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今度はPAK DA 戦略爆撃機の話題。どうやらステルスのスタンドオフ攻撃の機材になるらしいが、本当に実現するのか。

 


ロシアの軍事筋の発言では新型ステルス爆撃機の航続距離は12,000キロで最大ペイロードが25-30トンで亜音速飛行するとある。本当に実現するのだろうか。

 

シア航空業界が次世代爆撃機PAK DAの実現に向け尽力している。ロシアはステルス爆撃機技術でNATO加盟国に差をつけたいとする。

 

ロシア国防副大臣アレクセイ・クリヴォルチコがクラスナイアズヴェズダ紙にPAK DAは研究開発段階に入っていると昨年末述べていた。

 

今夏初めに国防産業筋がロシア報道機関タスに対し、PAK DA設計が完成したと述べている。「機体関連部品の製造は合同航空機会社(UAC)の工場で行う。製造設計の文書化が完成し、素材の搬送が始まった」

 

UACはPAK DA試作機製作にとりかかっている。2021年までに部材を発注し、小型部品の一次組立が完了するとタスは伝えている。さらに最近の報道ではコックピット部分の製造が進んでいるという。

 

 

またゴルブノフカザン航空工場が試作機のテストに使われる。同工場はTu-160M2の生産拠点でもある。ユーリ・ボリソフ副首相によればPAK DAは初飛行を2025年ないし20226年に行い、量産を2028年ないし2029年に開始するという。

 

大規模軍用装備品ではよくあることだが、試作段階で深刻な問題が出現し、試作型の製造日程が大きく変わることがある。ロシア長距離空軍司令のセルゲイ・コビラシュも無人型爆撃機を2040年までに調達したいとし、PAK DAを原型とするとした。

 

一方でソ連崩壊後のロシア機材の多くで近代化改装が進んでおり、実証済みのソ連時代の設計に兵装やエイビオニクスの新型が導入されているが、PAK DAは完全新設計の機体となるとロシア国防関係者は述べている。

 

PAK DAの詳細は謎のままだが、量産に入れば変更が生じるだろう。現時点でロシア軍事筋は同機の作戦行動半径を約12千キロ、最大ペイロードを25から30トンとし、速力は亜音速だという。ロシア航空宇宙軍(VKS)の司令官ヴィクトール・ボンダレフは2017年記者会見でPAK DA設計の重要なヒントを明かしていた。「ミサイル搭載爆撃機をレーダーに映らなくさせながら超音速飛行させるのは不可能だ。そこでステルス性能を重視した。PAK DAはAI誘導式ミサイルを搭載し、7千キロ先から発射できる。このミサイルは飛行中にレーダー周波数を解析し、方向を自ら決め、高度、速力を調整する。同ミサイルの実現に向け努力中だ」

 

PAK DAは戦略爆撃機としてペイロードとならび標的捕捉システム、兵装運用システムさらに敵地奥深くへの侵攻能力を重視し、速力や機敏な操縦性は二の次とする。「AI誘導式ミサイル」の詳細はまったくわからないが、射程7千キロで飛翔中に標的を偏向し、飛翔経路も変更できレーダー探知を逃れる。PAK DAは1950年代から供用中のTu-95大陸間爆撃機の後継機とされるが、Tu-160M2やTu-22M3M爆撃機の近代化改修とどう共存させるかも興味深い点である。

 

この記事は以下を再構成したものです。

PAK-DA: Russia's New Stealth Bomber Is Coming

October 28, 2020  Topic: PAK-DA  Blog Brand: The Buzz  Tags: PAK-DARussiaMilitaryTechnologyBomberStealthB-2

by Mark Episkopos

 

Mark Episkopos is the new national security reporter for the National Interest. 

Image: YouTube Screenshot. 


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