもれず、現在入手できる情報は報道記事、業界の内部リーク、専門家の意見に限られる。PAK-DPがどう進化していくのか興味をひかれる。■

 

この記事は以下を再構成したものです。

 

Russia's Mysterious PAK-DP Stealth Fighter: 6th Generation Game Changer?

 

October 27, 2020  Topic: PAK-DP  Blog Brand: The Buzz  Tags: PAK-DPRussiaMilitaryStealthSu-576th Generation Fighter

by Mark Episkopos

 

Mark Episkopos is the new national security reporter for the National InterImage: YouTube Screenshot. est. 


2020年10月27日火曜日

F-15EXは米空軍にとって良い買い物。導入する初の同盟国はどこになるのか。

 

 

々が暮らすのは不確実な時代だ。世界規模のパンデミック流行や社会混乱が国境を越え広がる中、敵対勢力の脅威は高まっている。中国、ロシアのような超大国は大量資金を投入し軍備を整えながら、周辺国を不安にさせる演習を繰り広げている。米国は常に高性能技術を応用した兵器体系を整備し、抑止効果を実現してきた。それは今日でも変わらない。

 その中で必要なのは任務に常時投入可能な機体と人員だ。米軍の懸念は戦闘機部隊の老朽化だ。軍指導部は次世代制空戦闘機の実現を期待しているが、F-15EXがカギとなる機体だ。筆者はマクダネルダグラスでF-15のオペレーションズアナリストを務めていたので実証済みにの機体に高性能技術を盛り込んだF-15EXがこれからの脅威への対応で不可欠な機材になると断言したい。

 F-15EXはF-15系統で最新世代の機体だ。操縦性が向上し、飛行距離も伸びた。兵装搭載量も増えた。双発エンジンの冗長性でパイロットの生存性を高めながら、ミッションで威力を発揮する。F-15EXは米軍機材で初めて極超音速兵器運用が可能となり、スタンドオフ兵器として高い抑止効果が期待される。

 多様な任務をこなすF-15EXがF-35を補完し、強力な威力で将来の戦闘を抑止する効果を発揮する。ミッション解析でこの見方は証明されている。実戦でのイーグルの威力は他の追随を許さない。同盟国多数がF-15を供用中で一部国にF-15E導入の動きがある。

 

 

 F-15EXが即稼動可能なことが重要だ。イーグルの生産ラインは健在で効率よく機体を完成できるし、納入実績は圧巻だ。F-15EXは米空軍の既存設備をそのまま使えるので、追加支出を最小限に抑えれらる。さらに運用に必要な支援機材は9割がすでに空軍内にあり、予備部品の7割はF-15C/D用を流用できる。機材共通化でパイロットの追加訓練は大幅に不要となり、時間経費双方が節約できる。供用期間数十年を通じF-15EXは米空軍,納税者に生産、維持、運用通じ数十億ドル分の節約効果を実現するはずだ。

 米国の自由を可能としているのは軍事装備品の技術革新であり、新技術だ。大きく性能向上し近代化されたF-15EXは新世代戦闘機の一部であり、今日、そして将来の米空軍力の大きな柱となる。

 不確実で課題が山積するからこそ我が国は最良の装備品をそろえる必要がある。海外で軍事脅威が現実となれば、F-15EXがわが方の部隊の男女を守り、最高レベルの任務遂行を可能とする。これで納税者の投資が報われる。■

 

この記事は以下を再構成したものです。

 

The F-15EX Is Just What the Air Force Needs

October 26, 2020  Topic: Security  Blog Brand: The Reboot  Tags: Air ForceF-15EXF-35Military

by Paul Korkemaz

 

Paul "Korky" Korkemaz is a former Operations Analyst at McDonnell Douglas. He worked on the Advanced F-15 program and also served in business development and program management as an executive at Honeywell and Sabre Systems.


2020年10月26日月曜日

韓国が導入したばかりのRQ-4グローバルホーク2機で欠陥が見つかった。

 A Global Hawk High Altitude Unmanned Aerial Vehicle moves at an Air Force base in Sacheon, South Gyeongsang Province, in this file photo dated June 22, 2020. (Yonhap)

韓国の高高度無人偵察機グローバルホークが慶尚南道サシェオン空軍基地で移動中。 June 22, 2020. (Yonhap)


国は米国から購入したRQ-4グローバルホーク偵察機のうち2機に欠陥部品があることを確認したと関係者が10月21日に明かした。


1機の着陸装置でオイル漏れが発見され、別の1機ではコアコントロールセンサー関連の問題が検出されたと、匿名条件の関係者が報道陣に語った。▼国防筋によると、韓国軍当局は、この問題について、製造元ノースロップ・グラマンと協議中だという。


韓国は2011年、RQ-4ブロック30グローバルホーク4機の導入で9,659億ウォン(8億4700万米ドル)相当の契約に署名した。初号機は昨年12月に到着し、二号機の納入は9月に完了した。▼納入時に欠陥があったのか、運用中に発生したのか確認されていない。▼韓国軍は準備作業を経て、来年後半から配備開始したいとする。▼「目標時期までに通常運用への移行には問題はない」と空軍関係者は述べたが、詳細は明かさなかった。■


この記事は以下を再構成したものです


Defect found in Global Hawk drones bought from US: official

All News 22:31 October 21, 2020


2020年10月25日日曜日

トランプ再選が現実へ。メディアや技術系大手の支配に不満を持つ底流がトランプに追い風の選挙戦終盤。地下室にこもるバイデンが当選する可能性は。

 


2016年大統領選挙はドナルド・トランプの勝利に終わったが、政治論評専門家の大部分が予測できなかった。2020年も同じ過ちを冒しそうだ。ただし、ワシントンの専門家はトランプ落選を言い続けている。


首都のメディア、政界のエリート層はバブルの中で暮らし、メディア自身が平等な報道を放棄し、ジョー・バイデン応援に走る中、大手技術系企業がトランプの話題を検閲して過ちが一層深刻になっている。


この過失に加え無視の姿勢をとってきたため大統領へ好意的な世論が生まれているのを見落とし、バイデンへの偏向姿勢のままだ。だが選挙戦の最終段階でバイデンはトランプの後塵を拝している。


現職大統領に追い風の世論は現実だ。選挙の二大原則はより熱気ある候補が勝利すること、強力な二番手が勝利することだ。


トランプを取り巻く熱気には間違いの余地はない。同候補の選挙集会の盛会ぶり、傲慢な報道記事への自信たっぷりの姿勢、実際に執務してきた実績は現実で、4年間にわたる政治戦を生き抜きながら元気あふれた戦士のままだ。


対照的なのがバイデンでかろうじて選挙運動と呼べる程度に過ぎない。バイデンが公の場に姿を現すのはわずかで、登場しても聴衆は少ない。さらに運動を休む日も多い。自宅地下で過ごすことで本人は弱み、勇気の欠如を示しており、軍で重視する「指揮官のプレゼンス」の真逆であり、国民が最高司令官に期待する姿にも反している。


また主流メディアがバイデンに迎合した結果、本人は重要な選挙運動終盤で準備不足となった。ハンター・バイデンが中国、ウクライナの未登録利益代弁者となっている噂は以前からあり、バイデン自身の認知症の話題もある。メディアはともに真剣に報道せず、むしろ隠ぺいしていると言ってよい。大手メディア、技術系大企業がこうした話の流布を懸命に防止しているが、有権者も知るところになってきた。


さらに自身の政策内容のまずさがある。10月22日討論会でバイデンは化石燃料を最終的に全廃し、オバマ政権時の中央計画体制を再開すると公約したが、以前の実績では「クリーンエナジー」に5億ドルをつぎ込んでも成果が得られなかった。気候変動を錦の旗にした新宗教といってよい風潮の中、電気料金、食品価格、公共料金、さらに住宅価格すべてが上昇した。また環境改善に使うべき資源を別の使途に回してしまった。


バイデンが当選すれば、中国、イランに厳しい態度をとるトランプの政策、北朝鮮やロシアとの対話路線、さらに中東での戦闘再発の防止といった政策を逆転するだろう。また19年目に入ったアフガニスタン戦の終結に苦しむワシントン周辺の安全保障エスタブリシュメントをそのまま黙認する大統領になる。台湾のような重要同盟国に冷たい対応になりそうだが、精力が枯れ方向性を喪失していたヨーロッパの外交チャンネルには新たな息ぶきとなろう。


バイデンは国内で堂々と我が国を罵倒し、レイシストと非難する向きに力を与えるとも公約している。米国の実力主義ならびにマーティン・ルーサー・キングが夢見た人種差別のない社会のかわりに政治で左右される社会、差別や人種に基づく社会に置き換えようとしている。アメリカが「制度になっている人種差別」で苦しんでいるとの本人発言は2020年最大の虚偽で、これを繰り返している。


経済封鎖とともに国民に家庭に閉じこもりコロナウィルスと戦うよう求める本人の意向とともにこの主張が選挙戦最終段階で最大の過誤となりそうだ。経済ならびに精神の閉鎖に多くの国民が反対している。また反対ですまず激怒している向きもある。


こうした国民からすれば憲法が認める国民の権利を侵害し、家に残れ、教会に行くな、静かな抗議もするなと言われれば困惑するしかない。しかも麻薬や酒類の入手に外出するのは良い、左翼の抗議活動は認めるというのだ。国民は民主共和両党の政治屋に辟易としており、実際に両党ともこの国の歴史を物語る銅像を堂々と引き倒した狼藉を働いたものを放置している。政界は学問の世界に悪影響を与えたマッカーシズム反共主義が復活するのを恐れているのだ。信じられない向きはスコット・ティプトン上院議員に尋ねてみるがいい。トランプ支持の共和党コロラド州現職は予備選で熱気にあふれた保守派ローレン・ボーバートに敗退したが、ボーバートは銃所有の権利を主張し、閉鎖命令を無効と主張した。


たかが選挙区一つの話題だが、底流にある感情は広く拡散しそうだ。またバイデンが最高裁判事の定数と新たな州を認め上院議員定数も増やそうとしているとの猜疑心は前からあるが、さらに勢いをつけそうだ。


2020年に左翼勢力が繰り広げた文化革命が4年間続くのを期待する有権者はごくわずかだ。トランプには追い風が吹いており、二期目確定に向け強いまま選挙戦が終わろうとしている。■


この記事は以下を再構成したものです。世論調査と称するものを金科玉条とする日本メディアは最初からトランプ当選の目はないとみているようですね。4年たってもまったく反省がないということでしょうか。そもそも公平な報道というコンセプトが幻想に過ぎないのでは。また堂々と党派の一方を支援してもなんの咎めもない米メディアの姿は日本の同業者にどう映っているのでしょう。11月3日の投票日ですぐ結果が出てこないのではとの予想もありますが、結果が楽しみですね。


Why Trump Won in 2016 Is Why He Will Win in 2020

October 24, 2020  Topic: Donald Trump  Blog Brand: 2020 Election  Tags: Donald TrumpJoe Biden2020 ElectionElection2016 Election

by Christian Whiton


Christian Whiton, a senior fellow at the Center for the National Interest, is the author of Smart Power: Between Diplomacy and War. He was a State Department senior advisor during the George W. Bush and Trump administrations.


2020年10月24日土曜日

米海軍と合同演習を実施した航空自衛隊F-35Aは、いずも級空母の登場前に海上航空作戦の知見を深めている。米艦に空自F-35Bが搭載される日が来そう。

 

U.S. NAVY/MASS COMMUNICATION SPECIALIST SEAMAN MATTHEW CAVENAILE

USSアメリカ(LHA-6)上空を飛行する航空自衛隊所属のF-35編隊October 20, 2020.

上配備の日本F-35A編隊が米海軍の新鋭強襲揚陸艦USSアメリカ(LHA-6)と「高度連合作戦」演習を2020年10月20日西太平洋で実施し、統合防空演習に日米両国の部隊が参加した。

USSアメリカ発表では今回の演習の狙いは「戦術対応力とともに、米遠征打撃集団と日本航空自衛隊の海上での共用作戦体制を強める」ことと発表。なお、同艦は日本が母港で西太平洋地区で作戦を展開している。▼「六十年間にわたり日米同盟はインド太平洋の安定と安全の基礎となってきた。自衛隊ほど強力なパートナーは世界にない。ともに訓練を重ね相互作戦能力を強め、両国の統合能力を強化していく」とUSSアメリカ艦長ルーク・フロスト大佐がコメントしている。」▼「訓練はとても良い機会になった」と航空自衛隊第三航空団飛行隊司令の野村真一一佐も述べている。「他軍部隊との演習は相互作戦能力向上に不可欠だ」

発表された写真で航空自衛隊の通常離陸型(CTOL)F-35A2機が2020年10月20日の演習に参加していることがわかる。▼短距離離陸推力着陸型(STOVL)のF-35Bが日本に配備され、いずも級空母に搭載される日が来る。日本はいずも級を当初ヘリコプター駆逐艦と称していたが、実態は軽空母だ。▼今年はじめに米国務省はF-35B合計42機の日本向け売却を承認した。日本が合計147機のライトニングIIを導入すると米国に次ぐ規模のF-35運用国となる。

そこで日本のF-35Bは米海軍の強襲揚陸艦や海兵隊F-35Bと共同作戦の機会が増えそうだ。合同訓練で日本はいずも級空母二隻の運用開始から技量を獲得できる。▼ヨーロッパでは米海兵隊F-35Bが英海軍空母HMSクイーン・エリザベスへ搭載され、来年にも作戦展開を始める。海兵隊機材で英海軍は固定翼機兵力が強化され、米海兵隊は英海軍とSTOVL運用の知見を共有できる。▼同様の取り決めができれば日本のF-35Bが米海軍強襲揚陸艦に搭載され海兵隊機材と運用可能となる。

日本側も米海兵隊との共同運用に前向きだろう。海兵隊は「ライトニング空母」構想を検討中で、これはF-35搭載を増やして強襲揚陸艦を軽空母として運用するものだ。航空自衛隊パイロットは海軍部隊の防空任務海上制圧任務にF-35を使う知見を今回の演習で得たはずだ。

今回の演習は中国の軍事力が存在感を増す中で、日米の海軍協力関係が強化される背景で実施された。今夏はオーストラリアを加えた三カ国が演習を実施していた。▼演習は日本のF-35部隊が米海軍強襲揚陸艦で運用される可能性ともに日米両国が中国の軍事プレゼンス強化をしり目に一層複雑になる太平洋で共同運用を強める姿を如実に示している■

この記事は以下を再構成したものです。

Japanese F-35As Train With USS America As Tokyo Looks Toward Its Aircraft Carrier Future

 


2020年10月22日木曜日

ロッキードの極秘案件が急増中。NGAD試作機も同社が製造か。デジタルエンジニアリングで大幅に工期短縮。次に何が出てくるのか楽しみだ

 Lockheed Martin's Advanced Development Programs facility in Palmdale, California.

 

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空軍が先月存在を明らかにした新型極秘戦闘機はロッキード・マーティンが開発したのか。

 

同社幹部は軍関係の極秘案件が増えていると匂わせており、秘密の壁に囲まれたスカンクワークスがあるカリフォーニア州パームデールに新たなビルが建設されたほどだ。また同社の航空関係で収益が増加中との報告もある。その高度技術開発事業から伝説のスパイ機U-2、SR-71さらにF-117ステルス攻撃機が生まれた。

 

「高性能技術開発事業含むスカンクワークス事業は二けた成長」とロッキードCFOケン・ポセンリードがウォールストリートのアナリスト陣向け四半期営業報告で述べた。

 

米空軍は9月に次世代制空戦闘機の試作型が完成し飛行に成功したと明らかにした。空軍はデジタルエンジニアリングを駆使したとするが、それ以上の内容は明らかにせず、製造企業は不明だった。極秘の同機開発はオバマ政権末期にはじまったと言われる。

 

ポセンリードは発表の席上、航空部門で最高度の優先順位がついた極秘事業について語った。

 

「これは当社が大胆な提案で勝ち取った案件だ。その成果には満足している」と自身も2016年から2019年まで航空事業部門にいたポセンリードが述べている。

 

営業報告の席上、ポセンリードは「航空部門の極秘事業に大きな機会が見られる」とし、同社は極秘事業用にビル一棟をパームデールに建設し、「この事業に大きな関心を示す顧客が存在する」と述べた。

 

2019年にロッキードの航空部門は2020年の1月から9月間までで売り上げ196億ドルを計上した。同社は設備投資17億ドルをしているとポセンリードは明らかにした。「今後も設備投資を続け当社の中核事業につながる実力を涵養する」とロッキードCEOジム・テイクレットも席上で発言した。「極秘案件での今年の支出は航空部門、宇宙部門にまたがり、短期間で増加している。今後も重要な投資を続けていく」

 

極秘案件が増えているのは航空部門に限らない。同社の宇宙、ミサイル、火器管制の各事業部も極秘案件で売り上げを伸ばしている。

 

このうちミサイル部門は極超音速兵器開発に取り組んでおり、宇宙部門、航空部門はそれぞれポセンリードが「大型極秘案件」と呼ぶものに関与しており、開発はまだ途中だ。

 

「今後4,5年たつと限定規模生産が始まり、その後フル生産に入る」とポセンリードは思わせぶりな発言をしている。


この記事は以下を再構成したものです。これから何が出てくるのか楽しみですね。


Is Lockheed Building the Air Force’s Secret Fighter?

Lockheed Martin's Advanced Development Programs facility in Palmdale, California. 

 

Executives drop some not-so-subtle clues.

 

BY MARCUS WEISGERBER

GLOBAL BUSINESS EDITOR

OCTOBER 20, 2020

 


2020年10月21日水曜日

トランプ再選への道、10月22日の大統領選挙討論会で安全保障がついに取り上げられるとバイデンは.....

 https://www.reutersconnect.com/all?id=tag%3Areuters.com%2C2020%3Anewsml_RC25JJ9AXJS1&share=true

 

国の有権者はトランプ-バイデン両候補がどこに優先順位を置いているのか知りたいはずだ。

10月8日の副大統領討論会では数回言及されたが、ドナルド・トランプとジョー・バイデンの討論会では、誰が中国共産党の手先で誰が手先ではないかという恥ずかしい光景を除き、外交政策は大きな争点になっていない。アメリカ国民がグローバルな話題に最も近づいたのは、民主党副大統領候補のカマラ・ハリスが、外交政策は人間関係がすべてと30秒ほど発言をした際だった。バイデン大統領が実際にどう外交を行うかよりも、バイデン大統領がトップ外交官にだれを選ぶかの想定についての報道が多い状況だ。

 

確かに、アメリカ人は通常、外交政策をもとに投票することはない。コロナウイルスが毎週何千人ものアメリカ人を殺しており、景気回復が失速し始めているため、外交政策は今年の選挙では重要要素ではないのだろう。しかし、米国の国境外の問題について候補者間で対話が欠如したことには、悩ましいものがある。米国大統領は、軍の最高司令官でもある。アメリカ国民には、不安定化する中国との関係をどう管理するのか、軍事力の行使はいつなら適切なのか、どのような外交協定を結ぶのかについて、トランプ-バイデン候補間で実質的な議論を期待していいのではないだろうか。

 

幸い、今週木曜日の大統領討論会でやっと国家安全保障が話題となる。アメリカ国民は今後4年間のアメリカの外交政策について各候補者がどんなビジョンをもっているのか少なくとも数分間見てもらいたいものだ。とはいえ司会者が適切に質問しないと、時間が無駄になるだけだ。

次の3つの質問が、アメリカ有権者の選択に直結する。

 


1. 両候補ともアメリカ最長の戦争を終わらせると約束しています。どのように実現するつもりか説明してください。

 

トランプ-バイデン両候補はともに平和を実現するとして立候補している。前者は、米国の何の役にも立たず、安全保障上の利益がほとんどない中東での戦争に貴重な人命とドルを浪費しているとずっと苦言を呈してきた。後者は、アフガニスタンとイラクでの永遠にも思える戦争を終了することを彼の大統領選挙運動の初期に誓った。

 

しかし事実は各候補者の主張ほど明確ではない 先月もシリアに大量の米軍が配備されている。中東での米軍損失を削減するというトランプ氏の主張にもかかわらず、今日、この地域に約6万から7万の米軍が駐留している。バイデンは、各紛争からの撤退について大げさに話すが、テロ対策のための米軍の小規模な残留も推奨している。

トランプ-バイデン両候補は、こうした矛盾に対処する必要がある。トランプ大統領は、米軍が関与してきた紛争のいずれも終わらせていない理由を説明する必要がある。そしてバイデンは、アフガニスタン、イラク、シリアで米軍の小規模なプレゼンスを維持すれば各国から米軍を撤退する自身の公約に合致することになるのか説明する必要がある。

 

2. もし当選したら、外交政策の最優先事項は何でしょうか?

 

この質問は基本的だが、アメリカ人は次の最高司令官がどの問題を最も緊急と考えているのかを知る権利がある。この単純な事実のために、この質問をするべきだ。それは、トランプ-バイデン両候補の違いが明白になり、両候補者を第一の原則に戻すだろう。また、それぞれが使用する予定のツールがヒントを提供する可能性を秘めている。

 

3. お二人とも、外交政策で重要な一票を投じ、国家安全保障に関し重要決定を下した経験があります。過去に戻ってやり直す機会があるとしたら、どの失敗を対象にするでしょうか?

 

これは、両候補者を守勢に立たせるた質問だと解釈する人も出るだろう。しかし、質問の真意は、両候補に内省させることにある。政策立案者や意思決定者に完璧な人はいない。両候補とも後悔はあり、時間を遡れるのなら別の選択をしたいと願うはずだ。バイデンは2002年のイラク戦争承認投票について以前語っており、ジョージ・W・ブッシュ大統領の言葉を信用していたのは判断の誤りまでと認めている。トランプは, 意外にも, 後悔とは無縁だ。この質問を強要すると、壇上の二人は不快な問題に直面することになり、アメリカ国民は、自分の過ちから学ぼうとしているのはどちらか、区別するのに役立つだろう。

 

全国世論調査ではジョー・バイデンがトランプ氏に対して大きな差をつけているが、世論調査は以前間違ったことがあった。バイデン選対が先週表明したように、2020年の大統領選挙は予想外に厳しいものになる可能性が高い。2週間後の当選者は、すぐ対応すべき項目をリストアップしてホワイトハウスに入ることになるだろう。国家安全保障が軽視されては国民がたまらない。■

 

この記事は以下を再構成したものです。


Trump vs. Biden: 3 National Security Questions for the Next Presidential Debate

 

October 20, 2020  Topic: Presidential Debate  Blog Brand: The Skeptics  Tags: Joe BidenDonald TrumpPresidential Debate20202020 ElectionForeign PolicyIranForever WarsChina

by Daniel R. DePetris 

 

Daniel R. DePetris is a columnist for the Washington Examiner and a contributor to the National Interest.    

Image: Reuters